パナソニック コネクトは2022年10月20日、ビジネス用途向けのモバイルノートPC「Let's note(レッツノート)」ブランドの新モデル「SRシリーズ」を発表した。「究極のコンパクトモバイル」をキャッチコピーに掲げる12.4型液晶の新シリーズで、軽量かつ頑丈な「レッツノート」の魅力が詰まった製品だ。2022年11月11日に発売される、個人向け店頭販売モデルの特徴を紹介しよう。
12.4型液晶を採用する、「レッツノート」の新モデル「SRシリーズ」。カラーバリエーションに新色「カームグレイ」が追加された
「究極のコンパクトモバイル」をうたうだけあって、「SRシリーズ」は、性能を犠牲にせずにコンパクト化を達成している。
そのサイズは約273.2(幅)×208.9(高さ)×19.9(奥行)mmで、重量は最小モデルの「CF-SR3GDTCR」で約859g。横3:縦2比率の12.4型液晶ディスプレイ(1920×1280)を採用しながら、A4サイズ(297×210mm)よりも小さい筐体に収まっている。ビジネスバッグの中に収納しやすいように、20.0mmを切る薄さを実現したのも特徴だ。
A4サイズ未満のいコンパクトな筐体を実現
小さなバッグの中にも収納できる
飛行機の各座席に用意されているテーブルの上にも置ける。液晶ディスプレイは、「レッツノート」らしく、ビジネス文書が閲覧しやすい縦長の横3:縦2比率だ(この画像のモデルはカームグレイカラー)
新幹線のテーブルの上にも設置可能。ベゼルは幅約5.6mmに薄型化された(この画像のモデルはブラックカラー)
性能面では、CPUに第12世代インテルCoreプロセッサーを採用。個人向け店頭販売モデルでは、12コア/16スレッドで最大4.7GHz駆動の「Core i7-1260P」、もしくは10コア/12スレッドで最大4.4GHz駆動の「Core i5-1235U」を搭載している。
さらに、CPUのパフォーマンスを引き出す独自の「Maxperformer」設計を採用。高性能と省電力を両立するCPUの電力制御チューニングや、ヒートパイプ上に排気経路を確保することで効率的に冷却できる構造、2021年夏モデルの「SV1シリーズ」と比べて風量が約10%向上した新設計の冷却ファンの組み合わせによって、高いCPUパフォーマンスを長くキープできるという。
フィンの形状と羽根の枚数を最適化した冷却ファン
コンパクトなメイン基板を採用
「レッツノート」に対して「屈強で力強い」というイメージ持つ人も多いと思うが、「SRシリーズ」のデザインは、これまでとは少し趣が違う。ネジやカメラなどのパーツや、キーの隙間を目立たなくするのと合わせて、天板やヒンジを従来以上にシンプルな形状にし、ベゼルも幅約5.6mmに薄型化することで、すっきりとした印象のノイズレスデザインに仕上がっている。
さらに、マットで落ち着いた雰囲気の新色「カームグレイ」をカラーバリエーションに追加。今回は、「レッツノート」らしい明るいシルバーカラーはなく、ブラック、ブラック&カームグレイ、カームグレイの3色展開だ。
落ち着いたトーンのカームグレイ
「レッツノート」のアイコンとも言えるホイールパッドには、14型モデル「FVシリーズ」から採用した直径約64mmの大型タイプを継承。3本指や4本指でのジェスチャー操作をよりスムーズに行える。キーボードは、こちらも「レッツノート」独自のリーフ型キーボードだ。
大型ホイールパッドとリーフ型キーボードを採用
ビジネス用途では重要なセキュリティ機能も充実している。PCの前にいる人物をモニタリングするAIセンサーを活用した、離席時の自動画面ロックや、着席時の自動スリープ解除といった機能の利用が可能。PCの前に2つ以上の顔を検知した場合に、画面上に注意喚起のボップアップアイコンを表示したり、画面全体をぼかしたりする「のぞき見注意」も設定できる。
のぞき見を検知するセキュリティ機能を搭載。ポップアップアイコンを表示したり、画面全体をぼかしたりできる
セキュリティ機能は、専用アプリ「AIデバイスコントローラー」上で設定・管理できる
「レッツノート」は、満員電車での圧迫を想定した加圧振動試験や、机上からの落下を想定した落下試験などの厳しい品質試験を実施し、モバイルノートPCとして最高レベルの頑丈さを実現している。特に「レッツノート」の特徴として押さえておきたいのが、100kgfの圧力に耐えられる、独自のボンネット構造だ。
「SRシリーズ」では、耐圧100kgfのスペックはそのままに、ボンネット構造の薄型フラット化を実現。天板裏面に補強リブを加えることで、強度をキープしながら、天板表面をよりフラットな見た目に仕上げている。
独自のボンネット構造は、マグネシウム合金ボディの薄肉でも、負荷がかかった際のたわみを抑制できるのが特徴。2002年発売の「Let's note LIGHT R1」で初めて採用してから約20年にわたって改良を重ねてきた
