高級キーボード「REALFORCE」のキー荷重45gモデル(上)から30gモデル(下)に買い替えてみて感じたこととは?
キーボード選びで失敗しないためには、レイアウトやキースイッチの種類など、自分のタイピングの傾向に合った仕様を選ぶのが重要だ。仕様選びの中で特に判断が難しいのが、キーを入力した際の打感に強く影響する「キー荷重(押下圧)」。重すぎず軽すぎず、ちょうどいいキーの重さとはどのくらいなのか? 考えだすとキリがない。
打感のよさや耐久性の高さが目の肥えたPCユーザーから評価されている、東プレの高級キーボード「REALFORCE」では、キー荷重30gという、キーボード製品の中でも特に“軽い”仕様が用意されている。価格.comなどネットのクチコミを見ると30gは賛否両論で、「軽すぎて使いにくい」という意見もあれば、「軽快に入力できる」という意見もある。万人が使いやすいわけではないのかもしれないが、30gだとどのくらい軽い力でタイピングできるのかは気になるところ。特に、「REALFORCE」の標準的なキー荷重45gとの違いを知りたい人は多いのではないだろうか。
そこで本記事では、キー荷重30gが気になっている人に向けて、キー荷重45gの「REALFORCE」キーボードを約15年使用してきたヘビーユーザーによる「キー荷重30gモデルへの買い替えレポート」をお届けしよう。買い替えにいたった経緯や、購入後のタイピングの変化などを詳しくお伝えする。
「REALFORCE」は、言わずと知れた、高級キーボードのトップブランドだ。自動車のプレス関連製品や、定温物流関連製品、空調機器、電子機器の製造・販売を行う「東プレ」が手がけるブランドで、同社は、20年以上にわたって、静電容量無接点方式のキースイッチ機構を搭載する、高品質かつ高耐久な「REALFORCE」キーボードを作り続けている。「日本製プレミアムキーボードの最高峰」と銘打ち、設計から製造、サポートまでを神奈川県相模原市の事業所で一貫して行っているのも特徴だ。
「REALFORCE」が採用する静電容量無接点方式は、パーツの金属部分同士が一定レベルに近づくと電気が流れて、キーの入力を認識する仕組み。物理的な接点がなく、耐久性が高いのが特徴だ。パーツ同士を接触させなくても入力できるので、打鍵音(タイピング音)を抑えられるのもポイント
筆者は、「『REALFORCE』を一度使うとほかのキーボードは使えなくなる』というクチコミを価格.comの掲示板で見て、嘘かまことか確かめてみたく、2007年に、第1世代のフルサイズモデル「REALFORCE 108UH SA0100」を購入。それから約15年にわたり、仕事用のメインキーボードとして使い続けてきた。
ライター/編集業を生業にしているためキー入力数は多く、約15年で入力した総数は、少なく見積もっても1000万回はくだらない。「REALFORCE」の第1世代モデルは、キースイッチの寿命が3000万回以上なので、スペック的にはまったく問題ない数なのだが、それでも、PCの周辺機器で、ひとつの製品を15年も使えるのはすごい。改めて、耐久性の高いキーボードだと実感する。
約15年使用した、「REALFORCE」の第1世代モデル「108UH SA0100」。日本語108配列のフルサイズモデルで、キー荷重は45g。さすがにボディは色あせているが、キー自体は健在。キートップの印字も、耐久性にすぐれる昇華印刷によって、しっかりと残っている
約15年もの間、「REALFORCE 108UH SA0100」を愛用した理由は、「REALFORCE」の魅力としてよく語られる、静電容量無接点方式による打感の心地よさに尽きる。言葉にするのは難しいが、「スコスコ」と軽快に入力できる感じは、静電容量無接点方式ならではの特徴だ。
「一度使うとほかのキーボードは使えなくなる」のも納得で、「壊れるまで、このキーボードを使い続けたい」と思っていたのだが、環境の変化=在宅勤務の増加がそれを許さなかった。
在宅勤務中は、自宅のデスクの上に、動画・静止画の編集を行うデスクトップPCのモニターとともに、事務作業をメインで行う会社用のノートPCを並べて作業を行っている。ノートPCがずっとテスクに鎮座するため、フルサイズのキーボードだとキーボード周りのスペースに余裕がなく、ちょっとした腕や指の移動にストレスを感じるようになってしまった。
