レビュー

アナログ時計採用! ガーミンの新しくもクラシックな「Instinct Crossover」レビュー

スマートウォッチは、デジタルガジェットを代表するような製品ですが、そのスマートウォッチにあえてアナログ時計(針)を組み込んだガーミン「Instinct Crossover」が登場しました。3つあるラインアップの中から、ソーラー充電に加えて、ミリタリー機能を備える「Instinct Crossover Dual Power Tactical Edition」をレビューします。

デジタルとアナログが融合したタフネスウォッチ「Instinct Crossover」

デジタルとアナログが融合したタフネスウォッチ「Instinct Crossover」

デジタル表示 + アナログ針ってどういうこと?

ガーミンのスマートウォッチ「Instinct」シリーズは、過酷な環境で使えるタフなボディを備えているほか、ソーラー充電対応で長時間駆動が可能な「Dual Power」モデルを用意するなど、主にアウトドアシーンで活用しやすいのが特徴。そんな「Instinct」シリーズの最新モデルが「Instinct Crossover」です。

「Instinct Crossover」では、今回レビューする最上位モデル「Instinct Crossover Dual Power Tactical Edition」のほか、ソーラー充電対応の上位モデル「Instinct Crossover Dual Power」と、ソーラー充電には対応しない標準モデル「Instinct Crossover」がラインアップされています。モデルによって対応する機能に違いがありますが、本体サイズや重量などは共通です。

本体サイズは45(幅)×45(高さ)×16.2(厚さ)mm。重量は65g

本体サイズは45(幅)×45(高さ)×16.2(厚さ)mm。重量は65g

「Instinct Crossover」の最大の特徴は、デジタル表示のウォッチフェイスにアナログ針を採用している点です。「アナログ針がじゃまでデジタル表示が見にくくならないか?」など疑問があると思います。まずは、そのあたりを中心に見ていきましょう。

モノクロディスプレイ(176×176)を搭載するウォッチフェイスに加え、発光するアナログ針を採用。アナログ針は、GPSで標準時刻に自動補正する機能「RevoDrive」を備えています

モノクロディスプレイ(176×176)を搭載するウォッチフェイスに加え、発光するアナログ針を採用。アナログ針は、GPSで標準時刻に自動補正する機能「RevoDrive」を備えています

アナログ針がじゃましてデジタル表示の情報が見にくいと思うかもしれませんが、ずばり言うと「かなり見やすい」です。なぜかと言うと、実は、「Instinct Crossover」にはデジタル表示を確認するときに針が自動で動く機能が搭載されているからです。どういう風にアナログ針が動くかは、以下の動画でご確認ください。

アナログ針が「9時15分」の位置に移動

アナログ針が「9時15分」の位置に移動

アナログ針がデジタル表示にかぶらない位置に動くので、まったく存在を気にすることなく、睡眠の質や心拍数など計測した数値や情報が確認できます。「よくできてるな〜」と感じると同時に、ガジェット好きにもアピールできるすごく面白いポイントだと思いました。デジタルとアナログが違和感なく共存しています。デザイン的にはかなりとがっているのですが、着用感、使用感はすごく快適でした。

ボディデザインは、ディスプレイサイズが1.3インチで、ベゼルには高強度のステンレススチールを採用。アメリカ国防総省が定める耐衝撃、耐熱などのテストをクリアしており、MIL-STD-810準拠の耐久性も備えます。水深100mまで対応する防水機能も搭載。普段使いはもちろん、激しいアウトドアアクティビティでも気兼ねなく使えるでしょう。

ディスプレイのサイズは1.3インチ。視認性が高いディスプレイで、文字が見やすいです

ディスプレイのサイズは1.3インチ。視認性が高いディスプレイで、文字が見やすいです

ベゼルにステンレススチールを採用し、タフな環境でも安心して使えます

ベゼルにステンレススチールを採用し、タフな環境でも安心して使えます

「Instinct Crossover Dual Power Tactical Edition」は、暗所で針が光る仕様のほか、位置情報の取得と無線通信をオフにする「ステルスモード」なども搭載しています。

エメラルドグリーンに光るアナログ針

エメラルドグリーンに光るアナログ針

光学式心拍センサーを利用したウェルネス機能も充実。心拍数、呼吸数のほか、自分をバッテリーに見立てて残りのエネルギー量を表示する「ボディバッテリー」など、高価格モデルにふさわしい機能性の高さです。

センサーが6つある光学式心拍計を搭載。心拍数のほか、睡眠、呼吸など詳細なデータを計測可能

センサーが6つある光学式心拍計を搭載。心拍数のほか、睡眠、呼吸など詳細なデータを計測可能

超ロングバッテリー+ソーラー充電の実力は?

