レビュー
ホットプレートとIHクッキングヒーターの二刀流

薄さ約7cm! パナソニック「IHデイリーホットプレート」は本当に“デイリー”に使えるのか?

ここ数年、ホットプレートが好調な売れ行きを見せています。人気の理由は、家族や友人たちと卓上で料理しながら食事できる楽しさや、プレート1枚で料理が完結し、洗い物が少なくなる手軽さなどがありますが、「SNS映え」するという点も大きいのではないでしょうか。そのため、インスタグラムなどにアップした際にひときわ目を引く色合いやデザインの製品が、特に人気を集めているようです。

そんな中、パナソニックから注目の高機能モデル「IHデイリーホットプレート KZ-CX1」(以下、KZ-CX1)が発売されました。シンプルかつ洗練されたデザインに、機能性の高さも兼ね備えた1台で、ホームパーティーなど特別な日だけでなく、普段使いにも最適なことをうたっているのもこれまでにないポイントです。さっそく、KZ-CX1の使い勝手をじっくり検証していきましょう。

ホットプレートとしてだけでなく、IHクッキングヒーターとしても使える!

KZ-CX1はホットプレートとしてだけでなく、上面の専用プレートを外すことで、2口の卓上IHクッキングヒーターとしても使えるのが最大の特徴。しかも、左右に2種類のIH熱源を搭載しているため、調理をする時は左右で異なる加熱温度を設定できます。

サイズは約593(幅)×323(奥行き)×69(高さ)mm(専用プレート含む。フタは含まない)。重さは本体が約4.9kg、専用プレートが約2.8kgとやや重めですが、白〜ベージュを基調としたシンプルなデザインでインテリアとの相性も良好です

さらにKZ-CX1は、最高温度250℃、最大出力1,400Wの高火力を実現しつつ、同時にテーブル上で圧迫感のない薄型デザインに落とし込んだのも秀逸。本来火力の強いIH熱源を採用すると、内部に熱がよりこもりやすくなります。しかし、新開発の薄型ターボファンの採用と、横に排気する、新しい風路設計による下スペースの省略化で、冷却能力を高めつつ本体の厚みを従来品より約24%低減できたそうです。

専用プレートを乗せた状態で高さが約6.9cm。専用プレートを外してIHクッキングヒーターとして使用する際は、約4.6cmとさらに薄くなり、テーブル上でもすっきり使えます

「IHデイリーホットプレート」がどれくらい“デイリー”で使えるかを検証!

ホットプレート購入後に多くの人が感じる不満に、「収納時にかさばる」というものがあります。KZ-CX1はそんな声を受けて、「逆に片付けなくてもいい、毎日テーブル上に出して使えるホットプレート」を目指したのだとか。ということで、今回はホームパーティーの人気メニューや朝ごはん、晩ごはん用のメニューを作り、その使用感をチェックしました。

焼肉では、左右別々の温度設定で食材のおいしさをより引き出す調理が可能

まずは、ホットプレートの定番、焼き肉をしてみましょう。お肉と野菜をそれぞれ別の温度で焼いてみました。

使い方は簡単で、まず真ん中のスイッチで「プレート」「IHコンロ」「揚げ物」のどのモードで使うかを選びます。今回はホットプレートを使うので、「プレート」を選択。その後、両側のスイッチを下に押して、左右それぞれの加熱調理を始めます。両側のスイッチは左右にクリックすることで、90℃(保温)、140〜250℃を10℃刻みで温度設定できます。

真ん中のスイッチを右にクリックするごとに「プレート」「IH」「揚げ物」とモード切り替え。左にクリックすると「プレート」「揚げ物」「IH」と切り替わります

左右両側のスイッチを下に押して「加熱開始/停止」を切り替え。左右にクリックして温度を切り替えます。プレート調理時の初期設定は230℃で、前回の温度設定は記憶されません

