レビュー
ごはんの糖質を35%カットし、お手入れの手間も前モデルより軽減

サンコー「糖質カット炊飯器 匠」で炊いたごはんの「おいしさ」を検証してみた!

米やパン、麺類など、糖質を多く含む食べ物の摂取量だけを減らす「糖質制限ダイエット」が近年話題ですね。とはいえ日本人は米が好き。昨日まで大盛りごはんを食べていた人が「今日からお茶碗半分にしなさい」と言われたら、テンションガタ落ちです。そんな“ごはん好きダイエッター”のジレンマを解消すべく2018年に登場したのが、サンコー「糖質カット炊飯器 LCARBRCK」。ごはんの糖質を最大33%カットできる機能が話題を集め、一時は入手まで数か月待ちの人気商品となりました。

そんな同製品のヒットから1年。早くも新モデル「糖質カット炊飯器 匠 SLCABRCK」が発売されました。今回は、新モデルで炊いたごはんの「おいしさ」を徹底検証。さらに、メンテナンスのしやすさや設置性もチェックしていきたいと思います。

内釜の自動上昇機構を採用し、糖質が溶け出した煮汁を除去して炊飯

サンコーの「糖質カット炊飯器」は、内釜と外釜の二重構造の釜を採用し、米を炊く際に糖質が溶け出した水(煮汁)を排出して、最後に蒸し炊きするのが特徴です。前モデルでは、炊飯器の底部に排出した煮汁を貯める水タンクを装備していましたが、新モデルでは新たに「リフトコントロールシステム」を導入。炊飯の途中で内釜が自動でせり上がり、水タンクを使わずに煮汁と米を分離できるようになりました。さらに、糖質のカット率も最大35%にアップしています。

機能面では、メインの低糖質炊飯モードのほかに、糖質カットのない「通常炊飯」モードを新搭載。逆に、前モデルで採用されていた「蒸し料理」モードは非搭載となりました。

新モデル(写真左)の本体サイズは277(幅)×344(奥行)×302(高さ)mmで、重さは6.7kg(電源コード含まず)。前モデル(写真右)の本体サイズは280(幅)×400(奥行)×330(高さ)mmで重さは6.9kg。新モデルは前モデルに比べると奥行が56mm、高さが28mmコンパクトになっています

前モデルの炊飯方式。炊飯中に糖質が溶け出した煮汁を下の水タンクに排出し、タンクの別の仕切り部にあらかじめ溜めていた水を内釜に戻して蒸し炊きにします

新モデルの炊飯方式。炊飯の途中で内釜が上昇することで糖質が溶け出した煮汁を「湯切り」。そのまま沸騰を続けることで米を蒸し炊きします

操作パネルはタッチセンサー式を採用。ボタンは「スタート/取り消し」ボタンと「低糖質炊飯」「通常炊飯」の各ボタン、保温ボタンに予約タイマーとシンプル。「スタート/取り消し」の左右の「−」「+」ボタンは予約タイマーの時間を変える時に使います

低糖質炊飯の場合は、洗米した米を内釜に入れ、外釜の水位線に合わせて水を入れてから内釜をセット。そのまま外釜と内釜を炊飯器本体に設置します。

低糖質炊飯モードでは、糖質カット効果がもっとも高い(約35%)やわらかい炊き上がりの「モード1」から、糖質カット効果が最小で硬めの炊き上がりの「モード3」まで、3種類の炊き分けが可能。なお、「モード2」「モード3」での糖質カット率は開示されていません。初期設定は「モード1」で、「低糖質炊飯」ボタンをタッチするたびにモード1→2→3→1と切り替わります。希望のモードに設定後に「スタート」ボタンをタッチすると炊飯開始。炊飯の目安は約40〜50分です。

炊飯を開始すると、低糖質炊飯のモード数を示す数字の右のデジタル表示がくるくると回転するように点滅します

いざ実食! 糖質35%カットされたごはんは味もおいしいのか!?

