新製品レポート
冷蔵室がチルド温度になる新機能も搭載

冷凍室・冷蔵室・野菜室の容量やレイアウトで悩んでるなら、日立の“新発想”冷蔵庫はいかが?


冷蔵庫の購入を考える際、真空状態で保存する日立の「真空チルド」や解凍せずにカットできる三菱電機の「切れちゃう瞬冷凍」といった各メーカー独自の保冷機能で選ぶ人も多いでしょうが、その前段階として、まずは冷凍室、冷蔵室、野菜室の容量やレイアウトをチェックするのが基本。今回、日立が発表した冷蔵庫「KX/KWシリーズ」は、冷蔵庫選びの基本となる容量やレイアウトを自由に設定できる構造「ぴったりセレクト」が採用されました。発表会で見てきた新発想の仕組みを紹介します。

レイアウトも温度帯も選べる「ぴったりセレクト」とは?

ライフスタイルの多様化が進む昨今、冷蔵庫の使い方も家庭によって大きく異なっています。日立が調査した使用実態によると、世代を問わず冷凍室にはたくさんの食品が入っているのに対し、野菜室に入れられている野菜の量は年齢が高くなるほど多く、若い世代ほど少なく、別の食品を入れている傾向が見られたそう。また、冷蔵庫は1度購入すると10年は使い続けることになる家電製品。その間に、子どもが独立したり、野菜中心の生活に変わるなど生活や食のスタイルが変わると、「もっと冷凍室の容量が欲しかった」「野菜室が真ん中レイアウトのものがよかった」と使い勝手に対する不満も出てくるものです。日立はそんな不満を、好きな保冷ゾーンに切り替えできる構造「ぴったりセレクト」で解決。冷蔵庫下部にある2つの引き出しに限られますが、設定を切り替えるだけで、2段とも冷凍室にしたり、上段は野菜室、下段は冷蔵室と分けて使うこともできます。

定格内容積567Lの「KX/KWシリーズ」は、冷蔵室(308L)、製氷室(23L)、冷凍室(32L)、ぴったりセレクト室×2(上段104L、下段100L)の構造となっています。サイズは685(幅)×1,833(高さ)×738(奥行)mm

冷蔵室内にある操作パネルで、2段の引き出しをどの温度帯にするか設定。野菜室にしたい場合は、「冷蔵」-「弱め」に設定します

温度帯の設定を変えれば、同じ冷蔵庫でも「冷凍室・冷凍室」「野菜室・冷凍室」「冷蔵室・冷蔵室」というように必要な保冷ゾーンが大きく確保できます。上下段ともに冷凍室にした場合、冷凍室の総容量は259Lに!

ぴったりセレクト室を冷凍室、冷蔵室、野菜室に適した温度に切り替える仕組みは、フラップとファンの制御で行われます。冷蔵庫は冷却器からの冷気をファンで送り、庫内を冷やしますが、本機は、下の2段の庫内につながる風路にフラップを設置。「冷凍」に設定した場合、フラップを開けて冷気を直接庫内に送って冷却し、「冷蔵」に設定した際には、フラップを閉じて冷却器からの伝熱で冷却します。

「冷蔵」に設定すると基本的にフラップを閉じ、庫内に直接冷気が流れ込まないように制御しますが、ドアの開閉が多い時は、庫内温度を検知し、適切な温度になるようにフラップを開閉するそう

温度帯の異なる部屋の温度を適切にキープできるように、各部屋の仕切り部分には真空断熱材を採用。断熱性能を保持しながら、薄壁設計で大容量を確保することも実現しました

なお、冷蔵の温度に設定しておいたぴったりセレクト室を冷凍に切り替えるには、適した温度になるのに3〜4時間かかるとのこと。逆に、冷凍から冷蔵にする場合には半日ほど時間がかかるそうです。

冷蔵室がチルドルームに!?

2018年に発売した「HWシリーズ」で採用された「冷蔵室独立冷却システム」は、今回発表したKX/KWシリーズにも継承されています。このシステムは冷却器を冷蔵室用、冷凍室と野菜室用と分けることで、ひとつの冷却器で全室を制御するよりも冷蔵庫の除湿が抑えられ、うるおいが保てるというもの。KX/KWシリーズではシステムの基本的な部分はそのままに、冷気を庫内に届ける風路構造を改良。送風口が増えたことで冷蔵室の温度を約2℃まで下げることができるようになり、チーズなどのチルド食品を保存できるようになりました。冷蔵室の温度(約3〜6℃)よりも低め設定となる、この「まるごとチルド」は菌の繁殖も低減されるため、作り置きした料理の鮮度も長持ちするそうです。

