レビュー
除湿運転、衣類乾燥運転、冷風運転を試してみた!

初めての除湿機で気付いた勘違い! シャープ「コンパクトクール」を真夏に使ってわかったこと

高温多湿で不快なので除湿機が欲しいというAさん。除湿機に関する知識がまったくないAさんは「湿度を取ってくれるもの」としか思っていませんでしたが、実際に使ってみると使用前に抱いていたイメージとは違うところがあることを実感したよう。その模様をお伝えします。

どの除湿機を選ぶ?

まずは、どのような除湿機が適しているかを一緒に考えてみました。

<Aさん宅の情報>
・神奈川県にある木造2階建の一軒家
・2階の広さ13畳ほどの部屋がAさんの部屋。寝室も兼ねている
・部屋干しにも除湿機を使用したい(通年)
・除湿運転を使うのは梅雨〜夏場

除湿機には、エアコンと同じ仕組みで除湿する「コンプレッサー式」と、乾燥剤に水分を吸着させて温風で除湿する「デシカント式」、そして、コンプレッサー式とデシカント式を組み合わせた「ハイブリッド式」という3つの除湿方式があります。Aさんは夏場の居住スペースの除湿を望んでいることから、コンプレッサー式かハイブリッド式がよさげ。というのも、デシカント式はヒーターで温めた空気で水分を取り除くため、室温が高くなるからです。エアコンの冷房運転を併用すれば不快さは防げるかもしれませんが、ムダな電気代がかかってしまうので、梅雨時や夏季にメインで使用するならコンプレッサー式がベスト。その半面、コンプレッサー式は気温が低いと除湿力が落ちてしまうため、室温が5℃以下になる状況でも使いたい場合は、ハイブリッド式を選んだほうがいいかもしれません。ただ、Aさんが除湿機を使用する部屋はそこまで寒くなることはないということなので、コンプレッサー式の除湿機を選ぶことになりました。

ヒーターを使用するデシカント式は室温が上がりがちですが、室温がひと桁になってもパワフルに除湿できるので、冬場も除湿したい人にうってつけ。いっぽう、コンプレッサー式はデシカント式より室温は上昇しないものの、冬場には除湿力が落ちてしまいます

除湿方式を決定したら、次はどのモデルを選ぶかを決めます。最初にチェックするのは、適用畳数と除湿能力。Aさんの部屋は木造13畳なので、それ以上の適用畳数のモデルを選択するのが基本となります。部屋よりも小さい適用畳数のモデルを選んでしまうと、除湿効率が下がってしまうので注意しましょう。また、排水タンクの大きさや水の捨てやすさ、手入れの容易さといった、メンテナンス性も必ず確認してください。

理想を言えば、除湿能力が大きいほうがパワフルに除湿できますし、排水タンクの容量が大きいほうが水を捨てにいく手間も軽減できます。しかしその半面、本体サイズが大きくなり、価格も高くなりがち。と、Aさんにいろいろ説明してみましたが、家に設置したイメージも持てないようなので、難しいことは考えずに、とりあえず使ってみたい機能から選んでもらうことにしました。

<Aさんが除湿機で使いたい機能>
・居住スペースの除湿
・別部屋での室内干しの乾燥

除湿機に関する知識はないとはいえ、近年のトレンドである衣類乾燥ができることは知っているようです。衣類乾燥といっても、基本的な仕組みは除湿運転と同じ。洗濯物が乾きやすいように送風の仕方を工夫したり、モデルによってはセンサーで洗濯物の乾き具合を確かめて運転を自動で停止するというような機能を備えていることもありますが、除湿と送風を組み合わせているのが一般的です。Aさんの場合、衣類乾燥運転時の送風範囲とセンサーによる制御具合が決め手となりそうですが、室内干しにそこまでの精度は求めていないとのこと。いまどきの除湿機は衣類乾燥コースを備えているものが大半なので、この条件は簡単にクリアできそうです。ただ、正直なところ、スペックを見比べているだけではわからないというのが本音のよう。そんなAさんが、「これ、使ってみたい」と指名したのが、シャープ「コンパクトクール CM-J100」(以下、コンパクトクール)。除湿しながら冷たい風を放出できる「冷風運転」に心惹かれたといいます。なぜなら、Aさんの部屋にはエアコンがないから!

