軽量で着け心地がよく、価格もお手頃という理由から、スマートウォッチの中でも特に人気のリストバンド型スマートウォッチ。そのラインアップに、OPPOの新製品「OPPO Band 2」が加わりました。
睡眠モニタリング機能のほか、100以上のアクティビティに対応し、特にランニング時のトレーニング機能が充実しています。公式サイトの実売価格も8,480円(税込)と、1万円を切っており、コストパフォーマンスも優秀です。この「OPPO Band 2」をじっくり2週間ほどテストしました。
100種類以上のアクティビティに対応する「OPPO Band 2」をレビューします
機能性と価格のバランスが非常によいリストバンド型スマートウォッチは、さまざまなメーカーから販売されており、スマートウォッチの中でも注目度が高いです。活動量計、睡眠モニタリングなど、機能に関しては多くのモデルで似ている部分がありますが、それぞれのメーカーで“味付け”が異なり差別化されています。
この「OPPO Band 2」は、アクティビティ(特にランニング)と睡眠モニタリング機能に特徴があるスマートウォッチです。
100種類以上のアクティビティに対応し、ランニング、ウォーキングなどは、手動で計測をスタートさせなくても、自動で記録が開始されます。さらに、「ランニングモード」には各種メニューが用意されていて、自分のレベルに合ったメニューが選択できるという特徴を備えています。
詳しくは後述しますが、1万円を切る価格で多彩な「ランニングモード」を利用できるのは、珍しい特徴でしょう
また、アクティビティにはOPPOがアルゴリズムを独自に開発した「プロテニスモード」を搭載。サーブ、フォアハンド、バックハンドなどを認識し、打球数やスイングスピードも計測します。もちろん、テニスをプレイしている最中の心拍数や運動時間も計測してくれるので、自分のパフォーマンスを詳しく分析して改善に役立てることができます。
ただし、位置情報を取得するGPSは搭載していません。外でランニングを行う場合などは、位置情報を取得するのにスマートフォンを一緒に携帯する必要があります。ただし、低価格なリストバンド型スマートウォッチではGPSを搭載していないのが一般的です。
ここからは、「OPPO Band 2」のデザインを紹介しましょう。本体の重量は、ストラップを含めて約33g。ディスプレイのサイズは約1.57インチです。軽い装着感に加えて、リストバンド型としては比較的大きいディスプレイを採用しているのがポイントです。細かい数値なども見やすいんですよね。
1.57インチ有機ELディスプレイを搭載。横幅が広めでさまざまな情報を表示できます
本体に物理ボタンがなく、操作はディスプレイをタッチして行います。右から左にスワイプすると、1日の活動量や睡眠などのデータが確認できるなど、画面の上下左右をスワイプして各項目にアクセスするという、スマートウォッチではごく一般的なUIです。
物理ボタンが一切ないシンプルなスクエア型のデザイン。すべすべとした感触のシリコンベルトは肌触りがよく快適な装着感です
1日の歩数や消費カロリー、運動時間、運動回数を確認できる「アクティビティ」の画面。それぞれが色分けされ、かつ、縦の棒グラフで表示されているため見やすいです
前述しましたが、ウォーキングやランニングなどは、「OPPO Band 2」を装着しているだけで、自動で計測してくれます。駅やコンビニまでのちょっとした移動もしっかり記録されていたので、記録漏れなどの心配は少ないと感じました。
駅やコンビニまでなど近場への移動も事細かく記録
1日の終わりには、その日の活動量をまとめたレポートを送ってくれます
日々の睡眠を計測して、睡眠の質の改善に役立てられる睡眠モニタリングでは、「いびき」の計測という特徴的な機能を備えています。睡眠中に、本機と連携させているスマートフォンを枕の近くに置くことで計測されるようですが、これはAndroid端末でのみ利用可能です。
ただし、睡眠時の呼吸チェックなど簡易的なものはiOS端末でも使用できます。睡眠モニタリングに関しては、レム睡眠やノンレム睡眠などの計測だけにとどまらず、多彩な機能を備えていると感じました。
睡眠データは、「OPPO Band 2」のほか、スマートフォンの専用アプリ「HeyTap Health」でも確認できます
100種類以上のアクティビティに対応している「OPPO Band 2」ですが、特に機能が充実している「ランニングモード」をテストしてみました。まずは、通常モードで、データの精度などを検証。なお、正確なペースや移動距離を計測する場合は、本機と連携させたスマートフォンを携行する必要があります。
スマートフォンのGPSを利用していますが、ペースや移動距離、走行コースなどの精度は高いです。心拍数に関しても、普段使っているスマートウォッチで計測される数値と同じくらいでした。
1万円を切る価格でも十分精度の高いデータを計測できており、「脂肪燃焼」「持久力」「無酸素運動」などの運動強度の割合なども計測可能。このあたりは、一般的なリストバンド型スマートウォッチと同等レベルと考えてよさそうです。
また、画面が大きいため、ランニング中でも数値が見やすいのも便利でした。リストバンド型スマートウォッチは画面が小さく縦長のモデルが多いので、ランニング中でもじっくり画面を見ないといけなかったりするんですよね。
ランニング中でもデータが見やすいスクエア型のディスプレイは使い勝手が高いです
走行したルートなどはスマートフォンのGPSを利用して取得。ランニングのデータとしては、ほかのモデルと同等です
「ランニングモード」で注目なのが、イージーラン(3km/5km/8km)、脂肪燃焼ラン(初級/中級/上級/エキスパート)、耐久ラン(5km/8km/10km)、インターバルラン(初級/中級/上級)の全13コースから選び、かつ、その日の体調や気分、レベルによってメニューを変えられるモードが用意されています。
それぞれのメニューでは、「速く歩く 3分」、その後「ゆっくり走る 5分」など、体調やレベルを考慮したプランを提示してくれます。走り方がイマイチわからない初心者にもありがたいですし、上級者にとってはキツいメニューをこなす指針にもなるので、手首にコーチがいるような印象です。
“ただ走る”だけじゃない、目的を持ったランニング体験が可能
コーチがいなくても、自分に適したメニューが行えるという面白い機能です
バッテリーの駆動時間は、カタログ値で最長14日間駆動。テスト時には心拍数の自動測定、睡眠モニタリングをオンにするなど、わりとバッテリー消費の激しい設定にして使ってみましたが、バッテリーは24時間で約10%の減少にとどまりました。週に数回ランニングをする程度であれば、1週間くらいは充電なしでも十分持ちそうです。
リストバンド型の軽い装着性を保ちながら、大画面&有機ELのディスプレイで高い視認性を実現した「OPPO Band 2」。もちろん、2万円を超えるようなスマートウォッチと比べると機能は絞っている印象ですが、“日々の生活で実際に使うもの”に凝縮しているので、機能性が低いとは感じません。
特にランニングでは、初心者から上級者まで使えるモードが準備されているなど、独自の“味付け”で個性的な仕上がりになっています。iPhoneユーザーとしては、「OPPO Band 2」からスマートフォンを探す機能や、ウォッチフェイスの数が少ないといった残念な点もありますが、1万円を切る価格でも十分な機能性と使い勝手の高さを備えており、高コスパなスマートウォッチの部類に入るでしょう。
ミラソル デポルテ代表。自転車、トライアスロン、アウトドア関連のライターとしても活動中。趣味はロングディスタンスのトライアスロン。