大手メーカーの主力モデルが揃う5万円台のスマートフォン。機能性は十分で、モデルごとの特徴が存分に発揮される魅力的な価格帯と言えるでしょう。本記事では、発売から1年以内の最新モデル4機種をピックアップ。それぞれの魅力や特徴に迫ります。
※本記事で紹介する端末は、2022年2月以降に発売され、2023年1月中旬時点での価格.comの最安価格が5万円台のSIMフリースマートフォン。あるいは、特定の条件で5万円台で購入できる、通信事業者のスマートフォンです。
※本記事中の価格は税込で統一しています。
5万円台のスマートフォンは、大手メーカーの主力モデルやスタンダードモデルが揃う価格帯です。各メーカーの強みを生かしたモデルが多くなりますが、より個性的なコンセプトで作られたものが見られるのも、この価格帯の特徴です。
主力モデルが多いこともあり、おサイフケータイで使用するFeliCa、防水・防塵、高画質な有機ELディスプレイのような、今選ぶなら搭載してほしい機能を備えたモデルが多くなります。また、iPhoneのエントリーモデル「iPhone SE」を選べるのもこの価格帯からです。
スマートフォンにとってバッテリーの持続性は大きな課題です。この価格帯は、処理性能とバッテリー持ちのバランスにすぐれたものが多い傾向です。そして、この価格帯を超えると、Androidスマートフォンにおいては処理性能を重視したものが多くなり、結果としてバッテリーの持続時間は悪化する傾向にあります。
性能とバッテリー持ちのバランスにすぐれた製品は5万円台までの製品がほとんどです。それ以上の価格帯では、バッテリー持ちよりも性能を重視する傾向が強くなります
上記の特徴と矛盾するかもしれませんが、思いもよらないような掘り出し物がみつかるのもこの価格帯からです。カメラの性能はほどほどないっぽうでハイエンドSoCを搭載すると言った、全体のバランスよりも特定のコンセプトに特化した製品も選べます。
5万円の価格になると、ハイエンドモデルに搭載されることの多い、望遠カメラを搭載するものも登場します。望遠カメラは、デジタルズームを使った望遠撮影より画質にすぐれており、一般的なスマートフォンのカメラとはひと味違う構図で撮影が楽しめます。ただし、光学式手ぶれ補正機能の有無や感度性能など、使い勝手ではハイエンドスマートフォンの望遠カメラと差があるのも事実です。
望遠カメラは、被写体から距離をとることで自然な表情や構図で撮影が可能です。撮影の幅が広がるでしょう
iPhoneシリーズの人気エントリーモデル。前モデル「iPhone SE(第2世代)」と見た目はほとんど変わりませんが、「iPhone 13」シリーズと同じSoC「A15 Bionic」を搭載しているため、処理性能では3割以上、グラフィック性能は6割以上向上しています。通信性能を見ても5G対応になりました。バッテリーの容量が、前モデル「iPhone SE(第2世代)」と比べて1割ほど増えたため、ビデオ再生時間は最大13時間から最大15時間に延長しています。総じてバッテリー持ちも改善していると言えるでしょう。
搭載されるカメラは約1200万画素のシングルカメラのままですが、画像処理性能が向上したことで逆光の耐性が強化されているなど、着実な強化がなされています。
サムスン「Galaxy」のスタンダードモデル。約6.5インチの大画面有機ELディスプレイは120Hzの倍速駆動に対応しており、なめらかな表示が可能です。また、ステレオスピーカーやバーチャルサラウンド機能「Dolby Atmos」に対応しているなど、サウンドも高性能。動画視聴用途に強い製品と言えます。なお、本製品は2022年9月にバージョンアップポリシーを更新しており、4世代のOSバージョンアップと、発売後5年のセキュリティアップデートが保証されています。最新のソフトウェア環境を長く維持できるため、安全性を確保しつつ長く使い続けられます。
搭載されるカメラは、約1200万画素の超広角カメラ、約6400万画素の広角カメラ(標準カメラ)、約500万画素のマクロカメラ、約500万画素の深度センサーの組み合わせのクアッドカメラ。特に、広角カメラは光学式手ブレ補正機構を備えるほか、センサーのサイズも1/1.7インチと大きく、ハイエンドモデルに迫る画質です。
今では世界的なメーカーとなっているシャオミですが、本機の属する「POCO」ブランドは、創業初期に掲げられていた“わかる人に向けた”先鋭的なコンセプトが特徴です。本機もゲーミングスマートフォンのように、側面に2個のショルダーボタンを備えた個性派で、同梱の120W充電器を使えばわずか17分でフル充電が行えます。そのいっぽうで、FeliCaは非搭載で、飛沫防水のIPX3にとどまっているなど、搭載される機能にメリハリがつけられています。
搭載されるSoCはハイエンド向け「Snapdragon 8 Gen1」。冷却性能も強力で、ピーク時の約95%以上の性能を維持しながら3時間以上の動作が可能です。6.67インチの有機ELディスプレイは120Hzの倍速駆動に加え、480Hzのタッチサンプリングレート、10bit階調、HDR10+に対応するという非常に高いスペックを誇ります。
メインカメラは、約6400万画素の広角カメラ(標準カメラ)と、約800万画素の超広角カメラ、約200万画素のマクロカメラを組み合わせたトリプルカメラ。光学式手ぶれ補正がないなど、不足はないもののそこまで注力してはいません。カメラより処理性能やディスプレイを重視したいというユーザーに適した製品です。
6.0インチの有機ELディスプレイを備えたXperiaの最新スタンダードモデルです。このコンパクトなボディに5000mAhの大容量バッテリーを内蔵しており、「Xperia 10」シリーズの魅力であるバッテリー持ちはさらに強化されています。使い方にもよりますが、充電なしで7日以上使用することも可能です。なお、ディスプレイの保護ガラスに使われる「Corning Gorilla Glass Victus」は、カギやコインといった金属によるキズや落下への衝撃に強く、耐久性にすぐれたものとなっています。
メインカメラは約1200万画素の広角カメラ(標準カメラ)、約800万画素の超広角カメラ、約800万画素の望遠カメラのトリプルカメラです。望遠カメラは標準カメラに対して2倍の54mmの焦点距離となっており、ポートレート撮影などでも使いやすいでしょう。
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