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正常進化の「Xperia 1 V」登場! 広角カメラは4800万画素にアップデート

ソニーは2023年5月11日、スマートフォン「Xperia」シリーズのフラッグシップモデル「Xperia 1 V(エクスペリア・ワン・マークファイブ)」を発表した。電力効率にすぐれたSoC「Snapdragon 8 Gen 2」を採用するほか、最新のイメージセンサーを備えた広角カメラを搭載する正常進化モデルだ。その詳細を解説しよう。

外見はほとんど変化がないが、処理性能やカメラは強化されている

外見はほとんど変化がないが、処理性能やカメラは強化されている

「Snapdragon 8 Gen 2」を搭載。外見の変更は少ないが持ちやすくなったボディ

「Xperia 1 V」は、「Xperia」シリーズの旗艦となる「1シリーズ」の第5世代モデル。従来のコンセプトを受け継ぎつつ、最新のハイエンドSoCである「Snapdragon 8 Gen 2」や、新開発の二層トランジスタ積層型CMOSイメージセンサーにAI処理を組み合わせた新しい広角カメラを採用した正常進化モデルだ。

サイズやデザインについては、前モデル「Xperia 1 IV」を踏襲している部分が多い。ボディサイズは約71(幅)×165(高さ)×8.3(厚さ)mmで、重量は187g。「Xperia 1 IV」と比べると、厚さが0.1mm増えただけだが、背面のガラスに細かな凹凸を設けたり、側面のフレームに溝を作ったりしたことで、新旧の実機を持ち比べると感触がまったく異なる印象を受ける。なお、「Xperia 1 IV」用のオプションクーラー「Xperia Stream」はそのまま装着できる。

背面のガラスには細かな凹凸があり、背面にも溝が作られている。これらにより滑りにくくさせるとともに汚れも目立ちにくくなった

背面のガラスには細かな凹凸があり、背面にも溝が作られている。これらにより滑りにくくさせるとともに汚れも目立ちにくくなった

ディスプレイも「Xperia 1 IV」を継承している。3840×1644の4K表示に対応した約6.5インチの有機ELディスプレイは、120Hzのリフレッシュレート(残像低減機能付き240Hz駆動)と、240Hzのタッチサンプリングレート、プロ用モニターを再現した画質モード「クリエイターモード」にも引き続き対応している。サウンド機能も、ステレオスピーカーやヘッドホン端子の搭載など基本的な性能に変更はない。ただし、新開発のアンプを搭載することでスピーカーの音質は、低音域を中心に約10%音圧が向上している。

ディスプレイは基本的な変更はない。120Hzのリフレッシュレート(残像低減機能付き240Hz駆動)と、240Hzのタッチサンプリングレートに対応している

ディスプレイは基本的な変更はない。120Hzのリフレッシュレート(残像低減機能付き240Hz駆動)と、240Hzのタッチサンプリングレートに対応している

SoCは「Snapdragon 8 Gen 2」。このSoCは、電力効率を前モデルより約40%高めている。カメラを使用した際の消費電力も約20%改善されており、「Xperia 1 IV」で指摘されていたカメラ使用時の発熱も改善が見込まれる。なお、グローバルモデルでは12GBメモリー+256GBストレージと、16GBメモリー+512GBストレージの2モデルが用意される。

バッテリーも従来と同じ5000mAhの容量で、USB PD規格を使った最大30Wの急速充電が可能な点もそのままだ。Qi規格を使ったワイヤレス充電も引き続き対応している。

熱拡散シートの面積を前モデル比で約60%拡大。指摘されることの多かったカメラ使用時の熱も約20%改善された

熱拡散シートの面積を前モデル比で約60%拡大。指摘されることの多かったカメラ使用時の熱も約20%改善された

強化された広角カメラ。「Xperia 1」シリーズとして初めて夜景撮影モードを搭載

メインカメラは広角カメラを中心に強化されている。メインカメラは、約1200万画素の超広角カメラ(35mm換算の焦点距離は16mm)、新開発の有効4800万画素(センサー自体は5200万画素)の1/1.35インチ2層トランジスタ画素積層型を搭載した広角カメラ(同焦点距離24mm)、85〜125mmの光学ズームが可能な約1200万画素の望遠カメラの組み合わせだ。なお、構図の認識にAIを使用することで、3D iToFセンサーは廃止された。このほか、従来のAE/AF連動の連写機能が従来の毎秒20コマから30コマに高められている。

