レビュー
表も裏も同時に乾燥させる新機能を搭載

13か所から温風を放出する日立の布団乾燥機「アッとドライ」は、やっぱり超優秀!


布団ケアには人一倍熱心な筆者が、趣味と実益を兼ねて、現在のトレンドであるマットレスの布団乾燥機の性能を調査中。人気の高いアイリスオーヤマ「カラリエ ツインノズル KFK-W1」、きのこの傘の形状を吹出口に採用したシャープ「UD-AF1」、コンパクトなエスキュービズム「SFD-010」と順に試してきた次のターゲットは、日立「アッとドライ HFK-VH880」(以下、HFK-VH880)です! 業界トップクラスのヒーター出力を備えるHFK-VH880の実力は、どれほど!?

構造をチェック!

マットレスタイプの布団乾燥機は布団乾燥用のアタッチメントがホースに装着されたまま収納されており、実際に使う時にはホースを引き出してセットするだけというモデルがほとんどですが、HFK-VH880はアタッチメントが外れた状態で収納されているため、使用のたびに取り付ける作業が発生します。このような仕様になっている理由はわかりませんが、他メーカーのマットレスタイプの布団乾燥機に比べ、布団乾燥用のアタッチメントが大きいことが関係しているのかもしれません。ただ、このアタッチメントが大きい分、敷き布団とかけ布団の間に温風が通る隙間ができ、かつ、アタッチメントには前方だけでなく、上下左右に温風の吹出口があるので、温風が布団全体に届きやすそう。くわえて、消費電力が最大680Wもあり、基本性能はかなりハイレベルです。実は、筆者は前モデルを使ったことがありますが、すこぶるよい仕上がりでした。そんな基本性能はそのままに、HFK-VH880は布団乾燥用のアタッチメントを改良し、敷き布団を挟み込めるように! 敷き布団の表と裏から温風を放出することで、両面を1度に乾燥できるようになったのです。

サイズは282(幅)×338(高さ)×217(奥行)mm。凹凸のないスッキリとしたフォルムで、出しっぱなしでも生活感がなく目立ちすぎないのが好印象

重量は4.3kgと、ある程度重さはあるものの、ハンドルが付いてるので持ち運びもそれほど苦労しません

重量は4.3kgと、ある程度重さはあるものの、ハンドルが付いてるので持ち運びもそれほど苦労しません

HFK-VH880は使用時にホースの先端に適するアタッチメントを取り付ける仕様のため、本体内にホースやアタッチメントが収納されています

取り付けると言っても、差し込むだけなので作業は一瞬! 手間はありません

取り付けると言っても、差し込むだけなので作業は一瞬! 手間はありません

布団乾燥用のアタッチメントは、より広範囲に温風を届けられるように長さと幅が拡張できるようになっています

吹出口が13か所も設けられているので、前後、左右、そして上下にも温風が吹き出します。多方面に、これほどたくさんの吹出口を備えている布団乾燥機はなかなかありません

ベッドで布団乾燥を行う、通常のセット方法。本体とホースを含めた高さは約90cmなので、一般的なベッドであれば問題なく使えるでしょう

床に敷くスタイルでも使えるようになっています。ただ、この場合、操作部が横を向いてしまうので、操作は少々しづらいかもしれません

詳しくは後述しますが、敷き布団の表と裏を動じに乾燥させる時には、布団乾燥用アタッチメントで敷き布団を挟み込みます

布団乾燥の性能を確かめてみよう!

まずは、通常の布団乾燥を行い、温風がどれほど行き渡るのかを温度計とサーモグラフィーカメラで確かめてみましょう。HFK-VH880の布団乾燥運転は「おまかせ」「送風」「しっかり」「低騒音」「暖め(足もと暖め)」「ダニ対策」の6コースが用意されていますが、今回は「おまかせ」で実行。「おまかせ」コースは60℃以下の温風が放出され、最後に送風運転を行うというもので、室温が高い時は送風を長めに、低い時は短めにというように自動で送風時間を調整し、布団内を快適に保ちます。この検証では、温風の届き具合を確認したいので、送風に切り替わる前に運転を止め、温度を計測しました。

シングルサイズの綿布団の中央部、足元、枕側の3か所に温度計をセット。運転開始前の温度は、中央部が30.5℃、足元が28.3℃、枕側が29.3℃でした

「おまかせ」コースは、布団の種類やサイズで運転時間を手動で設定します。今回は、シングルサイズの綿布団なので45分。なお、「しっかり」は運転終了まで約60℃の温風が出るコースとなります

設定する運転時間は布団乾燥用のアタッチメントに明記されているので、いちいち取扱説明書を開く手間もありません

かけ布団をかぶせて、運転スタート!

