レビュー
パワフルで、賢くて、使い勝手も文句なし

ダイソンのロボット掃除機「Dyson 360 Heurist」はココがスゴイ!

国内外のメーカーが続々と参入ししのぎを削るロボット掃除機市場。今回使用するのは、「パワフルかつ衰えない吸引力」で掃除機に革新をもたらしたダイソンの「Dyson 360 Heurist」だ。実際に使って、その性能を確かめてみよう。

壁際のゴミも取り逃さない、独自のボディ設計

まずはそのボディ設計からチェックしていこう。多少なりともロボット掃除機に知識のある人なら、「Dyson 360 Heurist」を見て、「ん?」と感じるところが2点あるはずだ。1点目は、ボディの高さ。「Dyson 360 Heurist」のサイズは、約23(幅)×24(奥行)×12(高さ)cm。直径は小さく、ロボット掃除機としてはかなりコンパクトな部類に入るのだが、高さが12cmと、そこそこ厚みがある。これはダイソン独自のサイクロン技術「Radial Root Cyclone(ラジアルルートサイクロン)テクノロジー」を搭載しているためで、同社のアイデンティティーとも言える、強力かつ衰えない吸引力を実現するには不可欠な機構だった。とはいえ、自宅のソファなどの家具の下も掃除してほしい場合には、家具側に最低でも13cm程度の高さが必要となるので、この点は購入前にあらかじめ確認しておくといいだろう。

それなりに厚みがあるが、それを補って余りある強力な吸引力が実現されているとわかれば納得できるはず。なお、「Dyson 360 Heurist」の価格は94,799円(税込。2019年10月2日時点の価格.comの最安価格)

天面に配置されたスタートボタンのまわりにはアイコン表示が並ぶ。このアイコンが点灯し、空気経路、駆動ベルト、充電ドック、ブラシバー、Wi-Fi接続、電池残量の状態などを知らせてくれる

天面中央に配置された全方位カメラで部屋のランドマークを確認し、自機位置と把握と地図作成(マッピング)を同時に行いながら効率的に清掃していく「インテリジェント SLAM ビジョンシステム」を採用。走行した距離を毎秒50回測定して部屋の間取りや現在位置を高精度に認識する、「Dyson 360 Heurist」の頭脳だ。

半球レンズのまわりには8個のLEDライトが搭載されているので、廊下や玄関、ベッド下といった暗い場所でもナビゲーション精度が著しく低下する心配はない

本体前面の左右に4基ずつ、合計8基の赤外線センサーを搭載する。赤外線センサーはそれぞれ長距離マッピングセンサー、段差センサー、壁面近接センサー、障害物センサーと役割が異なり、毎秒30回の照射で進路上の段差や障害物を継続的に監視。自機位置把握とマッピングの精度を高めている

そして2点目の特徴は、サイドブラシが搭載されていないことだ。ロボット掃除機の多くはブラシバーの幅(吸引部)が本体幅の半分程度しかないため、壁際や部屋の隅などのゴミは、本体脇で回転するサイドブラシでかき集めながら掃除していくのが定石である。しかしこの方法には、サイドブラシの回転によってむしろホコリが舞い上がってしまうという問題点があったため、ダイソンはあえてサイドブラシを採用しなかった。

では、壁際や部屋の隅などのゴミは取り除けないのか? もちろん答えは「NO」だ。「Dyson 360 Heurist」には本体幅とほぼ同サイズのブラシバーが搭載されており、ボディを壁に近接させることで壁際のゴミを取り除くことができる。またこの設計には、本体が通過した範囲のゴミを1度の走行で取り除けるというメリットもある。常識にとらわれることなく発想する、ダイソンらしいモノ作りだ。

静電気の発生を抑えるカーボンファイバーブラシ(黒い部分)がフローリングから微細なホコリを取り除き、硬いナイロンブラシ(赤い部分)がカーペットの奥に入り込んだゴミまでしっかりかき取ってくれる

壁にピタリとボディを寄せ、ボディからはみ出すように配置された長いブラシバーでゴミを取り除いていく

壁にピタリとボディを寄せ、ボディからはみ出すように配置された長いブラシバーでゴミを取り除いていく

車輪ではなく、「ベルト駆動式転輪」を採用しているのも「Dyson 360 Heurist」の特徴だ。カーペットの段差を難なく乗り越えられる走破性に加え、本体幅とほぼ同じ幅しかない隙間でもその場でクルリと方向転換できるメリットがある

毎分最大78,000回転の「ダイソン デジタルモーター V2」と、強烈な風量と遠心力を生み出す「Radial Root Cyclone(ラジアルルートサイクロン)テクノロジー」を採用し、パワフルな吸引力を実現している「Dyson 360 Heurist」。どれだけゴミを吸い取ってくれるのか、実際に確かめてみた。

