レビュー
「クックフォーミー」よりコンパクトで、日本の家庭で使いやすい

ティファール「ラクラ・クッカー コンパクト」は、ムダのないスタンダードな電気圧力鍋

簡単・安全に圧力調理ができる電気圧力鍋が人気ですね。今回使用するのは、2020年4月に発売された、ティファール「ラクラ・クッカー コンパクト 電気圧力鍋 CY3501JP」。5つの調理モードと2種類の炊飯モード、3つのレシピモードが搭載された電気圧力鍋です。その豊富な調理モードを、ひと通り使ってみました。

電気圧力鍋の“先輩”「クックフォーミー」よりコンパクト。レシピモードの種類は少ないけれど、低温調理や予約調理にも対応

「ラクラ・クッカー コンパクト」(以下、ラクラ・クッカー)の容量は、2〜4人分の調理に適した3L(調理容量は2L、炊飯は4合まで対応)で、家庭用の電気圧力鍋としては、ごく標準的なサイズです。では、なぜ製品名に「コンパクト」と入っているのでしょうか。それは、「ラクラ・クッカー」の“先輩”に当たる、ティファールが2016年から発売している電気圧力鍋「クックフォーミー」が、容量6L(炊飯は10合まで対応)と、よくも悪くもとにかくデカいから。

対して、「ラクラ・クッカー」は日本の住宅事情などを考慮して開発された後発製品というだけあり、「クックフォーミー」と比べるとコンパクトで、スペースの限られるマンションのキッチンなどでも、比較的設置しやすいサイズとなっています。

本体サイズは、260(幅)×285(奥行)×283(高さ)mm。3Lタイプの電気圧力鍋としては標準的な大きさです

本体サイズは、260(幅)×285(奥行)×283(高さ)mm。3Lタイプの電気圧力鍋としては標準的な大きさです

「ラクラ・クッカー」の最大圧力は70kPaで、調理モードは5種類(圧力調理、蒸す、煮る、炒める、低温調理)、炊飯モードは2種類(白米、玄米)、レシピモードは3種類(カレー、角煮、肉じゃが)が搭載されており、保温、再加熱も可能です。

ちなみに、「ラクラ・クッカー」は、“小さいクックフォーミー”ではないので、ご注意を。「クックフォーミー」とはサイズや容量以外にも異なる点が多いです。

まず、「ラクラ・クッカー」は「クックフォーミー」よりレシピモードの種類が少なく、本体の液晶パネルに分量が表示されたり、調理手順を教えてくれるガイド機能もありません。いっぽうで、「クックフォーミー」では非対応の「低温調理」や「予約調理」(保温・炒める・低温調理以外)に対応しています。また、ひとつのボタンですべての操作を行う「クックフォーミー」に対し、「ラクラ・クッカー」は「調理モード」「予約」「温度/時間」など、それぞれに操作ボタンが用意されています。

ボタンは軽く触れるだけで操作できるタッチパネル仕様。凹凸がないので、料理の汁などがたれても、さっと拭くだけで清潔さをキープできます

内鍋は、側面の角度を62°にした独自の球状ポット。この角度によって内鍋内の熱循環がよくなり、「炊飯」モードではお米がふっくら炊きあがるそうです

蒸し台と、炊飯用の計量カップ、50メニューを掲載したレシピブックが付属します

蒸し台と、炊飯用の計量カップ、50メニューを掲載したレシピブックが付属します

「圧力調理」なら、5分の加圧でほくほくしみしみな筑前煮ができる

さっそく、「ラクラ・クッカー」の機能をひと通り使用していきたいと思います。

まず、「圧力調理」で筑前煮を作ってみました。「圧力調理」モードでは、1〜30分まで、1分単位で調理時間を調整できます。レンコン、ゴボウ、にんじんなど、火の通りにくい根菜がメインの筑前煮ですが、約5分の加圧調理でしっかり火が通り、文句なしの仕上がり。味は十分にしみつつ、根菜の歯ごたえを適度に残したベストな加減で、幸先のよいスタートとなりました。

