2022年11月18日、ファーウェイから最新スマートウォッチ「HUAWEI WATCH GT 3 SE」が発売されました。本機は、上位モデル「HUAWEI WATCH GT 3 PRO」から実用性の高い機能に絞って搭載することで、27,380円(直販サイトの販売価格)という手に取りやすい価格を実現したのが魅力。同社のスマートウォッチはコストパフォーマンスの高さで知られていますが、その中でも特に高いコスパを実現した最新モデルです。じっくり使ってみての、素直な使用感をお伝えします。
スマートウォッチデビューにピッタリな「HUAWEI WATCH GT 3 SE」をレビュー
「HUAWEI WATCH GT 3 SE」は、多彩な機能とロングバッテリー、高級感のあるデザインで人気の「HUAWEI WATCH GT」シリーズの第3世代のラインアップに新しく追加されたモデル。カジュアルに使えるデザインと実用性の高い機能、そして“ちょうどいい価格”が特徴です。
本体ケースは樹脂製のため、スーツなどに合わせるには少しカジュアルな印象ですが、普段使いやスポーツにはバッチリ合いそう。30,000円を切る価格を考えれば、幅広いユーザーにアピールするモデルと言えます。
ダイバーズウォッチを思わせるデザインのベゼル
樹脂製のケースを採用したことで、約35.6gの軽量ボディを実現
「軽さは正義」という言葉は、自転車やキャンプ道具などさまざまなギアに使える言葉ですが、スマートウォッチも同様です。約35.6gという軽さに加えて、厚さも約11mmに抑えられているため、着け心地は軽くて快適! 特にスポーツシーンに適していると感じました。
22o幅のバンドはシリコンを採用し、少し硬めの装着感です
本体ケースの右上部に備え付けらえたリューズ型のボタンは、ワークアウトやストレスレベルのモニタリング、音楽再生などのアプリ一覧を表示するためのボタンです。「HUAWEI WATCH GT 3 PRO」ではリューズを回すことでスクロール操作が行えましたが、本機ではボタンが回転せず、スクロール操作にも対応していません。主な操作は、ディスプレイのタッチ操作で行います。
また、本体右下部には、よく使うアプリを指定することで、ボタンを押すだけで素早く起動できる「機能ボタン」を搭載しています。
ディスプレイは、1.43インチの大型AMOLEDスクリーンを搭載。ダイバーズウォッチのようなベゼルデザインのためか、本体サイズはディスプレイのインチ以上に大きく感じられます。大きいディスプレイは好き嫌いがあるでしょうが、466×466というスマートウォッチとしては非常に高い解像度のため、各種データなども見やすいと感じました。
466×466ピクセルの高解像度ディスプレイは、実写画像も鮮やかに表示してくれます
「HUAWEI WATCH GT 3 SE」のバッテリー駆動時間は、カタログ値では通常使用で約14日間、ヘビーユースで約7日間。通常使用24時間(うちGPSオンのランニング1時間)では、バッテリーの減少は約7%でした。バッテリー使用量が多いウォッチフェイスを設定していてもこの程度減りなので、そこまでひんぱんに充電を行う必要はなさそうです。ファーウェイのスマートウォッチは14日駆動のバッテリーがスタンダードですので、エントリーモデルといえど「HUAWEI WATCH GT 3 SE」もその基準をしっかりクリアしています。
充電は専用の充電器でワイヤレスに行えます。ワイヤレス充電規格のQiに対応しているため、Qi対応のワイヤレス充電器も使用できます
本機はエントリーモデルとはいえ、スマートウォッチで当たり前となっている心拍数と血中酸素濃度の24時間リアルタイムモニタリングにももちろん対応。高精度な心拍数計測センサーなどにより、手首に着けたまま寝るだけで睡眠の質もチェックできます。
背面には、LEDライトを2基用いて、運動中や睡眠中でも正確な心拍データを収集できる心拍センサーを搭載。心拍センサーは盛り上がりが少なくフラットな形状のため、装着していてもじゃまに感じません
アップデートされた睡眠モニタリングのアルゴリズム「HUAWEI Trusleep3.0」により、精度の高い睡眠データが取得できるとのこと
睡眠関連の機能で注目なのは、スマホを近くに置いて寝ることで、寝言やいびきを録音できる新機能。これは筆者的にもすごく興味があるので、iOSでも使えるようにアップデートしてもらいたいところです。
「HUAWEI WATCH GT 3 SE」は、「GT 3」シリーズの他モデルと同様に100種類以上のワークアウトの計測に対応しています。ただし、GPSについては、最上位モデル「HUAWEI WATCH GT 3 Pro」と比べて、みちびき、GLONASSなど5つの衛星に対応しているのは同様ですが、周波数帯は2つがひとつへとダウングレードしています。そのため、最上位モデルと比べると、GPSの精度が低くなると考えられます。使い勝手がどれくらい変わるのか、10qほどランニングを行いチェックしてみました。
結果は、周波数帯がひとつにしか対応していなくても、GPSの精度は非常に高いと感じました。もしかすると、山間部など高い遮蔽物が多い場所だと、もう少し差が出るかもしれません。しかし、日常使いの範囲であれば、あまり支障はないと思います。
約10qのランニングの測定データ。位置情報の精度も非常に高い
ランニングに特化した機能としては、走り終わった後、その運動強度によって回復までの時間を教えてくれる機能のほか、自分のランニングレベルがわかる「ランニング能力指数」機能も搭載されています。これは過去に走ったときの心拍数、ペース、距離などのデータから数値が割り出されて、パフォーマンスの指標にできるというもの。また、同様にパフォーマンスの指標になるVO2MAXも計測できるなど、多面的にランニングのレベルが計測できるようになっています。
自身のランニングレベルが把握できる機能を搭載
スポーツシーンやオフィスカジュアルなどで使いやすいデザイン、使用頻度と実用性が高いものだけに絞った機能性、そして購入しやすい価格設定は、まさに「これでいいんだよ」という、ちょうどいいバランスのスマートウォッチだと感じました。
特に際立っていいなと思ったのが、約35gという本体の軽さ。バンドタイプだと、これくらい軽いモデルはありますが、時計タイプではあまり見られない軽量ボディで、装着したときの快適性が非常に高いです。モニターサイズもバンドタイプよりは格段に大きいので、視認性もかなり高くなっています。
ひとつだけ不満があるとすれば、基本的にタッチパネルで操作を行わなくてはいけない点。筆者はロードバイクに乗るため、これからの季節グローブで操作しなくてはいけないことを考えると、物理ボタンでの操作もできるとありがたかったと感じます。
最上位モデル「HUAWEI WATCH GT 3 Pro」ほど使える機能が多いわけではないのですが、日常使いで不満を感じることはほぼありません。スマートウォッチ初心者には最適なモデルだと思います。
ミラソル デポルテ代表。自転車、トライアスロン、アウトドア関連のライターとしても活動中。趣味はロングディスタンスのトライアスロン。