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「Galaxy S23」と「S22」をガチ比較! その差約4万円、今買うならどっちがいい?

スマートフォンはひと世代異なるとどのぐらい性能、使い勝手が変わるのでしょうか? 今回、au、ドコモ、楽天モバイルから2023年4月20日に発売されたばかりの「Galaxy S23」を借用し、前モデル「Galaxy S22」と処理性能、バッテリーの持ち、本体の発熱、ディスプレイ、カメラ画質などをガチ比較してみました。最新の「Galaxy S23」、お手頃価格の「Galaxy S22」のどちらを購入すべきか、判断材料のひとつとして本記事をぜひご覧ください。

「Galaxy S23」(左)、「Galaxy S22」(右)

「Galaxy S23」(左)、「Galaxy S22」(右)

意外と多岐に渡る「Galaxy S23」の進化点

「Galaxy S23」はOSに「Android 13」、プロセッサー(SoC)にクアルコム「Snapdragon 8 Gen 2」を採用。メモリーは8GB、ストレージは256GBを搭載しています。

ディスプレイは約6.1インチFHD+ 有機EL(2340×1080、ピーク輝度1750cd/m²、48〜120Hz)を採用。カメラは、広角(約5000万画素、F1.8)+超広角(約1200万画素、F2.2)+望遠(約1000万画素、F2.4)の組み合わせのリアカメラと、フロントカメラ(約1200万画素、F2.2)を搭載。通信機能は5G(sub6/ミリ波/NR化)、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3をサポートしています。

本体サイズは約71(幅)×146(高さ)×7.6(奥行)mmで、重量は約168g。3900mAhのバッテリーを内蔵しており、連続待ち受け時間は約400時間。防水性能はIPX5/IPX8、防塵性能はIP6Xです。

「Galaxy S22」からの主な進化点はOS、プロセッサー、ディスプレイのピーク輝度、ディスプレイの強化ガラス、Wi-Fi、フロントカメラの解像度、eSIMへの対応などがあげられます。また、背面のカメラ周りのデザインも変更されました。細かく、着実に進化しているというのが率直な感想です。

約6.1インチのFHD+ 有機ELディスプレイはピーク輝度が従来機から向上

約6.1インチのFHD+ 有機ELディスプレイはピーク輝度が従来機から向上

カラーはこのクリームに加えて、ラベンダー、ファントムブラックを用意

カラーはこのクリームに加えて、ラベンダー、ファントムブラックを用意

左が「Galaxy S23」、右が「Galaxy S22」。どちらも広角+超広角+望遠という構成で、カメラのスペックも同様です

左が「Galaxy S23」、右が「Galaxy S22」。どちらも広角+超広角+望遠という構成で、カメラのスペックも同様です

左が「Galaxy S23」、右が「Galaxy S22」。真横から見てみるとカメラ部のせり出し具合はほぼ同じです

左が「Galaxy S23」、右が「Galaxy S22」。真横から見てみるとカメラ部のせり出し具合はほぼ同じです

「AnTuTu Benchmark」の総合スコアでゲーミングスマホ並みの122万を記録

次に、処理性能を見てみましょう。「Galaxy S22」は「Snapdragon 8 Gen 1」を搭載していましたが、「Galaxy S23」は最新・最上位の「Snapdragon 8 Gen 2」を採用しています。

今回は定番のベンチマークアプリ4本を実施してみましたが、「Galaxy S23」は「Galaxy S22」に対して、総合ベンチマーク「AnTuTu Benchmark」で約140%相当、CPUベンチマーク「Geekbench 6」で約151%相当、3Dベンチマーク「3DMark」のWild Life Extremeで約160%相当、AIベンチマーク「AI Benchmark」で約122%相当のスコアを記録しました。

特に、「AnTuTu Benchmark」ではゲーミングスマホ並みの総合スコアを記録しており、コンパクトなボディながら現行Androidスマホ最高クラスのパフォーマンスを備えていることを確認できました。

「Galaxy S23」の「AnTuTu Benchmark」の総合スコアは1225482、「Geekbench 6」のMulti-Core Scoreは5189、「3DMark」のWild Life Extremeは3883、「AI Benchmark」のスコアは2038

「Galaxy S23」の「AnTuTu Benchmark」の総合スコアは1225482、「Geekbench 6」のMulti-Core Scoreは5189、「3DMark」のWild Life Extremeは3883、「AI Benchmark」のスコアは2038

「Galaxy S22」の「AnTuTu Benchmark」の総合スコアは874207、「Geekbench 6」のMulti-Core Scoreは3428、「3DMark」のWild Life Extremeは2423、「AI Benchmark」のスコアは1665

「Galaxy S22」の「AnTuTu Benchmark」の総合スコアは874207、「Geekbench 6」のMulti-Core Scoreは3428、「3DMark」のWild Life Extremeは2423、「AI Benchmark」のスコアは1665

「Galaxy S23」は動画を15時間23分連続再生できる見込み

バッテリー容量は「Galaxy S22」の3700mAhに対して、「Galaxy S23」は3900mAhと、200mAh増量されており、連続待ち受け時間については「Galaxy S22」の約240時間に対して、「Galaxy S23」は約400時間とカタログスペック上は大幅に延長されています。ただし、いくらなんでも向上しすぎているので、端末以外のなんらかの条件の変化が影響を及ぼしている可能性が高いです。

試しに、ディスプレイ輝度50%、ボリューム50%の条件でYouTube動画を2時間連続再生してみたところ、バッテリー残量は、「Galaxy S23」が87%、「Galaxy S22」が79%という結果に。つまりバッテリー残量0%までであれば、単純計算で「Galaxy S23」は15時間23分、「Galaxy S22」は9時間31分動作することになります。

ただし、「Galaxy S22」については約1年間貸出機として運用されている端末であり、バッテリーが経年劣化しているはずです。両者の差はあくまでも参考に留めてください。

約140%相当のスコアアップを実現しつつ、本体の発熱はやや低下

「Galaxy S22」が搭載している「Snapdragon 8 Gen 1」については発熱について指摘する声が多かったです。「Snapdragon 8 Gen 2」を搭載する「Galaxy S23」は発熱問題が改善されているでしょうか?

