スマートウォッチにアナログ針を採用したガーミン「vivomove」(ヴィヴォムーブ)シリーズに最新モデル「vivomove Trend」(ヴィヴォムーブ トレンド)が登場しました。スマートウォッチでは珍しい"ガジェットっぽくない"デザインは、男性だけではなく女性にも好まれそうです。
ガーミンのスマートウォッチ「vivomove Trend」をレビュー。スマートウォッチにアナログ針を取り入れる一風変わった特徴を備えます
ガーミンがこれまでに手掛けたスマートウォッチは、アナログ針とスマートウォッチを融合させたハイブリッドモデルはあったものの、どちらかと言うとアウトドアでの利用を想定した堅牢なデザインが特徴でした。しかし、今回レビューする「vivomove Trend」は、これまでと違い、オシャレに寄せた、シンプルで洗練なデザインを採用しています。
文字盤には、アナログ針に加えて1.01×0.74インチのモノクロLCDディスプレイを搭載。普段はアナログ時計として使用でき、手首を傾けたり文字盤をタッチしたりすることで、ディスプレイが起動され、スマートウォッチの機能を利用することが可能です。ディスプレイがどのように起動するかは、以下の動画からご確認ください。
ベゼルにはステンレススチールを、ケースには強化樹脂を採用。高級感を高めるとともに、ガジェット感をなくす仕上がりになっています。それでいて、重量は43.3gと非常に軽量。加えて、物理ボタンがなく、本体も薄いデザインです。ワイシャツなどを着ていてもじゃまになることがなく、ビジネススタイルでも使用しやすいと思います。
今回のレビューではBlack/Slateを試用しましたが、ほかにもIvory/Peach Gold、French Gray/Cream Gold、Mist Gray/Silverという全4色のカラーバリエーションが展開されています。今回、本記事担当の編集者である水川さんの奥様に着用していただいたところ、「かわいくて、かつ、オシャレ。こういうスマートウォッチだったら着けてみたい!」とのコメントをいただきました。水川さん、ホワイトデーのプレゼントにいかがでしょうか。
Ivory/Peach Gold
話をレビューに戻しましょう。「vivomove Trend」は、見た目こそアナログ時計ですが、使える機能はほかのスマートウォッチと変わりありません。ランニングなどのアクティビティトラッキングや、睡眠モニタリング、雨の日でも心配なしの5気圧防水に対応。加えて、女性の健康をサポートする「フェムテック」機能として、生理周期トラッキングや妊娠トラッキングも搭載されています。
残念なのは、GPSを搭載していないこと。ランニングの計測などで位置情報を取得するには、連携させたスマートフォンを一緒に持ち歩く必要があります。
スマートウォッチには外せないウォッチフェイスも複数用意。ディスプレイが小さいため、全体の雰囲気をガラリと変えてしまうものではありませんが、これはこれでアリ
「vivomove Trend」は使い勝手でも新たなアプローチが採用されており、ガーミンのスマートウォッチとしては初めてQi規格のワイヤレス充電に対応します。スマートウォッチって充電に専用のアダプターや端子を採用していることが多いので、ワイヤレス充電に対応したのは大きなポイント。ワイヤレス充電器さえあれば、出先でも手軽に充電できます。
クリップタイプの充電ケーブルが付属していますが、ワイヤレス充電を活用することも可能
スマートウォッチを購入する際に気になるのが駆動時間。「vivomove Trend」は、スマートウォッチモードで約5日間、時計モードなら約6日間の駆動が可能です(カタログ値)。
バッテリー駆動時間を検証するために、心拍数と血中酸素濃度の常時計測などをオンにして、1時間ほどのランニングを実施。計測開始から24時間で約15%バッテリーが減少していました。単純計算で約4日間駆動できることになります。ガーミンのスマートウォッチは2週間以上のロングバッテリーモデルが多いものの、充電なしで約4日間使えるくらいであれば、充電頻度も少なく済みますし、特にストレスに感じることはなさそうです。
ガーミンのスマートウォッチと言えば、運動に本気で取り組む人からも支持を得ているスポーツモードでしょう。高い精度の光学式心拍センサーを活用して、さまざまな運動のデータを取得できます。
「vivomove Trend」が対応しているのは、ランニング、ウォーキング、筋トレ、ヨガ、スイミングなど全14種類のスポーツです。今回は、この中からランニングを試してみました。なお、先にお伝えしたとおり、GPSは搭載されていないので、外でランニングをする場合は、「vivomove Trend」と連携させたスマホが必要になります。
約9.5kmのランニングを行った結果がコチラ。ほかのガーミンのスマートウォッチと同様に走行距離、タイム、消費カロリーのほか、ペースや速度の詳細データも計測できます
ガーミンのトップモデルほど詳細な運動データは得られませんが、健康やダイエット目的でのランニングを計測するには十分です。ただし、ディスプレイが小さいため、走行中に心拍数などをチェックするのは少し難しかったです。本格的なスポーツモデルではないので、「走りまくって大会に出場する」のような人は、別のモデルを選んだほうがよさそうです。
昨今、ガーミンがスマートウォッチの機能で注力しているのが、睡眠の質をスコア化する睡眠モニタリングなどのウェルネス機能です。正確な心拍数計測をベースに睡眠の質を分析しスコア化、そして睡眠の改善に関するアドバイスも行ってくれます。スマートウォッチとしては、もはや当たり前の機能ですが、睡眠を計測するうえで大事なのが着け心地です。その点、軽量な「vivomove Trend」は、睡眠中でもじゃまにならない着け心地なので、睡眠モニタリングを快適に行うといった意味合いでもウェルネス機能に適したデバイスと言えます。
アプリ「Garmin Connect」では、詳細な睡眠モニタリングの結果が確認可能
ガーミンならではの機能としては「ボディバッテリー」が特徴です。これは、自分をバッテリーに見立てて、5〜100の間で現在どれくらい残量が残っているかを表示する機能です。
睡眠をとると回復し、仕事や運動などを行えば次第に減っていき、睡眠をとるとまた回復して……という日々のサイクルが確認できます。質のよい睡眠をとると大幅に回復するので、この数値を追いかけていくだけでも、毎日の健康管理に役立てられるでしょう。
自分の"エネルギー残量"が確認できる「ボディバッテリー」
最近は、堅牢でガジェット感のある「いかにもスマートウォッチ」なモデルばかりを使っていたせいか、「vivomove Trend」はデザイン的にもすごく新鮮な気持ちで使うことができました。時計らしい時計を久しぶりに使った感じです。スマートウォッチにはアナログ針のウォッチフェイスは用意されていますが、それとは違った「ホンモノのよさ」が感じられます。
ミラソル デポルテ代表。自転車、トライアスロン、アウトドア関連のライターとしても活動中。趣味はロングディスタンスのトライアスロン。