レビュー
砂時計のような造型と抽出の優美さにプロが認める抽出プロセスを搭載

世界的にもめずらしいこだわりが満載!本格的なアイスコーヒーも楽しめるデロンギ「クレシドラ」


砂時計のようなフォルムが目を惹くデロンギ「クレシドラ ドリップコーヒーメーカー ICM17270J」(以下、クレシドラ)には、世界的にもめずらしい構造と取得が難しいECBC認証の抽出モードが採用されています。さらに、本格的なアイスコーヒーが淹れられる専用モードも搭載。造型から抽出までこだわりが詰まったクレシドラを、コーヒー好きの筆者がたっぷり味わってみました!

世界的にもめずらしい構造を採用したドリップ式コーヒーメーカー

一般的なドリップタイプのコーヒーメーカーは、本体上部にコーヒー粉を入れるフィルターホルダーがあり、背面に水タンクを装備。下部に搭載されたヒーターで加熱し、蒸気圧でお湯を持ち上げ、上部からお湯を注いでコーヒーを抽出する仕組みとなっています。

天面のフタを開けたところにコーヒー粉を入れるフィルターホルダーがあり、その後方に水タンクが配置されているのが一般的な構造。写真は、最大6杯分のコーヒーが淹れられるデロンギ「ディスティンタコレクション ドリップコーヒーメーカー ICMI011J-W」

今回紹介するクレシドラは、伝統的なハンドドリップのコーヒー抽出プロセスに着想した新しい構造となっています。本体上部に水タンクがあり、その底面にヒーターを搭載。電気ケトルと同じ要領でお湯を沸かし、水タンクからコーヒー粉に注いで抽出するのです。蒸気圧でお湯を持ち上げる工程をなくすことで、より安定した温度で抽出できるのが特徴。また、水タンクやヒーターをガラスジャグの上部に配置することにより、設置面積のコンパクト化も実現しました。上から下に落とすスムーズな導線からも非常に効率的に思える構造ですが、実は、この構造を採用したドリップ式コーヒーメーカーは世界的にもとてもめずらしいのだそう。

サイズは約190(幅)×285(奥行)×335mmで、重量は約2.5kg。最大約1,250mlの水を入れることができ、1度に2〜10カップのコーヒーが淹れられます

これほど透明感のあるコーヒーメーカーは、かなりめずらしい印象。使っていない時に出しっ放しにしておいても“見せられる”デザイン性の高さもいい!

水タンク底面に配置されたヒーターには温度センサー(突起部)を搭載。適温になったお湯が中央部から下にあるコーヒー粉に注がれます。工程のムダをなくすことで、常に安定した温度で抽出できるのがポイント。ちなみに、水タンクを後方に装備し、蒸気圧でお湯を持ち上げて注ぐほうがコスト的には安く済むのだそう

水タンクのお湯は5つの給湯口から落ち、コーヒー粉に注がれます。お湯が落ちる量やスピードも抽出モードに合わせて制御されているとのこと

コーヒー粉はガラスジャグ上部にセットする仕様

コーヒー粉はガラスジャグ上部にセットする仕様

ガラスジャグを載せる部分には保温プレートを搭載。ホットコーヒーを抽出すると、保温モードに自動で切り替わります。最大保温時間は約40分

抽出モードも世界的なお墨付き!

コーヒーは、同じコーヒー粉を用いても温度や抽出スピードなど、ほんの少しプロセスを変えることで味や風味に違いが出るもの。そうした違いも楽しめるようにクレシドラには、ホットコーヒー2種類(「ECBC認証」モードと「プアオーバー」モード)と「アイスコーヒー」モードの計3種類の抽出モードが用意されています。なかでも特筆すべきは、ECBC認証モード。コーヒーの抽出性能と風味を検定する権威のある機関「ヨーロッパコーヒーブリューイングセンター(ECBC)」の認証を取得したモードで、日本国内で販売されているコーヒーメーカーでこの認証を取得しているのはデロンギともう1社しかありません。1万台以上のモデル数があるというヨーロッパでも、たった18モデルしかこの認証を取得していないほど非常に厳しい基準なのです。アイスコーヒーモードも、そんなECBC認証の設計に基づいて抽出されるようになっているとのこと。なお、プアオーバーモードはハンドドリップの工程を再現しているそうです。

本体下部にある抽出ボタンを押すだけで、淹れ分けが可能。左がECBC認証モードボタンで、右がプアオーバーモード/アイスコーヒーモードボタン

ホットコーヒーを淹れてみよう!

