レビュー
現代の3種の神器は「ロボット掃除機」「全自動洗濯乾燥機」と、もうひとつ

食器洗い機って必要? パナソニック「プチ食洗」と暮らしてわかったこと

共働きが当たり前、家事分担で何かともめがちな現代の“3種の神器”と呼ばれているのが、ロボット掃除機、全自動洗濯乾燥機、食器洗い機(以下、食洗機)の3つです。でも、わりと普及している印象の前者2つに比べ、食器洗い機って影が薄い気がしませんか。そこで今回は、自宅にパナソニック「プチ食洗 NP-TCR4」(以下、プチ食洗)を設置し、3週間ほど「食洗機のある生活」を体験。プチ食洗の使い勝手をチェックするとともに、「一般家庭に食洗機は必要性なのか?」について、さまざまな観点から検証してみました。

“水切りかごのスペースに置ける” のに、1度に3人分の食器が洗える「プチ食洗」

今回使用する「プチ食洗」は、“水切りかごのスペース(470×300mm)に設置できる”という、比較的コンパクトな食器洗い乾燥機。コンパクトながら、約3人分の食器(食器18点、小物12点)を1度に洗うことができます。「標準コース」のほか、耐熱温度60℃以上のプラスチック製食器も洗える「低温ソフトコース」や、通常コースの半分以下の時間で仕上がる「スピーディーコース」が選択可能。また、洗剤液を温めて酵素の働きを活性化し、温めた高濃度洗剤液をかける「プレ洗浄」で汚れをすばやく分解する「バイオパワー除菌」機能も備えています。

サイズは470(幅)×300(奥行)×460(高さ)mmで、庫内容積は約24L。最大消費電力量は665 W(50Hz)/685W(60Hz)です

食器をセットするワイヤーカゴは、高さ約20cmまでの食器に対応。左右に長いピンを設けることにより、どんぶりなどの縦長で倒れやすい食器も安定してセットできます

食洗機は設置が大変そう
→ちょっとお金はかかるけど、業者に委託すれば安心

まずは設置について。プチ食洗の場合、自力で設置できなくもないようなのですが、あくまで「できなくもない」というレベル。筆者は自信がなかったので、業者に設置を依頼しました。費用は業者によって差がありますが、家電量販店で依頼した場合は5,000〜6,000円程度というところが多いそうです。

設置前に、キッチンの水栓の形に合う分岐水栓(別売)を用意する必要があります

設置前に、キッチンの水栓の形に合う分岐水栓(別売)を用意する必要があります

<分岐水栓の選び方>

作業は30分程度で完了。食洗機をすぐ使える状態までセットしてくれます

作業は30分程度で完了。食洗機をすぐ使える状態までセットしてくれます

分岐水洗の設置には、キッチンの水栓を1度外す必要があります。矢印の部分にカルキなどが溜まって硬くなっていると、工事に余計な時間や追加料金がかかったり、最悪の場合、「設置不可」と判断されてしまうことも。食洗機の設置を検討している場合は、この部分をきちんと手入れしておいたほうがいいそうです

設置スペースはどのくらい必要?
→設置スペースだけでなく、扉を開けるためのスペースが必要!

次に、設置スペースについて。設置できれいばOKではなく、扉を開けるためのスペースが必要なので注意です。やはりそこそこスペースをとるので、「食洗機を置いたばかりにキッチンが使用しづらくなってしまった」ということがないように、十分なスペースと、無理のない作業導線を確保できることを確認のうえ設置しましょう。

今回プチ食洗を設置したのは、1LDKの賃貸住宅(DINKSにちょうどいいくらいの広さです)のキッチン。比較的コンパクトなプチ食洗でもかなりの存在感だったので、スペースの都合上、食洗機が一般家庭に普及しないのも無理もない話だなぁとここで実感

プチ食洗は、扉を開けた状態での奥行きが約600mmになるので、設置した家のキッチンでは、本当にぎりぎり。今回はあくまで期限付きの設置のためよしとしましたが、本来であればもっとスペースに余裕を持っておきたいところ

ちなみにパナソニックでは、カウンターなどのスペースを有効利用して食洗機を設置する「ステンレス置き台」や、シンクと離れた場所に食洗機を置く際に使用する「延長用排水ホース」なども販売しているので、「うちのキッチンには無理」と思い込んでいる人も、検討の価値はありです。

