レビュー
一般的なフードドライヤーではできない厚みのある食材も乾燥調理可能

塊肉も干し肉に!プリンセス「フードドライヤー」ד深型トレイ”で分厚いドライフード作りに挑戦!!


食材を乾燥させることができるフードドライヤー(ドライフードメーカー)は、旨みが凝縮されたドライフードを室内で作れる調理家電。自分の好きな種類や食感のドライフードが作れるだけでなく、無添加の乾燥食品を作れることもあり、食や健康にこだわりのある人たちに人気があります。筆者も以前、プリンセスの製品を使用し、ドライフルーツやドライベジタブル、そしてビーフジャーキーなどを作り、そのおいしさと楽しさを実感しました。ただ、プリンセスの製品同様、一般的なフードドライヤーはトレイを重ねて使う構造となっており、トレイの深さに収まる大きさの食材しかセットできません。そんな中、プリンセス製フードドライヤーに、かなり厚みのある食材も乾燥調理できるオプション「マルチトレイ」が登場。追加購入することで、分厚い塊肉などもドライフードにできちゃいます!

本体「フードドライヤー」の基本構造を知ろう!

マルチトレイはあくまでもオプションなので、ドライフードを作るには本体であるプリンセス「フードドライヤー」が必要。フードドライヤーはベース部に温風を放出する吹出口があり、その温風で上部に重ねたトレイに載せた食材の水分を飛ばし、乾燥させる構造となっています。標準で付属するトレイの深さは約1cm(筆者計測)あるので、もちろん、フードドライヤー単体だけでもドライフード作りは十分楽しむことが可能。なお、2020年5月時点で販売されている「Ver.2018(型名:112383)」は、筆者が2016年に使用したフードドライヤーとは基本構造は同じものの、温度設定の刻みやトレイの耐久性や格子の形状が改良されています。今回紹介するオプション「マルチトレイ」は既存モデルにも適応するので、すでにプリンセス製品を使っている人も買い足せば同じように使うことができます。

フードドライヤーには温風が放出される本体とトレイ6枚、フタが標準セットされています。このほか、取扱説明書やレシピブックも付属するので、初心者でも迷わずにドライフルーツ作りを楽しめるでしょう

温風は本体中央から放出されます。温度は40〜70℃の範囲で設定でき、5℃単位で変更可能。従来モデルは10℃単位だったので、より細かく温度調節ができるようになりました。調理時間は4/6/8/10/12/14/16時間で設定できます

トレイは格子状になっているので、重ねても温風が全体に行き渡ります。従来は縦横に規則正しい配列だった網目をハニカム構造にすることで、通気性や強度をアップ。トレイ1枚の高さは2.4cmですが、深さは1cmほど(筆者計測)

このように本体にトレイを重ねて使用します。設置面積は350(幅)×350(奥行)mm

このように本体にトレイを重ねて使用します。設置面積は350(幅)×350(奥行)mm

トレイは、重ね方を変えることで食材を入れるスペース高を変えることが可能。トレイに装備されたツメが交互に重なるように積み重ねればトレイの間が薄くなり、逆に、ツメが同じ位置にくるように重ねるとトレイの間が広くなるのです

ツメが交互になるように重ねた状態(上)と、同じ位置にくるように重ねた状態(下)

ツメが交互になるように重ねた状態(上)と、同じ位置にくるように重ねた状態(下)

上の写真ではわかりづらいかもしれませんが、重ね方を変えることでトレイの間隔が約1cmと約1.7cmに切り替わります(筆者計測)。ただ、このスペースいっぱいに食材を入れてしまうと温風の通りが悪くなるので注意が必要。取扱説明書によると、食材の厚さは3〜5mmくらいが最適なようです

新モデルとは若干の違いはあるものの、従来モデルも基本的なところは同じ。写真は2016年に使用したモデルですが、果物や野菜、きのこ、牛肉をドライフードにすることができました。標準のトレイでも、存分に楽しめます!

<関連記事>プリンセス「フードドライヤー」の基本情報をくわしく知りたい方は従来モデルのレビューをチェック!

「マルチトレイ」って、どんなもの?

今回紹介する「マルチトレイ」の基本構造は標準トレイと同じ。標準トレイの高さが2.4cmなのに対し、マルチトレイは4.4cmなので、その分、深さもあります。さらにおもしろいのが、網の部分を分離できる構造となっていること。複数のマルチトレイを別途購入し、枠だけの状態にして積み重ねれば、高さのある食材をドライフードにすることができるようになるのです。

マルチトレイは1枚ずつ別売されています(メーカー希望小売価格2,200円/税込)。トレイの高さは4.4cmですが、深さは約2.7〜3cmでした(筆者計測)

2つのトレイを並べてみると、高さや深さが違うことがわかります

2つのトレイを並べてみると、高さや深さが違うことがわかります

標準トレイと同じように、マルチトレイを重ねて使ってもOK。トレイは上下に深さがあるので、この状態でのトレイとトレイの間隔は3.5cmくらいありました(筆者計測)

標準トレイとマルチトレイを組み合わせて重ねるのもアリ! 重ね方や枚数は自由です

標準トレイとマルチトレイを組み合わせて重ねるのもアリ! 重ね方や枚数は自由です

そして、マルチトレイは網の部分が取り外せるのがポイント!

そして、マルチトレイは網の部分が取り外せるのがポイント!

