レビュー
空気の状態がわかる液晶ディスプレイや、風を後ろに吹き出す新機能が便利

汚れの原因を知ると、汚さない工夫ができる! ダイソン「空気清浄ファン Pure Cool」が楽しい

独自の「Air Multiplier テクノロジー」を搭載した羽根のない扇風機と、空気清浄機の機能を合体させたダイソンの「Pure Cool(ピュア クール)」シリーズに、空気の状態がひと目でわかる液晶ディスプレイ搭載の新モデル「Dyson Pure Cool 空気清浄ファン」が登場。空気の状態をすぐに確認できると、どんないいことがあるのでしょうか? 自宅に設置して使ってみた感想をお伝えします。

2018年4月に発売となった、空気清浄タワーファン「Dyson Pure Cool TP04」(以下、タワーファン)と、空気清浄テーブルファン「Dyson Pure Cool DP04」(以下、テーブルファン)。記事内の検証では、おもにタワーファンを使用しています

「どうせ風を出すなら、扇風機として使っちゃえ」という、コロンブスの卵的発想

まずは、Pure Coolの基本性能をチェックしましょう。Pure Coolは、簡単に言うと、扇風機(ファン)と空気清浄機の機能をあわせ持ったもの。「汚染された空気を吸い込み、清浄した空気を放出する」という空気清浄機の構造を生かし、放出されるきれいな空気を扇風機の風として送り届けます。1台2役なので、設置スペースやコンセントの差込口も1台分ですむのはもちろん、ファンによって空気の循環が生まれることで有害物質がフィルター付近に集まりやすくなり、効率よく空気清浄ができるという利点もあります。

タワーファンのサイズは223(幅)×223(奥行き)×1,054 (高さ)mm、重さは5.06kg。コードの長さは1.8mで、最大消費電力は40Wです

テーブルファンのサイズは352(幅)×223(奥行き)×691 (高さ)mm、重さは4.72kg。コードの長さは1.8mで、最大消費電力は40Wです

空気清浄機は、本体の前面あるいは背面に吸い込み口を設けているものが多いですが、Pure Coolはスタンド部分が吸い込み口になっているので、360°全方位から空気を吸引。清浄効率がよいのに加え、「壁際に設置したほうがよい」などの設置場所の制約が少なくなるメリットも。空気清浄能力(適用床面積)の目安は、ともに30分で12畳、60分の場合はタワーファンが34畳、テーブルファンが36畳。フィルターの改良などにより、いずれも従来モデルよりも向上しています。

また、空気清浄機は気流のスピードが速すぎると、フィルターを通過した超微小粒子物質が部屋に逆戻りしてしまうことがあるのですが、「Pure Cool」は気流のスピードを制御することで、PM0.1レベルの微粒子も、フィルターへの1度の通過で99.95%捕らえることができるそうです。

空気清浄部の内部はこんな感じ。3層のフィルター構造になっています

空気清浄部の内部はこんな感じ。3層のフィルター構造になっています

集じんフィルターは、長さ約9mのHEPAマイクログラスファイバーをプリーツ状に200回以上折ることによって高密度に。従来モデルに採用していたものより大きく厚いフィルターに、HEPA材を従来より60%多く組み込むことで、集じん力を高めているそうです

従来より活性炭を3倍以上に増やしたという消臭フィルター。ホルムアルデヒドやベンゼンといった有害ガスも、よりしっかり捕らえることができるようになりました

フィルター周囲には、ぐるりとパッキンが施されています。このパッキンがあることで、キャッチした粒子などを外部に逃しにくいそう

首振り角度は最大350°。風を後方に吹き出す「ディフューズモード」でより便利に

タワーファンとテーブルファンは、どちらも送風量が10段階で調整でき、最大風量にした場合の送風量は毎秒290L。首振り角度は0°(なし)、45°、90°、180°、350°の5段階で調整できます。

下の動画は、風量MAX(10)、首振り角度350°で運転している様子。完全に1回転するわけではないですが、真後ろに設置したテープがはためいていることから、本体の真後ろまで風が届いているのがわかります。運転音は、風量を5以上にすると気になり出す印象です。

また、新モデルには、風を後方に吹き出す「ディフューズモード」を新搭載。この機能は、寒い季節など、「空気清浄機は使いたいけれど、涼しい風は受けたくない」という場合にとても便利です。

