シャープが、水なし自動調理鍋「ヘルシオ ホットクック」の新モデルを発表。2.4Lタイプ「KN-HW24G」と1.6L「KN-HW16G」は本体サイズがコンパクトなったほか、食材を混ぜる機構「まぜ技ユニット」の最大回転スピードがアップしたことで、これまでできなかった「食材のつぶし」や「泡立て」も“おまかせ調理”できるようになりました。また、1Lタイプ「KN-HW10G」には、本格的な低温調理が行える自動調理メニューが新搭載。新モデルの進化点を紹介します。
デザインが見直された新型「ヘルシオ ホットクック」の2.4Lタイプと1.6Lタイプは、本体幅が小さくなりました。左右に張り出していた外観の持ち手部分を削減することにより、容量はそのままで省スペース化を実現。一般的な90cm幅のキッチンボードなら、ウォーターオーブン「ヘルシオ」(本体幅490mm)の横に、2.4Lタイプのヘルシオ ホットクックを並べて設置することもできるそうです。
本体幅が2.4Lタイプは約13%、1.6Lタイプは約9%削減されました
炊飯器を置くスペースにも、収まるサイズ感(写真は2.4Lタイプ)
2.4Lタイプの新型「KN-HW24G」には、レッド系とホワイト系がラインアップ。サイズは345(幅)×305(奥行)×256(高さ)mmで、市場想定価格は77,000円前後(税込)。2021年9月中旬発売予定
1.6Lタイプの新型「KN-HW16G」には、新色のブラック系とホワイト系がラインアップ。サイズは330(幅)×282(奥行)×240(高さ)mmで、市場想定価格は66,000円前後(税込)。2021年9月中旬発売予定
ブラック系は、これまで1.6Lタイプにはもちろん、2.4Lタイプにもない新色。1Lタイプにはラインアップされていいますが、質感が異なり、1.6Lタイプのブラック系はマットで重厚感があります
ヘルシオ ホットクックは、調理中に鍋の中の食材をかき混ぜる「まぜ技ユニット」を備えているのが大きな特徴。普通の鍋を使ってコンロで調理する時と同じように、調理の途中でかき混ぜることで、食材の焦げ付きや味の染み込みムラが軽減されるのはもちろん、炒め物も“おまかせ”で作ることができます。2.4Lタイプと1.6Lタイプの新型は、このまぜ技ユニットの最大回転スピードが約2倍にアップ。これにより、加熱時に食材をかき混ぜるだけでなく、食材をつぶしたり、泡立てることもできるようになりました。
まぜ技ユニットの形状は同じですが、設計を根本から見直すことで回転速度を向上。まぜ技ユニットのアームは調理の必要なタイミングで開き、内鍋内をかき混ぜてくれます
当然ながら、常に最高速度でかき混ぜるわけではありません。2.4Lタイプと1.6Lタイプのまぜ技ユニットには負荷センサーが搭載されており、食材の量ややわらかさに合わせて回転スピードが制御されます
まぜ技ユニットの最大回転スピードがアップしたことで、卵をかき混ぜるなどの加熱前の準備や、加熱後の食材をつぶすといった仕上げも行えるように
進化した「まぜ技」でできるようになった調理を試してみました。まずは、ポテトサラダ。従来モデルは食材をゆでることはできたものの、食材をつぶすのは手動となるため、マッシャーなどの調理器具が別途必要でした。その点、新型は食材の加熱からつぶしまで全自動で実行されます。
まぜ技ユニットを装着し、内鍋にカットしたじゃがいもと玉ねぎ、にんじん、水(大さじ4)を入れます
自動調理メニューの「ポテトサラダ(ゆで〜つぶし)を選択し、スタートボタンを押したら、あとは待つだけ
約25分後に加熱終了。内鍋の中を見てみると、想像していたより、じゃがいもの形が残っています。失敗したのかも!? と不安を抱きつつ、レシピに記されている次の工程「きゅうりやハム、マヨネーズ、塩、こしょうを入れて混ぜ合わる」のとおりに進めてみることにしました
追加の材料と調味料を入れてヘラで混ぜていると、自然とじゃがいもがつぶれ、イメージしているポテトサラダになりました! 普通に混ぜていただけなので、力を込めたり、つぶそうと意識したわけでもありません
