新製品レポート
5.5型フルHD液晶、SIMロックフリー、Continuum対応

「VAIO Phone Biz」はWindows 10 Mobileスマホの本命になるか?

VAIOは2016年2月4日、Windows 10 Mobile搭載のスマートフォン(スマホ)「VAIO Phone Biz」を4月に発売すると発表した。SIMロックフリー端末で、価格は5万円台の見込み。昨年、日本通信が発売した「VAIO Phone」に続く、VAIOブランドの第2弾スマホだが、今回はVAIO自ら開発・設計を手がけた。コンセプトは「ビジネスを加速させるスマートフォン」。ビジネスユースを意識したモデルだが、法人だけでなく、個人向けにも販売する。MVNO2社が取り扱うほか、一部量販店でも販売する計画だ。発表当日に開催された製品説明会での情報を交えながら、VAIO Phone Bizの特徴を紹介しよう。

Windows 10 Mobileを搭載するVAIO Phone Biz。SIMロックフリー端末で、価格は5万円台の見込み。スマホをパソコンのように使える「Continuum」に対応する

なぜWindows 10 Mobileなのか?

VAIO Phone Bizは基本ソフト(OS)に国内でも搭載機種が増えつつあるWindows 10 Mobileを搭載する。Androidではなく、Windows 10 Mobileを選択した理由について同社の大田義実社長は、「我々はWindowsパソコンを約20年間作ってきた。PCメーカーである我々がWindows 10 Mobile搭載スマートフォンを提供することで、新たな世界を提案したい」と語った。 ソニーから分離したVAIOは、他社と差異化を図るため、ソニー時代から得意としてきたモバイルノートを中心にPC事業を展開。ビジネスユースを意識したモデルに注力しており、今回のVAIO Phone Bizもその流れを汲んでいる。

Windows 10 Mobileは、Windows 10のスマホ向けOSで、WindowsパソコンやWindowsベースの企業システムとの親和性が高いのが特徴だ。「Microsoft Office」など、パソコンと同じアプリが利用できて、「OneDrive」を利用すればデータを一元管理できる。ただし、AndroidやiPhone(iOS)に比べるとアプリの数が少なく、個人用のスマホとしては使いにくい面もある。

VAIO Phone Bizが狙うポジショニング。パフォーマンスにこだわるVAIOらしく、性能を重視したモデルに位置付けている

VAIO Phone Bizは、Windows 10 Mobileの目玉機能である「Continuum」に対応する。ディスプレイとキーボード、マウスに接続すれば、スマホがパソコンに早変わりする機能だ。スマホの画面はタッチパッドとして動作するほか、Continuum利用中でもスマホ側で電話をかけたり、アプリを操作したりできる。Continuumを利用するには、対応のMiracastアダプターが別途必要となるが、VAIOではActiontec製の「ScreenBeam Mini2 Continuum」を推奨している。

製品説明会ではContinuumが動作する様子を見られたが、動きは滑らかで、遅延もそれほどなかった。マウスカーソルの反応が遅れるシーンもあったが、「YouTube」もしっかり再生できていた。使い方はWindows 10とほぼ同じだ。画面の左下にWindows 10と同じようなスタートメニューがあり、アプリを選ぶとフルスクリーンで表示される。ウインドウ表示には対応していないが、Windows 10の仮想デスクトップのように切り替えられる。Webページの閲覧やメールのチェック、Microsoft Officeを使った作業などは問題なくこなせそうな印象を受けた。ただし、Continuumで動作するアプリは、UWP(Universal Windows Platform)に対応したアプリに限られるので、すべてのアプリが利用できるわけではないので、この点は注意が必要だろう。

スマホをパソコンのように利用できるContinuum

スマホをパソコンのように利用できるContinuum

Continuum利用中は、VAIO Phone Bizがタッチパッドとして利用できる

Continuum利用中は、VAIO Phone Bizがタッチパッドとして利用できる

Continuumで動作するアプリは、UWP(Universal Windows Platform)に限られており、一部アプリは動作しない

Continuumで動作するアプリは、UWP(Universal Windows Platform)に限られており、一部アプリは動作しない

Windows 10 Mobileスマホとしては国内最高スペック

続いてハードウェア面を見ていこう。ディスプレイは5.5型のフルHD(1080×1920)液晶。国内で発売・発表されているWindows 10 Mobileスマホとしては最大クラスだ。CPUはクアルコムの「Snapdragon 617」(1.50GHz×4+1.2GHz×4)を採用する。ミドルクラスのオクタコアCPUだが、Continuumに対応しており、コストパフォーマンスの高いCPUだ。ちなみに、Snapdragon 617は当初、Continuumに対応していなかったが、VAIOとマイクロソフトの協業により、正式に対応することになったという。

