レビュー

120Hz有機ELとFeliCa付きで4万円台。シャオミ「Redmi Note 11 Pro 5G」レビュー

シャオミは2022年5月19日、5G対応ミドルレンジスマートフォン「Redmi Note 11 Pro 5G」を発表した。3月に登場した「Redmi Note 11」の上位機種で、FeliCaポートを備えた日本向けモデル。シャオミらしい高コスパな本モデルの実力に迫ろう。

強力なライバルも多いミドルレンジスマートフォン市場だが、「Redmi Note 11 Pro 5G」はどんな特徴があるのか?

強力なライバルも多いミドルレンジスマートフォン市場だが、「Redmi Note 11 Pro 5G」はどんな特徴があるのか?

120Hzディスプレイやステレオスピーカーを備えつつ、日本向けにカスタマイズした製品

「Redmi Note 11 Pro 5G」は、「Redmi Note 11」の兄弟モデル。ソニー「Xperia 10 IV」やシャープ「AQUOS sense6s」などと同じSoC「Snapdragon 695 5G」を搭載したミドルレンジスマートフォンだ。グローバルモデルをベースにしているが、日本市場向けにFeliCaポートを備える。

ボディサイズは、約76.1(幅)×164.19(高さ)×8.12(厚さ)mmで、重量は約202g。ディスプレイは、2,400×1,080のフルHD+表示に対応した約6.67インチの有機EL。「Redmi Note 11」と比較すると、幅が約2mm、高さも約4mm、厚さは約0.1mmそれぞれ大きく、ディスプレイも約6.43インチよりもひと回り大きい。ボディは、IPX3等級の飛沫防水仕様とIP5Xの防塵仕様だ。上述のFeliCaポートに加えて、側面に電源ボタン一体の指紋認証センサーやステレオスピーカーやヘッドホン端子を備える。ちなみに、サウンドエンハンサーの「Dolby Atoms」にも対応している。

ボディの右側面にボリュームボタンと指紋認証センサーを内蔵した電源ボタンを配置する

ボディの右側面にボリュームボタンと指紋認証センサーを内蔵した電源ボタンを配置する

ボディ上面にヘッドホン端子、スピーカーホールとセカンドマイクホール、赤外線ポートを配置する

ボディ上面にヘッドホン端子、スピーカーホールとセカンドマイクホール、赤外線ポートを配置する

ボディ下面は、スピーカーホールとマイクホール、USB Type-Cポート、SIMカードのトレーという配置だ

ボディ下面は、スピーカーホールとマイクホール、USB Type-Cポート、SIMカードのトレーという配置だ

ディスプレイは120Hzのリフレッシュレートと、360Hzのタッチサンプリングレート、1,200nitの最大輝度に対応する。ディスプレイのスペックは、「Redmi Note 11」の90Hzのリフレッシュレート、180Hzのタッチサンプリングレート、最大輝度1,000nitなのでいずれの性能も本機のほうが高い。ただし、HDR対応は「Redmi Note 11」と同じく本機でも見送られている。

120Hz駆動や最大1,200intの明るさを確保するなどディスプレイはかなり高性能だ

120Hz駆動や最大1,200intの明るさを確保するなどディスプレイはかなり高性能だ

フロントカメラを収めるパンチホールは、ハイエンドモデルのように口径が小さく、高級感を演出している

フロントカメラを収めるパンチホールは、ハイエンドモデルのように口径が小さく、高級感を演出している

リフレッシュレートは設定項目で60Hzと120Hzの2段階で切り替えられる。可変リフレッシュレートやアプリ別の対応などは行えない

リフレッシュレートは設定項目で60Hzと120Hzの2段階で切り替えられる。可変リフレッシュレートやアプリ別の対応などは行えない

手にした実機は、ボタンも剛性感のあるしっかりした作りで、チープな印象はない。最大輝度が高いため直射日光が差し込むような場所でも画面は見やすかった。小口径のパンチホールも、気になる大きさではなく好印象だ。120Hz駆動と360Hzタッチサンプリングレートによるなめらかな画面スクロールと、キレのよい操作性は、ハイエンドスマートフォンのようだ。ただし、ハイエンドスマートフォンほどのグラフィック性能は高くないので、120Hz駆動で描画負荷の大きなゲームを行った際に、フレームレートの低下が見られることがあった。