ホットプレートモードでは、指定の温度になるまで予熱を行います。予熱中は「温度」の文字が点滅し、設定温度になると「ピー」という音で知らせてくれます

プレートの左側を250℃と高めの温度に設定し、肉の表面をサッと焼きます。いっぽう、右側の野菜は肉より低温の180℃で焼いてしゃっきり感を残します。さらに、火が通ったら左側を90℃の「保温モード」に切り替え。温度を下げる場合は、左に長押しすれば早送りで90℃まで設定することができます。これで肉の焼きすぎが防げ、なおかつ焼いた肉が冷めません。

専用プレートは、発熱体の面積が従来品の約1.5倍に拡大し、焼きムラが抑えられるようになったとか。実際に野菜を焼いていると、おおむね広い範囲で加熱できていましたが、アスパラの茎側のスペースなど、プレートのキワの部分はさすがに加熱が弱く感じました

餃子は一度に約60個置けて、パリッと焼ける

ホットプレートといえば、手作り餃子も定番メニューのひとつ。KZ-CX1なら60個の餃子が余裕で並べられます。実際に作ってみると、ホットプレートはもちろん餃子同士がくっついて崩れることもなく、パリッと絶品の焼き上がりになりました。

左右の温度を230℃に設定し、予熱したあとプレートに60個の餃子を並べました。左右にはなおスペースに余裕があります

餃子に薄く焼き色がついたら水を入れてフタをし、6〜7分加熱。水気がなくなって焼ける音が変わったらフタを開けてさらに3〜4分焼きました。裏側はぱりっと、餃子の皮が半透明になって中の具がうっすら見える、絶妙の焼き上がりです

ホットプレートは忙しい朝の食事作りでも大活躍!

続いて朝食メニュー。パナソニックのクッキングサイトで紹介されていた「トーストと巣ごもり卵の朝ごはん」を作ってみました。

これは片面でトーストを焼きながら、もう片面で千切りにしたキャベツやニンジン、ベーコンを焼き、卵を落として、こんがり焼けたトーストの上に乗せた料理。キャベツがほどよくシャキシャキ感を残しつつベーコンのうまみも吸い、そこに卵の黄身がトローリからんでくる味わいは文句なし。さらに驚いたのはトーストのおいしさで、プレートで焼くことで外はこんがり、中はふっくらもちっとした、極上の食感に仕上がり、パンの甘みも増した印象です。こういう凝ったトースト料理でなくても、片方でトースト、もう片方で目玉焼きを焼くのもいいですし、単にトーストを焼くのに片面だけ加熱する、という使い方もアリだと思いました。

右のプレートでキャベツとニンジン、ベーコンを焼き、くぼみを作って生卵を落とし、白身に適度に固まったら保温に

左のプレートにバターを引き、厚切りの山形パンを乗せて両面焼きました。普通の食パンなら片面に4枚まで並べられます

トーストが焼けたら付属の専用ヘラで右の具材を乗せて完成

トーストが焼けたら付属の専用ヘラで右の具材を乗せて完成

専用ヘラは端が丸くカットされ、専用プレートのフッ素樹脂を傷つけにくくなっています。また、耐熱温度210℃の樹脂製ヘラも(左)付属しています

クッキングヒーターモードでは使用する鍋がIH対応かどうかすぐに判別できる機能も搭載

夕食メニューでは、鍋で「鶏手羽のトマト煮込み」、フライパンで「カリフラワーとじゃがいものソテー」を調理。今回は専用プレートを外し、IHクッキングヒーターとして使用しました。

左が「鶏手羽のトマト煮込み」で、食材の炒めから煮込みまでをクッキングヒーター上で調理。右は「カリフラワーとじゃがいものソテー」で、素材をフライパン内でゆでてゆで汁を捨て、バター、ニンニク、カレー粉、塩こしょうで味を整えました

