レビュー

防水・FeliCa付き、90Hz対応6.5インチ大画面搭載で3万円台。シャオミ「Redmi Note 10T」レビュー

シャオミは、Androidスマートフォンの新モデルとして「Redmi Note 10T」を発表。2022年4月22日にソフトバンク版が、同月26日にオープンマーケット版がそれぞれ発売される。本機のオープンマーケット版をひと足先に触れることができたので、その使用感などをレビューしたい。

※本記事中の価格は税込で統一している

激戦区の3万円台で、防水・FeliCa対応、6.5インチ大画面を搭載

昨今、スマートフォンは全体的に年々値上がりしている。以前なら回線契約とセットなら10万円以下の負担で高性能モデルが買えた。しかし、今では高性能モデルは10万円以上が主流で、なかには20万円以上するものまで登場している。こうしたハイエンドモデルの値上がりによりかつてのような売れ線の主流からは外れ、価格と性能のバランスにすぐれた3〜4万円くらいの製品に人気が集まっている。この価格帯のスマートフォンは今や激戦区だ。

今回取り上げる「Redmi Note 10T」は、価格性能比の高さで人気を集めた前モデル「Redmi Note 9T」の後継モデルとなる。なお、価格は、ソフトバンク版が27,360円、オープンマーケット版が34,800円で、まさに上記の激戦区に投入される製品だ。

「Redmi Note 10T」のボディサイズは、約76(幅)×163(幅)×9.0(厚さ)mmで、重量は約198g。ボディは、IPX6/8等級の防水仕様とIP6X等級の防塵仕様に対応する。また、FeliCaポートも搭載しており、おサイフケータイも利用可能だ。前モデル「Redmi Note 9T」の耐水性は、水しぶきに耐える程度の防滴だったが、本機は水没に耐えるレベルに強化された。なお、スピーカーはモノラルで、ヘッドホン端子は上面に搭載される。生体認証は、フロントカメラを使った顔認証と、ボディ右側面の電源ボタンに内蔵される指紋認証センサーの2種類が利用できる。

金属のフレームに樹脂製の背面を組み合わせたボディは、同社の「Redmi Note 11」や「Xiaomi 11T」など、近ごろのシャオミ製品でおなじみのもの。カラーバリエーションは、アジュールブラックのナイトタイムブルーの2色展開だが、オープンマーケット版ではこれに加えて専用色のレイクブルーが用意される。カラーはいずれも寒色系だ。

背面にはマット加工された樹脂製カバーが使われる。なお、今回の検証機はアジュールブラックだ

背面にはマット加工された樹脂製カバーが使われる。なお、今回の検証機はアジュールブラックだ

ボディ上面にはヘッドホン端子が配置される

ボディ上面にはヘッドホン端子が配置される

ボディ下面にはUSB Type-Cポートを装備

ボディ下面にはUSB Type-Cポートを装備

ボディ右側面に、ボリュームと指紋認証センサーを内蔵した電源ボタンが配置される

ボディ右側面に、ボリュームと指紋認証センサーを内蔵した電源ボタンが配置される

本機に搭載される約6.5インチの液晶ディスプレイは、2,400×1,080のフルHD+表示と90Hz駆動に対応している。昨今のスマートフォンとしては標準的なサイズだが、競合すると思われるシャープ「AQUOS sense6」「AQUOS wish」、FCNT「arrows We」あたりと比べると格段に大きい。

なお、HDRには対応していない。有機ELではなく液晶ではあるが、本機のディスプレイは、コントラストも高く、残像感も少ないので、意識して見なければ液晶ゆえのデメリットはほとんど感じない。むしろ、液晶であることのデメリットは、バックライトを搭載する分、ボディに厚みがあることかもしれない。本機の約9.0mmという厚さは、近ごろの製品としては大きいほうだ。

約6.5インチの液晶ディスプレイを搭載。90Hz駆動に対応しているが、HDRには非対応となる

約6.5インチの液晶ディスプレイを搭載。90Hz駆動に対応しているが、HDRには非対応となる

フロントカメラを収めたパンチホール。口径が大きめなので存在感はやや強めだ

フロントカメラを収めたパンチホール。口径が大きめなので存在感はやや強めだ

液晶ディスプレイを採用した影響は画質よりも約9mmという厚みに現われている。手にした実機もやや大ぶりな印象だ

液晶ディスプレイを採用した影響は画質よりも約9mmという厚みに現われている。手にした実機もやや大ぶりな印象だ

搭載されるSoCは、「Snapdragon 480 5G」で、4GBのメモリーと64GBのストレージ、1TBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットを組み合わせる。OSはAndroid 11をベースにしたMIUI 13が使われる。