それで、よりコンパクトな、テンキーレスの「REALFORCE」キーボードへの買い替えを決断したというわけだ。同じような理由でテンキーレスキーボードへの買い替えを検討している人も少なくないのではないだろうか。元々、テンキーをほとんど使用していなかったため、テンキーレスキーボードへの変更には抵抗がなかった。
自宅のデスクに、これまで使ってきたフルサイズキーボードを設置したイメージ。会社用のノートPCをキーボートの近くに置くと、どうしても機器同士が近くなり、窮屈なレイアウトになる。ノートPCの位置を少し離してもよいのだが、それだと、微妙にノートPCが使いにくくなる
こちらは、フルサイズキーボードをテンキーレスキーボードに置き換えた場合。キーボードとノートPCの間のスペースが広がり、窮屈な感じはなくなった
製品選びを行った2022年6月上旬時点では、「REALFORCE」は、2021年11月に登場した最新の第3世代(R3型番)と、ひとつ前の第2世代(R2型番)を選べる状況だった。
第3世代は、約4年ぶりのモデルチェンジで、Bluetooth接続と有線接続の両方に対応するハイブリッド接続モデルが用意されている。ノートPCやタブレットなど複数の端末で使用する際に便利そうなので、第3世代のハイブリッド接続モデルを軸に選ぶことにした。
筆者は、気分が乗ってくると無意識でタイピングが強くなる癖がある。軽いタッチで入力できる「REALFORCE」を使っているのに、底打ち(キーを最後まで押し切ること)するまで強く打ってしまう時がある。
周りに迷惑になるほど強い打鍵音を出す“ハードパンチャー”ではないと思っているものの、自分が出している音は自分ではわからない。在宅勤務が増えてからは、「キーボードの音が気になる」と家族から伝えられていて、打鍵音を抑えないとけないと思っていた。
そこで、新しい「REALFORCE」キーボードでは、標準タイプよりも打鍵音が小さい静音タイプを選ぶことにした。
「REALFORCE」の製品ページでは、求める仕様や機能をチェックして該当するモデルを検索できる
「テンキーレス」「第3世代のハイブリッド接続モデル」「静音タイプ」といった条件はスムーズに決まったが、キーを押し込むのに必要な重さを示す「キー荷重」をどうするかは非常に悩んだ。
「REALFORCE」の第3世代では、モデルによって30g/45g/変荷重の3種類のキー荷重が設定されている。標準的なキー荷重は45gで、約15年使用したキーボードも45gなので、そのまま45gモデルに買い替えるのが無難な選択だが、より少ない力で入力でき、打鍵音の減少が期待できる30gがどうしても気になってしまった。
30gへの移行で引っかかったのは、キー荷重を軽くすることで発生するデメリットだ。ひとつは「誤入力」。キー入力が軽く敏感になるため、意図しないキー入力が増えるのは容易に想像できる。もうひとつは「打感の違い」。さすがに15年も45gモデルを使ってきたので、30gの軽い打感に対して、いつまでも違和感が残るかもしれない。ネットのクチコミでは、キー荷重45gの「REALFORCE」ユーザーが30gモデルに買い替えて、「打った感じが慣れなくて後悔している」という意見も目にする。
1.より静かな打鍵音を目指すなら30gを選びたい。タイピングの質が変わって指が疲れにくくなったらなおよい。
↓
2.打感が軽くなるため、誤入力が増えるだろう。打感の違和感も気になる。
↓
3.仕事に支障が出るかもしれない。やっぱり45gがよいのでは……。
この1〜3のループが何日か続き、かなり悩んだ。使い慣れた45gで行くべきか、これを機に30gに変えるべきか。PCショップに何度か足を運び、実物をタイピングして試してみた結果、不安はあるものの、思い切って30gモデルを選ぶことにした。
「REALFORCE」キーボードの美点は、こだわりの静電容量無接点方式によって、底打ちすることなく、少ない力で軽快に入力できること。ところが、筆者は、底打ち上等で力強くタイピングする時があり、「REALFORCE」のよさを生かし切れていないところがある。今後10年くらいはメインのキーボードとして使用すると考えると、45gのままだと、このタイピングの癖はずっと変わらないだろう。そこで、「癖を直す絶好のタイミング」ととらえ、思い切って30gモデルの購入を決定したのだ。
なお、人さし指で押すキーは45g、小指で押すキーは30gといったように、指に合わせて異なるキー荷重を設定する変荷重については、何度か試打した中で、均一でないキーの重さに違和感を覚えたことと、「使い慣れるとほかのキーボードが打てなくなるかも?」というおそれから、選択肢に含めなかった。