枠だけを重ねていけば……

枠だけを重ねていけば……

食材を入れる大きなスペースができました。最下部と最上部は網付きの状態で、中間2枚は網を外して重ねると185g缶も入る高さに! 測ってみると、約11cmの高さがありました。つまり、トレイの枚数や網の着脱を工夫することで、厚みのある食品もセットできるというわけです

※変更履歴:初出時に850ml缶と記載していましたが、正しくは185g缶です。お詫びして訂正します。[2020年6月7日 20:45]

「マルチトレイ」を使ってドライフード作り!

さっそく、ドライフードを作ってみましょう。まずは、肉厚のしいたけを丸ごと! 標準トレイでしいたけを乾燥させる時には、薄くスライスして並べていましたが、マルチトレイはそのままセットできるのでしょうか!?

残念ながらマルチトレイの深さをもってしても、1枚では収まらず……。ならば!と、網を取り枠だけの状態にした1枚を重ね、2枚分の高さを確保してみたところ、見事、収めることができました

同様のセットをもうひとつ作り、2段でしいたけを乾燥させます。ちなみに、写真のように最上部に空のトレイを重ねなくても問題ありません

分厚い食材を乾燥させる場合に参考となる温度や時間が取扱説明書などには記されていなかったので、標準トレイを使った時のことを思い出しながら勘で設定。温度は70℃、タイマーは12時間にしてみました

うまくいくかドキドキしていましたが途中で確認に行くこともなく、完全に12時間放置。セットした時間が経過すると、自動で温風が止まるので放置しておいても安心なのです。ということで、12時間後に見に行ってみると、しいたけが乾燥して小さくなっていました!

触ってみると、カチカチ! 乾燥時間はもう少し短めでもよかったかも。でも、味は立派な干ししいたけ。旨みが凝縮されており、出汁取りや料理にたっぷり使わせてもらいました。

なお、フードドライヤーの消費電力は350W。干ししいたけを作った12時間の運転にかかった電気代は約133円(1kWhあたりの電力量料金は27円で算出)となります。しいたけの収穫時期には市販の干ししいたけより生のしいたけのほうが安く入手できるので、自宅で干ししいたけを大量生産して保存できるのはありがたい。

続いて、干し柿を作ることに! 天日干しで作る場合、数週間かかり、かつ、その間にカビが生えてしまうこともあるらしく、難易度が高いというウワサを耳にしていました。なので、自家製の干し柿作りにはチャレンジできずにいたのですが、フードドライヤーを使えば、天日干しより短時間で衛生的に作れるのではないかと期待がふくらみます!

渋柿が手に入らなかったので、富有柿を使用。皮はむいて乾燥させます。そして、またしても設定温度や時間は筆者の勘! 念のため、もっとも温度の低い40℃に設定し、16時間タイマーで乾燥スタート

見てください! 干し柿っぽい仕上がりです。と、写真ではカンタンにできたように見えますが、実は4日ほどかかっています。タイマーが切れたら再設定してスタートの繰り返し。途中、出かけていたり、睡眠中だったりで、運転停止したまま時間が経過した場面もありましたが、この状態になるまでがんばりました!

完成した干し柿を割ってみると、中はトロトロの半生状態! これは、これでおいしい!! 天日干しほどでないとはいえ、それなりに時間はかかるので、もっとたくさん作ればよかったと後悔しました

最後に試したのは、干し肉。しかも、マルチトレイの特性を生かし、塊肉を使います。作るのは、約400gの豚バラ肉ブロックを使った自家製のパンチェッタ(生ベーコン)。衛生面に配慮し、しっかり塩漬けしたあと、フードドライヤーで乾燥させます。

豚バラ肉ブロックは事前に3日ほど塩漬けにした後、塩抜き。今回は吊すためにタコ紐で縛ります

豚バラ肉ブロックは事前に3日ほど塩漬けにした後、塩抜き。今回は吊すためにタコ紐で縛ります

最上部のトレイに網をセットしておけば、紐を通して吊すこともできるのです。正直、トレイにそのまま載せても問題なかったと思いますが、肉がトレイにくっ付かないように吊すことにしました

温度は70℃、タイマーは12時間で乾燥させた状態。外側は乾いていますが、指で押すとまだ弾力があります。通常、ベーコンを作る際の乾燥工程では、冷蔵庫で1週間程度かかるので圧倒的な早さと言えるでしょう

とはいえ、十分乾燥させられたのかわからないのでカットしてみます。水分はかなり抜けていますが、やわらかさが残る仕上がり

ベーコンは乾燥させたあと燻製を行うものですが、今回はパンチェッタとして、生ベーコンの状態で加熱し、料理に使うことにしました

卵と生クリームと和えて、茹でたパスタに絡めて自家製パンチェッタのカルボナーラが完成。燻製よりも手間がかからず、保存性もあり、そして、旨みもたっぷり。自分で作れば添加物を使わず、塩分なども調整することができます

まとめ

標準トレイでは対応できなかった厚さや高さのある食材もドライフードにできるマルチトレイは、乾燥調理の楽しさを広げてくれます。トレイに食材を並べ、温風で乾燥させるタイプのフードドライヤーで、ここまで厚みのあるものをドライフードにできるものはないのではないでしょうか。

ただ、マルチトレイ用のレシピが用意されていないため、手探りで温度や時間を模索しなければなりません。失敗して食材がムダになったり、余計な電気代がかかることもあるので、できれば目安となる温度や時間は知りたかった……。それでも、これまでできなかったような食材の状態でドライフードを作ってみたいという探究心のある人にはおもしろいアイテムであるのは確か。この記事を読んで、そそられたなら素質アリかも!

神野恵美

神野恵美

雑誌記者・編集者などを経て、2004年に渡仏。2006年に帰国後はさまざまな媒体において、家電をはじめ“ライフスタイル”的切り口で多ジャンルの記事を執筆。

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