レビュー
大ベストセラーの電動コーヒーミルに待望の新モデルがついに登場

「ナイスカットミル」の後継機「ナイスカットG」はやっぱり格が違った!

コーヒー愛好家に朗報! 2016年3月に惜しまれつつ生産終了となった電動ミルの名機、カリタ「ナイスカットミル」の後継機がこの3月に発売されたのだ。ネーミングはまさに後継といった感じの「ナイスカットG」。「ナイスカットミル」では豆の均一性、摩擦熱の少なさ、お手入れのしやすさ、デザインなど、どれを取ってもほかの同価格帯モデルとは一線を画していたが、果たして新モデルの出来栄えはいかに? 早速お手並み拝見といこう。


細部のブラッシュアップでさらなる高みへ

おすすめの電動ミルを1台あげるとしたら?――そんな質問をコーヒー好きの人に投げかけたとき、真っ先に名前が出てくるのがカリタの「ナイスカットミル」だ。よりシビアな品質が求められる業務用の電動ミルをそのまま一般家庭向けにサイズダウンしているため、挽きの精度からメンテナンス性まで、あらゆる性能が同価格帯の中でワンランク上。いろいろな電動ミルを試しても結局最後は「ナイスカットミル」に行き着く、と評されるほどの鉄板モデル、つまりひと言で言えば“名機”だったのである。

そんな「ナイスカットミル」の後継機となるのが、今回紹介する「ナイスカットG」。コーヒー好きにとってはまさに「待ってました!」となる待望の新モデルだ。実物をひと目見れば、大幅な変更はなく、ナイスカットミルの改良版といった志向の設計であることはすぐに読み取れる。クルマでたとえるならフルモデルチェンジではなくマイナーチェンジ、といったところか。デザインの違いで言うと、ホッパーフタの突起が大きくつかみやすい形状となったほか、製品のロゴは「Nice Cut Mill」という文字ベースのものからカリタのロゴマークに変更。粉受けの形状も上部が広がった形となり、ここにはカリタの扇状ドリッパーをあしらったロゴマークが刻印された。全体としてはよりクラシカルになった印象で、アンティーク家具を思わせるオシャレなたたずまい。「これこれ、このレトロな感じ」と、しばしデザインに酔いしれた。

「ナイスカットミル」の廃盤に「うそでしょ?」とショックを受けた人は多いはずだが、2017年3月、待望の後継機となる「ナイスカットG」が発売された。カラーは写真のクラシックアイアンと、アイボリーの2色展開。価格はクラシックアイアンが税込28,651円、アイボリーが税込30,195円(価格.com最安価格、2017年4月25日現在)

もちろん、ミル刃は「ナイスカットミル」のアイデンティティとも言えるカット式。2枚の盤に取り付けたミル刃で豆を切り裂くように挽いていくため、雑味の原因となる微粉が少なく、均一に挽けるのが特徴。ミル刃の回転数を低くして摩擦熱を抑制するので、コーヒー本来の風味も損ねにくい。プロのバリスタもこのカット式のミルを使用していることが多い

本体サイズは、120(幅)×218(奥行)×337(高さ)mmで、重さは2.3kg。クラス随一の性能を誇るだけに、初めて実物を見る人は思ったよりもコンパクトなことに驚くはず

本体側面にはカリタのロゴマークが、粉受けにはカリタの扇状ドリッパーをあしらったロゴマークが刻印されている

従来モデルでは粉受けの上部がややすぼんでいたが、「ナイスカットG」では上部が広がった形状に。これによって粉の飛散が低減された

扇状ドリッパーのロゴマークは粒度の調節ダイヤルにも。こうした気の利いた意匠といい、レトロなフォルムといい、とにかく見るたびに所有欲がくすぐられる

粉砕速度を落としてよりおいしく、均一に

性能面で最も注目すべきは粉砕速度だろう。先代の「ナイスカットミル」が中挽きで130g/分だったのに対して、「ナイスカットG」は100g/分。こう説明すると、「遅くなっちゃったの?」と不安になるかもしれないが、決して性能が低下したわけではないのでご心配なく。粉砕速度を落とすことで摩擦熱を抑制するとともに、粒度の均一性も向上。つまりこれは、よりおいしく挽くために意図して設計されたものなのだ。

また、ホッパーの容量が200gから50gへ、粉受けの容量が100gから50gへとそれぞれ変更されたのも「味」のため。「毎回淹れる量だけ豆を挽いて、新鮮な豆の風味を存分に楽しんでほしい」というカリタのメッセージが垣間見える。