適用畳数(木造住宅〜コンクリート住宅)は11〜23畳(50Hz)で、本体サイズは315(幅)×235(奥行)×575(高さ)mm 。定格除湿能力(50Hz)は9L/日となっています

除湿運転と衣類乾燥運転のほか、プラズマクラスターイオンと送風で消臭する衣類消臭運転が搭載されているのが、シャープの除湿機のスタンダードな仕様。これに加えて、冷風運転を装備しているのが、コンパクトクールの大きな特徴です

重量は約12.5kgありますが、本体下部にキャスターが装備されているので、別の部屋に移動させるのもそれほど苦になりません

排水タンクの容量は約2.5L。定格除湿能力(50Hz)は9L/日なので、24時間連続稼働させる場合は1日4回くらい水捨てを行わねばならないでしょう

排水タンクの水捨てがめんどうであれば、市販のホースを接続し、ベランダなどに連続排水するという手もあります

除湿運転で部屋のジメジメを低減したい!

さっそく、Aさんの部屋にコンパクトクールを設置して除湿運転スタート。除湿運転には「自動」「弱」「強」の3モードが用意されていますが、風量「強」の除湿運転と風量「弱」の送風運転を切り替えながら、室温に適した湿度にコントロールしてくれる除湿「自動」運転を選択しました。

除湿機を使う前の室温は28.4℃で、湿度は72%

除湿機を使う前の室温は28.4℃で、湿度は72%

温湿度センサーで見張りながら、室温が4〜24℃の時は湿度60%、24〜28℃の時は湿度55%、28〜38℃の時は湿度45%になるように除湿と送風を合わせながら自動調整する除湿(自動)運転で、部屋を除湿します

運転開始から2時間後、部屋の温度と湿度がどのように変わったのかを確かめてみました

運転開始から2時間後、部屋の温度と湿度がどのように変わったのかを確かめてみました

湿度は55%まで下がりましたが、室温は3.2℃上昇

湿度は55%まで下がりましたが、室温は3.2℃上昇

除湿機を使うと室温が上がるのは当たり前のことなのですが、Aさんは湿度だけ下がって快適になると思っていたようで、「部屋が暑い」と不満げ。事前にこの情報は伝えておいたのですが、話半分で聞いていたようです。そこで、除湿機を使わない場合、室温と湿度がどうなるかを試してみることにしました。

コンパクトクールを使用した日とほぼ同じ室温、湿度の日にテスト。除湿機を使用しなければ室温の上昇は1℃未満に抑えられたものの、湿度は5%上昇し77%になってしまいました

エアコン冷房が使えないAさんは、窓を少々開け、扇風機を回して過ごしているとのことですが……、正直、そのような環境では除湿機を稼働させても外に置いているようなものなので、望むような効果はそもそも得られるワケがありません。人が過ごす部屋で夏場に使うのであれば、エアコンの冷房運転も併用しないと快適な環境にはならないでしょう。それでも、少々とはいえ窓を開けっぱなしにしながらも、湿度を55%にまで落としたコンパクトクールの除湿能力はなかなかのものと言えるのではないでしょうか。

乾きにくい部屋干しを衣類乾燥運転で効率よく乾かしたい!

