アップル、新型「Apple Watch」は片手操作を実現するダブルタップを搭載環境にも配慮

2023年9月13日

米アップルは2023年9月12日（現地時間）、「特別なイベント（Apple Event）」を開催し、スマートウォッチの新モデル「Apple Watch Series 9」「Apple Watch Ultra 2」を発表した。新しいプロセッサーや新しいジェスチャー操作などを盛り込んだ。

新しいプロセッサーやジャスチャー操作を搭載する「Apple Watch Series 9」

プロセッサーを刷新した「Apple Watch Series 9」

「Apple Watch Series 9」は、プロセッサーに新しい「S9 SiP」のカスタムAppleシリコンを搭載。「Apple Watch Series 8」と比べて最大2倍高速に機械学習のタスクを処理できる4コアのNeural Engineも搭載する。バッテリー駆動時間は18時間。

「S9 SiP」のカスタムAppleシリコン

新たにダブルタップによるジャスチャー操作も盛り込んだ。「Apple Watch Series 9」を着けている手の人さし指と親指を2回タップして、電話の応答や終了、タイマーの停止や音楽の再生と一時停止など、さまざまな操作が行える。これらの操作が片手だけで行えるようになるのは画期的だ。同機能は来月のソフトウェアアップデートで利用できるようになるという。

人さし指と親指を2回パチンとするとさまざまな操作ができる

ディスプレイは最大輝度が「Apple Watch Series 8」の2倍となる2000ニトまで引き上げられ、屋外でも文字などが読みやすくなった。また、「Siri」へのリクエストがデバイス上で処理できるようになり、通信が不要なリクエストは、より素早く、信頼性の高い応答を得られるという。「ヘルスケア」アプリのデータへのアクセスも安心して行える。

「S9 SiP」には第2世代の超広帯域無線（UWB）チップが搭載されているため、「正確な場所を見つける」機能を使い、同チップを搭載した「iPhone 15」シリーズを探すことが可能。iPhoneまでの距離と方向に加え、触覚と音声ガイダンスで探せる。UWBチップは、「HomePod」との連係にも活用でき、音楽再生中の「HomePod」の4m以内に「Apple Watch Series 9」の利用者が近づくと、メディアコントロールができる。

「正確な場所を見つける」機能でiPhoneを探せる

バンドは、レザーの使用を廃止し、「ファインウーブン」というマイクロツイルを導入。68％使用済み再生素材で作られ、レザーに比べて炭素排出を大幅に削減できるという。NikeやHermesのバンドも環境に配慮したものに刷新する。

カラーは「ピンク」「シルバー」「ブルー」「グレイ」の4色。本日より予約を受け付け、9月22日（金）に発売する。アップルストア価格は59,800円（税込）から。

なお、「Apple Watch」の入門機種「Apple Watch SE」は、アップルストア価格が37,800円（税込）から34,800円（税込）に値下げされた。

最大輝度が3000ニトにアップした「Apple Watch Ultra 2」

屈強なスマートウォッチとして昨年9月に登場した「Apple Watch Ultra」。第2世代モデルの「Apple Watch Ultra 2」は、デザインはそのままに、「S9 SiP」のカスタムAppleシリコンを搭載。ディスプレイの最大輝度は2000ニトから3000ニトに引き上げられた。

「Apple Watch Ultra 2」はプロセッサーの刷新と最大輝度のアップが主な強化点

「Apple Watch Series 9」と同様、ダブルタップのジェスチャー操作や、「Siri」へのリクエストのデバイス上での処理、UWBチップを使った「正確な場所を見つける」機能なども備える。

バッテリー駆動時間は通常の使用時で36時間、省電力モードで最大72時間と、「Apple Watch Ultra」の特徴である長時間のバッテリー駆動は変わっていない。

文字盤には新しく「モジュラーUltra」を搭載。秒数、高度、深度などのデータを外側のエッジ付近に表示したもので、アウトドアや海・川などのアクティビティに合わせてカスタマイズできる。

新しい文字盤の「モジュラーUltra」

本日から予約を受け付け、9月22日（金）に発売する。アップルストア価格は128,800円（税込）。

アップル初のカーボンニュートラル製品

アップルは地球の環境問題に取り組むため、温室効果ガスの排出量の削減に取り組んでいる。2030年までに、すべてのアップル製品をカーボンニュートラルにする目標「Apple 2030」を掲げている。今回の「Apple Watch」は、SCS Global Servicesによってカーボンニュートラルの認定を受けているという。認定を受けているのは、以下の3つの組み合わせ。

・新しいスポーツループと組み合わせたアルミニウムケースの「Apple Watch Series 9」
・新しいアルパインループまたはトレイルループと組み合わせた「Apple Watch Ultra 2」
・新しいスポーツループと組み合わせた「Apple Watch SE」