本体背面に2つの冷却器を搭載。下部にある冷却器で冷凍室・製氷室・ぴったりセレクト室を冷やし、上部にある冷却器で冷蔵室を冷却します

従来は上からしか送風されていなかった風路を側面からも送風できるように改良することで、庫内を約2℃に保てるようになりました

約2℃の温度がキープできるのは、冷蔵室の棚の部分のみ(ピンクの囲み部分)。ドアポケットは通常の冷蔵室の温度となります

チルド温度(約2℃)で湿度もたっぷりとキープされる「まるごとチルド」では、ラップなしでも野菜の鮮度が保たれます。写真はサラダを24時間保存したもの。普通の冷蔵室に入れておいたサラダより乾燥は少なく、変色もしていません

サラダと同じようにテストしたチーズも展示されていました。パッと見ただけで、「まるごとチルド」に入れていないほうのチーズは水分が失われていることがわかります

なお、約2℃でキープされる「まるごとチルド」にするには、操作パネルで冷蔵室を「チルド」に設定。「標準」や「弱め」に設定すれば、通常の冷蔵室の温度で使えます

冷蔵室をチルド温度(約2℃)に設定できる構造となったことで、日立の冷蔵庫の最大の特徴である「真空チルド」は、本機では非搭載となりました。ポンプでルーム内の空気を吸引し、約0.8気圧の真空環境にする真空チルドは、鮮度が長持ちすると評判の機能ですが、もっと容量を増やしてほしいという声が多かったのだそう。しかし、耐圧性能を保ちながら容量を大きくするのはスペース的な問題から難しいらしく、なかなか希望にそうことができなかったといいます。そこで、KX/KWシリーズは真空チルドルームを廃し、「特鮮氷温ルーム」を新設。真空状態にはなりませんが、気密性を高めた構造となっており、食品に冷気を直接当てない間接冷却で食品が凍らない約-1℃で保存します。

冷蔵室の右下にあるのが「特鮮氷温ルーム」。同容量の冷蔵庫に搭載された真空チルドルームより、3Lほど容量は大きくなっているそうです

開口寸法も大きくなり、食品の出し入れもしやすくなりました。生食用の魚は3日間、加熱調理用の肉や魚は7日間、鮮度をキープできるとのこと

この写真は、全部、約-1℃で3日間保存したハム。保存温度は同じですが、ルーム内に直接冷気を送り込む冷却方法の「氷温ルーム」(左)は乾燥具体が著しい! 特鮮氷温ルーム(右)と真空チルド(中央)はほぼ同じくらいの鮮度をキープしているように見えます

同様に3日間入れておいた刺身も、特鮮氷温ルームは真空チルドとそれほど遜色ない感じです

同様に3日間入れておいた刺身も、特鮮氷温ルームは真空チルドとそれほど遜色ない感じです

ちなみに、食品に冷気が当たってしまう氷温ルームで保存しておいた刺身は……食べるのがためらわれるような状態になっていました

専用アプリで食材の管理もできる!

今回登場した新機能「ぴったりセレクト」と「まるごとチルド」を備えた冷蔵庫のラインアップは、「R-KX57K」と「R-KW57K」の2機種。R-X57KにはWi-Fi機能が搭載されており、スマートフォンと連携が可能。専用アプリ(無料)を使えば、冷蔵庫のドアの閉め忘れを通知してもらえるほか、リモート操作、ドアの開閉回数の確認なども行えます。また、冷蔵庫に入れる食材をスマートフォンのカメラで撮影することで、保存してからの経過日数が確認できる食材管理もできるようになりました。

左がスマートフォンと連携する「R-KX57K」(市場想定価格44万円前後/2019年3月中旬発売予定)で、中央と右がWi-Fi非搭載の「R-KW57K」(市場想定価格41万円前後/2019年2月下旬発売予定)

R-X57Kはスマートフォンと連携し、専用アプリで冷蔵室の温度設定などをリモート操作で変更可能。ドアの開閉回数を確認できる項目は、家にいる人の安否を知る目安としても使えそう

食材をスマートフォンで撮影し、アプリで管理できるようになりました。撮影した日からカウントした経過日数が表示されるようになっているので、冷蔵庫に入れておいた期間が把握できるのがポイント。設定した保存期間を過ぎたら通知してくれるアラーム機能も用意されています

中村 真由美(編集部)

中村 真由美(編集部)

モノ雑誌のシロモノ家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。アウトドアからオタク系まで意外と幅広くイケちゃいマス。

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