レビュー

“2in1+外付けGPU”で遊び方自由自在! ASUS「ROG Flow Z13」レビュー

ASUS JAPANは2022年2月17日、ゲーミングPCの新製品として、「ROG Strix」「ROG Zephyrus」「ROG Flow」「ASUS TUF Gaming/TUF Dash」の4シリーズ16製品を発表した。いずれも最新のCPUとGPUを搭載し、Thermal Grizzly社製の液体金属グリスなど同社独自の冷却機能「ROG インテリジェントクーリング」を備えた高性能なモデルだ。今回は16製品の中でもひときわ個性的な「ROG Flow Z13」のレビューをお届けしたい。

着脱式(デタッチャブル)キーボードが付属する2in1ゲーミングPCのROG Flow Z13。13.4型の液晶ディスプレイを搭載する本体はタブレット端末として利用でき、裏側のキックスタンドを使って画面の角度を調整できる

着脱式(デタッチャブル)キーボードが付属する2in1ゲーミングPCのROG Flow Z13。13.4型の液晶ディスプレイを搭載する本体はタブレット端末として利用でき、裏側のキックスタンドを使って画面の角度を調整できる

“2in1+外付けGPU”で、さまざまな使い方&シーンに対応

ROG Flow Z13は13.4型の液晶ディスプレイを搭載する2in1ゲーミングPC。以前、紹介した2in1ゲーミングPC「ROG Flow X13」(2021年モデルのレビューはこちら)はディスプレイが回転するいわゆるヨガタイプだったのに対して、今回のROG Flow Z13は着脱式キーボード付きのタイプだ。ROG Flow X13と同様、外付けタイプのGPU(eGPU)「ROG XG Mobile」(別売)を装着して、GPU性能をパワーアップすることもできる。

この2in1という形状と、外付けGPUとの組み合わせにより、さまざまな使い方ができるのが、ROG Flow Z13の真骨頂。キーボードではなく、コントローラーでゲームをしたり、タッチ主体のゲームをしたり、いろいろな遊び方ができる。さらに、外付けGPUを使ってヘビーな大作ゲームを楽しんだり、デュアルディスプレイで動画を編集したり、多彩な使い方ができる。

着脱式キーボードを取り外して、コントローラーと組み合わせれば、「Nintendo Switch」の「テーブルモード」のようなスタイルで遊べる。コントローラーを複数用意すれば、対戦や協力プレイなど複数人でも楽しめるだろう

着脱式キーボードを取り外して、コントローラーと組み合わせれば、「Nintendo Switch」の「テーブルモード」のようなスタイルで遊べる。コントローラーを複数用意すれば、対戦や協力プレイなど複数人でも楽しめるだろう

キックスタンドは最大170°まで開くので、タッチ主体のゲームもプレイしやすい。「ASUS PEN SA201H」(別売)を使って絵を描いたり、メモを取ったりすることも可能だ

キックスタンドは最大170°まで開くので、タッチ主体のゲームもプレイしやすい。「ASUS PEN SA201H」(別売)を使って絵を描いたり、メモを取ったりすることも可能だ

ROG XG Mobileを使って、外付けディスプレイに映像を出力すれば、ゲーミングデスクトップPCのような遊び方が可能。ROG XG Mobileの高いGPUパワーを生かして、ヘビーな大作ゲームを大画面で楽しめる

ROG XG Mobileを使って、外付けディスプレイに映像を出力すれば、ゲーミングデスクトップPCのような遊び方が可能。ROG XG Mobileの高いGPUパワーを生かして、ヘビーな大作ゲームを大画面で楽しめる

本体は13.4型の液晶ディスプレイを搭載するタブレット端末で、ボディの厚さは約14.5mm、重量は約1.18kg(dGPUモデル)/約1.12kg(CPU内蔵グラフィックモデル)。タブレット端末としては厚くて重いが、中身の性能を考えると、これだけの性能をこの厚さと重さによく収めたとも言える。

CNCアルミニウムシャーシのボディはASUSらしく遊び心満載だ。内部の基板が見えるシースルーウィンドウは、ゲーミングPCらしくLEDで内部のパーツを照らすこだわり。排熱を考慮して、多くのスリットが入っており、メカメカしい見た目となっている。

赤いプラスチックのパーツに指を掛けると、キックスタンドが開きやすい親切設計。キックスタンドを含めた背面には、宇宙船にインスパイアされたという機械加工が施されている

赤いプラスチックのパーツに指を掛けると、キックスタンドが開きやすい親切設計。キックスタンドを含めた背面には、宇宙船にインスパイアされたという機械加工が施されている

