Amazon「Fireタブレット」シリーズの最新モデル「Fire Max 11」が発表された。厚さ7.5mmの薄型アルミニウムボディに、シリーズ最大の11インチ(2,000×1,200ドット)大画面タッチパネルを搭載した注目モデルだ。
ラインアップは、ストレージ容量64GBモデルと128GBモデルの2種類。いずれも本日より予約を開始、出荷開始は6月14日を予定している。価格は、64GBモデルが34,980円、128GBモデルが39,980円。
Amazon「Fire Max 11」
写真左が「Fire HD 10」、写真右が「Fire Max 11」。ベゼル部分が細くなったことで、画面サイズ自体は大きくなっているもの、本体サイズは「Fire HD 10」と同じくらいに抑えられている
Amazonによると、日本市場のモバイルデバイス利用状況の中でも、タブレットはスマートフォンやパソコンを抑えて最も伸長しているジャンルだという。特に若年層の利用は年々伸長しており、今後は11インチ以上の大画面タブレットのニーズがさらに高まると予想しているそうだ。
今後、11インチ以上の大画面モデルのニーズが高まると予想
これまでの「Fireタブレット」シリーズは動画視聴やネット検索、電子書籍の閲覧など、コンテンツを消費する用途で使われることが多かったが、今後、大画面タブレットが拡大していくと、コンテンツ消費だけでなく、コンテンツを創造するクリエイティブ目的での利用拡大も見えてくる。そういったニーズに向けて「Fireタブレット」の新たな選択肢として開発されたのが「Fire Max 11」という。
クリエイティブ用途でもサクサク高速なレスポンスが得られるように、「Fire Max 11」では2.2GHzのオクタコアプロセッサーと4GBのRAMを搭載。「Fire HD 10 Plus」と比べると約50%高速化されたという。また、クリエイティブ作業をサポートするため、「Fireタブレット」シリーズとして初めてスタイラスペン対応を果たしたのも見逃せない。「Fire Max 11スタイラスペン」や、キーボードカバー「Fire Max 11キーボード付きカバー」など、専用アクセサリーの展開も強化されている。
Amazon「Fire Max 11」の概要。画面サイズだけでなく、そのほかのスペック面でも大きな進化を遂げている
オプションの「Fire Max 11スタイラスペン」。USI 2.0プロトコル認証取得のスタイラスペンとなっており、ペアリング不要、充電不要(単6電池駆動)で利用できるほか、「Fire Max 11」にマグネットで装着することも可能。なお、「Kindle Scribe」のスタイラスペンとの互換性はない。価格は4,980円
「Fire Max 11」の一部アプリでは、手書きでの文字入力機能も利用できるそう
キーボードカバー「Fire Max 11キーボード付きカバー」(写真右)。「Fire HD 10」で用意されていたオプションのキーボードカバーはキーボード側でタブレットを支える形だったが、「Fire Max 11キーボード付きカバー」はタブレット側にスタンド機能を用意。キーボード側にタッチパッドも追加されている。価格は10,980円
ファブリック素材を使用した「Fire Max 11スリムカバー」は、ブラック、ブルー、アメジストの3色展開で用意。価格は6,980円
ほかにも、電源ボタンに指紋認証機能が追加され、画面オフからの起動がより快適になっていたり、カメラ機能がフロント/リアともに8メガピクセルに強化されたり、ワイヤレスネットワーク機能が最新規格のWi-Fi6まで対応になったりと、細かなアップデートも多い。画面サイズも大きくなり、画面分割モードを活用したマルチタスク作業もより快適に使えるようになったのも地味にうれしいポイントと言えるだろう。
写真いちばん左にある電源ボタンに指紋認証機能が追加された。これまではロック解除の際に電源ボタンを押し、その後パスコードを入力するというフローが必要だったが、「Fire Max 11」は指紋さえ登録しておけば電源ボタンと連動してロック解除できる
画面分割モードを活用したマルチタスク作業も大画面でより快適に利用できる
もちろん、こういったクリエイティブ向けの機能だけでなく、Dolby Atmos対応のスピーカー、内蔵マイクを使ったAlexaハンズフリー操作への対応、microSDメモリーカードスロットを用いたストレージ拡張機能など、「Fireタブレット」シリーズならではの特徴もしっかりと受け継がれている。ただし、「Fire Max 11」は11インチの大画面サイズを持ち運べるサイズ感で実現することを優先し、本体の厚みを極力抑えるような設計を採用したようで、残念ながらイヤホンジャックが非搭載となってしまった。この点はやや意見がわかれそうではある。
本体重量は490g。11インチクラスとしては比較的軽く、片手でも余裕で持てる。薄型化を優先したため、イヤホンジャックがなくなったのは残念なポイントだ
現時点で本格的なクリエイティブ用途でガンガン使う大画面タブレットが欲しいという人であればApple「iPad Pro」シリーズ一択ではあるが、アルミニウムボディに11インチクラスの画面サイズを搭載し、ペン入力にも対応したタブレットが3万円台という価格を考えると、「Fire Max 11」のお買い得感はなかなかスゴいと思う。今後のAmazonアプリストアでのクリエイティブ系アプリの充実度次第ではあるが、軽いクリエイティブ用途にも使える高コスパな大画面タブレットが欲しいという人は、「Fire Max 11」はアリかもしれない。
AV家電とガジェット系をメインに担当。ポータブルオーディオ沼にどっぷりと浸かっており、家のイヤホン・ヘッドホンコレクションは100を超えました。最近はゲーム好きが高じて、ゲーミングヘッドセットも増えてます。家電製品総合アドバイザー資格所有。