エアコンのない部屋で、真夏に除湿機を使うのは困難だと感じたAさんですが、除湿機に期待するもうひとつの機能、衣類乾燥運転を試してみることにしました。洗濯物を干す部屋は12畳くらいの広さの別室なので、能力が最大限発揮できるようにきちんと締め切って運転します。

衣類乾燥運転には、一定の風量で運転し、約12時間後に自動停止する「弱」コースと「強」コースのほか、運転開始してから約1時間後に湿度が55%未満になるか、運転時間が約4時間経過すると自動停止する「自動」コースが用意されています

基本的に毎日洗濯し、ひとり分の洗濯物を乾かすことが多いため、室内干しの量はこのくらいか、もう少し多いくらい。そのため、それほど広い送風範囲は必要なく、センサーによるセンシング機能もそこそこでかまわないのだそう

とはいえ、乾いた風を当てることで効率よく乾かすのが衣類乾燥運転の基本。洗濯物全体に風が当たるように、スイングは「広角」に設定しました(風の当たる範囲は、下の動画で確認してください)

吹出口にあるルーバーは手動で広さを調整可能。衣類乾燥運転時は、狭くしたほうがいいようです

吹出口にあるルーバーは手動で広さを調整可能。衣類乾燥運転時は、狭くしたほうがいいようです

「衣類乾燥(自動)」運転で、洗濯物を乾かしてみましょう。コンパクトクールを使う前の室温は31.1℃で、湿度は73%でした。

衣類乾燥運転を始めて約3時間後。様子を見に行くと、室温は2℃上昇していましたが、湿度は8%ダウン

衣類乾燥運転を始めて約3時間後。様子を見に行くと、室温は2℃上昇していましたが、湿度は8%ダウン

洗濯物を触ってみると、乾きにくいタオルの縁もカラカラに!

衣類乾燥運転を3時間行ったコンパクトクールの排水タンクには、約780mlの水が溜まっていました

衣類乾燥運転を3時間行ったコンパクトクールの排水タンクには、約780mlの水が溜まっていました

水を捨てる場所は1階にしかありませんが、ハンドルがあるので持ち運びはラクラク

水を捨てる場所は1階にしかありませんが、ハンドルがあるので持ち運びはラクラク

排水タンクのフタを取り外さなくても水を捨てられるのも◎

排水タンクのフタを取り外さなくても水を捨てられるのも◎

ちなみに、排水タンクのフタを開けるとこのような状態に。間口も広く、手が奥まで入れられるので、お手入れもしやすいでしょう

試しに、気温と湿度が比較的近い別日に、同じ量、種類の洗濯物を除湿機を使わずに乾かしてみました。

洗濯物を干してから3時間後に見に行きましたが、まだ生乾きの状態。コンパクトクールの衣類乾燥(自動)運転を使った時には3時間後には乾いていたので、これは大きな差です

さらに、温度計を見てみると、湿度が74%にまで上がっていました。除湿機がない時はいつもこのような環境下で室内干しをしていたことに気づき、カビなどが心配になったそうです

メーカー公表のスペックによると、衣類乾燥運転の1時間あたりの電気代の目安は約6.8円(250W/50Hz)。Aさんが今回試したように、3時間ほどの衣類乾燥運転を毎日使用したとしても1か月(31日)の電気代は630円ほどです。毎日は使わないので、そのくらいの電気代ならAさん的にはまったく問題ないと、衣類乾燥に関してはかなり好感触な様子。

冷風運転の効果は、どれほど?

最後に試すのは、Aさんが心惹かれた「冷風運転」です。エアコンのない部屋で過ごしているAさんは、「冷風」という文字に夢を抱いたようですが、エアコンの冷房運転のような冷たい風が出るわけではありません。本体に吸い込まれた湿気を含んだ空気は冷却器で熱を奪われることで結露し、その水滴を取り除くことで乾いた空気となって室内に放出されます。その際、熱を奪われた空気は冷たくなりますが、放熱器を通過することで、ほどよい温度となって吹出口から出るというのがコンプレッサー式除湿機の基本的な仕組み。この仕組みはそのままに、「熱を奪われて冷たくなった空気」を利用したのが冷風運転です。風路に設けられたダンパーを閉じ、冷却器と放熱器の風路を分けることで、前方からは冷たい風、後方からは暖気という吹き分けを実現しました。ただし、冷風と言っても温度は室温より-10℃低い程度。後方からは暖かい風が出ているため、トータルでは室温は下がりません。このため、スポット冷房として使用することが推奨されています。