実際に豆を挽いてみよう。まずは、ホッパーフタを開けて豆を投入する

実際に豆を挽いてみよう。まずは、ホッパーフタを開けて豆を投入する

ホッパーの容量は50gで、1人分となる10gを入れるとこのくらいの溜まり具合

ホッパーの容量は50gで、1人分となる10gを入れるとこのくらいの溜まり具合

次に粒度の設定。調節ダイヤルをクルクルと回して、細挽きから粗挽きまで15段階で細かく調節できる。これで準備は完了

あとは背面の電源スイッチを入れれば豆挽きが始まる

あとは背面の電源スイッチを入れれば豆挽きが始まる

排出口からコーヒー粉が勢いよく出てくる。音はそれなりに大きく、テレビの音がちょっと聞きづらくなるくらい

豆の煎り方にもよるが、粉砕速度は10gの中挽きで9.1秒だった。従来よりも粉砕速度を落としているとはいえ、この程度の速度であればまったくストレスは感じない

さすがは粒度の均一性にすぐれたカット式、きれいに粒がそろっている。雑味やえぐみの少ない、クリアな味わいが期待できそうだ

今回挽いた豆は、サードウェーブ系ショップ、オニバスコーヒー中目黒店の「エチオピア」(浅煎り)。果実のような爽やかな酸味とクリーミーな甘味が特徴だ。これをハンドドリップで淹れ、いざテイスティング!

苦みと酸味のバランスがよく、甘酸っぱいベリーのような後味も実に心地よい。挽きムラが少ないためか雑味はまったくなく、クリアかつ奥深い味わいだ。カット式は豆本来の風味や酸味が出やすいと言われているが、なるほど然り。サードウェーブ系との相性もよさそうである

お手入れのしやすさも健在!

電動ミルの手入れでやっかいなのが内部の掃除だろう。ここに豆のカスが残っていると雑味やえぐみが出てしまうのだが、奥の隙間などはただでさえ手が届きにくいうえ、そもそも分解掃除ができないというモデルも少なくない。その点、「ナイスカットG」は手入れのしやすさも先代ゆずり。調節ダイヤルやミル刃を簡単に取り外すことができ、内部の隅々までしっかりと掃除できる。

掃除用のクリーニングブラシが付属されているので、これを使って内部に付着した粉末を払い落としていく 

掃除用のクリーニングブラシが付属されているので、これを使って内部に付着した粉末を払い落としていく 

コインでネジを回せば調節ダイヤルを簡単に取り外すことができ、その奥にあるミル刃もスポッと取り外せる。ここまできっちり、それも簡単に分解できるのはかなりありがたい

毎日1〜2回豆を挽いてみたが、1週間経つと内部にはそれなりに粉が付着していた。毎日飲むなら週に1回くらいのペースで掃除するのがよさそうだ

「気になるところ」をあげるとすれば、排出口付近に粉が付着することぐらいだろうか。挽いた後に粉がポロポロとこぼれ落ちてくるのだ。原因は静電気で、ひとつ上の価格帯となるカリタ「NEXT G」には静電気対策装置が装備されているのに対して、「ナイスカットG」には特に対策がなされていない。ただ、静電気によって微粉が取り除かれるという側面もあるので、それほど目くじらを立てるほどのことでもないだろう。とにかく微粉を減らしたい、という人にとってはむしろこのほうが理にかなっているのかもしれない。

静電気によって排出口付近に粉が付着する点は気になる人もいるかもしれない。とはいえサッと拭き取ればそれで終わりだし、微粉を取り除けるというプラスの側面も

新たな名機になる予感

まだかな、まだかな、とその登場を待ちわびていただけに期待も大きかったが、「ナイスカットG」はその期待にきっちりと応えてくれた。決してフルモデルチェンジではないものの、デザインがよりレトロな雰囲気にブラシュアップされたほか、性能面でも「味の追求」を念頭に置きながら細かな改良を実施。これによって挽きの精度、質がさらに高められていた。デザイン、挽きの精度、使い勝手。そのすべてでライバル機を寄せ付けない圧倒的な完成度は「ナイスカットG」でも健在であり、電動ミルの新たな“名機”となっていくのは間違いなさそうだ。

毛利真大

毛利真大

編プロでの広告制作、雑誌編集を経てフリーライター/エディターに。家電をはじめ、自動車、ファッション、ビジネス関連など幅広い分野で活動。86年、秋田県出身。「大曲の花火」とグミをこよなく愛する。

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