かけ布団をかぶせて、運転スタート!

温度計で変化を確認するとともに、サーモグラフィーカメラでも撮影してみました。運転開始から15分後ですが、これまで検証したどのメーカーのマットレス布団乾燥機よりも、温風の行き渡り具合がイイ! 温度は中央部が63℃、足元が29.7℃、枕側が30.5℃

乾燥時間が30分を過ぎると、さらに端まで温風が広がった感じがします。ただ、温度は中央部が63.3℃、足元が30.3℃、枕側が31.3℃と、それほど上昇していません

送風運転に切り替わる前に運転を止めたところで、最後の測定。サーモグラフィーカメラでは変化が感じられないと思ったところ、温度も中央部が62.8℃、足元が30.5℃、枕側が31.8℃と15分前からほとんど上昇していませんでした。でも、マットレスタイプでここまで広範囲に温風が届くこと自体がすごい!

広範囲に温風が行き渡る具合は、他メーカー製品と比べても圧倒的。以前に同じような方法で、アイリスオーヤマ「カラリエ ツインノズル KFK-W1」シャープ「UD-AF1」を試しましたが、下の写真を見てもらえばわかるように、HFK-VH880のほうが熱は広く届いています。しかし、温度はシャープ「UD-AF1」と比較すると少々低めな印象。

アイリスオーヤマ「カラリエ ツインノズル KFK-W1」は置き方が違うので、シャープ「UD-AF1」の温度で比べてみます。シャープ「UD-AF1」の運転終了時の温度は、中央部が74℃、足元が44.9℃、枕側が60.8℃と3か所ともHFK-VH880より10〜29℃くらい高い!

HFK-VH880で布団乾燥した布団の温度がシャープ「UD-AF1」よりも低いのは、放出される温風が60℃以下にキープされる「おまかせ」コースで試したことと、運転時間が45分と他の2製品より15分短いことが関係しているかもしれません。ただ、布団全体の温まり方はHFK-VH880が圧倒的です。数字を見ると、HFK-VH880は乾燥具合が足りないような印象を受けますが、実際に手で触ると、天日干しで干したようにカラッとしていました。このことからも、一部だけが温まるより、均等に広く熱が伝わっているほうが効果的な気もします。しっとりした布団の湿気を飛ばすということにおいては、「おまかせ」コースでも十分満足できるのではないでしょうか。

湿気が飛んで、ドライ感がすごい! この布団で寝るのは気持ちよさそうです

湿気が飛んで、ドライ感がすごい! この布団で寝るのは気持ちよさそうです

とはいえ、もっと念入りに温めたいという人もいるはず。そんな時は、運転時間を65分(シングル布団の場合)にするか、60℃以上の温風が終始放出される「しっかり」コースで乾燥させるといいでしょう。

「おまかせ」コースよりも高温が放出される「しっかり」コースなら、運転開始から30分で中央部が70.3℃、足元が31.2℃、枕側が29.9℃に。枕側以外は、「しっかり」コースのほうが高い温度で布団が温まるようです。なお、「しっかり」コースの運転時間はシングル布団の場合、40分。「おまかせ」コースは45分だったので、少し短い時間で終われます

新機能「敷き布団両面乾燥」にトライ!

続いて、HFK-VH880に搭載された新機能、敷き布団の両面乾燥をしてみましょう。やり方は、布団乾燥用のアタッチメントで敷き布団を挟み、かけ布団をかけて運転するだけ。両面乾燥という運転コースは用意されていないので、「おまかせ」「しっかり」「低騒音」から選び、運転時間を設定します。なお、今回は通常のセット方法と比べ、どれくらい敷き布団の裏側の温度が違ってくるのかを確かめてみました。両面乾燥をする際は、敷き布団の下にマットなどを敷かねばならないので、通常の布団乾燥でも同条件にしています。

まずは、普通の布団乾燥から。シングル布団の場合、「おまかせ」コースは45分ですが、両面乾燥は75分なので、その運転時間に合わせてみました。

布団乾燥用のアタッチメントを敷き布団の中央にセットし、かけ布団をかぶせて運転スタート。温度計を敷き布団の表側と裏側セットし、温度変化も確認します。運転開始前の温度は、表面が28.8℃で裏面が28.3℃