KZ-CX1をIHクッキングヒーターとして使用する際に何気に便利なのは、IH対応なのかどうかわからない鍋やフライパンも、とりあえずプレートに載せると「使えるかどうか」判別してくれるところです。特に初めてIH調理器を使う人は、家にある鍋やフライパンが使えるのかすぐわかり、IH対応の鍋やフライパンを新規購入するムダな出費を抑えられます。

鍋やフライパンが使えるか判別するには、まず鍋(フライパン)に水を入れ、右側のIHヒーターの中央にセット

鍋やフライパンが使えるか判別するには、まず鍋(フライパン)に水を入れ、右側のIHヒーターの中央にセット

モード選択スイッチで「IH」を選び、右側スイッチを押し下げると、IH対応の鍋(フライパン)なら火力表示の「4」の数字が点灯します。一方IH非対応の場合は、数字の「4」が点滅します

火力は1〜7まで7段階で加熱できます。ただし、「火力7」の場合は1,400Wを使うため、どちらか片方しか使えません。また、揚げ物モードも、2つあるプレートの片側しか使えず、もう片方は加熱できなくなります。ちなみに、IHクッキングヒーターとして使う場合の初期設定は「火力4」で、これは出力約450W。ガスコンロだと弱めの中火にあたります

IHクッキングヒーターとしての使用感ですが、火力はまずまず。「鶏手羽のトマト煮込み」は炒めた鶏手羽と野菜にトマトの水煮と水を加える際に出力約900Wの「火力6」に設定しましたが、沸騰するまでの時間も長くは感じませんでした。

「鶏手羽のトマト煮込み」は、鶏手羽や玉ねぎなどを炒める際には「火力5」(約700W)、トマトの水煮などを加えて沸騰させる際は「火力6」(約900W)で調理。その後、火力を「3」に落としてじっくり煮込みました。30分弱の調理で鶏手羽肉が骨から外れかけるほどやわららかく仕上がりました

ただし、2口を同時に使う際は注意が必要。本機では2口合わせて1,400Wまでしか使えません。「カリフラワーとじゃがいものソテー」を作る際に、フライパンでじゃがいもとカリフラワーを下ゆでした時も、出力約700Wの「火力5」(ガスコンロの「中火」にあたります)で加熱したのに、なかなか沸騰しませんでした。おそらく左側で「火力6」で加熱していたので、右側の火力が自動的に抑制されていたのだと思います。

今回、じゃがいもとカリフラワーの下ゆでは、あえてレシピ通りにフライパンで行いましたが、沸騰までにかなり時間がかかりました。IHクッキングヒーター出力の上限が1,400Wなので、下ゆで工程は電子レンジなどに任せたほうが効率的な気もします

ともあれ、火力5での加熱を2口同時に行えるのは十分実用的。最初に鍋を沸騰させる時や肉や野菜を強火で炒める時だけ火力6や火力7を使い、その際はもう片方のプレートは使わない。もしくは、弱火〜とろ火で加熱するよう、調理のタイミングを考える必要がありますが、台所のコンロの口数が少ない家庭なら、家のコンロにこの製品を加えることで3品、4品の同時調理も可能になり、調理の幅が格段に広がるでしょう。

機能もデザインも購入意欲をそそるが、本体と専用プレートの大きさと重さがネック……

このように、2口のホットプレート/IHクッキングヒーターとして、左右別々の温度設定ができるのは、普段使いの調理器としてもかなり魅力的です。特に朝、プレートでトーストを焼いたりベーコンエッグなど簡単な調理が卓上でできるのは便利。忙しい朝も家族それぞれが自分の食べる分を各自で作ってくれれば、主婦の手間はかなり低減できます。

本体を白、専用プレートをメタリックベージュに仕上げたカラーリングもとてもオシャレで清潔感あり。薄型の本体と専用プレートは大きさの割に見た目の圧迫感がなく、テーブル上にすっきり収まってくれるのも魅力です。この製品に合わせて食器も白系に統一すれば、より食卓をスタイリッシュに演出できそうです。

