レビュー
高級オーブントースター界のダークホース? 「自動調理」が便利すぎ

“使える”トースターをお探しなら、アイリスオーヤマ「リクック熱風オーブン」を見逃さないで!

まだまだ勢いのある高級トースター市場。ブームの火付け役であるバルミューダ「ザ トースター」だけでなく、惣菜の温め直しが抜群に優秀なシャープ「ヘルシオグリエ」にも注目が集まるなど、「おいしいトーストを焼く」以外の機能も重視するのが、現在のトレンドと言えるでしょう。今回ご紹介するアイリスオーヤマ「リクック熱風オーブン FVX-M3B」(以下、FVX-M3B)は、むしろトースト以外の機能にプライオリティーを置きたいという方に、ぜひチェックしていただきたい1台です。FVX-M3Bのウリは、ノンフライ調理や惣菜の温め直し。もちろんトーストも、ボタンひとつで最適な状態に仕上げることができます。その魅力について、くわしく紹介していきます。

「フライヤー」と「トースター」の1台2役に、スチームトースト機能が追加

FVX-M3Bは、ヒーターの熱をファンで高速循環させることによって食材に当てて加熱し、油を使わずにヘルシーな揚げ物調理などができる「フライヤー」と、ヒーターで直接焼き上げる「トースター」という、ふたつの機能を備えたオーブントースターです。

「フライヤー」の仕組みはいわゆる「コンベクションオーブン」と同様で、コンベクション機能を備えたトースターはほかにもありますが、FVX-M3Bは一般的なコンベクションオーブンに比べて約30倍(メーカー談)の速さ(9.3m/秒)で熱風を当てることで、食材の芯までしっかり加熱してくれるそう。また、該当するメニューボタンを押すだけで、温度や加熱時間を自動調節して最適な状態に仕上げる「自動調理メニュー」や「リクックメニュー」(温め直し)を多数用意しているため、簡単な操作で失敗なくおいしいものを作ることができるのです。もちろん、「フライヤー」「トースター」ともに、温度と時間を手動設定して使用することも可能です。
トースター機能に関しては、従来機にはなかった「スチーム」機能を追加。スチームの力で、トーストなどをよりふっくらと仕上げることができるようになったそうです。

本体サイズは341(幅)×325(奥行)×348(高さ)mm、重さは約9.8kg。「フライヤー」機能用のシーズヒーターとファンが本体上部に配置されていることもあり、2Lペットボトルよりも高さがあります

本体に高さがある分、操作部のスペースが広く、メニューごとにボタンが配置されているため、迷いなく操作できそうです

「トースター」機能用の石英管ヒーターは上下2本ずつ、計4本搭載されています。上の2本のみを動作させ、「上グリル」として使用することも可能

庫内に焼き網をセットして使用します

庫内に焼き網をセットして使用します

焼き網のほか、フライ用受け皿とフライ用網が付属。ノンフライ/リクックの場合は、焼き網の上にフライ用網をセットしたフライ用受け皿を置いて調理します

ノンフライ調理に使用するオイルスプレーと、スチーム用の水皿と水差し。このほか、専用レシピブックも付属します

ノンフライ、焼き物がボタンひとつでベストな仕上がり。「自動調理メニュー」がとにかく楽で優秀!

まずは、「自動調理メニュー」の実力をチェックします。「自動調理メニュー」は、メニューごとに加熱プログラムが設定されており、ノンフライからあげやハンバーグなどを、それぞれのメニューと量に合わせて最適な温度と時間でベストな状態に仕上げてくれる機能です。今回は、からあげ、エビフライ、ハンバーグ、焼き鮭に挑戦してみました。

メニューは、「からあげ」「エビフライ」「コロッケ」「シャケ」「ハンバーグ」「ステーキ」の6つ。操作ボタンにすべてのメニュー名が書いてあるので、レシピブックなどを確認することなく操作ができます