それでは、気になるごはんの炊き上がりの味と食感について見ていきましょう。今回は栃木県産のコシヒカリを使い、各モードで2合を炊飯しました。

「モード1」(糖質カット強め/やわらか)で炊飯

まずは新モデルのデフォルトモードであり、糖質カット率35%を実現する「モード1」での炊き上がりです。炊飯時間50分きっかりで炊き上がったあと、まだ蒸気口から蒸気が出ていたので、10分ほど置いてからふたを開けました。

ふたを開けて炊きたてごはんとご対面。真っ白に炊き上がったごはんは好感触です。また、たっぷり水分をまとっているのが見るからにわかります

茶碗によそったごはんを食べてみるとかなりやわらかく、おかゆに近い印象。煮汁を捨てているだけあり、厳密に言えば「ごはんのうまみが抜けている」と感じますが、不思議なことに「おかゆ」だと思うとそれほど残念な気がしません。いささか話が脱線しますが、「おかゆ」って独特のおいしさがありますよね。子供の頃に風邪を引いたとき、親が作ってくれた懐かしい味。もちもち感も食べ応えもないですが、ひたすら喉越しがよく、梅干しや昆布などごはんの供との相性は抜群です。そんな感慨に浸りながら食べると、「おかゆ」に限りなく近い食感と味も、好意的に受け取れます。

大量の水分を含んで、米が半ば「おかゆ」化しているのがわかります

大量の水分を含んで、米が半ば「おかゆ」化しているのがわかります

保温したごはんや冷凍・再加熱したごはんの味もチェック

「モード1」で炊いたごはんを、そのまま保温したもの、室温で放置した冷やごはん、冷凍・再加熱したものについて、それぞれ食感と味をチェックしました。

保温したごはんは2時間後、6時間後、12時間後、24時間後とチェック。時間が経つにつれてごはんがふやけて食感が劣化していきましたが、保温特有のニオイがそれほど感じられなかったのは意外でした。

「モード1」で炊飯後、2時間保温したごはん。炊きたてに比べ、わずかにごはんがふやけた印象ですが、元々おかゆ状なこともあり、ここではほとんど差は気になりませんでした

6時間保温したごはん。表面がだいぶ糊状になってきました。風味も落ちてきましたが、おかずと一緒に食べるとそこまで気にならないかなという感じです

12時間保温したごはん。写真では表面のベタベタ感が落ち着いてきたように見えますが、食べるとかなり「糊」という食感です。また、後味にちょっとすえた感じの甘ったるさが残りました

24時間保温したごはん。意外なことに、食感も風味も、12時間保温したごはんとあまり変わりないように感じました。保温したごはん特有のニオイも、この炊飯器ではそれほど感じられません。……とはいえ炊きたてに比べるとかなり味が劣化しているのは間違いありません

こちらはラップで包んで室温で4時間放置した冷やごはん。保温したごはんよりみずみずしい風味が維持できていました。ごはんの粒感はないもののやわらかい食感で、これはこれでイケる味。冷たくなっているのが気にならないなら、十分おいしいと思います。ただし、お弁当にはこのやわらかさは不向きかも

冷蔵庫で急冷凍したあと、電子レンジで再加熱。炊きたての「みずみずしさ」はやや減退していますが、通常の食事で食べる分には十分おいしいです。より「おかゆ」になった印象で、さっぱり食べられてあと味もよく、これで糖質35%オフなら言うことなしです

「モード3」(糖質カット弱め/かため)で炊飯

次に試したのは、もっともごはんが硬めに炊けるという「モード3」。46分で炊き上がったあと、10分待ってから茶碗によそって試食しました。その食感は決して「かため」でなく、相変わらず「やわらか」。普通の炊飯器の「やわらか」で炊いたご飯より、「モード3」のご飯のほうがやわらかいと思います。しかし、「おかゆ」的なやわらかさは弱まり、口の中でほぐれる粒感が強くなりました。甘みも「モード1」よりやや強く感じ、より通常のごはんに近い印象。「モード1」より糖質カット効果は減っているそうですが、「ダイエットのためとはいえ、できれば毎日おかゆは避けたい」という人でもまずまず満足できる味と食感ではないでしょうか。