鍋に材料と合わせ調味料を投入。付属の蒸し台は「落としぶた」にできるということなので、さっそく使用してみました

操作パネルで「圧力調理」→「5分」にセットしてスタート。なお、「ラクラ・クッカー」(というか電気圧力鍋全般)はどのモードも、容器内の温度が上がって加圧調理や加熱が開始されるまで5〜10分時間がかかります。そのため、レシピに記載されている加熱時間=調理時間ではないので注意

調理が終了すると、「炒める・低温調理」以外のモードでは自動的に「保温」(最大24時間)に切り替わります。

圧力がかかるモードの場合は、加熱が終了したら、蒸気排出ボタンを押して圧力(蒸気)を抜きます(蒸気は矢印の個所から噴出します)。圧力を抜かないと、ふたが開きません

完成した筑前煮。レンコン、ゴボウは“シャキほく”、にんじん、シイタケはじゅわっと味がしみています。にんじんは皮ごと使用しましたが、皮が気にならないくらいやわらか! 鶏肉、こんにゃくにもほどよく味がしみていました

球状ポットは口の部分が内側に傾いているため、側面に沿わせてすくい上げるだけで具材が自然におたま(無印良品のシリコンスプーンを使用)に入るような感覚。容器を持って傾けなくても、最後のひとすくいまでスムーズというメリットもあります

「蒸す」モードでプリンが時短でできる

続いて、「蒸す」でカスタードプリンを作ります。圧力をかけながら蒸すことで、通常の蒸し器で作るよりも時短になります。「蒸す」モードは、3〜30分まで、1分単位で調理時間を調整できます。

水を張った内鍋に蒸し台を置き、プリン液を入れた耐熱容器をセット。アルミ箔をかぶせてからふたをし、3分蒸したあと、15分保温します

若干「す」が入りましたが、計20分ほどでなめらかに蒸し上がりました。温かいままでも、冷やしてもおいしい

「煮る」は、煮崩れさせたくないメニューに

「煮る」モードは、普通の鍋と同じように、圧力をかけずに加熱するモード。煮崩れしやすい、身のやわらかい魚や、加圧すると身が縮んでしまう貝類などを調理する際に使用します。調理時間は3分〜3時間までを1分単位で調整できるので、軽い加熱から、ゆっくりしっかり煮込む料理にまで、幅広く対応します。

今回は、鱈の切り身を使って、魚を焼いてから煮るアクアパッツァ風の洋風煮を作ってみました。「ラクラ・クッカー」には「炒める」モードも搭載されているので、「炒めてから煮る」が1台で可能です。

「炒める」モードで魚の表面に焼き色を付けたあと、モードを「煮る」に変更

「炒める」モードで魚の表面に焼き色を付けたあと、モードを「煮る」に変更

調味料と残りの材料を投入。10分加熱(「煮る」)します。ふたはしてもしなくてもOKです

調味料と残りの材料を投入。10分加熱(「煮る」)します。ふたはしてもしなくてもOKです

やわらかい魚の切り身も煮崩れなし。あさりの身もぷりっと感をキープ

やわらかい魚の切り身も煮崩れなし。あさりの身もぷりっと感をキープ

「炒める」モードは、一応チャーハンも作れる火力

「炒める」は、圧力をかけず、フタも使用せずに使用するモード。1〜59分まで、1分単位で調理時間を調整でき、120〜150℃まで10℃ごとに温度設定が可能です。

今回は火力チェックのためにチャーハンを作ってみました。普段の生活でチャーハンを作る時に「ラクラ・クッカー」を使用するのは現実的ではありませんが、前述のアクアパッツァ風のように、「炒めてから煮る」という料理は多いので、2つの工程を1台でまかなう際に便利なモードです。

熱した油に卵を投入。「じゅわーっ」と音がしますが、ガス火で調理する時ほどの勢いはなく、終始落ち着いた雰囲気で調理が進みます。2人分以上を一度に作るのはきびしそう

フライパンで作る時ほどぱらぱらにはできませんでしたが、1人分であれば、普通においしいチャーハンができました。これくらいの火力があれば、炒め工程を安心して任せることができそうです

「低温調理」は料理上手になった気分になれる

「低温調理」モードも、加圧を行わないモード。10分〜22時間まで、10分単位で調理時間を調整できます。設定可能な温度は58〜90℃(1℃刻み)なので、甘酒作りなどの発酵調理や、肉や魚のなどの低温調理に向いていますが、40℃前後で発酵させるヨーグルトなどには対応できません。