今回の検証機は、家電量販店やMVNOで発売されるオープンマーケット向けモデル(いわゆるSIMフリーモデル) 限定色の「アトランティックブルー」。ガラス製カバーとテクスチャーを組み合わせで海面に反射した光を表現したという

今回の検証機は、家電量販店やMVNOで発売されるオープンマーケット向けモデル(いわゆるSIMフリーモデル) 限定色の「アトランティックブルー」。ガラス製カバーとテクスチャーを組み合わせで海面に反射した光を表現したという

余裕を持たせた基本性能。「MIUI 13」はユニークな機能が豊富

搭載されるSoCは、前述の「Snapdragon 695 5G」で、6GBのメモリーと128GBのストレージ、1TBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットを組み合わせる。「Redmi Note 11」は、「Snapdragon 680」に、4GBのメモリー、64GBのストレージ、512GBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットという組み合わせなので、基本性能は「Redmi Note 11 Pro 5G」のほうが上だ。また、シャオミ独自の機能である仮想メモリー機能「メモリ増設」を搭載しており、初期状態で2GBのストレージがメモリーに割り当てられていた。なお、OSは、Android 11をベースにした「MIUI 13」となる。

CPUの処理性能を計測するベンチマークアプリ「GeekBench 5」の結果はシングルコアが688、マルチコアは2,017(以下、いずれも価格.comマガジン調べの値)だった。「Redmi Note 11」は、シングルコア387、マルチコア1,695だったので、処理性能は3割ほど向上している。いっぽうグラフィック性能を計測するベンチマークアプリ「3DMark(Wild Life)」の結果は1,203だった。「Redmi Note 11」のスコアは381だったので、3倍以上の大差となった。体感速度は、「Redmi Note 11」よりもキビキビと動く。グラフィック性能は「3DMark」の結果のように3倍以上の実力があるかはともかく、ゲームを目的とするなら本機のほうが動作は総じてスムーズだ。

「MIUI 13」の操作性や機能は、Android標準のそれとはかなり印象が異なる。Androidの標準的なプルダウンの通知メニューはひとつだが、本機は通知用と機能呼び出し用に分けられているし、指紋認証で別のアカウントへ乗り換えを行う「セカンドスペース」や、アプリのクローンを作り、2個のアカウントを使い分けられる「デュアルアプリ」のような機能もある。OS内部に目を向けても、ストレージのデフラグ、上述の仮想メモリー機能のように、踏み込んだ機能追加が行われている。アイコンや文字を大きく表示する「シンプルモード」も用意されているが、どちらかと言えば、Androidスマートフォンを使い慣れた人のほうが、魅力を実感しやすいOSとなっている。

「GeekBench 5」の計測結果は、シングルコアが688、マルチコアは2,017だった。「Redmi Note 11」は、シングルコア387、マルチコア1,695だったので、処理性能は2〜3割向上している

「GeekBench 5」の計測結果は、シングルコアが688、マルチコアは2,017だった。「Redmi Note 11」は、シングルコア387、マルチコア1,695だったので、処理性能は2〜3割向上している

「3DMark(Wild Life)」の結果は1,203。「Redmi Note 11」のスコアである381よりも3倍以上高い。ミドルレンジ機としては相応の性能だろう

「3DMark(Wild Life)」の結果は1,203。「Redmi Note 11」のスコアである381よりも3倍以上高い。ミドルレンジ機としては相応の性能だろう

nanoSIM+eSIMのデュアルSIM対応。ドコモ5Gのn79には非対応

楽天モバイル版とオープンマーケット版 で通信機能は基本的に共通している。

1基のnanoSIMカードスロットとeSIMに対応しており、DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)として、2個の電話番号を使い分けることができる。5Gの対応バンドはn3/28/41/77/78。4Gの対応バンドはB1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/26/2838/40/41(2545~2650MHz)/42となる。NTTドコモ系、au系、ソフトバンク系、楽天モバイル系の各ネットワークと適合するが、NTTドコモの5Gで使用しているn79に対応しておらず、同社の5Gネット枠では対応エリアやスピードに制約がある。地震や津波などの速報を行うETWS(Earthquake and Tsunami Warning System)や、110番や119番発信の際に、相手先に詳細な位置情報を通知する機能も4キャリアすべてのネットワークで利用できる。