からあげ

家庭料理の定番メニューのから揚げですが、外はカリカリ、中はジューシーに仕上げるのは、油で揚げる場合もノンフライ調理でも意外と難しいもの。「自動調理メニュー」で調理したところ、ボタンを押すだけで理想的な仕上がりになりました。

からあげ粉をまぶしたひと口大の鶏モモ肉6個(約200g)を、フライ用網にセット

からあげ粉をまぶしたひと口大の鶏モモ肉6個(約200g)を、フライ用網にセット

操作は、「自動調理メニュー」の「からあげ」を選択し、「スタート」ボタンを押すだけです

操作は、「自動調理メニュー」の「からあげ」を選択し、「スタート」ボタンを押すだけです

「自動調理メニュー」「リクックメニュー」は、「弱め/標準/強め」の3段階で仕上がりを調整可能(「スタート」ボタンを押す前に設定する)。今回の検証では、すべて「標準」で調理しています

11分で加熱終了。ジョワーという、本当に揚げ物をしているかのような音とともに、おいしそうなノンフライからあげができあがりました

下になっていた部分はほかの部分よりもしっとりしていますが、ちゃんと火が通っています

下になっていた部分はほかの部分よりもしっとりしていますが、ちゃんと火が通っています

油で揚げたものとは違いますが、外はカリカリで、噛むと肉汁があふれるジューシーな仕上がり

油で揚げたものとは違いますが、外はカリカリで、噛むと肉汁があふれるジューシーな仕上がり

FVX-M3Bがすごいのは、温度センサーによって食材の温度を検知し、食材の量によって加熱時間と温度を自動調整してくれる点。つまり、からあげを3個作る場合も6個作る場合も、設定温度や時間を変える必要がないのです。そこで、からあげを先ほどの半分の量で調理し、同様の仕上がりになるのかを試してみました。

からあげ粉をまぶしたひと口大の鶏モモ肉3個(約100g)を、フライ用網にセット

からあげ粉をまぶしたひと口大の鶏モモ肉3個(約100g)を、フライ用網にセット

加熱時間は、6個の時と同じ約11分でした。それだと焦げてしまうのでは? と心配でしたが、仕上がりは6個の時と同様、いい按配です

3個と6個で量を変えて作ったからあげを比較。見た目に区別がつかないだけでなく、食感や味にも差は感じません

ちなみに、庫内では9.3m/秒の速さで熱風が循環しているというだけあり、「フライヤー」モードで調理中の動作音はなかなか大きいです。「ウーーーーーン」というようなファンの音なのですが、筆者の家はキッチンのすぐそばにテレビがあるので、調理中はテレビの音を大きくしなければなりませんでした。

エビフライ

パン粉の衣を使う、フライ系の仕上がりも気になります。エビフライを作ってみたところ、衣はさくっと、中のエビはぷりっとおいしいエビフライができました。

フライを調理する場合は、付属のスプレーでオイルを吹きかけると、よりサクッと仕上がります。ただ、スプレーが付属するのはありがたいのですが、使用したのがオリーブオイルだったせいか、霧状にスプレーすることはできませんでした。まんべんなくオイルを塗布したい場合は、別のオイルスプレーを用意したほうがいいかもしれません

油の付き方にムラがあったので、焼き色にもムラが出るかなと思ったのですが、できあがったエビフライは、予想に反して全体的にキレイなキツネ色!

控えめに言って、すごくおいしい! あっさりとしたエビフライですが、衣は香ばしく、エビは水分が失われることなくぷりっとしています。尻尾もスナックのようにさくさく!