「AnTuTuベンチマーク」と「AnTuTu 3DBench Lite」の組み合わせで、ベンチマークテストを行ったところ、総合スコアは、287,468(内訳、CPU:94,241、GPU:64,836、MEM:53,388、UX:75,003)となった。「Snapdragon 480 5G」搭載機としては標準的なスコアだ。このスコアから見ると、処理性能は、2017年に登場したハイエンドSoC「Snapdragon 835」や、2019年に登場したミドルレンジSoC「Snapdragon 710」の搭載機に比較的近い。エントリーモデルが苦手にしているグラフィック性能も向上しているため、ゲームなどの用途でもより使いやすくなっている。ただし、「Snapdragon 480 5G」を搭載するライバル製品も多く、シャオミ「Redmi Note 10 JE」、FCNT「arrows We」、シャープ「AQUOS wish」、楽天モバイル「Rakuten Hand 5G」といった、この価格帯の主要な製品は軒並み同様のスペックだ。従来の低価格機と比べれば高性能だが、同世代の競合製品との差はほとんどないと言っていい。

なお、64GBというストレージは本機の基本性能に対してはやや物足りなさを感じる。アプリの容量は年々増加しており、大作ゲームでは1タイトルで10GBに迫るストレージを消費する場合もある。ゲームを行わなくても、ストレージの容量不足は不安定な動作を招きやすいし、アップデートの場合にも支障が出る。容量が大きめのmicroSDXCメモリーカードを併用して、カメラの撮影データなどをそちらに保存しておくのがよさそうだ。

AnTuTuベンチマークの計測結果は287,468。Snapdragon 480 5G搭載機としては標準的な値だ。従来のエントリー向けSoCと比べてグラフィック性能を示す「GPU」の数値が伸びている

AnTuTuベンチマークの計測結果は287,468。Snapdragon 480 5G搭載機としては標準的な値だ。従来のエントリー向けSoCと比べてグラフィック性能を示す「GPU」の数値が伸びている

eSIM対応。4G対応バンドはソフトバンク版とオープンマーケット版で違いあり

通信性能を見てみよう。ソフトバンク版、オープンマーケット版ともに、nanoSIMカードスロット1基に加えてeSIMにも対応しており、SIMカードとeSIMの組み合わせで2個の電話番号を扱えるDSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)機として利用できる。なお、両モデルともにSIMロックはかかっていない。

5Gの対応周波数帯はn3/28/77/78で、ソフトバンク版とオープンマーケット版で共通。ミリ波には非対応でSub6のみの対応だが、その中にはn3やn28のようなKDDIやソフトバンクでサービス中の4Gからの転用周波数帯が含まれている。いっぽう、NTTドコモがn78とともに運用しているn79には対応していないので、注意されたい。

なお、4Gの周波数帯は、ソフトバンク版がB1/2/3/4/8/12/17/18/26/28/38/39/40/41/42、オープンマーケット版はB1/2/3/4/8/12/17/18/19/26/28/38/39/40/41/42となる。NTTドコモのプラチナバンドB19の扱いに違いがあるので、NTTドコモ系のSIMを使う場合、B19対応のオープンマーケット版のほうがより適している。なお、オープンマーケット版は、NTTドコモ系、KDDI系、ソフトバンク系、楽天モバイル(MNO)の各ネットワークで動作確認済み。緊急地震速報などで使用するETWSや、110や119番発信の際に相手に詳細な位置情報を知らせる機能は、ソフトバンク版とオープンマーケット版ともにメーカーによる動作確認が行われている。

SIMカードスロットは、1基のnanoSIMカードスロットとmicroSDXCメモリーカードスロットの組み合わせ。なお、eSIMにも対応している

SIMカードスロットは、1基のnanoSIMカードスロットとmicroSDXCメモリーカードスロットの組み合わせ。なお、eSIMにも対応している

自然な雰囲気の写真が撮影できるカメラ。解像感も良好

本機に搭載されるメインカメラは、約5,000万画素の標準カメラと、約200万画素の深度センサーという組み合わせだ。フロントカメラは約800万画素。メインカメラのうち映像を記録するのは標準カメラだけなので、実質的にシングルカメラと考えることもできる。なお、AIを使ったシーン認識機能やオートHDRといった機能は搭載されている。