シースルーウィンドウは本当に中身が見える。LEDで基板を照らす、遊び心溢れるシカケだ

シースルーウィンドウは本当に中身が見える。LEDで基板を照らす、遊び心溢れるシカケだ

上部に「REPUBLIC OF GAME」の文字。本体の厚さは14.5mmと、タブレット端末としては厚いが、14コアのCore i9-12900HやGeForce RTX 3050 Ti Laptop GPUが収められていると考えると、よくここまで薄くできたとも言える。同社の高い技術力が光る

上部に「REPUBLIC OF GAME」の文字。本体の厚さは14.5mmと、タブレット端末としては厚いが、14コアのCore i9-12900HやGeForce RTX 3050 Ti Laptop GPUが収められていると考えると、よくここまで薄くできたとも言える。同社の高い技術力が光る

タブレット端末単体の重量は、キッチンスケールでの計測で1182g。今回はdGPUモデルを試したので、ほぼカタログスペック通りだった。本体サイズは約302(幅)×204(奥行)×14.5(厚さ)mm

タブレット端末単体の重量は、キッチンスケールでの計測で1182g。今回はdGPUモデルを試したので、ほぼカタログスペック通りだった。本体サイズは約302(幅)×204(奥行)×14.5(厚さ)mm

着脱式キーボードの重量は約340g。タブレット単体と合わせた実測は1526gだった

着脱式キーボードの重量は約340g。タブレット単体と合わせた実測は1526gだった

ディスプレイは2タイプ、強力な冷却機能を搭載

ROG Flow Z13のラインアップは4モデルで、主なスペックは以下の通り。

○GZ301ZE-I9R3050TE4K
・CPU:Core i9-12900H
・GPU:GeForce RTX 3050 Ti Laptop GPU(4GB)
・メモリー:16GB LPDDR5-5200
・ストレージ:1TB SSD(PCI Express 4.0 x4接続)
・ディスプレイ:13.4型(3840×2400)、60Hz
・バッテリー駆動時間:約6.5時間
・メーカー希望小売価格:269,800円(税込)
・発売日:2022年2月21日予定

○GZ301ZE-I9R3050TE(★今回試したモデル)
・CPU:Core i9-12900H
・GPU:GeForce RTX 3050 Ti Laptop GPU(4GB)
・メモリー:16GB LPDDR5-5200
・ストレージ:1TB SSD(PCI Express 4.0 x4接続)
・ディスプレイ:13.4型(1920×1200)、120Hz
・バッテリー駆動時間:約6.6時間
・メーカー希望小売価格:254,800円(税込)
・発売日:2022年2月17日

○GZ301ZC-I7R3050
・CPU:Core i7-12700H
・GPU:GeForce RTX 3050 Laptop GPU(4GB)
・メモリー:16GB LPDDR5-5200
・ストレージ:512GB SSD(PCI Express 4.0 x4接続)
・ディスプレイ:13.4型(1920×1200)、120Hz
・バッテリー駆動時間:約7.3時間
・メーカー希望小売価格:239,800円(税込)
・発売日:2022年2月17日

○GZ301ZA-I5UMA
・CPU:Core i5-12500H
・GPU:・Iris Xe グラフィックス(CPU内蔵)
・メモリー:16GB LPDDR5-5200
・ストレージ:512GB SSD(PCI Express 4.0 x4接続)
・ディスプレイ:13.4型(1920×1200)、120Hz
・バッテリー駆動時間:約8.1時間
・メーカー希望小売価格:199,800円(税込)
・発売日:2022年2月17日

13.4型の液晶ディスプレイのアスペクト比は16:10。Pantone認証を取得しているほか、Dolby Visionもサポートする。最上位モデルは4K・60Hzのディスプレイを搭載しており、映像を楽しんだり、動画を編集したりクリエイティブな用途に向いている。DCI-P3の色域を85%カバーし、色にこだわったディスプレイだ。それ以外のモデルは1920×1200・120Hzのディスプレイなので、動きの速いゲーム向き。エントリーモデルはdGPUを搭載しないのでヘビーなゲームには向いていない(その代わりに、バッテリー駆動時間が長く、重量もわずかに軽い)。

13.4型液晶ディスプレイを搭載。今回試したモデルは1920×1200・120Hzのゲームに向いたディスプレイを備えている。Adaptive-Syncにも対応しており、ゲーム画面がチラついたりカクついたりするのを防いでくれる。ピーク輝度は全モデル500nits