キー荷重以外の仕様も考慮しながら、最終的に選んだのは、第3世代の「REALFORCE R3 R3HC23」というモデルだ。主な仕様は以下のとおり。
・接続方法:Bluetooth接続(Bluetooth 5.0)/有線接続(USB Type-C)
・キー配列:日本語
・キー数:91(テンキーレス)
・キー荷重:30g
・スイッチ音:静音
・キー印刷:昇華印刷(かな印字あり)
・本体カラー:スーパーホワイト
数ある第3世代モデルの中から、Bluetoothと有線のハイブリッド接続が可能な、静音仕様のテンキーレスモデル「REALFORCE R3 R3HC23」を選択。四角い箱のような直線的なデザインが特徴の第2世代と比べると、第3世代は、丸みを帯びたやわらかい印象のデザインに変更されている。奥行は第2世代と比べて2cmほど長い(第2世代は約142mm、第3世代は約163mm)。キースイッチの寿命は、第2世代モデルと同様、5000万回以上
本体カラーにスーパーホワイトを選択したのは、キートップの文字の視認性を重視したためだ。
筆者は、完全なブラインドタッチができるわけではなく、シフトキー入力などは薄く目視しながらタイピングすることがある。「REALFORCE」にはブラックカラーも用意されていて、見た目はそちらのほうがスタイリッシュでカッコいい。「ブラックカラーのキーボードでキーをまったく見ずにタイピングする」という憧れはあるが、「ホワイト系のカラーでないと使いにくくて困る」というのが、悲しいが現実だ。
第3世代モデルは、最大4台まででのマルチペアリングが可能なBluetooth接続(Bluetooth 5.0)に対応。ファンクションキー+1〜5キーの入力で、有線接続を含めた5つの接続先を素早く切り替えられる
タブレットにBluetoothで接続して使用しているイメージ。「REALFORCE」キーボードを、ワイヤレスでいろいろな端末に接続できるのは、第3世代モデルの魅力だ
単3形乾電池2本での駆動に対応。メーカーの動作テストによると、アルカリ乾電池使用時で約3か月動作するとのこと
USB Type-Cによる有線接続も可能。USB給電でのBluetooth接続に対応しているので、たとえば、モニターやPCにUSBケーブルでキーボードをつなげておけば、乾電池を使用せずに、ほかの端末にワイヤレスで接続を切り替えられる
「REALFORCE」は、モデルによってキー印刷(キートップの文字・記号の印刷方法)の仕様を変えている。昇華印刷とレーザー印刷の2種類を選べるが、視認性/耐久性がより高いのは昇華印刷だ。
昇華印刷とは、特殊なインクを高温・高圧で特殊な樹脂(PBT)に深く浸透させる印刷技術で、キートップ表面が多少すり減っても印字が消えないのが特徴。完全なブラインドタッチができなくて、摩耗でキートップの文字が消えると困るようであれば、昇華印刷モデルのほうが安心して使用できるはずだ。
昇華印刷モデルは、特殊な樹脂(PBT)を使用しているためキートップの表面が少しザラついていて、指がかりがよいのも押さえておきたいポイント。レーザー印刷モデルよりも、微妙な違いではあるが、指に吸い付くようなフィーリングが得やすい。
ちなみに、2022年9月15日時点での第3世代モデルのラインアップを見ると、スーパーホワイトモデルはすべて昇華印刷を採用している。
左が、約15年使用した「REALFORCE 108UH SA0100」で、右が新しく購入した第3世代モデル「REALFORCE R3 R3HC23」。昇華印刷で印字されているため、「REALFORCE 108UH SA0100」は、15年経ってもキートップの印字が薄れていない
キー荷重45gの「REALFORCE 108UH SA0100」(左)と、キー荷重30g(APCの設定は3.0mm)の「REALFORCE R3 R3HC23」(右)で、作動点の圧力(単位N)を簡易的にチェックしてみた。「REALFORCE 108UH SA0100」は0.40Nを少し超えるくらいで、「REALFORCE R3 R3HC23」は0.30N前後と、ほぼスペック通りの値が得られた
意を決して購入した第3世代モデル「REALFORCE R3 R3HC23」が届いたのは、2022年6月中旬。届いた当日のファーストインプレッションは、「キー荷重30gはびっくりするくらい軽い」だった。PCショップで試打した際にも軽いとは感じたが、実際の作業環境に設置して使ってみると、その時以上に軽くて驚いた。