ファンの前面にある吹き出し口。通常時は、この部分から前方に風を出します

ファンの前面にある吹き出し口。通常時は、この部分から前方に風を出します

「ディフューズモード」選択時は、バルブ機構によって空気の流れを後方に誘導。側面のスリットから後方に向けて風を吹き出します

風の向きを簡単に切り替えることができるので、1年を通して使用しやすくなりました

風の向きを簡単に切り替えることができるので、1年を通して使用しやすくなりました

アプリを使用すれば、外出先からでも操作が可能

操作は、付属のリモコンと「Dyson Linkアプリ」(iOS/Android対応)の両方から行えます。リモコンでは、「電源のオン/オフ」「風量調節」「首振り角度の設定」「空気情報の表示」「オートモードの設定」「ディフューズモードのオン/オフ」「ナイトモードの設定」の各操作が可能。アプリでは、リモコンではできない「1日、1週間ごとの空気の清浄履歴」など詳細なデータの確認ができますが、それよりも、単純にスマホをリモコンとして使用できるのが便利でした。

本体には電源ボタンのみなので、ほとんどの操作はリモコンかアプリで行う必要があります。なお、リモコンは本体上部にマグネットでつけておくことができます

「Dyson Linkアプリ」では、外出先からでも室内の空気のコンディションをチェックしたり、「空気の清浄履歴の確認」、曜日ごとに運転モードを設定するなどの「スケジュール機能」も使用できます

液晶ディスプレイで、空気の状態がリアルタイムでわかるのが楽しい

基本性能の説明が長くなってしまいましたが、新モデルの大きな特徴は、空気の汚れや状態をリアルタイムで確認できる液晶ディスプレイ。この液晶ディスプレイは、本体に内蔵された「微粒子(ホコリ)センサー」「有害ガス・ニオイセンサー」「温度・湿度センサー」という3つのセンサーによって検知した空気の状態などを独自のアルゴリズムで処理し、表示してくれます。

従来モデルにおいても、空気のコンディションは「Dyson Linkアプリ」を使用することで確認できましたが、都度アプリを立ち上げてチェックするのはちょっとめんどう。忙しい時にそこまでして確認したいかと言われると正直微妙でした。

液晶ディスプレイ上で確認できるのは、調理中に発生するガスや自動車の排気ガスを含む二酸化窒素の濃度、PM2.5(タバコの煙、バクテリア、アレル物質を含む)の量、VOC(揮発性有機化合物、エアゾールスプレーや消臭剤・芳香剤のスプレーから放出される場合もあり)の濃度、フィルターの寿命などです。ただ「空気が汚い」と言われるよりも、その原因がわかっているほうが安心ですし、対策もしやすくなりますね。

液晶ディスプレイで確認できるおもな項目。このほかにも、24時間以内の空気の状態の推移や、室温、室内の湿度もチェックすることができます

リモコンの「i」ボタンを押すと空気の状態が表示され、「i」ボタンを押すごとに「室内の空気質」「PM2.5」「PM10」「廃棄ガスなど」「揮発性有機物質」「室温」「湿度」「フィルターの寿命」の順で項目が切り替わります。逆回りはできないので、目当ての項目が行き過ぎてしまった場合はもう1周しなければなりません。細かいことですが、逆回りボタンが欲しい・・・・・・

センサーが優秀! 人間が気づかない空気の汚れも教えてくれる

筆者の自宅(20m2ほどの1K)で電源を入れてみたところ、ペットはおらず喫煙もしないためか、空気は基本的にきれいなようです。しかしこれではおもしろくない。ということで、あらゆる方法で空気を汚してみることに。なお、レビュー期間中は基本的に「オートモード」で使用していました。

オートモードに設定しておけば、空気の汚染状況に合わせて自動で設定を変えて動作してくれるだけでなく、空気の状態が目標としているレベルに達すると、動作がストップします。なお、この間もセンサーは空気のモニタリングを継続しているため、空気の状態が悪化すると再び運転状態に切り替わります

何もしていない状態で電源を入れてみたところ。グラフは0に近い数値を継続して示しているため、「部屋の空気はきれい」ということがわかりました

近くで消臭スプレーを噴射してみる

室内で消臭スプレーを吹いてみたところ、空気はすぐ「汚れている」状態に。「VOC(揮発性有機化合物)」「PM2.5」「PM10」の3項目が顕著に反応していたので、ちゃんと空気を汚している原因を検知し分けていることがわかりました。