「モード1」のごはんと比べるとごはんの表面のつやもかなり締まっているように見えます

「モード1」のごはんと比べるとごはんの表面のつやもかなり締まっているように見えます

炊飯後ラップに包んで4時間たった冷やごはん。水分が適度に飛んで、ごはんの1粒ひと粒が締まった感じがします。また、ほぐれる感じは少なくなり、粘り・弾力が出てきました。見た目には表面のみずみずしさが減ったようにも見えますが、味にはまだみずみずしさが残っていて、甘みもほどよく、あと味もいい。お弁当にはこちらのほうが最適だと思います

冷凍・再加熱した「モード3」のごはん。これもほぐれる感じは少なくなりましたが、ふっくらやわらかな食感は炊きたてに近いです。味にもみずみずしさが感じられ、後味もいいです。ベタつくこともないので、冷凍ごはんをメインに食べる人には、「モード3」で炊くとよいでしょう

糖質をカットしない通常炊飯モードも新搭載し、家族全員で多彩に使えるようになったが……

また、新モデルでは新たに「通常炊飯」にも対応。低糖質炊飯したごはんを食べたくない家族がいる場合に、低糖質炊飯と通常炊飯を日を分けて行い、冷凍再加熱すれば、1台で両方のニーズに応えられます。

というわけで、通常炊飯での食感と味もチェックしてみました。「通常炊飯」は内釜を使わず、外釜のみでの炊飯となります。

通常炊飯は1〜4合までの炊飯に対応。糖質が溶け出した煮汁を分離する必要がないので、外釜だけで炊飯、「リフトコントロールシステム」も使用しません

なお「通常炊飯」の場合は液晶パネルに「L」の字が点灯します

なお「通常炊飯」の場合は液晶パネルに「L」の字が点灯します

炊き上がったごはんはやわらかめではありますが、「低糖質炊飯」したものよりは粘りが感じられました。糖質カットしない「通常炊飯」ということで、あえてほかの同価格帯の炊飯器と比べると、ごはんにハリやみずみずしさが足りず、甘みもやや物足りない印象。個人的にはやはり「低糖質炊飯」をメインに使うべき製品だと思います。

「通常炊飯」モードで炊いたごはん。炊きたての香りはほどほどで、米のツヤとハリが弱いのが残念でした

「通常炊飯」モードで炊いたごはん。炊きたての香りはほどほどで、米のツヤとハリが弱いのが残念でした

「通常炊飯」後に6時間保温。色はまだ白さを保っていますが、食べると保温ごはん特有のニオイがわずかに感じられました。ただ、もちもち感は十分で、炊きたてと比べてそれほど食感が落ちたとは思いません

通常炊飯したごはんを24時間保温してみました。ただ、「糖質カット炊飯器 匠」の通常炊飯だと外釜で炊く分、保温中の熱源にご飯がかなり近いなどの理由から、一般的な炊飯器よりも中のごはんが乾燥しやすいようです。

ごはんがすでに少なくなっていたせいもありますが、釜の中のごはんの量が少ない部分はカラカラに乾き、ごはんの量が多い部分はつゆがたまってふやけてしまっていました

新モデルで炊いたごはんは前モデルに比べて、よりやわらかい食感に振り切った製品となっていると感じました。もっとも硬めの「モード3」でもかなりやわらかいのは覚えておいていいと思います。

保温機能に関しては、低糖質炊飯後の保温が意外に優秀だと感じました。ただ、大量の蒸気の中で保温している状態なので、食感がベタついてしまうのは、仕方がないとはいえ残念。保温するより冷凍・再加熱して食べたほうが味もおいしいと思います。

本体下部の水タンクがなくなり、メンテナンスはこれまでよりラクに!

