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新しい「霧ヶ峰」は“PDCAサイクルを回す”エアコンだ!

エアコンみずから気流を検証して快適な室内を作る! 三菱電機「霧ヶ峰」2020年モデル

エアコンは、1度設置したら引っ越したり壊れたりするまで、ずっと壁に搭載したままの家電です。2019年3月の消費動向調査によれば、2人以上の世帯におけるエアコンの平均使用年数は14.1年だそう。しかし14年もあれば、家具の配置を換えたり、買い足したりすることもありますよね。生活スタイルだって変化していくものです。

そんな暮らしの中で起こるライフスタイルの変化にあわせて、空調を快適に調整するのが、三菱電機のルームエアコン「霧ヶ峰」の2020年モデルです。シリーズ上位2ラインが新しくなり、「FZシリーズ」(4.0〜9.0kWの6モデル)が2019年11月1日から、「Zシリーズ」(2.2kW〜9.0kWの12モデル)が同年12月上旬から発売されます。

三菱電機の担当者によれば、「新しい霧ヶ峰は、PDCAサイクルを回すエアコンですよ」とのこと(PDCAサイクル=Plan→ Do→ Check→ Actの 4段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善していくというビジネスの場でよく使われる概念)。一体どういうことなのでしょうか? その特徴をご紹介しましょう!

FZシリーズ(左)とZシリーズ(右)。それぞれ価格はオープンプライス。店頭予想価格は順に33万8,000円前後〜45万8,000円前後、22万8,000円前後〜40万8,000円前後(税別)です

その気流は本当に届いているのか?

三菱電機が近年の居住空間とエアコンの使い勝手を調査したところ、LDKなどの大型化や、レイアウトの多様化、インテリアの変化などにより「キッチンにいるとエアコンの風が届かない」「家具の影響でエアコンの風が届かない」といった不満が健在していることがわかったそうです。しかも、家具などで気流が届かなかった場合にどうしているかというと、「リモコン操作での調整をあきらめる」と答えた人が4割以上も。

エアコンの風は届かないことを、あきらめるという人が多いんです

エアコンの風は届かないことを、あきらめるという人が多いんです

でも、ここ最近のエアコンの進化はめざましく、センサーを搭載したり、フラップの動きなどで細かい気流の調整をしているはず。

「実は、エアコンの気流制御技術だけでは、室内にちゃんと気流が届かないケースがあるんです。間取りの影響もそうですが、それ以外にもたとえば窓が大型化したことで、室外の温度の影響を受けて気流の到達点がずれてしまうんです。高気密化に伴う24時間換気の影響を受けることもあります」と話すのは、三菱電機ルームエアコン製造部長の舟山功氏。

エアコンの気流制御は目標に向かって吹いているけれど、冷気の侵入などで気流の到達点がずれてしまいます

エアコンの気流制御は目標に向かって吹いているけれど、冷気の侵入などで気流の到達点がずれてしまいます

この課題を解決するために、三菱電機が注目したのが「気流が目標到達点に本当に届いているのかを検証する技術」なのです。

そこまでやるか! 人工衛星に搭載されるセンサー技術をエアコンに活用

同社のエアコンはこれまで、360°センシング技術とAI技術を組み合わせた「ムーブアイmirA.I.」を搭載していました。これは、赤外線センサーで室内温度、人の体感温度、日射熱の侵入、外気温の変化などを検知し、運転状況や暖まりやすさ・冷えやすさなどをあらゆるデータからAI技術で分析し、人が「寒い!」などと感じる前に空調を自動で調整するという機能です。

これだけでもすごいのですが、今回の新モデルではこの赤外線センサーを一新。なんと、陸域観測技術衛星2号「だいち2号」に搭載実績のある「サーマルダイオード赤外線センサー」を搭載しました。ちなみに「だいち2号」は三菱電機がJAXAから主契約者として受注・製造した地球観測衛星ということで、重電まで手がける三菱電機だからこそエアコンへの搭載がかなったというわけです。