まずはフローリングから。ゴミに見立てた茶葉を床にまき、運転モードを「強」にして「Dyson 360 Heurist」を走らせてみる。検証場所をあえて壁際にしたのはちょっと意地悪だったかもしれないが、どうやら「Dyson 360 Heurist」には朝飯前だったよう。壁際を2度、3度と走行して、最終的には完璧に疑似ゴミを取り除いてくれた

続いて、カーペット。ここではパン粉をまいてみたが、こちらも難なく吸引に成功。さすがはダイソン、集じん性能は文句なしだ

清潔な排気も「Dyson 360 Heurist」のアピールポイント。高度なサイクロン技術と、高性能フィルター、気密性の高い本体設計の組み合わせによって、アレルゲンを含む微細な物質を取り除いた清潔な空気だけを排出する

ゴミ捨ては、クリアビンを本体から外し、中のゴミをポイッと捨てるだけ。「Dyson 360 Heurist」に搭載する2つのフィルター、「プレモーターフィルター」と「ポストモーターフィルター」は基本的に交換の必要がなく、汚れが気になる時だけ水洗いすればいい

部屋の間取りを学習・記憶して効率的に清掃

続いて、「Dyson 360 Heurist」の走行パターンをチェックしていこう。リビングで実際に「Dyson 360 Heurist」を走らせてみると、コの字型のらせんを描きながら、規則正しく、効率的に走行していくのがわかる。「インテリジェント SLAM ビジョンシステム」の優秀さを実感した瞬間だが、このムダの少ない賢い動きは、「インテリジェント SLAM ビジョンシステム」によるところも大きい。これは、従来モデルでは1回掃除するたびに破棄していた部屋のマップを記録し、適宜更新することで部屋に適応していくというもの。カメラや赤外線センサーを使って部屋の間取りを学習し、記憶することで、次回以降は部屋ごとに効率よく掃除してくれるのだ。

「ヒューリスティックラーニング」で作成・記録したマップはスマートフォンアプリ「Dyson Link」上で確認でき、実際の間取りに合わせてマップを直線で区切ったり、区切ったゾーンごとに運転モードを設定したりできる。ほかにも、「進入禁止」「ブラシバー回転オフ」「乗り上げ機能オフ」などの機能を任意のエリアに設定できるなど、アプリ上の設定ひとつでロボットを自在に操れるのが素晴らしい。「ここを重点的に掃除してほしいのに」とか、「そこは掃除しなくていいのに」とか、そういう歯がゆさやストレスがないのだ。

スマートフォンと「Dyson 360 Heurist」をBluetooth経由でペアリングし、アプリ上のガイダンスに従い入力していくだけでWi-Fi接続が完了。これならWi-Fi接続に四苦八苦する心配はない

フロア全体のマップをゾーンごとに区切り、区切ったゾーンごとに運転モードを設定できる。なお、「Dyson 360 Heurist」の連続運転時間は、「強」モードで20〜30分、「通常」モードで40〜50分、「静音」モードで最大75分

「Dyson 360 Heurist」に進入してほしくないエリア、ブラシバーの回転を止めたいエリア、乗り上げてほしくないエリアも設定できる。かゆい所に手が届く、実に気の利いた機能だ

まとめ

すぐれた集じん性能や、ムダのない走行パターン、そして充実のアプリ連携と、最先端のロボット掃除機に期待する項目をもれなくクリアしていた「Dyson 360 Heurist」。もちろん、自動充電機能も搭載している。バッテリー残量が少なくなると自動で充電ドックに戻り、約2時間45分でフル充電が完了。中断した場所から掃除を再開してくれる。

本機がロボット掃除機の最高峰のひとつであることは間違いないが、欲を言えば、何かダイソンらしい、革新的で突き抜けたトピックが欲しかったのも正直なところだ。かつて、独自のサイクロン技術と圧倒的な吸引力で世界中をアッと驚かせたような、そんな何かである。いささかワガママな要求かもしれないが、いつも驚きを与えてくれるダイソンに対して、そう期待してしまうのは筆者だけではないだろう。とはいえ、先進機能を備えたハイエンド・ロボット掃除機の購入を検討しているのなら、「Dyson 360 Heurist」をチェックしない手はない。きっと想像以上の満足感が得られる、“いい買い物”になるはずだ。

毛利真大

毛利真大

編プロでの広告制作、雑誌編集を経てフリーライター/エディターに。家電をはじめ、自動車、ファッション、ビジネス関連など幅広い分野で活動。86年、秋田県出身。「大曲の花火」とグミをこよなく愛する。

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