運転終了時の敷き布団の表面温度は62.5℃になりました※かけ布団を外した状態で撮影

運転終了時の敷き布団の表面温度は62.5℃になりました
※かけ布団を外した状態で撮影

裏面は49.6℃。表面に比べると温度は低めですが、吹出口近くの温度は50℃近いので、これでも十分そう。なお、裏面の写真は運転終了後に急いでひっくり返し、サーモグラフィーカメラで撮影したものです

次は、いよいよ両面乾燥の検証です。

アタッチメントを縦にして、敷き布団を挟んでセットします

アタッチメントを縦にして、敷き布団を挟んでセットします

アタッチメントにはいろいろな方向に温風が出るように穴が設けられていますが、両面乾燥の場合、敷き布団の下にくる側から下方に温風を放出する必要はないため、下方への放出をシャットアウトするシャッターが装備されていました。シャッターを閉じて、シャッターが最下部になるようにセットして使用します

敷き布団が薄めなので、上部のアタッチメントまでけっこう隙間が空いていますが大丈夫なのでしょうか。この状態で、かけ布団をかぶせて運転します。運転開始前の温度は、表面が28.6℃で裏面が29.1℃

運転終了時の敷き布団の表面温度は57.1℃と、60℃以下に! 吹出口と敷き布団が離れていたので、これほど温度が低くなったのでしょう。また、温風も広くは広がっていません
※かけ布団を外した状態で撮影

裏面は55℃。通常の布団乾燥の方法では裏面が49.6℃だったことから、たしかに敷き布団の裏側の乾燥には効果がありそう。とはいえ、本体のある側しか温風が届いていないような感じなので、敷き布団全体を両面乾燥させるには、手前側、奥側と2回運転するのがよさそうな気がします

布団乾燥以外にも使える!

今回は布団乾燥を中心にレビューしましたが、他メーカーの布団乾燥機同様、HFK-VH880もアタッチメントを交換することで、靴を乾かしたり、衣類を乾燥させたりすることができます。

靴乾燥用のアタッチメントを装着すれば、スニーカーなどの平らな靴を乾かすことができます。ただし、アタッチメントが小さいため、ブーツのような高さのある靴には不向き

布団乾燥用のアタッチメントを写真のように取り付けると、衣類を乾かすのに役立ちます

布団乾燥用のアタッチメントを写真のように取り付けると、衣類を乾かすのに役立ちます

まとめ

前モデルを使った時から、680Wという出力の高いヒーターと四方八方に放出される布団用アタッチメントにより、布団をムラなく乾燥できる能力はマットレスタイプの中でもピカイチだと思っていましたが、今回使用した後継機種でもその評価は変わらず。マットレスタイプの布団乾燥機はマットを使用するタイプに比べ、どうしても温風の行き渡り具合が劣りますが、そこを問題視するならHFK-VH880が最有力だと思われます。他メーカー製品よりも消費電力は高いですが、その分運転時間が短く済むため、綿素材のシングル布団の布団乾燥にかかる電気代は最大消費電力で計算しても1回あたり14円ほどと同タイプでは平均的。「おまかせ」コースであれば、60℃以下の温風が放出されることになるので、電気代はもっと安く済むはずです。

ただ、新機能である両面乾燥の温風の広がり具合が想像よりも悪かったのが残念。普通に布団乾燥するより敷き布団の裏面の温度が高くなったので、裏側の湿気を飛ばしたい時に役立つはずですが、サーモグラフィーカメラで見た印象としては全体に均一に熱が伝わる感じではなかったので、手前側、奥側と2回行うほうがよさそうです。もちろん、普通の布団乾燥のやり方で、敷き布団を表裏でひっくり返して2回行えば同じような効果が得られますが、ひっくり返すことなく裏側も乾燥できるのはラク! これまでの布団乾燥機では敷き布団の裏側の温度まで確認したことはありませんでしたが、カビが生えやすいのは裏側。表面だけでなく、裏面のケアも大切だと気付かされました。

両面乾燥については賛否両論な面もあるかもしれませんが、HFK-VH880は基本性能が優秀なので、普段使いであまり不満を感じることはないでしょう。

吸込口に、0.3μmの粒子を99.97%以上捕集できるHEPAフィルターと、ダニの死がいや花粉などを吸着して分解する「アレルキャッチャーフィルター」が装備されているのも、魅力的なポイントです

神野恵美

神野恵美

雑誌記者・編集者などを経て、2004年に渡仏。2006年に帰国後はさまざまな媒体において、家電をはじめ“ライフスタイル”的切り口で多ジャンルの記事を執筆。

紹介した製品の最新価格・クチコミをチェックする
関連記事
「価格.comマガジン」プレゼントマンデー
ページトップへ戻る