今回は、簡単なのに手が込んでいるように見える料理の代表格「コンフィ」(砂肝)を作ってみました。

耐熱袋にオリーブオイルに調味料とハーブ、砂肝を入れてひと晩寝かせ、袋のまま水に浸けて70℃で4時間加熱します(袋の上の小皿は、袋が湯から浮くのを防ぐ重し)

4時間加熱後、袋から出してこんがり焼けば「コンフィ」のできあがり! 時間はかかりますが、失敗するほうが難しいくらい簡単なわりに、プロの仕事っぽい味になるので、低温調理ができる環境にある方は、ぜひ一度試していただきたいレシピです

そぎ切りにしてハーブなどと和えてサラダにするだけで、おしゃれな“どや料理”に早変わり。飲酒が止まらないおいしさです

「炊飯」は看板に偽りなしのふっくらとした炊きあがり

「炊飯」モードでは、白米を2合炊いてみました。レシピブックにならって、30分感しっかり吸水させてから炊き始めます。炊飯にかかった時間は、吸水・蒸らしを含めて約60分。レシピ通りに炊くと、一般的な炊飯器より少し時間がかかります。

炊きあがりは、ムラなくふっくら! 側面の角度を62°にすることで熱循環がよいという球状ポットが本領発揮しています。普段使用している電気圧力鍋でも同様に炊いてみましたが、「ラクラ・クッカー」のほうが断然ふっくらと炊けていました。

冷めてもふっくら

冷めてもふっくら

レシピモード「カレー」は”ほぼ無水”調理もOKでした

最後に、「レシピモード(カレー)」でカレーを作ります。レシピモードは、メニューに最適化された温度や加熱時間がプリセットされたモード。「カレー」の場合、8〜15分まで、1分単位で調理時間を調整できます。

電気圧力鍋でカレーを作るとなったら、やはり「無水カレー」を作りたい! 「ラクラ・クッカー」に「無水調理」機能はありませんが、最低100mlの水分を入れればOKとのこと。ということで、今回は水分の多い新玉ねぎとトマト缶と、ほんのちょっぴり(50mlほど)の水で、“ほぼ無水”でカレーを作ってみました。

鍋に入れるのは、すり下ろしの新玉ねぎとホールトマトと、少しの水のみ!

鍋に入れるのは、すり下ろしの新玉ねぎとホールトマトと、少しの水のみ!

10分(レシピモードのデフォルト)の加圧調理で、どっさり水分が出ました。ここにカレールーを溶かせば、 “ほぼ無水”カレーの完成

“ほぼ無水”調理らしい、野菜と肉の旨味がぎゅっと詰まった仕上がり。肉は手羽元を使用し、とろっとろというほどではありませんが、スプーンだけで骨から肉をはなせるぐらいやわらかに仕上がっていました

まとめ

「ラクラ・クッカー コンパクト」の機能をひと通り使用した印象は、「大きな特徴や真新しい機能があるわけではないけれど、どんな家庭でも使用しやすい、スタンダードな電気圧力鍋」というものです。

初めて電気圧力鍋を使う人にとっても操作がわかりやすいし、容量も3Lと標準的で、本体も大きすぎず、一部のモード以外では予約機能が使えるので、多くの核家族家庭で「過不足なし、ちょうどよい」と感じられる1台と言えそうです。

調理モードは豊富ながら、レシピモードが3種類と最低限という点に関しては、好みが分かれるところでしょうか。そういった意味では、どちらかと言えば、電気圧力鍋を使い慣れている人向けと言えるかも。ただ、電気圧力鍋を初めて使用するという人でも、付属のレシピブックにならって使用していくうちに、使いこなせるようになると思います。

日々のお手入れは、フタから内ぶたとパッキン、検圧ロッドとノズルのねじカバー、圧力調整おもりを外してそれぞれ水洗いです。普通の鍋に比べるとどうしても手間がかかりますが、これも電気圧力鍋としては標準的

大泉瑠梨(編集部)

大泉瑠梨(編集部)

美容・健康家電を中心に新製品レポートやレビュー記事を担当。時には体を張って製品の実力をチェックします。

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