クレシドラの実力を知るため、まずはホットコーヒーを淹れてみましょう。ホットコーヒーに用意されたECBC認証モードとプアオーバーモードで、どれほど味や風味が異なるのかも確かめてみます。なお、クレシドラでコーヒーを淹れるにはペーパーフィルターが必要。5枚付属していますが、足りない分は市販の1×4、または103サイズのペーパーフィルターを用意すればOKです。

使用するペーパーフィルターは4〜8杯用の大きいタイプ。2〜3カップ分しか抽出しない際にも、このサイズのペーパーフィルターを使うこととなります

ECBC認証モード、プアオーバーモードともに、中挽きした中深煎りのコーヒー粉を使います

ECBC認証モード、プアオーバーモードともに、中挽きした中深煎りのコーヒー粉を使います

最初は、ECBC認証モードから。ECBCが推奨するおいしいコーヒーを淹れるポイントは、コーヒー粉7.5gに対し水を125mlの比率とし、92〜96℃の抽出温度で4〜6分の抽出時間をかけて淹れることとされています。そのプロセスを忠実に実行するのがECBC認証モード。抽出温度や時間を精密にコントロールすることで、雑味やブレのない安定した味を引き出します。とはいえ、めんどうな準備や設定は必要ありません。コーヒー粉と水の比率は付属のスプーンを使い、水タンクの目盛(カップ数)どおりに水を入れるだけでOK。普通のコーヒーメーカーのように準備してモードを選択するだけで、ECBC認証のスペシャルな1杯が味わえます。

水タンクに水を入れます。淹れたいカップ数の目盛まで水を入れましょう

水タンクに水を入れます。淹れたいカップ数の目盛まで水を入れましょう

水タンクは取り外しできないため、ガラスジャグを使うなどして水を注ぎます。投入口が大きいので、入れやすさは◎。なお、硬水を使うと石灰分が溜まりやすくなり故障の原因となるので、軟水を使うほうがいいでしょう

ペーパーフィルターを取り付けたフィルターホルダーをガラスジャグにセット。付属の計量スプーンを使って、淹れたい分量のコーヒー粉を入れます

ガラスジャグのフタを閉じ、保温プレートに載せます。この時、きちんとセットされていないとコーヒーの抽出が始まらないようになっているので安心

ECBC認証モードボタンを押すと抽出が始まります

ECBC認証モードボタンを押すと抽出が始まります

今回は6杯分のコーヒーを淹れることにしたのですが、ボタンを押してから約1分で気泡が出始め、4分ほど経つとぐらぐらと沸騰しました

お湯の温度が適温になったところで、給湯口からお湯が出てきました。5つの穴すべてからではなく、それぞれの穴からランダムに出ているよう。この出方も制御されていると思うのですが、見ている分には法則性はわかりませんでした

イタリア語で「砂時計」を意味するクレシドラは、コーヒーを淹れる様子も砂時計のよう。下の動画のように、沸騰後、水タンクの水が下に落ち、ガラスジャグにコーヒーが増えていくさまは、まさにそれ。ゆっくりとコーヒーを淹れる儀式だけでなく、優美さと軽やかさも伝えられるようにこのデザインにしたそうです

6杯分のコーヒーを抽出するのにかかった時間は約9分。抽出後は自動で保温モードに切り替わるので、冷める心配はありません

コーヒーを注ぐ時は、フィルターホルダーをガラスジャグから取り外します。ハンドル付きなので、手が汚れにくいのもいいところ。外したフィルターホルダーを立てかけておけるスタンドが付属しているのも便利です