左が「SRシリーズ」で、右が「SVシリーズ」(12.1型モデル)。「SRシリーズ」は、よく見ないとわからないくらいに、天板表面の凹凸が抑えられている
「SRシリーズ」では、天板裏面の補強リブによって強度の維持と薄型化を両立した
あらゆるビジネスシーンに対応できるよう、「レッツノート」は充実したインターフェイスを搭載している。「SRシリーズ」は、本体左面に、HDMI出力、Thunderbolt 4対応のUSB 3.1 Type-C、USB 3.0 Type-A、有線LANを搭載。右面には、「レッツノート」伝統のアナログRGB、USB 3.0 Type-A×2、SDメモリーカードスロット、セキュリティスロットを備える
「SRシリーズ」のバッテリーはもちろん着脱式。バッテリーが劣化したときも工事不要で交換が可能だ。標準バッテリー(重量約270g/約16時間駆動)と軽量バッテリー(重量約約190g/約9.5時間駆動)の2種類のバッテリーパックが用意されている。個人向け店頭販売モデルでは、標準/軽量バッテリーのどちらか1つが付属する。
CF-SR3HFPCR
CPU:Core i7-1260P
メモリー:16GB
ストレージ:512GB SSD
OS:Windows 11 Pro 64bit
オフィスソフト:Office Home & Business 2021
付属バッテリー:標準バッテリー
重量:約1049g(標準バッテリー装着時)
ボディカラー:ブラック
タッチ操作、LTE通信(eSIM)に対応
CF-SR3HDNCR
CPU:Core i7-1260P
メモリー:16GB
ストレージ:512GB SSD
OS:Windows 11 Pro 64bit
オフィスソフト:Office Home & Business 2021
付属バッテリー:標準バッテリー
重量:約949g(標準バッテリー装着時)
ボディカラー:ブラック
CF-SR3GDMCR
CPU:Core i5-1235U
メモリー:16GB
ストレージ:512GB SSD
OS:Windows 11 Pro 64bit
オフィスソフト:Office Home & Business 2021
付属バッテリー:標準バッテリー
重量:約939g(標準バッテリー装着時)
ボディカラー:ブラック&カームグレイ
CF-SR3GDTCR
CPU:Core i5-1235U
メモリー:16GB
ストレージ:512GB SSD
OS:Windows 11 Pro 64bit
オフィスソフト:−
付属バッテリー:軽量バッテリー
重量:約859g(軽量バッテリー装着時)
ボディカラー:カームグレイ
パナソニック コネクトは、パナソニックの持ち株会社化にともない、2022年4月1日に発足した事業会社だ。BtoB向けのソリューション事業を担う会社で、モバイルソリューションズ事業として「レッツノート」や「タフブック」など主に法人向けモバイル端末の開発・販売を行っている。
今回、「レッツノート」のラインアップに加わった「SRシリーズ」は、アフターコロナ時代のハイブリッドワークにフィットするモバイルノートPCとして商品化された。リアルとオンラインの融合によって働き方が多様化する中で、より自由に使える「新しいPCのカタチ」を追求した結果、A4サイズよりも小さいコンパクトな筐体や、シンプルですっきりとした印象のデザインを実現したというわけだ。
高性能や頑丈さなどの「レッツノート」らしさはそのままに、従来以上に幅広いシーンで使いやすくなったことを加味すると、「究極のコンパクトモバイル」というキャッチコピーも決して言い過ぎではない。リモートワークやWeb会議、出張、顧客訪問など、あらゆるシーンでノートPCの利用が必須のビジネスパーソンにとって心強いパートナーになるはずだ。
直販サイト「Panasonic Store Plus」での「SRシリーズ」の販売価格は300,300円(税込)〜。CPUやメモリー、ストレージなどの基本スペックだけを見ると、もっと安いものはある。だが、「SRシリーズ」には、ほかにはないような高い携帯性と、業界最高レベルの頑丈さが備わっている。ビジネスで安心して使用できるモバイルノートPCとして、価格に見合う価値は十分にあると言えよう。
「Panasonic Store Plus」のWeb直販モデル「カスタマイズレッツノート」は、ストレージやバッテリーパックなどのBTOが可能。「SRシリーズ」の「カスタマイズレッツノート」では、天板のカスタムカラーとしてディープネイビー、ブリックレッド、フォリッジグリーンの3色が用意されている
「カスタマイズレッツノート」の誕生20周年を記念した、「FVシリーズ」のプレミアムエディションも新たに用意する。「レッツノート」として初めて、14コア/20スレッドで最大4.8GHz駆動の「Core i7-1280P」を採用する高性能モデルだ
フリーランスから価格.comマガジン編集部に舞い戻った、カメラが大好物のライター/編集者。夜、眠りに落ちる瞬間まで、カメラやレンズのことを考えながら生きています。