超広角、広角、ペリスコープ構造の望遠という組み合わせで、3D iToFセンサーは廃止。構図の認識はAIが行う

超広角、広角、ペリスコープ構造の望遠という組み合わせで、3D iToFセンサーは廃止。構図の認識はAIが行う

注目の広角カメラは、イメージセンサーのサイズを従来比で約1.7倍面積を広げつつ、フォトダイオードとトランジスタを分離した二層構造とすることでそれぞれを大型化。感度性能と耐ノイズ性能を向上させている。なお、低照度の構図の光量改善を目的とした「ナイト撮影機能」を「Xperia 1」シリーズとしては初めて搭載した。

広角カメラは、センサー自体が大型化したうえに、フォトダイオードとトランジスタを分離した二層構造とすることで、感度特性と耐ノイズ性能が向上した

広角カメラは、センサー自体が大型化したうえに、フォトダイオードとトランジスタを分離した二層構造とすることで、感度特性と耐ノイズ性能が向上した

有効画素数は4800万だが、ピクセルビニングによって通常は1200万画素相当として機能する

有効画素数は4800万だが、ピクセルビニングによって通常は1200万画素相当として機能する

ナイト撮影機能を搭載。低照度時の明るさが改善している

ナイト撮影機能を搭載。低照度時の明るさが改善している

以下に、メーカーの撮影した広角カメラを使った静止画の作例を掲載する。

背景のハイライトとモデルの肌の露出や質感との両立が図られている。ノイズも抑えられており、新しいイメージセンサーの実力が感じられる

背景のハイライトとモデルの肌の露出や質感との両立が図られている。ノイズも抑えられており、新しいイメージセンサーの実力が感じられる

構図手前のモデルに露出を合わせつつ、背景の虹も鮮明に写っている。重ね合わせ処理が向上したことで、こうした撮影が手軽に行えるようになった

構図手前のモデルに露出を合わせつつ、背景の虹も鮮明に写っている。重ね合わせ処理が向上したことで、こうした撮影が手軽に行えるようになった

「ナイト撮影機能」を使用した夜景撮影。長時間露光によって雲の陰影が撮影できている。そのいっぽうでハイライトや構図右手前の室内のディテールも破綻しておらず、こちらも高い画像処理性能が現れている

「ナイト撮影機能」を使用した夜景撮影。長時間露光によって雲の陰影が撮影できている。そのいっぽうでハイライトや構図右手前の室内のディテールも破綻しておらず、こちらも高い画像処理性能が現れている

一般流通モデルは7月下旬以降に発売

「Xperia 1 V」では、従来は製品発表から半年ほど遅れて発売されていた一般流通向けモデル(いわゆる、SIMフリーモデル)「XQ-DQ44」が、2023年7月下旬以降に発売される。5Gのミリ波非対応とすることでコストを抑えつつ、16GBメモリー+512GBストレージの組み合わせることで使い勝手は高められているのが特徴。オープン価格だが、市場価格は195,000円前後を想定している。「Xperia 1 IV」の一般流通モデルの発売当初における価格は175,000円前後だったので、2万円ほど値上がりしている。

一般流通版「Xperia 1 V」のスペック。コストを削減のためミリ波に非対応しつつ、メモリーとストレージは大容量だ

一般流通版「Xperia 1 V」のスペック。コストを削減のためミリ波に非対応しつつ、メモリーとストレージは大容量だ

上記の一般流通モデルのほかに、NTTドコモ(価格未定)、au (税込み210,240 円)、ソフトバンクで取り扱われる。なお、ソフトバンクでは外付けの冷却キット「Xperia Stream」を同梱した「Xperia 1 V Gaming Edition」として発売する(価格未定)。いずれも、2023年6月中旬以降の発売予定だ。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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