コーヒーカップへの注ぎやすさは上々。ただ、取っ手が少し太めなので、手が小さい人はしっくりこないかもしれません

ECBC認証モードで淹れたコーヒーは、味に深みがあり、飲んだあとも口の中に香りが残ります。飲む前から飲み終えた後まで、香りで堪能させてくれる印象。コクもあり、幸せな気持ちになります

次は、プアオーバーモードで淹れてみましょう。最適な抽出制御によってハンドドリップの工程を再現し、香り高く深みのあるコーヒーを抽出します。

ECBC認証モードの時と同量の水とコーヒー粉をセットして、コーヒーを淹れます

ECBC認証モードの時と同量の水とコーヒー粉をセットして、コーヒーを淹れます

プアオーバーモードで淹れる際は、右側の抽出ボタンを1回押します

プアオーバーモードで淹れる際は、右側の抽出ボタンを1回押します

「20秒間お湯を注ぎ、10秒間停止」を繰り返して抽出され、目視でわかる範囲内でもECBC認証モードとは抽出方法が違うことがわかりました。6杯分のコーヒーは、ボタンを押してから約12分で抽出完了。ECBC認証モードは約9分だったので、プアオーバーモードのほうがゆっくり淹れる設定なのかもしれません

香りやコクをしっかり感じられる味わいですが、ECBC認証モードで淹れたコーヒーと比べると少しさっぱりとした飲み口のように感じました

アイスコーヒーを淹れてみよう!

ホットコーヒーを堪能したあとは、クレシドラのウリのひとつであるアイスコーヒーモードを試してみましょう。基本的にアイスコーヒーはホットコーヒーと同じ工程でコーヒーを淹れ、それを冷やしてアイスコーヒーにするのですが、コーヒーは抽出された直後から香りが逃げていくもの。しかも、温度が高いほどその速度は速く、酸化も進みやすくなるので、おいしいアイスコーヒーを淹れるには急冷するのが鉄則です。クレシドラのアイスコーヒーモードでは、あらかじめガラスジャグに氷を入れておき、抽出直後のコーヒーを急冷。同時に、抽出温度とスピードを精密に制御しながら抽出することで、香り高くコクのあるアイスコーヒーを淹れることができます。

アイスコーヒーはホットコーヒーとは1度に抽出できる量が異なり、淹れられるのは4〜8杯分になります

アイスコーヒーはホットコーヒーとは1度に抽出できる量が異なり、淹れられるのは4〜8杯分になります

抽出したコーヒーを冷やすため、ガラスジャグに氷をセットします

抽出したコーヒーを冷やすため、ガラスジャグに氷をセットします

アイスコーヒーは酸味が少なく、苦みが強いほうが飲みやすいので、中挽きした深煎りのコーヒー粉を使用します

氷とコーヒー粉をセットしたガラスジャグを本体に載せて……

氷とコーヒー粉をセットしたガラスジャグを本体に載せて……

右側の抽出ボタンを2回押せば、アイスコーヒーモードで抽出が始まります

右側の抽出ボタンを2回押せば、アイスコーヒーモードで抽出が始まります

抽出されたコーヒーは、氷ですぐに冷やされます。8杯分のコーヒーは約8分で淹れ終わりました。なお、アイスコーヒーモードでは保温プレートは作動しません

氷を入れないとぬるいかな? と思いましたが、温度を計ってみると8.3℃。十分冷たいので、このまま飲むこともできます。苦みとコクがあり、香りも豊か!

味わいと香りがしっかりしているので、氷を入れても物足りなさは感じません

味わいと香りがしっかりしているので、氷を入れても物足りなさは感じません

バニラアイスを浮かべてコーヒーフロートにしても、コーヒーの味は負けてない!

バニラアイスを浮かべてコーヒーフロートにしても、コーヒーの味は負けてない!