水道代や電気代が高くなりそう
→むしろ節水! 節ガス? 自動で節電する「エコナビ」機能も装備

「食洗機は水道代がかかる」というイメージがありますが、たとえばプチ食洗の場合、少ない水を効率よく循環させるため、手洗いの約1/4の水(「標準コース」の場合約9L)で洗えるそう。使い方や利用頻度によりますが、むしろ節水になる可能性が高いでしょう。冬場もお湯を流しっぱなしにすることがないので、ガス代の節約も期待できます。

電気代については、最大消費電力の685W(60Hzの場合)で1日100分毎日使用したとしても、1か月の電気代は約925円。実際には最大消費電力でずっと動いているわけではありませんし、プチ食洗は、センサーで水温や室温を検知して加熱すすぎ温度や乾燥時間を抑えることで、自動で節電する「エコナビ」機能を装備しているので、実際にはこれよりもぐっと安くなるはずです。

かごの下にある2つの回転ノズルから、ヒーターで温められた温水が噴射されて食器を洗う仕組み。手前にあるのは、洗い物から出たゴミを集める「残さいフィルター」です

高さ40cmほどの庫内の中で、高さ2mまで飛ぶ勢いのある強力水流が庫内のすみずみまで届き、汚れを洗い流します

対応しない食器もあるから、全部おまかせはできないでしょ?
→便利に使用するためには、食洗機に歩み寄ることも必要

これは否定できません。プチ食洗の場合は、耐熱90°未満のプラスチック製の物、アルミ・銅製の鍋や木製食器、漆塗りの食器など変色しやすい物、ひびの入った食器などの割れやすい物は使用不可。また、ビンや徳利などの口が小さいものは洗浄できないのと、フッ素加工の表面に傷が入っているものは、コーティングがはげる恐れがあるので、使用できません。

ただ、普段使いの食器や調理器具をすべて食洗機対応のものに切り替えるのは不可能ではありません。洗い物を食洗機に任せようと決めたなら、できる限り有効に使用できる環境を整えることが、食洗機の便利さを享受するためには重要なのかもしれません。

筆者宅にあった、プチ食洗で洗えない食器。対応する食器の種類は、製品によって違う可能性があります。実際に使用する場合は、それぞれの製品の取扱説明書を確認してください

洗い物をきれいに並べるのとか面倒だし、手で洗ったほうが早い
→慣れてしまえば、圧倒的に楽! 食洗機が働いている時間を有効活用しましょう

前置きが長くなりましたが、ここからは、実際にプチ食洗で洗い物をしてみましょう。2人分の夕飯を想定した汚れた食器を入れ、すべてきれいになるのかをチェックしました。

食器を入れる際は、なるべく食器同士が重ならないように入れ、かごの下にはみ出さないよう気をつける必要があります。また、爪ようじや魚の骨などの硬いものや、ふりかけなどの細かい残さい、異臭の原因となる魚の皮、油のかたまりなどのひどい汚れは取り除いておきます。

最初は、「これはこの位置でいいかな?」などとそれなりに神経を使いましたが、日々家庭で使う食器のバリエーションは多くないので、基本の配置さえ決まってしまえば、2回目以降はスムーズです。

魚の皮や骨を取り除いておく、ひどい汚れを軽くふき取っておくなどの前処理は、手洗いの時と同じ

魚の皮や骨を取り除いておく、ひどい汚れを軽くふき取っておくなどの前処理は、手洗いの時と同じ

食器通しがぴったり重ならないように、角度や位置を調整しながらセット。汚れた面を中央に向ける、おはしは汚れた面を下向きに、など、入れ方に決まりがあります。最初は考えながらの作業になりますが、覚えてしまえばどうということはありません

茶碗、スープカップ、デザート皿、平皿、小皿、グラス、スプーン、箸をそれぞれ2つずつ、魚用皿、中皿、しゃもじ、菜箸を各1点の計18点入れた様子。上のほうにはまだ余裕があり、サラダボウルひとつくらいなら入りそう

洗剤は、食洗機専用のものを使用します。大量の泡が発生する恐れがあるので、手洗い用の食器洗い洗剤は厳禁! 重曹も、故障の原因になるため使用不可です

洗剤は、左側の専用洗剤入れから投入します。使用量は、粉末洗剤の場合4g。「スピーディー」コースの場合はその半分。油汚れが多い場合は、倍の量を入れます。タブレット洗剤の場合は「残さいフィルター」の上に置きます

電源を入れ、コースボタンでコースを選んだ後、スタートボタンを押します。今回は「標準(乾燥あり)」を選択。運転中は、選んだコースのランプが点灯。エコナビ運転中は、左上のランプが緑色に点灯します

