レビュー
多くの人が待ち望んだアイテム! 実用性は……今後に期待

サンコー「どこでも乾かせる熱風コードレスドライヤー」の実用度をチェック

レジャーやスポーツで汗をかいた後はシャワーを浴びたいもの。その後、濡れた髪をドライヤーで乾かせたら問題はないが、ドライヤーが置いていない、電源もないという状況もあるだろう。サンコーの「どこでも乾かせる熱風コードレスドライヤー」は、そんな時に重宝しそうな充電式ドライヤーだ。しかし、一般的にドライヤーは1,200Wほどと消費電力が高いアイテム。コードレスの本機が、どれほど実用性のあるものなのかチェックしてみたい。

コードレスでも「温風」が14分間使用できる

これまでも「充電式のコードレスドライヤー」というものはなかったわけではないが、冷風しか出ず、おまけにパワーも「そよ風」程度のことがほとんどだった。対して、サンコーの「どこでも乾かせる熱風コードレスドライヤー」(以下、熱風コードレスドライヤー)は温風が出て、スペック上は、温風の温度は47〜53℃で、風速は12.5m/秒、満充電からの連続稼働時間は冷風時が約3.7時間、温風時が14分となっている。風量は非公開だ。

本体サイズは190(幅)×75(奥行)×250(高さ)mm、重量は614g。5,000mAhの大容量リチウムイオンバッテリーを搭載しているだけに、一般的なドライヤーと比べると重量感はある

付属のノズルは、吹き出し口にカチッと音がするまで押し込むだけで簡単に装着できる。取り外すときは、ひねりながら軽く引っ張ればOK。ノズルは360°回転させられるので、使用しやすい角度に調節するといいだろう

操作部はオーソドックスなスライド式スイッチで、下からOFF/COOL/HOTの順に運転モードを切り替えられる

操作部はオーソドックスなスライド式スイッチで、下からOFF/COOL/HOTの順に運転モードを切り替えられる

充電時間は約3.5時間で、充電用の付属スタンドを用いる方法に加え、本体に直接ACケーブルを差して充電することもできる。外出先に持ち出して使う機会の多いアイテムなので、つねにスタンドを持ち歩かずに済む設計になっている。

電源は100-240Vに対応しており、海外旅行先で使用する場合でも、変圧器を別途用意する必要はない

電源は100-240Vに対応しており、海外旅行先で使用する場合でも、変圧器を別途用意する必要はない

本体サイズは一般的なコード付きドライヤーと同等だが、コードがないのでカバンに入れて持ち運びやすい。欲を言えば、本体を折りたためるとなおうれしかった

温風の温度、風量ともに物足りない印象

さっそく「HOT」で髪を乾かしてみたが、風温はスペック値より低い印象だ。たしかに送風口で風の温度を測ると40℃程度の風温だが、通常ドライヤーを使用する時のように1cmほど離してみると、頭皮に届く頃には「温風」とは呼べない温度になっている。製品名の「熱風」を期待して使うと、がっかり感は否めない。

逆に、送風口をギリギリまで頭に近づけても熱くないので、徹底的に熱ダメージを避けたいという人にはいいのかもしれない。ただし、風量は一般的なコード付きドライヤーの「中」程度の風量より少し弱いという印象なので、乾くまでに時間はかかるだろう。

もうひとつ気になったのは、時間経過とともにグリップ上部が熱くなってくること。「HOT」で使っていると、10分が経過したころから発熱を感じ始め、13分を過ぎるとそれが顕著になるのだ。もちろん熱くて持てないほどではないのだが、「故障しないかな?」とちょっと不安を覚える熱さではある。

髪の長さが約10cmの筆者が「HOT」で使用してみたところ、4分43秒で髪を乾かすことができた。ちなみに、筆者が普段使用している風量1.9m3、風温約100℃のコード付きドライヤーで試した結果は、2分58秒。一般的なコード付きドライヤーよりも時間はかかってしまうが、個人的にはこの程度の差なら許容の範囲だと感じた

「HOT」での連続稼働時間を実測してみたところ、カタログスペックを上回る15分15秒を記録

「HOT」での連続稼働時間を実測してみたところ、カタログスペックを上回る15分15秒を記録

筆者としてはなかなか使えるという感想を持ったものの、髪の長さ10p程度で、普段は大風量ドライヤーを使用している男性が使ってみたところ、「約5分使用しても9割程度しか乾かなかった。風量が弱すぎる」という意見や、セミロングヘアの女性の場合は、「10分ほど乾かしたところで6割程度。完全に乾くのを待てずに諦めてしまった。湿度の高い夏だとさらに乾かなさそう」など、どちらかというとネガティブな意見のほうが多かった。使用するコンディション、タオルドライの程度や、使用者の毛量などによって、満足度は変わってくるようだ。

自宅内でも場所を選ばず使えるのはコードレスならではのメリット。そばにコンセントがない場合でも、ソファに座ってくつろぎながらスタイリングできるのはうれしい。なお、運転音は特段小さいわけではないので、テレビを観ながら使うのは現実的ではない

子どもの髪を乾かす際も、洗面所から「おいでー!」と叫ぶ必要はなく、こちらから出向いて乾かしてあげられる。低温風なので、吹き出し口を近づけても子どもが熱がらず安心だ

完全に乾かすことをそもそも期待していない人には便利かも。いつかパワフルスペックでの実現に期待したい

「コードレスのドライヤーがあったらいいのに」。多くの人が一度は想像したことがあるかもしれない。本製品はその願望を具現化したものであるわけだが、実用性については、人を選ぶといったところのようだ。短髪男子ならいいかもしれないが、髪の長さが10p以上の人や毛量の多い人には使いづらいかもしれない。忙しい朝に素早く乾かしたい人にも向いてないだろう。かなり時間がかかってもいい、ソファでテレビを(字幕ありで)みながらじっくり低温でという人にはアリかもしれない。

価格は10,000円程度(2019年12月時点)なので、最近では5,000円以下でもマイナスイオン機能搭載の大風量ドライヤーが手に入ることを考えると、割高な印象もある。「ちょっと試してみようかな」くらいの気持ちでは手を出しづらい。

ただし、この製品の最大のウリは「コードレスで使用できる」ということである。電源がない場所で、「完全に乾かすことはそもそも期待していない、髪がびちゃびちゃの状態が改善できればよい」という人など、この点に価値を感じられる場合は、便利に使用できるかもしれない。ちなみに筆者の場合だと、子どものスイミング教室にお迎えに行き、濡れた髪を乾かしてあげる際にも「熱風コードレスドライヤー」は重宝している。

というわけで、現段階ではすべての人におすすめできる製品とは言いがたいが、アイデア自体は間違いなく多くの人が待ち望んでいるものなので、いつかパワフルスペックの実現に期待したい。

毛利真大

毛利真大

編プロでの広告制作、雑誌編集を経てフリーライター/エディターに。家電をはじめ、自動車、ファッション、ビジネス関連など幅広い分野で活動。86年、秋田県出身。「大曲の花火」とグミをこよなく愛する。

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