メモリーはContinuumやマルチタスク作業を考慮して、Windows 10 Mobileスマホとしては大容量の3GB。ストレージは16GBで、外部メモリーとして最大64GBのmicroSDメモリーカードをサポートする。Androidスマホ比べると見劣りする部分もあるが、国内で発売・発表されているWindows 10 Mobileスマホとしては最高スペックだ。

バッテリーは2800mAh。外部インターフェイスにはmicroUSBポートとヘッドホン端子を搭載。本体サイズは約77.0(幅)×156.1(高さ)×8.3(奥行)mm、重量は約167g。

Continuumに対応するトリニティの「NuAns NEO」(右)との比較。VAIO Phone Biz(左)のほうが一回り大きいが薄い

SIMロックフリーだがNTTドコモの相互接続性試験を実施。CAにも対応

VAIO Phone BizはSIMロックフリー端末だが、NTTドコモのキャリアアグリゲーション(CA)に対応しており、最大225Mbps(理論値)の高速通信が可能。NTTドコモと相互接続性試験を実施して安定した通信を確保している。NTTドコモが法人向けにVAIO Phone Bizを取り扱うため、密に開発を進めてきたようだ。対応バンドは、LTEが1/3/8/19/21、3G(WCDMA)が1/6/8/11/19。NTTドコモが利用する周波数帯をほぼ網羅している。SIMスロットはmicroSIMカードを2つ挿せるデュアルSIM仕様だが、1つはmicroSDカードとの排他利用だ。2枚のSIMカードを挿した場合、LTEで通信できるのは片方だけで、もう一方は日本で利用できないGSMとなる。

なお、昨年12月に発売したSIMロックフリーのノートPC「VAIO S11」では、パソコンのデータ通信に特化したVAIOオリジナルのSIMカードを用意したが、VAIO Phone Bizでも同様に独自のSIMカードを用意するかは検討中だという。

SIMロックフリー端末だが、NTTドコモのキャリアアグリゲーションに対応。相互接続性試験も実施中だ

SIMロックフリー端末だが、NTTドコモのキャリアアグリゲーションに対応。相互接続性試験も実施中だ

SIMスロットはmicroSIMカードを2つ挿せるデュアルSIM仕様だが、1つはmicroSDカードと排他利用

SIMスロットはmicroSIMカードを2つ挿せるデュアルSIM仕様だが、1つはmicroSDカードと排他利用

VAIOらしいスマホが誕生! 個人でも使いたくなるが……

ボディは、パソコンのフラグシップモデル「VAIO Z Canvas」のデザインを再現。外装にはアルミニウムと強化ガラスを使っている。アルミ合金の塊から削り出したボディは、20数工程かけて作られており、質感が高く、所有欲をくすぐるような仕上がりだ。レーザーエッチングで彫り込まれた背面のVAIOロゴもいい味を出している。また、端末自体は海外で製造するが、長野県の安曇野工場にて、仕上げを行い、全数チェックを実施。パソコンと同じように、「安曇野FINISH」で高い品質を担保する。

アルミ削り出しボディ。質感が高く、プライベートでも持ちたくなるデザインだ

アルミ削り出しボディ。質感が高く、プライベートでも持ちたくなるデザインだ

20数工程かけて作られたアルミ削り出しボディ。樹脂製のフレームを一体成型することで、堅牢性を高めている。VAIOロゴはレーザーエッチングで彫り込んでいる

昨年、日本通信が発売したVAIO Phoneは、海外で販売されている端末にVAIOのロゴを付けただけもので、デザインもスペックもVAIOらしさは一切なく、期待を裏切るものだった。それに対して、今回のVAIO Phone Bizは、デザイン、スペック、商品企画のすべてにVAIOらしさが詰まっている。個人で利用する場合、アプリの少なさがネックで、正直メインの1台としては選びにくい。それでもSIMロックフリー端末なので、格安SIMと組み合わせて仕事用の2台目スマホとして使ってみるのはありだろう。

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

パソコン関連を担当する双子の兄。守備範囲の広さ(浅いけど)が長所。最近、鉄道の魅力にハマりつつあります。

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