「標準コース」の場合は、「バイオパワー除菌運転」から乾燥まで、すべての工程が終わるのに94〜99分かかります。「スピーディーコース」は約59分(乾燥ありの場合)、低温ソフトは約145〜150分、乾燥のみは約60分。なお、各モード乾燥なしにも設定でき、「標準コース」「スピーディーコース」の場合は30分、低温ソフトの場合は60分時間を短縮できます。逆に、手洗い後に乾燥コースのみ使用することもできます。

手洗いで15分もあれば終了する量の洗い物なので、かなり長いように感じますが、食洗機が動いている間はすることがないので、洗い物は食洗機に任せてほかの家事や好きなことに時間を使えるのはうれしいものです。

運転音はうるさくないの?
→正直、近くにいると気になります

プチ食洗の標準コースの場合、運転開始後の約8分間は「バイオパワー除菌運転」を行うため、ノズルからの噴射はなく、運転音もほぼなし。「バイオパワー除菌運転」が終わると、「ザパーン」「ザザザザ……」という波音のような音が続きます。音の種類としては不快なものではないのですが、音量がそこそこあるので、1LDKの住宅では無視できません。特に「洗い」「すすぎ」工程の稼動音は結構気になります。出かけている間に使用するか、夕食後に使用する場合は、食後すぐに使用して、就寝時に動いてない状態にしたほうがいいと思います。

稼働中のプチ食洗の運転音を音量計測アプリで計ってみたところ、最高で65dBを記録

稼働中のプチ食洗の運転音を音量計測アプリで計ってみたところ、最高で65dBを記録

汚れはきれいに落ちるの?
→すみません、なめてました! 手洗いの比じゃないクオリティです

洗い上がりはというと、セットした食器すべてがとにかくピッカピカ! 手で持った瞬間に、手洗いしたものとまったく違う“キュキュッ”とした感触に衝撃を受けました。手洗いして自然乾燥、もしくはふきんで拭いたものと違い、水滴やふきんのあともなし。水圧と洗剤の洗浄力がここまですごいとは……。初めて高級電動歯ブラシを使用した時のような感動に包まれました。

もちろん、食洗機の種類や洗剤によって洗い上がりに差はあると思います。もし現在、食洗機を使用しているものの洗い上がりに満足してないという方は、食器の入れ方を見直したり、洗剤を変えてみるといいかもしれません。

「標準コース」が終了し、扉を開けたところ。あんなに完璧に食器を磨き上げたのに、水圧で倒れたりしていないのがすごい

食洗機に入れる前

食洗機に入れる前

茶碗もスプーンもツルツルのぴかぴか。新品のような汚れのなさです。「洗う」というより、「磨き上げる」という表現がしっくりきますね

食洗機で洗ったグラスと、手洗い後に自然乾燥させたグラスを比較。手洗い後に自然乾燥させたグラスは、きれいなはずなのになんだか汚く見えます

それぞれのグラスにビールをそそいで泡立ちを比較してみたところ、食洗機で洗ったグラスに注いだビールは、泡がより細かいような

嫌いな洗い物ワースト5を洗ってみた

ちょっときれいになりすぎて衝撃でした。汚し方が甘かったか? ということで、筆者が特に嫌いな洗い物を5つ用意してお手並み拝見です。

1.魚焼きグリル

においやトレイに落ちた油はもちろん、焼き網の1本1本にこびりついた汚れを洗うのが非常に面倒なグリル。今回は、鶏肉を焼いた後の状態で試してみました。

普段は焼き網の下にアルミホイルを敷くのですが、今回はそのまま使用してみました。下のトレイは、鶏肉から出た油でギトギトです。したたる分の油だけをさっと拭いて食洗機へ

洗い上がりはこちら。においも汚れも残っていません

洗い上がりはこちら。においも汚れも残っていません

焼き網には、ほんのすこーしだけ焦げが残っていましたが、爪で軽くこするとすぐに取れました。ここまできれいに洗えれば、言うことなしです

2.カレーを食べた後の皿

手洗いの場合は、お湯でできるだけ汚れを流してから洗うようにしていますが、それでも、洗った後のスポンジにしっかりカレーのにおいがついてしまい、即ゴミ箱行きは免れません。きれいに平らげた状態で、そのまま食洗機に入れてみました。

カレールーだけでなく、においもすっきり。ガラスの透明感と輝きを取り戻しました。水滴のあともほとんどありません

手洗いでは油汚れが残りがちな角の部分までぴかぴかです!