本体のそばでトイレ用の消臭スプレーを2秒間ほど吹いてみました

本体のそばでトイレ用の消臭スプレーを2秒間ほど吹いてみました

液晶ディスプレイは、緑:「きれい」、黄色:「少し汚れている」、オレンジ:「汚れている」、赤:「とても汚れている」という具合に、状態によってグラフやマークの色が変わります

一瞬で「VOC」「PM2.5」「PM10」の数値が高い状態になったものの、自動で風量が強くなり、20分後には「空気がきれい」という判定に戻っていました

ホットプレートで餃子を焼いてみる

ホットプレートで餃子を焼いてみたところ、みるみるうちに室内の空気が汚染されていきました。それでも、食事が終了して1時間ほど経つと、においは若干残ったものの、データ上はきれいな状態に戻りました。

換気扇をつけずに、ホットプレートで餃子を焼いてみたところ

換気扇をつけずに、ホットプレートで餃子を焼いてみたところ

「PM2.5」「PM10」の数値は高いものの、「VOC」や「排気ガス」についてはほぼ無反応。食事が終了して1時間ほどで「空気がきれい」な状態に回復しました

化粧をするだけでも、空気は汚れる

驚いたのが、日常の何気ない行動によって空気は汚れるということです。朝、化粧中にフェイスパウダーをはたいていると、いきなりPure Coolの風量が強くなり、空気が汚れていると知らせてくれるということも。

大人の人間には何も感じないほどの変化も敏感に検知し、その原因もすぐに確認できます。ペットや小さな子供がいる家では特に重宝しそう

汚れの原因を知ると、汚さない工夫ができる!

Pure Coolの新モデルを使用してみて最初に感じたのは、液晶ディスプレイが搭載されたことで、空気が汚れている状態から清浄されるまでの様子を可視化できるのが楽しい、ということ。一連の流れを疑似的にでも体感できることで、よりすがすがしい気持ちになれます。

また、「オートモード」使用時に限ってのことですが、自動で風量が強くなることで空気が汚れていることを知らせてくれるため、「あ、今空気が汚れたな」というのがわかります。そこですぐにディスプレイをチェックすれば、その主たる原因を確認することができるので、「こんなことで空気は汚れてしまうんだ」と学べるのも大きなメリット。原因を知ることで、むやみに空気を汚してしまうのを防げるだけでなく、「化粧をする時は、ペットや小さな子供が寝ている場所から離れよう」といった、配慮や対処もしやすくなるのではと思います。

Pure Coolの新モデルは、汚れている空気をきれいにする性能の高さはもちろん、使っているうちに空気を汚さない工夫ができるようになってくるのも大きな魅力。性能と心がけの相乗効果によって、より快適な空気環境を目指せるのではないでしょうか。

さいごに・・・・・・タワーファンとテーブルファンに空気循環効率の差はあるの?

Pure Coolの購入を検討している方の中には、「タワーファンとテーブルファン、どちらを買うべきか悩む」という方もいるかと思います。この2製品の大きな違いは、吹き出し口の大きさ。テーブルファンの吹き出し口の高さは、タワーファンの半分ほどです。そうなると、「テーブルファンは空気の循環効率が悪いのだろうか」と思うのではないでしょうか。

しかし、実際に両機種を使用してみたところ、テーブルファンは吹き出し角度の調整が可能なため、タワーファンと比較して極端に空気が届く場所が制限されるということは感じませんでした。実際、適用床面積もテーブルファンのほうが若干上です。形状が異なるので、まったく同じ働きをするわけではないでしょうが、設置場所の都合やデザインの好みで選んでも問題はないのではないかと、個人的には思います。

テーブルファンの吹き出し口の高さは、タワーファンの半分ほどですが・・・・・・

テーブルファンの吹き出し口の高さは、タワーファンの半分ほどですが・・・・・・

テーブルファンは写真のように角度調整が可能なので、斜め上、斜め下にも風を届けることができます。また、床だけでなくテーブルなどに置いて使用することもできるので、タワーファンに比べて風の届く範囲が狭いということはない印象です

試しに、3m離れた壁の上部に貼り付けたテープが吹かれ具合をチェックしてみたところ、タワーファンよりも、上に傾けたテーブルファンを運転させた時のほうが、テープのはためきは大きいという結果に。たしかにタワーファンよりも吹き出し口の高さはないですが、使用方法を工夫することで、問題なく部屋の隅々まで空気を行き渡らせることができるようです

大泉瑠梨(編集部)

大泉瑠梨(編集部)

美容・健康家電を中心に新製品レポートやレビュー記事を担当。時には体を張って製品の実力をチェックします。

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