シンプルながら高級感のあるデザインは、温もりのある木製テーブルのほか、同じく白などモノトーンのテーブルとの相性も抜群です

電源コードの長さは1.9m。本体とコードの着脱はマグネット式なので、万一コードを引っかけてしまってもすぐにコードが外れて安全です。また、電源が入ったまま加熱していない状態が1分以上続くと自動で「スタンバイモード」に切り替わり、うっかりスイッチを押しても「電源入」の状態に戻るだけで加熱は始まらないようになっており、安全性への配慮もしっかりなされています。

電源コードの本体差込口はマグネットで着脱。マグネットはかなり強力で、触っただけですぐ外れることなく、しっかり密着してくれます。さらに、子供などコードに引っかかってもマグネットが外れるだけで、ホットプレートがひっくり返る心配はありません

いっぽう、実際に使っていくなかで、いくつか細かい部分で不満に感じることもありました。まず本体が約4.9kg、専用プレートが約2.8kgとかなりの重さがあり、不使用時にいちいち片付けるのには向いていないと改めて感じました。メーカーが推奨するように、置きっ放し、出しっ放しで使うのが間違いなくベストです。ただ、横幅が約59cm、奥行きが約32cmあるので、本製品を使わずにテーブルに置いたままの時間が長いのは、かなり非効率。ダイニングテーブルが小さめならテーブル横にサイドラック的な収納棚を置くなどの工夫が必要でしょう。

テーブルの真ん中に使わないホットプレートが置かれているのは、かなりじゃまだと感じます。特に品数が多い夕食だと、付属プレートやクッキングヒーターの上に大皿料理を置く必要が出てきそうです

また、専用プレートを使ったあとのお手入れもやや手間。専用プレート自体はフッ素樹脂加工が施され、汚れがすぐ落ちるのですが、重さが2.8kg、長さが約57cm、幅が約29cmあるので、台所のシンクで洗うのがちょっと大変です。

付属プレートを洗っているところ。汚れは洗剤とスポンジで簡単に落ちましたが、すすぎの際にシンクが狭すぎて、床にかなり水がこぼれてしまいました

テーブルに常設が苦にならない家庭、ホットプレート使用率が高い家庭にはメリットは絶大!

最後に、KZ-CX1を使ってみた感想を改めてまとめておきます。機能面ではホットプレートとIHクッキングヒーターの「二刀流」で使え、「2口の合計で1,400W以内」という縛りがあるものの、加熱温度・火力を変えて2種類の調理ができるのは大きなメリット。ホットプレートとしても大型なので、たくさんの量を調理するホームパーティーにも最適です。デザインもシンプルかつスタイリッシュで、まさに「インスタ映え抜群」と言えます。

いっぽう、設置性については、本体が大きく重いため、ダイニングテーブルに置きっ放しで使うのがベター。ただし、そのためには大きめのテーブルが不可欠でしょう。もしくはテーブルの近くにホットプレートを収納する棚があればOK。使うたびに別の部屋から持ってきて、使い終わったらまた別の部屋に仕舞っておく、という使い方では、だんだん使わなくなる可能性が高い気がします。

お手入れ面では専用プレートがかなり大きくて重く、狭いシンクだと洗いにくいのが難点です。できればオプションでハーフサイズのホットプレートを2枚置けると、洗う際の負担がかなり軽減されると思います。

ともあれこの製品は、普段からホットプレートや鍋など卓上調理をよくやる家庭、ホームパーティーが大好きな家庭には、2種類の火力で料理の幅が大きく広がるので超オススメ。朝食や休日の昼食も卓上で調理する習慣を作れば、本製品をテーブル上に置きっ放しにする不便さもほぼ感じないで済むはずです。

平島憲一郎

平島憲一郎

雑誌やWEB媒体において、生活家電の紹介記事やお試し記事を執筆。家電ジャンルは調理家電から掃除機、美容・健康家電など幅広くこなす。夫婦共働きのため、調理など家事も応分に担当(ただしあくまでダンナ目線)。立食いそばも好き。

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