トレーには、nanoSIMカードスロットは1基、裏面に1TBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットが配置されている

トレーには、nanoSIMカードスロットは1基、裏面に1TBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットが配置されている

シャオミ得意の1億画素カメラを含むトリプルカメラを搭載

メインカメラは、約1億800万画素の広角カメラ、約800万画素の超広角カメラ、約200万画素のマクロカメラのトリプルカメラだ。広角カメラは「9 in 1 ピクセルビニングテクノロジー」や「デュアルネイティブ ISO」 といった機能により、広いダイナミックレンジとすぐれた色表現を実現している。なお、フロントカメラは約1,600万画素となっている。

メインカメラは、標準カメラとなる広角カメラ、超広角カメラ、マクロカメラのトリプルカメラ。標準カメラは1億800万画素の高画素を誇る

メインカメラは、標準カメラとなる広角カメラ、超広角カメラ、マクロカメラのトリプルカメラ。標準カメラは1億800万画素の高画素を誇る

以下に本機のメインカメラを使った作例を掲載する。初期設定を基本としつつAIシーン認識機能はオンにして撮影を行っている。

広角カメラで撮影

公園の風景を撮影。青空や樹木の鮮やかさをさほど強調しておらず、比較的自然な画質だ。周辺部分のノイズも少なく、構図を細かく変えても、色調は安定していた

公園の風景を撮影。青空や樹木の鮮やかさをさほど強調しておらず、比較的自然な画質だ。周辺部分のノイズも少なく、構図を細かく変えても、色調は安定していた

超広角カメラで撮影

上と同じ構図を超広角カメラに切り替えて撮影した。感度特性の違いか全般にアンダー傾向で、実際の青空はここまで鮮やかではなかった。また、色調やホワイトバランスにばらつきがあり、多めに撮影しておいたほうがよいだろう

上と同じ構図を超広角カメラに切り替えて撮影した。感度特性の違いか全般にアンダー傾向で、実際の青空はここまで鮮やかではなかった。また、色調やホワイトバランスにばらつきがあり、多めに撮影しておいたほうがよいだろう

1億800万画素モードで撮影

広角カメラを1億800万画素モードに切り替えて撮影した。感度性能が低下するため、シャッタースピードが長く、手ブレにシビアになる。また、全般的に暗い仕上がりになりやすい

広角カメラを1億800万画素モードに切り替えて撮影した。感度性能が低下するため、シャッタースピードが長く、手ブレにシビアになる。また、全般的に暗い仕上がりになりやすい