13.4型液晶ディスプレイを搭載。今回試したモデルは1920×1200・120Hzのゲームに向いたディスプレイを備えている。Adaptive-Syncにも対応しており、ゲーム画面がチラついたりカクついたりするのを防いでくれる。ピーク輝度は全モデル500nits

dGPUはGeForce RTX 3050Ti/3050と控えめだが、このボディサイズによく収めている。それを可能にしているのが、ASUS独自の「ROGインテリジェントクーリング」。ヒートパイプよりも表面積が広くし、CPU、GPU、VRAMといった複数の熱源をカバーする薄型放熱部品「ベイパーチャンバー」も搭載する(GZ301ZA-I5UMAは非搭載)。ASUS調べで最大10℃の冷却効果があるという液体金属グリスも採用している。ゲームプレイ中は、ファンは回転するが、新開発のファンにより、回転音はかなり抑えられていると感じた。

同社のゲーミングスマホにも搭載されているというベイパーチャンパー。放熱部の総面積は33,104平方ミリメートルにもなるという

同社のゲーミングスマホにも搭載されているというベイパーチャンパー。放熱部の総面積は33,104平方ミリメートルにもなるという

このほか、スペック面で注目したいのが、CPU内蔵のグラフィック機能を無効にするMUXスイッチを採用すること。一般的なゲーミングノートPCはバッテリー駆動時間を延ばすために、dGPUからのフレームをCPUの内蔵グラフィックを経由してディスプレイに届けるが、その分、パフォーマンスが落ちるのだという。MUXスイッチはdGPUとディスプレイを直接つなげることで、パフォーマンスをアップする効果があり、ASUSによると、ゲームの場合は平均15%ほどパフォーマンスがアップするという。

電源が強化された2022年版の「ROG XG Mobile」

別売だが、ROG Flow Z13の大きな魅力のひとつである、ROG XG Mobileを簡単におさらいしておこう。ROG Flow Z13と接続することで、dGPUよりも高いGPUパワーを利用することができる。ROG Flow Z13とはPCI Express 3.0 x8接続で専用の「ROG XG Mobileインターフェイス」で接続する。これにより、最大63Gbpsの帯域幅を確保し、コネクターによるボトルネックを解消し、eGPUのパワーを余すことなく引き出しているのだ。

DisplayPort、HDMI、4基のUSB 3.2、SDメモリーカードスロット、有線LANポートといった豊富なインターフェイスを備えており、ドックのようにも使える。

ROG XG Mobileを接続すれば、内蔵のdGPUよりも高いGPU性能で、ヘビーな大作ゲームを快適に楽しめる

ROG XG Mobileを接続すれば、内蔵のdGPUよりも高いGPU性能で、ヘビーな大作ゲームを快適に楽しめる

ゲーミングPCの周辺機器らしくLEDで光る

ゲーミングPCの周辺機器らしくLEDで光る

ROG XG Mobileは豊富な外部インターフェイスを搭載しており、ドックのような使い方ができる。本体への電源供給も可能だ

ROG XG Mobileは豊富な外部インターフェイスを搭載しており、ドックのような使い方ができる。本体への電源供給も可能だ

使ってみて気になったのが、ROG XG Mobileを取り付ける向き。eGPUはコネクターがしっかり接続されていることが重要で、ROG XG Mobileもツメを使って強力に固定する仕組みだ。取り付けたら、ロックレバーを動かして、画面上で接続作業を行う。取り外すときも画面上で取り外し操作をし、ロックレバーを解除して、ツメをつまんで取り外すのだが、ROG Flow X13では、ロックレバーがユーザーから見える位置にあったが、ROG Flow Z13では見えないようになっているのだ。取り外すときはなかなか神経を使う操作なので、ロックレバーが前に来る向きにしてほしかった。

写真の向きで取り付けるので、ロックレバーがどうなっているのか、LEDの色が何色なのかなどを確認するめに、本体を倒したり、後ろに回ったりしなければならない

写真の向きで取り付けるので、ロックレバーがどうなっているのか、LEDの色が何色なのかなどを確認するめに、本体を倒したり、後ろに回ったりしなければならない

今回試したROG XG Mobileは昨年発売されたもので、GPUにはGeForce RTX 3070(ビデオメモリーは8GB)が搭載されている。ASUSオンラインストアでの価格は149,800円(税込)。GeForce RTX 3080(ビデオメモリー16GB)を搭載したモデルもラインアップされており、こちらの価格は188,800円(税込)。なお、今回は試せていないが、AMD Radeon RXシリーズのGPUを搭載したROG XG Mobileも投入する予定という。

薄型でも1.5mmストロークを確保したキーボード

着脱式キーボードは、薄型だが1.5mmのキーストロークがあり、キーピッチも実測で19mmとフルサイズキーボードだ。Nキーロールオーバーに対応するほか、バックライトLEDで光るゲーミング仕様だ。タブレット端末とはポゴピンで接続するタイプなので、接続設定などは不要。