メインカメラは5,000万画素の標準カメラと深度センサーの組み合わせ。映像を記録するのは標準カメラだけだ

メインカメラは5,000万画素の標準カメラと深度センサーの組み合わせ。映像を記録するのは標準カメラだけだ

以下に、本機のメインカメラで撮影した静止画の作例を掲載する。初期設定のまま、カメラ任せで撮影を行っている。

日中の遠景。やや霞んだ春の青空を肉眼の印象そのまま写している。SNS受けを狙った画質の誇張は抑えられているようだ

日中の遠景。やや霞んだ春の青空を肉眼の印象そのまま写している。SNS受けを狙った画質の誇張は抑えられているようだ

芝桜を撮影。ピンクや赤は飽和しやすいが自然な仕上がりで文句はない。等倍にすると遠景のボケがやや不自然だが、構図中央付近はディテールがしっかり残っている

芝桜を撮影。ピンクや赤は飽和しやすいが自然な仕上がりで文句はない。等倍にすると遠景のボケがやや不自然だが、構図中央付近はディテールがしっかり残っている

逆光で透けて見えるカエデを等倍でトリミングした。イメージセンサーの解像度が高いこともあり、葉脈のディテールがキレイに残っている

逆光で透けて見えるカエデを等倍でトリミングした。イメージセンサーの解像度が高いこともあり、葉脈のディテールがキレイに残っている

明るめな夜景を撮影。一見鮮やかな印象だが、拡大するとディテールが甘くなりややぼんやりとした写りになっていた。また、ホワイトバランスや露出の自動認識がやや不安定で、微妙な構図の変化に影響されやすい。心持ち多めに撮影しておいたほうがよさそうだ

明るめな夜景を撮影。一見鮮やかな印象だが、拡大するとディテールが甘くなりややぼんやりとした写りになっていた。また、ホワイトバランスや露出の自動認識がやや不安定で、微妙な構図の変化に影響されやすい。心持ち多めに撮影しておいたほうがよさそうだ

本機のカメラは、誇張が少ない自然な印象で、比較的違和感なく使うことができるだろう。明るいシーンであれば解像感も相当高く、5,000万画素のイメージセンサーの実力を実感できた。気になった点としては、夜景などではやや画質が不安定になりがちな部分があり、同じ構図でもホワイトバランスや露出が異なる撮影結果になりやすかった。

5,000mAhのバッテリー搭載で2日以上の電池持ち。急速充電は18WのUSB PDに対応

シャオミのスマートフォンは急速充電機能に力を入れており、エントリーモデルの「Redmi Note 11」でも、同梱の専用ACアダプターを使って33Wの急速充電が行える。いっぽう本機は、ACアダプターは別売りで、対応している規格もUSB PDによる18Wの急速充電にとどまっている。なお、手元の18W充電器を使ったところ、充電時間は2時間半ほどかかった。

ソフトバンクの公表しているスペックによると、連続待ち受け時間は約675時間(FDD-LTEエリア)、連続通話時間は約3,000分となっておりバッテリー持ちはそれほど悪くない。検証に際して1日に断続して2時間程度利用した場合でも4日ほどバッテリーは持続した。利用ペースをもっと上げても48時間以上のバッテリー持ちは期待できそうだ。1泊の外泊なら、充電なしでも乗り切れそうだ。

安価だがそつのない性能。より大画面が欲しい人向け

2020年に日本市場に参入したシャオミは、グローバルモデルをほぼそのまま導入する方針だった。しかし、昨年あたりから方針が徐々に変わり、日本市場のニーズに合わせてローカライズした製品を投入するようになっている。防水・防塵ボディやFeliCa対応の本機はそうした新しい方針に沿ったものと言える。オープンマーケット版が34,800円、ソフトバンク版は27,360円となっており、手ごろな価格も魅力的だ。

いっぽう、本機のような、防水・防塵、FeliCa付きのエントリー向け5Gスマートフォンはライバルが多く、シャープ「AQUOS sense6」および「AQUOS wish」、FCNT「arrows We」、OPPO「Reno5 A 5G」など、強力なライバルが多い激戦区でもある。それらと比べた本機の魅力は、90Hz駆動に対応したフルHD+対応の6.5インチという大画面だろう。大画面に慣れると、小さな画面に戻すのはなかなか難しい。より大きな画面をより手軽に手に入れられる本機は多くのユーザーに支持されうる1台になりそうだ。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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