Googleは2023年5月11日、折りたたみスマートフォン「Google Pixel Fold」(以下、Pixel Fold)、スマートフォン「Google Pixel 7a」(以下、Pixel 7a)、タブレット「Google Pixel Tablet」(以下、Pixel Tablet)を発表しました。それぞれの製品の特徴、価格、発売日をレポートします。
Googleがハードウェア3製品を発表(画像は「Pixel Fold」)
数年前から噂されていた、Googleの折りたたみスマートフォン「Pixel Fold」がついに発表されました。折りたたむと5.8インチ(有機EL、2092×1080)のディスプレイを備えるスマートフォンとして、開くと7.6インチ(有機EL、2208×1840)のタブレットとして扱えます。
折りたたみ時は5.8インチのスマートフォン
開くと7.6インチのタブレットに変化
5.8インチのアウターディスプレイと7.6インチのインナーディスプレイは、どちらも最大120Hz駆動、HDR、24bit表示対応。折りたたみ時に外側に向くアウターディスプレイは、Corning「Gorilla Glass Victus」をパネルガラスに採用し、耐久性を高めています。ヒンジ部も合金スチールで耐久性を高めているとのことです。
折りたたみスマートフォンでは後発となるGoogleですが、その大きな特徴は折りたたみ時でも厚さ12.1mm、広げた状態で5.8mmというボディの薄さ。現時点で、最も薄い折りたたみスマートフォンとうたわれており、折りたたんだ状態でもポケットに入れられるくらいのサイズ感とのことです。
折りたたみスマートフォンとしては最薄の12.1mm(折りたたみ時)を実現
卓上においた状態でも動画などが見やすいテーブルトップモードや、大画面を有効活用できるマルチタスキング、アプリの切り替えなどが行いやすくなるタスクバーなど、折りたたみ機構を生かした独自の使い方が可能です。
たとえば、テーブルトップモードで動画とSNSを同時に楽しんだり、タスクバーからアプリをドラッグアンドドロップするだけでアプリを切り替えたり、背面画面を使って高画質なセルフィーを楽しんだりなど、折りたたみスマートフォンならではの機能がたくさん用意されています。
7.6インチの大画面を利用して、アプリを2個同時に起動するなどマルチタスキングが快適
テーブルトップモードで利用すると、動画が見やすくなり、かつ、もうひとつの画面(下側)をサブディスプレイとして使えます
アウターディスプレイでプレビューを見ながら、背面カメラを使って高画質なセルフィーが撮影可能です
基本スペックは、SoCが「Google Tensor G2」、メモリーが12GB、ストレージ容量が256GB。microSDカードによるストレージ拡張には対応していません。バッテリー容量は4821mAh、急速充電はUSB-PD 3.0対応。ワイヤレス充電にも対応しています。
カメラに関しても、4800万画素の広角カメラ、1080万画素の超広角カメラと望遠カメラ、950万画素と800万画素のフロントカメラを備えており、フラッグシップモデル「Pixel 7 Pro」と同等クラスのカメラを用意したとのことです。じゃまな被写体だけを消す「消しゴムマジック」など、カメラに関する機能もフラッグシップモデルと同様、すべてにアクセスできます。
なお、スタイラスペンの利用には対応していません。生体認証はカメラによる顔認証に加えて、電源ボタン兼指紋認証センサーによる指紋認証にも対応しています。
「Pixel Fold」は市場想定価格が253,000円(税込)。発売は2023年7月の予定です。
毎年発表されている廉価版スマートフォン「Pixel a」シリーズに、新しく「Pixel 7a」が加わります。この「Pixel 7a」ですが、上位モデル「Pixel 7」の廉価版ながらも、機能はほぼ踏襲しているという、なかなかのハイスペックマシンに仕上がっています。
カラーはチャコール、スノー、シー、コーラルの4色
基本スペックですが、SoCが「Google Tensor G2」、メモリーが8GB、ストレージ容量が128GB。上位モデル「Pixel 7」には128GBと256GBモデルが用意されていましたが、それ以外はまったく同じ基本スペックです。
上位モデルと同等のスペックながらも、ボディが若干コンパクトに。小型スマホ好きは要チェックですね
「Pixel 6a」は「Pixel 6」からカメラのスペックが下げられていましたが、「Pixel 7a」は6400万画素の広角カメラ(F1.89、画角80度、1/1.73インチセンサー)、1300万画素の超広角カメラ(F2.2、画角120度)を搭載し、従来機「Pixel 6a」から大幅に向上。上位モデル「Pixel 7」と比べてもスペックは上回っています。有効画素数で写真のきれいさが決まるわけではなく、画像処理エンジンなども関係してくるのですが、それでも大きな進化ポイントです。
ディスプレイは6.1インチの有機EL(2400×1080、最大90Hz、HDR)を搭載しており、6.3インチの「Pixel 7」と比べると若干のサイズダウンですが、スペックは同等です。バッテリー容量は4385mAh、急速充電は最大18W、ワイヤレス充電にも対応します。
ディスプレイのスペックも上位モデル「Pixel 7」と同等
そのほかは、IP67等級の防水・防塵ボディ、「おサイフケータイ」対応、デュアルSIM(nanoSIM+eSIM)など。スペックを見る限りですが、限りなく上位モデル「Pixel 7」に近く、スペックによっては上回っている箇所もある「Pixel 7a」は、2023年注目の1台になりそうです。
「Pixel 7a」は市場想定価格62,700円(税込)。2023年5月11日より発売開始です。
「Pixel Tablet」は10.95インチ(2560×1600)の液晶ディスプレイを搭載するタブレット。基本スペックはSocが「Google Tensor G2」を搭載。メモリーは8GB、ストレージ容量は128GBと256GBの2モデルを用意しています。メインカメラとフロントカメラは800万画素で共通。バッテリー持ちは最大12時間の動画再生に対応。電源ボタンを兼ねる指紋認証センサー、3基のマイク、4基のスピーカーなどを備えます。
本タブレット最大の特徴は、専用の充電スピーカーホルダーを使用することで、据え置き型のタブレット兼スマートディスプレイとしても使えることでしょう。Chromecastを内蔵しているため、YouTubeやYouTube Musicなどのコンテンツ再生機として使えるのはもちろんのこと、43.5mmの大口径ドライバーによる迫力ある音楽が楽しめます。
スピーカーホルダーを装着した「Pixel Tablet」
取り外すと、普通のタブレットとして利用可能
また、スマートホームのハブとしても利用でき、スマートライトや見守りカメラなどを操作可能です。もちろん、スマートディスプレイ「Nest」シリーズで好評な、Googleフォトの写真を映し出すデジタルフォトフレームの機能も備えています。
スピーカーホルダーには専用の端子で接続。Bluetoothでの接続などは利用できません
ただし、専用の充電スピーカーホルダーは、あくまでも「Pixel Tablet」専用のデバイスであり、Bluetoothスピーカーなどとしての利用はできなくなっています。スピーカーとして機能するのは、「Pixel Tablet」を装着した場合のみです。
「Pixel Tablet」は、ビジネスでも利用できるタブレットというよりは、どちらかと言うと、自宅で使用することを想定したタブレットになっています。
「Pixel Tablet」の市場想定価格は本体+充電スピーカーホルダーが79,800円(税込)〜。充電スピーカーホルダー単体が17,800円(税込)。2023年6月20日に発売予定です。
最新ガジェットとゲームに目がない雑食系ライター。最近メタボ気味になってきたので健康管理グッズにも興味あり。休日はゲームをしたり映画を見たりしています。