しばらく使ってみても軽い感じはまったく抜けず、「このまま使い続けて大丈夫かな……」と不安になったが、その不安は的中。使い始めは、誤入力や変換ミスを連発してしまった。以下、その一例を紹介しよう。
誤入力や変換ミスの例(すべてローマ字入力)
・おはようございます→おはようごじあます
・おつかれさまです→おつかてさあです
・カラー→から0
・だ→だs(dさ)
・しゅるい→しゅつい
・原稿→拳固う
・確認→家訓
・摩耗→魔王
キー荷重の軽さが原因とは思えないミスもあるのだが、これまでと同じような速度と強さでタイピングすると、高い確率で狙ったキーの上下左右が誤入力されてしまった。逆に、軽いタッチでタイピングすると狙ったキーが反応せずに、脱字がひんぱんに発生。強くても弱くても、どうしてもうまくタイピングできない状況が続いた。
第3世代モデルは、専用のソフトウェア「REALFORCE CONNECT」を使ってキーボードの設定を強力にカスタマイズできる。このソフト上で、すべてのキーの配置を自由に入れ替えられるほか、APC(アクチュエーションポイントチェンジャー)という独自機能によって、0.8/1.5/2.2/3.0mmの4段階で作動点(キーを押した際にスイッチがオンになる地点)の深さを設定することも可能だ。
APC機能をうまく使えば、もしかしたら誤入力を減らせるかもしれない……と考えて、より深い3.0mmに設定して確実性が上がるように工夫してみたが、誤入力の頻度はほとんど変わらなかった。そもそも、キー荷重が軽くなり、普通にタイピングしても底打ちする状況だったため、作動点を深くしても効果がなかったのだ。
第3世代モデルは、第2世代モデルからカスタマイズ性が強化されている。すべてのキーの配置を変更できるキーマップ入れ替え機能が追加されたほか、APC機能には、新たに0.8mmの浅い設定が加わった。両機能とも専用ソフト「REALFORCE CONNECT」上で設定する。APC機能は、0.8/1.5/2.2/3.0mmの4段階を全キー一律で変更できるほか、キーごとに値を設定することも可能。キー個別設定は2種類登録しておける。また、専用ソフトでカスタマイズした内容は、キーボード本体に記録されるのが便利。どの端末に接続しても同じ設定で動作するので、たとえば、会社のオフィスなどにキーボードを持ち出す場合も、自宅と同じ設定でタイピングできる
また、キー荷重が軽いことによるものなのか、静音タイプによるものなのかはわからないが、キートップに触れた際に滑るような感覚があって、これまでのフィーリングとは少し異なるのも、使い始めに引っかかった部分だ。
1週間くらい使用してみての率直な感想は「買って後悔」。この時点での購入満足度はとても低かった。
使用頻度が低いうちに中古品として売却して、キー荷重45gモデルに買い替えようとも考えたが、それでは、元の木阿弥。タイピングの質を変えることを狙って購入したものなので、もう少し我慢して使うことにした。
誤入力を減らすため、タイピングの速度を落としつつ、1か月くらい使用してみると、使い始めのころのような誤入力や変換ミスの連発はなくなった。2か月くらい経過すると、タイピングの速度を上げても、ある程度イメージどおりの入力が可能に。だいぶストレスなく使えるようになった。
そして約3か月後の今、昔と同じような速度かつ精度でタイピングできていることを実感している。底打ちするほど強く打つことはほとんどなくなり、打鍵音も小さくなった(と思っている)。フィーリングについても、「REALFORCE」らしい「スコスコ」とした心地よい打感は、従来と変わらない。むしろ30gのほうが、軽く打てる分、軽快さは増しているかもしれない。
できる限り同じ力で、キー荷重45gの「REALFORCE 108UH SA0100」と、キー荷重30g(APCの設定は3.0mm)/静音仕様の「REALFORCE R3 R3HC23」を打ち比べてみた。体感的には、やはり静音仕様の「R3HC23」のほうが打鍵音は小さい。スマートフォンのアプリで簡易的に打鍵音を計測してみたが、周りの騒音が35dB程度の環境下で、「108UH SA0100」はだいたい60〜70dB台(最大77dB)、「R3HC23」はだいたい50〜60dB台(最大70dB)といったところ