着脱式キーボードは、マイクロソフトの「Surface Pro」のキーボードのような薄型で、ディスプレイ面をカバーする役割も果たす

着脱式キーボードは、マイクロソフトの「Surface Pro」のキーボードのような薄型で、ディスプレイ面をカバーする役割も果たす

キーストロークは1.5mmと薄型ながら、しっかりとしたクリック感を実現。強めにタイピングすると中央部分は少しだけたわむ

キーストロークは1.5mmと薄型ながら、しっかりとしたクリック感を実現。強めにタイピングすると中央部分は少しだけたわむ

本体右側面の電源ボタンには指紋認証センサー付きで、指紋でロック解除などができる。外部インターフェイスは、USB 2.0(TypeA)、Thunderbolt 4、ROG XG Mobile用インターフェイス(PowerDelivery/DisplayPort)、オーディオジャックとやや少なめ。メインマシンとして使いたい場合は、前述のROG XG Mobileがあるといいかもしれない。

外部インターフェイスは両サイドにレイアウトされている。ROG XG Mobile用インターフェイスは、使わないときはキャップで保護する

外部インターフェイスは両サイドにレイアウトされている。ROG XG Mobile用インターフェイスは、使わないときはキャップで保護する

サウンド面は、Dolby Atmosとハイレゾに対応(ハイレゾはオーディオジャックからの出力時のみ)。3DマイクアレイとAIノイズキャンセリングにより、音声通話のクオリティも高めだ。92万画素のWebカメラを搭載しており、オンライン会議やビデオ通話も可能。799万画素のアウトカメラ(オートフォーカス対応)も備えている。

バッテリー駆動時間は約6.5時間とスペック的には短めだが、これもこのスペックを考えると頑張っているほうだ。ACアダプターは100WのType-C経由のPD充電。パワーがある分、45Wの手持ちのPD対応ACアダプターでは使いながらの充電は厳しかった。

CPU性能の高さ光る! ROG XG Mobileでハイスペックマシンに変身

最後にスペックをチェックしていこう。今回試したモデルのCPUは14コアのCore i9-12900H。動作周波数は標準が2.50GHz、最大が5.0GHzという高性能なCPUだ。6つの高性能コアと8つの高効率コアにより、高いパフォーマンスと省電力性能を両立している。「CINEBENCH R20」の結果はマルチコアが5524、シングルコアが734。ROG Flow X13(2021年モデル)の「Ryzen 9 5900HS」よりもマルチコアは1600ほど高いスコアだった。

GPUはdGPUがGeForce RTX 3050 Ti Laptop GPU。こちらもROG Flow X13(2021年モデル)のGeForce GTX 1650 Laptop GPUよりも性能がアップしている。dGPUで「フォートナイト」をプレイしてみてたが、最高画質(Direct X12)だとフレームレートは60fps前後で、動きが激しい戦闘シーンでは20〜30fpsとなった。プレイできないほどではないが、快適にプレイするには画質を調整する必要があるだろう。

それに対して、ROG XG MobileのGeForce RTX 3070では、最高画質でも120fpsは余裕で超えた。GeForce RTX 3050 Ti Laptop GPUでは苦しかった激しい戦闘シーンでも60fpsを下回ることはなく、滑らかな画像で楽しめた。ROG Flow X13と一緒に試したROG XG Mobile(GeForce RTX 3080 Laptop)と比べると、ベンチマークプログラムの結果はわずかに劣るが、その差はそれほど大きくなかった。

まとめ

ROG Flow Z13はゲーミングPCの枠に収まらない、多彩な使い方ができるゲーミングPCだ。第12世代のCore i9-12900HとGeForce RTX 3050 Ti Laptop GPUの組み合わせは、なかなか強力で多くのゲームを快適に楽しめるだろう。前述の通り、本体+コントローラーでNintendo Switchのように使ったり、タッチ操作で遊んだり、多彩な遊び方ができる。また、別売のROG XG MOBILEを使えば大作ゲームもプレイ可能。GPUパワーを生かして、動画や写真、音楽、CGなどクリエイティブな用途にも使える。

ROG Flow X13も魅力的だったが、ROG Flow Z13はキーボードが外れることで、より柔軟さが増した印象だ。CPUはAMD、インテルという違いはあるが、どちらも薄型ボディに強力なCPUを搭載していることには間違いない。ゲーミングPCとしてはもちろん、高性能な2in1パソコンを探している人もチェックしてもらいたい。

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

パソコン関連を担当する双子の兄。守備範囲の広さ(浅いけど)が長所。最近、鉄道の魅力にハマりつつあります。

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