冷風運転を行う時は、右側にあるつまみを「冷風」側に移動させます

冷風運転を行う時は、右側にあるつまみを「冷風」側に移動させます

大きな期待を抱いて試した冷風運転ですが、室温が31.4℃だったためか、冷たく感じるほどの風は出てこず。扇風機やサーキュレーターに比べると風量も弱いうえに、後方からは暖風が出ていることもあり、夏場のAさん宅ではコンパクトクールの冷風運転では想像したような効果は得られなかったようです

Aさん宅では涼しむことができなかった冷風運転ですが、エアコンの冷房が効いた部屋ではそれなりの涼しさを感じることができます。

室温25.2℃の部屋で冷風運転を使ってみました

室温25.2℃の部屋で冷風運転を使ってみました

コンパクトクールの前方、後方に温度計を設置してみると、前側は22.9℃、後ろ側は33.4℃という温度になりました。室温-10℃の冷風が出ると記されているものの前方の温度は室温-2.3℃の22.9℃と、それほど涼しくないように思えますが……

吹出口から出る空気の温度を測ってみると、14.8℃! 室温-10℃くらいの温度の風はきちんと出ているようです。温度計を持って計測していた手には冷風が直接当たっていたのですが、痛く感じるほど冷たい風でした

エアコン冷房の効いた部屋なら、熱がこもりやすいキッチンで調理中に冷風運転を使うと暑さが緩和されそう

エアコン冷房の効いた部屋なら、熱がこもりやすいキッチンで調理中に冷風運転を使うと暑さが緩和されそう

まとめ

室温が上がりにくいコンプレッサー式であっても、除湿機を使うとどうしても室温は上昇してしまいます。Aさんは、「室温が高くなったのはコンパクトクールだからではないか?」と疑念を抱いていましたが、実は、昨年の夏に他メーカーのコンプレッサー式除湿機を試してもらっており、その際も室温が上昇したと話していました。しかし、その時は必要に迫られていなかったからか、まったく記憶にないそう。今回、除湿機に真剣に向き合ったところ、室温30℃以上の時はエアコンのない居住空間では使えないという結論に至ったといいます。しかし、湿度が大幅に下がったのは事実。9月に入って気温が下がってきた頃に試してみると、室温は上がるものの、ずいぶん快適に除湿運転できたと満足気でした。ちなみに、運転音は、除湿運転時(強/弱)が49/40dB(50Hz)、衣類乾燥運転時(強/弱)が51/40dB(50Hz)と、「強」で運転するとエアコンの室外機程度の運転音が響きます。しかし、普段からACモーターの扇風機を強めの風量で使っているAさんからすると、コンパクトクールの運転音はそれほど気にならなかったそう。

また、高温多湿な時期でも素早くカラッと乾いた衣類乾燥運転の評価は高いようで、継続して使っていきたいとのこと。というのも、Aさん宅は全室エアコンがないため、どの部屋で室内干しをしても湿度がとんでもないことになってしまうのです。部屋にある家具や衣類、本などが湿気でダメになりかねないので、除湿機は絶対に購入すると言い切っていました。ただ、コンパクトクールの特徴である冷風運転は、エアコン冷房が使えないAさん宅では夏場の使用は厳しい感じ。なので、冷風運転のないシャープの除湿機の購入を検討しているそう。除湿能力と排水タンク容量の関係性も理解できたので、もう少し除湿能力が高く、排水タンク容量の大きい「CV-J120」が今のところ大本命だそうです。

コンパクトクールよりも除湿能力が高い11L/日(50Hz)の除湿機「CV-J120」。排水タンクの容量は約4.5Lなので、24時間使用しても、水捨ての回数は3回くらいで済むでしょう

中村 真由美(編集部)

中村 真由美(編集部)

モノ雑誌のシロモノ家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。アウトドアからオタク系まで意外と幅広くイケちゃいマス。

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