専用ソフト「REALFORCE CONNECT」には、選択したひとつのキーのみになるが、実際のストローク量をチェックできるキーストロークメーターが用意されている。このメーターで、どのくらい深くキーを入力しているのかチェックしてみたところ、使い始めはほぼ底打ちしていたが、現在は、だいたい1.5〜2.2mmに収まっているようだ。そのため、APCの設定も当初の3.0mmから1.5mmに変更している。
0.8mmという、第3世代モデルで新たに追加された最も浅いAPC設定も試しているが、さすがに反応がよすぎて、キーをなでるように打つことを意識しないと、新しいキーボードを使い始めたころと同じような誤入力が発生する。この極浅ストロークの域に達するには、まだまだ修行が足りないようだ。
APCの設定は、ファンクションキー+上方向のカーソルキーの入力で、キー一律設定4種類、キー個別設定2種類の計6種類を順番に切り替えられる
Bluetoothの接続先やAPCの設定などは、接続・設定操作時に、キーボード右上のLEDインジケーターで確認できる
APCの設定が浅くなった=タイピングの質が変わった、と言ってもよく、実際、数時間タイピングを続けた場合でも、以前のようには指が疲れなくなっている。
そこで、この記事を書くにあたって、3か月ぶりくらいに第1世代モデル「REALFORCE 108UH SA0100」を使ってみたが、感覚が一変していて驚いた。キーを押した瞬間、思わず「重っ!」と声を出してしまうほど、入力が重く感じたのだ。キーを押すのもはばかるくらいで、約15年も愛用していたキーボードなのに「もうこのキーボードには戻れない」と思ってしまったほどだ。
なお、家族にキーボードの打鍵音について聞いてみたところ、「そういえば気にならなくなった」とのこと。より軽いタッチでのタイピングに慣れると同時に、周りに伝わる打鍵音も小さくなったようだ。
以上、キー荷重45gの「REALFORCE」キーボードを約15年使用してきたヘビーユーザーによる「キー荷重30gモデルへの買い替えレポート」をお届けした。
キー荷重30gモデルを3か月使用してみて、最後にお伝えしておきたいのは、30gモデルの購入や買い替えを躊躇しているのなら、「思い切って決断してほしい」ということ。もちろん、すべての人にとって30gがベストではないだろう。ただ、特に、底打ちするくらい強く叩いている自覚があって、それを気にしているのなら、より軽いキー荷重は好都合。使い始めはタイピングしにくいと感じるかもしれないが、我慢して使っているとタイピングの質が変わり、より疲れにくく、静かな音で使えるようになるはずだ。
2022年9月15日時点での「REALFORCE」の現行ラインアップは、第2世代のスペシャルモデル「PFU Limited Edition」を除いて、最新の第3世代モデルのみ。第3世代の「REALFORCE Store」での直販価格(税込)は、有線接続モデルが25,000円程度、標準タイプのハイブリッド接続モデルが32,000円程度、静音タイプのハイブリッド接続モデルが35,000円程度と決して安くはない。だが、キーマップ入れ替え機能や4段階のAPC機能を搭載するうえ、ハイブリッド接続モデルならBluetooth接続と有線接続を使い分けられるのは利便性が高い。壊れにくく、長く使えることも考慮すると、価格に見合う価値は十分にある。
なお、「REALFORCE」では、第2世代のデザインを継承した、第3世代の派生モデル(R3S型番)も用意されている。こちらは有線接続モデルで、第3世代のスタンダードモデルと同様、キーマップ入れ替え機能や4段階のAPC機能に対応。Bluetooth接続が不要で、第2世代モデルの直線的なデザインが好みなら、こちらを選ぶのもよいだろう。第3世代のスタンダードモデルよりも奥行が2cmほど短く、より狭いスペースに設置しやすいのも魅力だ。ただし、2022年9月15日時点では、昇華印刷モデルが用意されていないので、製品選びの際は注意したい。
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<キーボード選びの参考ページ>
価格.com 選び方ガイド「失敗しない! キーボードの選び方」
フィルム一眼レフから始まったカメラ歴は、はや約30年。価格.comのスタッフとして300製品以上のカメラ・レンズをレビューしてきたカメラ専門家で、特にデジタル一眼カメラに深い造詣を持つ。フォトグラファーとしても活動中。