今回レビューした「Instinct Crossover Dual Power Tactical Edition」と、「Instinct Crossover Dual Power」は、ディスプレイに太陽光をあてることで充電されるソーラーバッテリーを搭載しています。先だって発売された「Instinct 2 Dual Power」は無限に使えるバッテリーがウリでしたが、それに匹敵するバッテリー持ちのよさです。

無限に使える「Instinct 2 Dual Power」と比べると駆動時間が少なくなっていますが、それでもバッテリーは、一般的なスマートウォッチとは比べものにならないほど持続します

無限に使える「Instinct 2 Dual Power」と比べると駆動時間が少なくなっていますが、それでもバッテリーは、一般的なスマートウォッチとは比べものにならないほど持続します

ソーラー充電が行われると、光の強さ(ルクス)が表示されます。これでどれくらいソーラー充電が行われたかがわかるわけです

ソーラー充電が行われると、光の強さ(ルクス)が表示されます。これでどれくらいソーラー充電が行われたかがわかるわけです

カタログ値では心拍計や通知、ライフログなどを起動したスマートウォッチモードで最大「約28日+42日間」※、GPS+心拍計を起動させたモードで最大「約25時間+6時間」※となっていますが、実際には太陽光でどのくらい充電されるのかテストしてみました。
※「+42日間」「+6時間」はソーラー充電を利用した場合の目安。

なお、窓辺においてもあまりチャージされなかったようなので、直射日光下に4時間ほど置いてテストしました。

バッテリー残量「74% 16日」からチャージ開始

バッテリー残量「74% 16日」からチャージ開始

4時間のソーラー充電で、バッテリーは「2%」回復しました

4時間のソーラー充電で、バッテリーは「2%」回復しました

4時間のソーラー充電で増えたのが「2%」というのは少なく感じるかもしれませんが、太陽光下では使いながらでも充電されるというのは、大きなメリットです。

なお、24時間使用してみて、その間にGPSを1時間ほど稼働させたところ、バッテリーの消費量は5〜6%ほどでした。ソーラー充電も考慮すると、バッテリー残量についてはあまり気にする必要がなさそうです。GPS使用時でも、ソーラー充電なしで約25時間は使用できるので、マラソンや自転車のロングライドにも問題なく対応してくれそうです。

GPS、心拍数計測をランニングでチェック

「Instinct Crossover」は、GPS、GLONASS、GALILEO、みちびき(補完信号)の4つの衛星に対応しています。これにより正確な位置情報を取得できるとのことなので、趣味のランニングでGPSの補足スピードに加えて、心拍数などの運動データを検証してみました。

ランニング中のタイム、距離、ペースなどの情報は大きくて見やすいです

ランニング中のタイム、距離、ペースなどの情報は大きくて見やすいです

専用アプリ「Garmin Connect」ではより詳細なデータを管理できます

専用アプリ「Garmin Connect」ではより詳細なデータを管理できます

普段走っているコースで試したところ、移動距離や心拍数は“かなり正確”と言えるレベルでした。ストライドの長さやピッチ(脚の回転数)なども計測できるので、ランニングのレベルアップに生かすこともできそうです。

自転車やウォーキングなどは自動で認識してデータを計測

自転車やウォーキングなどは自動で認識してデータを計測

「Instinct Crossover Dual Power Tactical Edition」には、出発地点までの道のりを画面に表示してナビゲートする「ルートバック」機能も搭載されています。ランニングだけでなく、山登りやトレランでも使えそう

「Instinct Crossover Dual Power Tactical Edition」には、出発地点までの道のりを画面に表示してナビゲートする「ルートバック」機能も搭載されています。ランニングだけでなく、山登りやトレランでも使えそう

まとめ

アナログ針を採用したスマートウォッチということで、どのような製品なのか気になりつつも、「ガーミンならうまくやってくれるはず」と心配はしていませんでしたが、デジタルとアナログ針の融合は非常に高いクオリティで実現していると感じました。アナログ針が自動で動くのが楽しく、むだにバッテリーを消費しているとは理解しつつも、ボタンを押すと針が動いていく様子を何度も眺めてしまいました。

もちろん、ガーミンのスマートウォッチなので、ライフログや運動の記録、健康管理機能なども豊富で精度も高いです。メールなどの通知のほか、「Suica」にも対応しており、アウトドアが好きな人はもちろん、かっこいいスマートウォッチを探している人にもピッタリではないでしょうか。

今 雄飛

今 雄飛

ミラソル デポルテ代表。自転車、トライアスロン、アウトドア関連のライターとしても活動中。趣味はロングディスタンスのトライアスロン。

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