出来たての温かい状態で食べるのが、特においしい! にんじんはじゃがいもと一緒に加熱しましたが、形がキレイに残っていて見栄えもいい感じです。なお、まぜ技ユニットの回転スピードがアップしたということですが、運転音は気になりませんでした
ポテトサラダと同じ要領で作る、コロッケの具の自動調理メニューも搭載。具を成形するところからは、手動となります。
「ポテトコロッケの具」と「かぼちゃコロッケの具」という自動調理メニューがプリインストールされています
加熱後に食材をつぶす作業だけでなく、加熱前に食材を混ぜることもできるようになりました。もちろん、従来も調理中に内鍋内の食材をかき混ぜることはできましたが、新型は卵を溶く工程から対応可能に。卵と野菜を入れて焼き上げるオープンオムレツを作る場合、ほかの材料と一緒に内鍋に卵を割って入れるだけで作れます。
カットした野菜とチーズ、ウインナー、そして調味料を内鍋に入れ、卵も投入。前モデルでは、溶きほぐした卵でないと作れませんでした
自動調理メニューの「オープンオムレツ(材料まぜ〜焼き上げ)」を選択し、スタートボタンを押します
約1時間後、焼き上がりました。卵もしっかり溶きほぐされており、白身と黄身が分離しているところもありません(白く見えるのは具材のプロセスチーズです)
お皿に移し替えれば、1品完成。卵に火が通り過ぎてパサパサになることもなく、野菜の食感も残っていて、食感もおいしい!
このほか、高速で回転するようになったまぜ技ユニットを装備した新型は、ホイップクリームの泡立てにも対応。なお、ホイップクリームはクラウドサービス「COCORO KITCHEN」からダウンロードするメニューとなるため、Wi-Fiに接続できる環境が必要です。
乳脂肪分40%以上の生クリーム200mlと砂糖15gを内鍋入れ、自動調理メニューで調理すれば、約3分でホイップクリームが完成
ちなみに、ホイップクリームを作る前に、内鍋は10分以上冷凍室で冷やしておく必要があります
1Lタイプは、デザインやまぜ技ユニットの回転速度は従来と同じなため、食材をつぶしたり、泡立てる調理には対応しませんが、これまで2.4Lタイプ(KN-HW24F)と1.6Lタイプ(KN-HW16F)でしかできなかった、ローストビーフなどの本格的な「低温調理」や、オープンオムレツやじゃがいものガレットなどの焼き物メニューが作れるようになりました。
新たに搭載された低温調理メニューでは、サラダチキンやローストビーフ、ローストポーク、ツナなどが作れます。ジッパー付きの食品保存袋に食材を入れて作るので、内鍋などが汚れにくいのも魅力。写真は1.6Lタイプですが、1Lタイプも同様の方法で作ります
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1Lタイプの新型「KN-HW10G」には、ブラック系とホワイト系がラインアップ。サイズは220(幅)×305(奥行)×240(高さ)mmで、市場想定価格は50,000円前後(税込)。2021年9月中旬発売予定
今回新しく発表された3モデルには、すべて無線LANが搭載されており、クラウドサービス「COCORO KITCHEN」からメニューをダウンロードして本体に登録することができます。そんな「COCORO KITCHEN」が、各ユーザーに合わせたおすすめのメニュー提案をしてくれるように進化。たとえば、使い始めの人には「チキンと野菜のカレー(無水カレー)」などの定番メニューをおすすめし、慣れてきた頃に、蒸し物や低温調理メニューなどを提案してくれます。
使いこなし度に合わせてメニューを提案してもらえるので、新しい料理にチャレンジする機会が増えるかも!?
「COCORO KITCHEN」にあるメニューの中から興味のあるレシピを本体にまとめて登録できる「クックリスト」機能も追加。テーマごとにレシピを登録しておけるので、操作がよりスムーズに行えます
モノ雑誌のシロモノ家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。アウトドアからオタク系まで意外と幅広くイケちゃいます。