1億800万画素モードの画像を900×600ピクセルで切り抜きしたもの

上のカエデの作例のほぼ中央を、900×600ピクセルで切り抜いたもの。葉脈の細部がきわめて鮮明に写る。超高画素の実力はさすがだ

上のカエデの作例のほぼ中央を、900×600ピクセルで切り抜いたもの。葉脈の細部がきわめて鮮明に写る。超高画素の実力はさすがだ

マクロカメラで撮影

マクロカメラでテントウムシを撮影。被写体まで数cmまで寄って撮影できる。ただし、構図によっては1億800万画素モードを使ったほうが仕上がりは良好かも知れない

マクロカメラでテントウムシを撮影。被写体まで数cmまで寄って撮影できる。ただし、構図によっては1億800万画素モードを使ったほうが仕上がりは良好かも知れない

広角カメラで明るめの夜景を撮影

明るめの夜景を撮影。HDRが明暗差を調整しているため、ハイライトもシャドウも階調の飽和は少ない。ただし、樹木などの細部は粗く、感度性能の限界は近そうだ

明るめの夜景を撮影。HDRが明暗差を調整しているため、ハイライトもシャドウも階調の飽和は少ない。ただし、樹木などの細部は粗く、感度性能の限界は近そうだ

超広角カメラで夜景を撮影

上と同じ構図を超広角カメラに切り替えて撮影した。全般にディテールがつぶれている。この程度の明るさでも性能的には少々厳しいようだ

上と同じ構図を超広角カメラに切り替えて撮影した。全般にディテールがつぶれている。この程度の明るさでも性能的には少々厳しいようだ

本機のカメラは。シャオミのスマートフォンに見られる、肉眼の印象に近い絵作りの特徴が見られた。標準カメラとなる広角カメラは比較的安定した性能で、明るい日中であればある程度見栄えのする写真が手軽に撮れるだろう。いっぽう、夜景撮影はあまり得意ではないようで、多めに撮影しておく、手すりなどを使って固定するなどして手ブレを抑えたほうがよいだろう。

注目の1億800万画素カメラは、確かに高精細な映像を撮影できるが、感度性能が低下するため、全体が暗くなり、手ブレもしやすくなる。またオートフォーカスの合焦速度やシャッタータイムラグも遅くなる。常用するというよりも、ここぞというところで使うほうがよさそうだ。

5,000mAhのバッテリーを搭載。2日は持つがバッテリー持ちは平凡

本機は5,000mAhのバッテリーを備えており、楽天モバイルの公開しているスペックによると、連続通話時間約33時間(LTE)と、連続待ち受け時間は約499時間となっている。なお、バッテリー持ちに定評のあるシャープ「AQUOS sense6」は、連続通話時間が約50時間(LTE)、連続待受時間が約930時間となっている。これと比較すると、極端に電池持ちが良好な部類ではないようだ。今回の検証では、1日に3時間程度利用した場合、約50時間でバッテリーがゼロとなる。1泊の旅行なら充電器なしでもギリギリ乗り切れるかもしれないというレベルだろう。

そのいっぽうで、製品パッケージには67Wの急速充電器が同梱されており、約42分でフル充電が行える。電池持ちの不安は急速充電でカバーすることになるだろう。

同梱の充電器は67Wの出力に対応する。なお、通常のUSB Type-C充電器としても利用可能で、その場合は5V×3Aの15Wの出力に対応する

同梱の充電器は67Wの出力に対応する。なお、通常のUSB Type-C充電器としても利用可能で、その場合は5V×3Aの15Wの出力に対応する

価格と機能のバランスはさすが。「Xperia 10 IV」の有力対抗馬

最後に本機の競合機種と比べて、いいところと気になるところをまとめたい。

本機の属するミドルレンジスマホは、かなりの激戦区だ。その中でも有力な競合機種となりそうなのは、7月に登場予定のソニー「Xperia 10 IV」と、まだ、発表されていないがオッポ「Reno5 A」の後継モデルが考えられる。特に「Xperia 10 IV」は、「Snapdragon 695 5G」や6GBのメモリー、128GBストレージ、FeliCa搭載など本機と重なる部分が多く、有力なライバルとなるだろう。

本機は、120Hz駆動や、360Hzタッチサンプリングレート、ステレオスピーカーなど「Xperia 10 IV」にはない機能が多い。いっぽうで、Androidの標準にならった素直な操作性とバッテリー持ちのよさは「Xperia 10 IV」の魅力。なじみのあるソニー「Xperia」という安心感も無視できないだろう。また、本機は、5Gのn79に対応していないため、NTTドコモの5Gネットワークとの相性があまりよくないが、「Xperia 10 IV」はドコモの扱いということもありn79にきちんと対応しているだろう。

価格面は、楽天モバイル版が42,980円、オープンマーケット版が44,800円(いずれも税込)。「Xperia 10 IV」は、前モデルの価格や端末の全般的な値上げ傾向から、6万円台になると思われる。性能と価格差を考えると、「Xperia 10 IV」の強力なライバルと言えよう。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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