ハンバーグ

ハンバーグは、気を付けないと中が生焼けになりやすい料理。料理初心者にありがちなのが、しっかり火を通したいと思うあまり、ぎゅーっとフライパンに押し付けたり、いじりまわしているうちに形が崩れてしまうこと。形が崩れるとせっかくの肉汁も漏れてしまいますが、「自動調理メニュー」なら、そんな失敗とは無縁になれます。

まずはハンバーグのみで加熱開始。加熱時間は約11分でした

まずはハンバーグのみで加熱開始。加熱時間は約11分でした

残り5分のところで、付け合せの野菜を追加して加熱したところ、いい感じに仕上がりました

残り5分のところで、付け合せの野菜を追加して加熱したところ、いい感じに仕上がりました

ハンバーグはふっくらとしていて、切ると肉汁があふれ出す理想的な仕上がり! もちろん、中心が生焼けなんてこともなし。筆者はよくハンバーグを作るのですが、フライパンでこんなに上手に焼けたことがありません

焼き魚

焼き魚もハンバーグ同様、生焼けを恐れて火を通しすぎて身がパサパサになってしまったり、裏返す時に形が崩れてしまったりと、シンプルなだけに加減が難しい調理。FVX-M3Bの「シャケ」メニューなら、皮までこんがりとはいかないものの、裏返す必要がないので手間が省けるだけでなく、キレイに焼くことができました。今回焼いたのは鮭ですが、もちろん鮭以外の魚も焼くことができます。

鮭の切り身3枚の場合、加熱時間は約8分半でした。しかし、1度の加熱では、「もうちょっと焼いたほうがいいかな?」という仕上がりだったので、再度同じ時間(計17分)熱してみたところ、ちょうどよく仕上がりました。

焼いている最中は、ちょっとニオイがします。部屋中に充満するというほどではありませんが、気になる場合はしっかり換気を行いましょう

魚焼きグリルで焼いた時ほどこんがり焦げ目が付くわけではないですが、しっかり火は通りつつ身がしっとりしていて、パサついていないのが何よりうれしい

裏も表と同じような仕上がりです(左)。しっかり火を通しても、皮はあまりパリッとしません(右)。鮭の皮好きとしてはちょっと残念

買ってきた惣菜をできたて以上(?)によみがえらせる「リクックメニュー」

「リクックメニュー」は、「自動調理メニュー」同様、メニューごとにあらかじめ設定された加熱プログラムによって、揚げ物などの惣菜を作りたてのようなおいしさでよみがえられてくれる機能です。しかも、揚げ物は余分な油を落としてくれるので、少しヘルシーになるという特典付き。

今回は、からあげ、クリームコロッケ、かき揚げをそれぞれリクックしてみたところ、すべておいしさを損なうことなく、揚げたてに近いサクサク感が復活しました。

リクックメニューは、「えびてんぷら」「コロッケ・メンチカツ」「魚フライ・エビフライ」「フライドポテト」「からあげ・フライドチキン」「かきあげ」「とんかつ」「揚げパン・カレーパン」の12種類(ボタンは8つ)

からあげ

加熱時間は約6分でした。期待通りの、衣さくさく、お肉ジューシー

加熱時間は約6分でした。期待通りの、衣さくさく、お肉ジューシー

余分な油がこんなに! 万年ダイエット中の身としては、揚げ物を食べる罪悪感を軽減してくれてありがたいです

クリームコロッケ

約7分半の加熱で、しなっとしていた衣が、しゃきっと元気になって、きれいなキツネ色に

約7分半の加熱で、しなっとしていた衣が、しゃきっと元気になって、きれいなキツネ色に

衣はさくさく、中はとろりと熱々。完全復活です!

衣はさくさく、中はとろりと熱々。完全復活です!

かき揚げ

天ぷらはほかの揚げ物よりも衣に油を含みやすいので、リクック機能は特に重宝します。全体的に黄色がかっていて体に悪そうだったかき揚げも、見た目にもさくっとおいしくなりました

味ももちろん◎。油のベトベト感がなくなる&香ばしさがプラスされ、軽めの味わいになります

味ももちろん◎。油のベトベト感がなくなる&香ばしさがプラスされ、軽めの味わいになります

「トースター」は、ムラなくふっくら焼けるスチーム機能を搭載

最後に、「トースター」機能についても見ていきましょう。FVX-M3Bには、トーストなどをふっくら焼き上げることができるスチーム機能が搭載されています。ここでは、スチーム機能によって、どのくらい焼き上がりに差が出るのかを「トースト」「チーズトースト」「クロワッサン」でチェックしていきましょう。