手洗いでは油汚れが残りがちな角の部分までぴかぴかです!

3.ホットミルクを飲んだ後のカップ

ホットミルクにできた膜がカップの内側に張り付き、カピカピになってしまうと非常に落ちにくく、やっかいです。熱湯に浸けても意外としぶとい。

手洗いでは、一生懸命こすっても表面にざらつきが残るのですが、食洗機ならこのとおり! つるつるのつやつやに

カレーとホットミルクは、調理に使用した鍋とミルクパンも洗いたかったのですが、筆者が使用しているのは両方ともホーローのため断念。「自宅に食洗機を手に入れた暁には、絶対食洗機対応の物に変える」と心に誓いました。

4.納豆後の茶碗

においといい、ぬるぬるの感触といい、スポンジを当てるのも躊躇してしまいます。

ぬるぬるも特有の臭みも、ご飯粒のカピカピも一切残っていません!

ぬるぬるも特有の臭みも、ご飯粒のカピカピも一切残っていません!

5.コンロの五徳

吹きこぼしや油はねで常に意外と汚れているコンロの五徳。週に1度は洗うようにしていますが、凹凸が多い形状形なので、きれいになったのかどうかがわからず、すっきりしません。食洗機で洗えるなんて、ありがたい。

目に見える汚れはほとんど付いていなかったので見た目に差はありませんでしたが、プチ食洗で洗うと、蓄積した油によるべたつきがなくなり、さらっとした手触りになりました

手洗い後に乾燥機能だけ使用しても、自然乾燥よりもきれいに乾く!

プチ食洗は、乾燥機能だけを使用することもできます。洗ったグラスを乾燥機能で乾かしたものと自然乾燥したもので比較してみたところ、乾燥機能を使用したもののほうがきれいに乾きました。

洗いだけは手でやってしまおうという時も、乾燥機能を使用すれば、自然乾燥よりきれいに仕上げることができます

食洗機自体のお手入れが大変なんじゃない?
→お手入れは1か月に1度でOK。思ったよりずっと楽です

「プチ食洗」の場合、使用するたびに「残さいフィルター」のごみを取る必要がありますが、本格的なお手入れは1か月に1度でOK。本格的なお手入れといっても、庫内をふきんなどで拭くだけなので、まったく負担には感じませんでした。なお、庫内の汚れが気になる場合でも、視線量洗剤を約4g入れ、食器を入れずに「標準コース」で運転すれば、汚れはたいてい落とせます。

毎回必ず、「残さいフィルター」のゴミを取り、歯ブラシなどで「残さいフィルター」を洗います。日々のお手入れはこれだけ

庫内や、ドアのふちなどパッキンの部分を濡れふきんでふきます。使用頻度のわりに、そんなに汚れてないような気がします

ドアの左右奥の隙間が汚れている場合は、綿棒などで取り除きましょう

ドアの左右奥の隙間が汚れている場合は、綿棒などで取り除きましょう

基本的に、食器を洗いながら庫内もきれいになるようなのですが、カレー皿を洗った時だけ内側に汚れがこびり付き、においが気になりました。「標準コース」で内部の洗浄を行うとにおいはなくなったのですが、汚れは取りきれいなかったため、ふき取りました

まとめ

今回、キッチンのスペース的にやや無理のある設置ではあったのですが、それでも、「食洗機ってこんなに便利なものか!」と、かなり感動しました。1番の魅力はやはりその洗い上がりで、あの「ピカピカ、キュッキュ」を味わってしまうと、手洗いでは物足りなくなります。手が荒れないのもうれしい!

食器がきれいだと料理もよりおいしそうに見えるので、来客時などにも自信をもって出せるだけでなく、食器への愛着も高まります。使用する前は、食洗機は食器洗いの手間を削減するための「時短家電」としての役割が大きいかと思っていましたが、使用してみると、食器をきれいに洗い上げることで生活の質を高めてくれる「意識高い系家電」としての側面も感じることができました。

食洗機を家に導入していても、「手洗いのほうが早い」などの理由で活用していない人も多いそうですが、それは食洗機を迎える環境が整っていないからかも。使用する食洗機に合わせ、食器や調理器具を見直したり、使用しやすい導線を再考するなど、その恩恵を最大限に受けるための環境を整えておけば、「もう手放せない」と感じるほど、日々の生活に欠かせない存在になるのではないでしょうか。

大泉瑠梨(編集部)

大泉瑠梨(編集部)

美容・健康家電を中心に新製品レポートやレビュー記事を担当。時には体を張って製品の実力をチェックします。

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