今回の新モデルに関して、ごはんの炊き上がり以上に大きく変わったのが「メンテナンスのしやすさ」です。最初に解説した通り、新モデルでは「リフトコントロールシステム」を採用することにより、従来型に搭載されていた水タンクが不要になりました。これが実は重要で、以前、前モデルをテストしていた時にもっとも大変だと感じたのが、この水タンクの洗浄だったのです。

新モデルで毎回使用後に洗う必要があるのは、外釜、内釜、内ぶた、蒸気口の4種類

新モデルで毎回使用後に洗う必要があるのは、外釜、内釜、内ぶた、蒸気口の4種類

前モデルでは、炊飯後に水タンクに貯まった水(煮汁)を捨て、中を洗う必要がありました。水タンクのふたは取り外せるのですが、着脱にはやや手間取ります

いっぽう、メンテナンスで前モデル同様に大変だったのが内釜の洗浄です。内釜は前面に多数の穴が空いたザル状になっていて、それで炊飯中に煮汁を湯切りできるのですが、炊飯後はどうしてもその穴にごはんの残りカスが詰まってしまいます。洗う前に10分ほどお湯に浸けておくといくらか落ちやすくなりますが、それでも穴に汚れが残っていないか確かめながら洗うのはめんどうでした。

内釜と外釜は表面を傷つけないよう、やわらかい食器洗い用スポンジで洗います。穴がかなり小さいので、詰まったごはんの残りカスを取り出すのがややめんどうです

炊飯中は、おねばを含んだ煮汁が蒸気口の中にも入ってきています。さっと水で流すだけでなく、洗剤で洗ったほうが衛生的

本体が前モデルよりややコンパクトになり、色も清潔感のある白に!

設置性に関しては、従来型より高さが約10CM低くなり、ややコンパクトになった印象。色も白に一新され、キッチンに置いた時の圧迫感はかなり軽減されました。とはいえ、大手メーカーの高級炊飯器ほどのサイズ感があり、設置性が高いとは言いがたいかも。また、炊飯中は蒸気が大量に出るので、ある程度上部にスペースのある場所で炊飯する必要があります。

ホワイトのボディはキッチンやダイニングとの相性もいい。ただし、写真のように上部の天面が近い場所で炊飯を続けると、蒸気が当たり続けて傷みやすくなるので要注意

やわらかいごはんは好みが分かれるが、「糖質35%カット」でこの味なら合格点!

と、厳しめの意見も書きましたが、それでも糖質35%カットは魅力十分。ごはんがお茶碗半分に制限されている人は「軽めの1杯」が食べられるようになり、ごはん1杯で物足りない人は「もう半膳」お代わりまでできてしまいます。食感がやわらかめで甘みがあっさりしているのも、筆者の個人的意見としては「これはこれであり」。モチモチと食べ応えのあるごはんやしゃっきり粒立ちのいいごはんが好みの人は物足りなく感じるかもしれませんが、本機の第一目的である「糖質カット」実現のために、どうしてもやわらかめの炊き上がりになるのなら、そこは甘んじて受け入れるべきでしょう。ちなみに、糖質カット率は下がるものの、「モード3」で炊いたごはんがお弁当にも十分使える食感と味だったのはうれしい発見でした。

メンテ性では内釜を洗うのにやや苦労しますが、水タンクがなくなったので、お手入れの手間はかなり軽減したと改めて感じました。より使いやすく、糖質カット率も向上した「糖質カット炊飯器 匠」は、健康面から糖質摂取を控える必要がある人はもちろん、糖質制限ダイエットをより無理なく続けたい人にも、注目していただきたいアイテムです。

平島憲一郎

平島憲一郎

雑誌やWEB媒体において、生活家電の紹介記事やお試し記事を執筆。家電ジャンルは調理家電から掃除機、美容・健康家電など幅広くこなす。夫婦共働きのため、調理など家事も応分に担当(ただしあくまでダンナ目線)。立食いそばも好き。

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