今回、「AnTuTu Benchmark」を90%まで実行したあとの表面温度を計測したところ、「Galaxy S22」が前面で最大38.3度、背面で最大38.7度だったのに対して、「Galaxy S23」は前面で最大38.1度、背面で最大38.5度とわずかではありますが改善が見られました。

「AnTuTu Benchmark」で約140%相当のスコアアップを実現しつつ、本体の発熱はやや下がっているわけですから、冷却効率は改善されていると言えます。しかし劇的な改善とまでは言えないので、これから夏を迎えるにあたっては、直射日光下での長時間の使用は避けるなど一定の配慮は必要です。

「AnTuTu Benchmark」を90%まで実行したあとの前面の表面温度は、「Galaxy S23」(左)が最大38.1度、「Galaxy S22」(右)が最大38.3度

「AnTuTu Benchmark」を90%まで実行したあとの前面の表面温度は、「Galaxy S23」(左)が最大38.1度、「Galaxy S22」(右)が最大38.3度

「Galaxy S23」のピーク輝度の恩恵を受けられる状況は限定的

ディスプレイのスペックについては、約6.1インチFHD+ 有機EL(2340×1080、48〜120Hz)という点は新旧モデルで同じ。ただしピーク輝度については「Galaxy S22」の1300cd/m²に対して、「Galaxy S23」は1750cd/m²に引き上げられています。このピーク輝度は上位モデルの「Galaxy S23 Ultra」と同等です。

ただし、両機種を並べていくつかの画像を見てみましたが、両者に違いは感じられませんでした。真夏の直射日光下では違いを体感できる可能性はありますが、一般的な状況下では使い勝手を左右するほど視認性に差はないというのが率直な感想です。

左が「Galaxy S23」、右が「Galaxy S22」

左が「Galaxy S23」、右が「Galaxy S22」

現時点では「Galaxy S23」のほうがやや落ち着いたカメラ画質

カメラはスマホの最重要機能のひとつですが、十分な光量のある日中では両者に大きな差はないと感じました。傾向としては「Galaxy S23」のほうがやや落ち着いた発色のように思えますが、派手めの「Galaxy S22」の写真のほうが好ましく感じる人も多いことでしょう。ただナイトモードについては、「Galaxy S23」のほうが明るく、階調豊かに記録されていますね。「Galaxy S23」は「Galaxy S22」と画像処理エンジンの味付けが変わっているものと思われます。

「Galaxy S23」超広角カメラ(0.6倍)

「Galaxy S23」超広角カメラ(0.6倍)

「Galaxy S22」超広角カメラ(0.6倍)

「Galaxy S22」超広角カメラ(0.6倍)

「Galaxy S23」広角カメラ(1倍)

「Galaxy S23」広角カメラ(1倍)

「Galaxy S22」広角カメラ(1倍)

「Galaxy S22」広角カメラ(1倍)

「Galaxy S23」望遠カメラ(3倍)

「Galaxy S23」望遠カメラ(3倍)

「Galaxy S22」望遠カメラ(3倍)

「Galaxy S22」望遠カメラ(3倍)

「Galaxy S23」望遠カメラ(30倍)

「Galaxy S23」望遠カメラ(30倍)

「Galaxy S22」望遠カメラ(30倍)

「Galaxy S22」望遠カメラ(30倍)

「Galaxy S23」広角カメラ(ナイトモード)

「Galaxy S23」広角カメラ(ナイトモード)

「Galaxy S22」広角カメラ(ナイトモード)

「Galaxy S22」広角カメラ(ナイトモード)

処理性能にこだわるなら「Galaxy S23」、コスパ重視なら「Galaxy S22」がおすすめ

現時点でも「Galaxy S22」は併売されており、auでは「Galaxy S23 SCG19」が136,330円(一括購入)、「Galaxy S22 SCG13」が96,365円で販売されています。その差は39,965円。どちらを購入すべきか悩ましいところです。

今回、両機種を同時に試用しましたが、使い勝手という点では両者に大きな差は感じられませんでした。特にカメラ画質については発色に違いはありますが、アプリで十分カバーできる範囲です。

いっぽうで、ベンチマークスコアには大きな差があり、「AnTuTu Benchmark」では「Galaxy S23」は「Galaxy S22」の約140%相当のスコアを叩き出しています。ゲームや動画編集ソフトなどをできるだけ快適に利用したいという人は「Galaxy S23」、使い勝手に大きな差がないのならコスパを重視したいという人には「Galaxy S22」がおすすめです。

ジャイアン鈴木

ジャイアン鈴木

レビューした製品を高確率で買ってしまう物欲系ITライター。守備範囲はPC、スマホ、VRがメイン。ゲーム、デジタルトイも大好き。最近サバゲにはまっています。愛車はスイフトスポーツで、断然マニュアル派です。

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