アイスコーヒーはいかに素早く冷やすかが肝ということですが、急冷させなかった場合、どれほど味や香りに違いが出るのかが気になるところ。そこで、ガラスジャグに氷を入れずに抽出し、淹れたコーヒーを冷蔵庫で冷やしたものと飲み比べてみました。

ガラスジャグに氷を入れずにアイスコーヒーモードでスタート。せっかくなので、抽出されたコーヒーの温度を計ってみると71.2℃でした

粗熱を取ってから、コーヒーを冷蔵庫に入れて冷やします

粗熱を取ってから、コーヒーを冷蔵庫に入れて冷やします

本来の作り方の場合、ガラスジャグに入れた氷が溶けて濃度が変わるため、冷蔵庫で冷やしたコーヒーも同量の濃度になるように調整して比較しています。しかし、同じ濃度ながら透明感がまったく違う! 冷蔵庫で冷やしたほうは酸味や雑味が出てしまい、香りはほとんど消えてしまいました

この実験から、急冷の重要さはわかりました。では、普通にホットコーヒーを淹れた後、氷で急冷したらどうなるのでしょうか。アイスコーヒーモードで使用したコーヒー粉を使い、ECBC認証モードで淹れたホットコーヒーでテストしてみました。

まず、抽出される温度に違いがあるのかを調べてみます。ECBC認証モードで淹れたコーヒーは78.2℃でした。アイスコーヒーモードで抽出したコーヒーの温度は71.2℃だったので、ECBC認証モードのほうが少し高めの温度で抽出されるようです

抽出されたコーヒーの温度に若干の差はありましたが、氷で冷やせば、そこまで違いは出ないだろうと、ECBC認証モードで淹れたコーヒーに氷を投入

見た目や香りはアイスコーヒーモードで淹れたものとあまり変わりませんが、コクが薄れた印象。少しさっぱりとした味わいに感じます

同じコーヒー粉を使っても抽出の温度や時間といったプロセスが異なると、いくら急冷しても同じ味わいにはならないようです。一般的なコーヒーメーカーでも抽出したコーヒーが溜まる容器に氷さえ入れておけば急冷は可能ですが、おいしいアイスコーヒーが飲みたいなら、専用のモードを搭載したモデルを選んだほうがよさそう。また、氷を入れて急冷する方法が正しい使い方として推奨されていないモデルの場合(ホットコーヒーしか淹れられないモデルはほぼ該当)、コーヒーの味が担保できないのはもちろん、保温プレートが作動してアイスコーヒーにならないことも。安全上の問題もあるため、アイスコーヒー専用モードを搭載していないコーヒーメーカーでは行わないようにしましょう。

まとめ

毎日、コーヒースケールを使って重さと時間を計りながらハンドドリップでコーヒーを淹れている筆者。この手間と時間が楽しい半面、忙しい時にはわずらわしく感じることもあります。そんな時に、コーヒーメーカーがあると便利。安定した味わいのコーヒーが淹れられるので、家族にまかせることもできますしね(笑)。コーヒー豆を挽いて淹れる全自動タイプにも惹かれますが、後片付けやメンテナンスの手軽さを考えると、ドリップ式のほうがラクでよかったです。また、今回は体験できませんでしたが、約60回抽出すると石灰除去のタイミングを知らせてくれる機能が搭載されているのも評価したいポイント。つい忘れてしまうお手入れも、これなら忘れずに行えるので長く愛用できるのではないでしょうか。

ガラスジャグは口が大きいので、内側までしっかり洗えます

ガラスジャグは口が大きいので、内側までしっかり洗えます

もちろん、手軽さだけでなく、おいしく淹れられなければコーヒーメーカーとしての価値はありません。その点、クレシドラにはECBC認証の抽出モードが搭載されているのが大きな魅力。この認証を取得しているコーヒーメーカーが世界的にも少ないというだけで、淹れ方にこだわっていることが伝わりますし、そそられます。実際に飲んでみても、風味豊かで味に深みがあり、満足できる味わいでした。また、ECBCの理念に基づき設計されたアイスコーヒーモードも、とても気に入っています。気軽に使えておいしいコーヒーが淹れられるだけでなく、所有欲をかき立てるめずらしい構造と美しい造型のクレシドラがあれば、日々のコーヒーライフが楽しくなりそうですね。

牛島義之

牛島義之

アウトドア雑誌の副編集長職を経てフリーランスとして独立。以降、アウトドアをはじめ、グッズ、クルマ、旅行などレジャー関連を中心に執筆している。

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