サーマルダイオード赤外線センサー。民生用に小型化しました

サーマルダイオード赤外線センサー。民生用に小型化しました

センサーが本体の下に搭載されており、部屋の中を360°センシングできます

センサーが本体の下に搭載されており、部屋の中を360°センシングできます

この「サーマルダイオード赤外線センサー」を搭載した「ムーブアイmirA.I.+」は、従来比80倍の解像度と、従来比2.5倍の感度を実現。従来は毎分18,000だった熱画像データの取得量が58,000に増え、より精細に部屋の中の温度変化を検知します。ここまで高性能にしたことで、室内の「気流のゆらぎ」をエアコンが認識できるようになったんです。

「従来の赤外線センサーでは、部屋の中に熱があることはわかったのですが、それが気流による熱の塊なのか、人なのかという判別はくわしくできませんでした。そこで、ちょっとしたことで形状などが変化する気流のゆらぎに注目しました。新しい赤外線センサーは高解像度・高感度のため、温度変化を細かく検知できます。温度変化の揺らぎで気流と判別します」と舟山氏。

気流がちゃんと届いているかをエアコンみずから検証し、自動で調整

新しい「霧ヶ峰」は、人が寒いと感じている場合、気流の到達点を把握。さらに、人の表面温度から温冷感をみて「人はまだ寒い!」と判断します。すると、人があたたかいと感じられる位置に向けて気流と風向を調整します。その調整は「リモコンで操作できないほど細かく行う」のだそうです。

つまり、エアコンみずからが気流を細かく調整し、家のレイアウトなどに合わせて、人があたたかさを感じるルートを探していく仕組み。人に届くルートを探したらそれをしっかり学習し、次からその最適なルートで気流を送るようになるんです。

ちなみに、気流が届いて人がちゃんとあたたまっているかを判断するまでにかかる時間は約5分とのこと。家具の配置を変更するなど、模様替えをした場合は、また新たに自動でルートを探してくれます。

気流の到達度を見ているので人に気流が届いていないことを把握できます

気流の到達度を見ているので人に気流が届いていないことを把握できます

細かく調整して、人が快適に感じるルートに気流を送ります

細かく調整して、人が快適に感じるルートに気流を送ります

椅子に座った状態で、足元に障害物を置いた場合のイメージ。エアコンは気流を左側の壁に向けて送ります。すると、壁ではねかえった気流の暖かさが伝わり足元はポカポカに!

吊り戸棚があるキッチンに対しても、人の表面温度を検知し、届くようにしっかり気流を送ります

吊り戸棚があるキッチンに対しても、人の表面温度を検知し、届くようにしっかり気流を送ります

気流を送るルートの計画を立てて、気流を送り、気流の到達度をチェックし、そのルートを修正する。これこぞまさに、「PDCAサイクルを回すエアコン」というわけです。

サーモ画像をスマホでチェックできる!

スマートフォン専用アプリ「霧ヶ峰REMOTE」を使うと、外出先からエアコンの操作ができます。さらに、高解像度の赤外線センサーを搭載したことで、家の中の様子を熱画像(サーモ画像)で外出先チェックも可能になりました。ペットや、家族が、寒すぎたり暑すぎたりしないかな?と気になるときに安心ですね。

スマホアプリから、サーモ画像で室内温度をチェックできます。夏場の熱中症が気になるときなどに重宝しそう

スマホアプリから、サーモ画像で室内温度をチェックできます。夏場の熱中症が気になるときなどに重宝しそう

リモコンでの細かいエアコン操作がいらなくなる!?

エアコンを使用するとき、何度もリモコンを操作する理由は、快適な温度や風向きになっていないから。しかし今回発表された「霧ヶ峰」の新モデルは、自分が調整しなくてもエアコンがみずから気流まで把握して調整してくれるので、リモコン操作は徐々に不要になっていきそうです。

しかも家具のレイアウトなどを変更しても、気流がちゃんと室内に届いているのかをしっかりチェックし、さらに人の表面温度も見るので、気流の調整の精度が高い! 同社は新製品の特徴を「まるでオーダーメイドしたような我が家エアコン」とアピールしますが、まさにその通り。「PDCAサイクルを回す」ような機能性の高さにより、使う人の生活空間に合わせてオーダーメイドしたようなエアコンに進化しています。

伊森ちづる

伊森ちづる

家電流通専門誌で白物家電と家電量販店と流通に関する取材・執筆・編集を担当。趣味は料理、旅行、舞台鑑賞、米国ドラマ視聴など。クラシック音楽の”現代音楽ファン”というと変人扱いされることが悩み。

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