スチームトースト

角型食パンの場合、1度に4枚までトーストできます

角型食パンの場合、1度に4枚までトーストできます

スチーム機能を使用する場合は、付属の水皿を手前のヒーターの下にセットし、水差しで5mlの水を入れておきます。勢いよく注ぐとこぼれやすいので、ゆっくり注ぎましょう

1枚の場合は、手前中央にパンをセットします

1枚の場合は、手前中央にパンをセットします

トーストにも専用ボタンが用意されており、枚数に応じて最適な温度と時間で焼き上げます

トーストにも専用ボタンが用意されており、枚数に応じて最適な温度と時間で焼き上げます

1枚の場合、約6分で焼き上がりました

1枚の場合、約6分で焼き上がりました

一般的なトースターで焼いたものに比べ、FVX-M3B(スチームあり)でトーストしたパンは、焼きムラがなく、トーストのお手本のような美しい焼き色がしっかりついています

単体では正直そこまで味の差はわからないのですが、一般的なトースターで焼いたものと断面を比べてみると、FVX-M3B(スチームあり)で焼いたものは、2割増しくらいふっくら。しっかりスチームの効果が現れています

チーズトースト

チーズは、スチームの力ですごくトロトロになるというわけではありませんが、一般的なトースターで焼いたものに比べると、チーズの伸びがよくなりました

クロワッサン

買ってから1日経ったクロワッサンも、スチーム機能を使用することによって、外側のパイのような食感が復活!

クロワッサンでも、一般的なトースターで焼いたものと断面を比べてみたところ、FVX-M3B(スチームあり)で焼いたものはまんべんなく熱が入っているのか、生地の層が均等にふくらんでいるのがわかります

「上グリル」を使って、チーズトーストをもっと香ばしく

「トースター」は、上2本のヒーターのみに切り替えることで、「上グリル」として使用することも可能。おもに食材の表面のみを焼くことができるので、グラタンのチーズに焦げ目を付けるといった、オーブン料理の仕上げ調節などに便利です。

たとえば、チーズトーストを作って、トースト部分はちょうどいいけど、チーズにだけもっと火を通したいという時は、加熱ヒーターを「上グリル」に切り替えて加熱すればOK

トースター、上グリルの温度は、60〜200℃の間で10℃ごとに選択可能。加熱時間は0.5〜30分を30秒刻みで設定できます

上グリルで、200℃で2分ほど加熱したところ、パンの焼き加減はキープしながら、より香ばしいチーズトーストになりました

まとめ

FVX-M3Bはとにかく、ボタンひとつ(+スタートボタン)で料理をおいしく仕上げる「自動調理メニュー」や「リクックメニュー」の便利さが最大の魅力です。「いくら多機能でも、使い方がめんどうであれば結局使わなくなる」というのは家電製品に対してよく言われることですが、FVX-M3Bに関しては、ボタン操作がこれ以上ないというくらいわかりやすいので、「機能を結局使わなくなる」という心配は杞憂に終わるはず。

どんなに料理や機械が苦手でも、押すボタンさえ間違えなければベストな状態に食材を加熱してくれるので、「調理家電を使っても、温度とか時間とかよくわからない!」という人や、「最近流行の、ボタンが少ないおしゃれ家電は使いこなす自信がない」という人には、とくに使いやすいと感じられる製品だと思います。

ほかのオーブントースターに比べてサイズが大きい(高さがある)点は、設置スペースの事情によってはマイナスに感じるかもしれませんが、その分操作部が広く、多くの専用ボタンを設置しているため操作性のよさはピカイチ。設置に問題がなければ、むしろメリットが多い設計と言えます。

大泉瑠梨(編集部)

大泉瑠梨(編集部)

美容・健康家電を中心に新製品レポートやレビュー記事を担当。時には体を張って製品の実力をチェックします。

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