アラジンのオーブントースターと言えば、価格.comのトースターカテゴリーにおける売れ筋ランキングで常に上位に入っている人気製品。そのシリーズに、新たなフラッグシップモデルである「Aladdin グラファイト グリル&トースター CAT-GP14A/AET-GP14A」(以下、CAT-GP14A)が登場したのは、2021年4月のことでした。しかしこちら、発売直後から人気爆発で、初回ロットはすぐに完売。この4か月間で何回か再販しつつも、売り切れていることのほうが長いという大ヒットとなっているようです。
今回はこのCAT-GP14Aを、リアルに普段の食事作りで使ってみたのでレビューしていきましょう。実は筆者、自宅でアラジントースターの従来モデル(4枚焼き)を使っているアラジン愛用者でもあります。そんなユーザー目線も入れつつ、最新の大人気モデルをレポートしたいと思います!
(※2021/9/22追記:記事内では直販モデルである「CAT-GP14A」を使用してレビューしていますが、現在は量販店モデル「AET-GP14A」が登場しています)
というわけで、まずはCAT-GP14Aの基本スペックから見てきましょう。約0.2秒で発熱する遠赤グラファイトヒーターによって、食材を素早く加熱し、短時間でおいしく焼き上げるというアラジントースターならではの特徴は従来モデルから継承。では何が新しいかというと、本機はアラジントースター初のマイコン制御に対応したモデルなのです。
これまでのアラジントースターは、温度とタイマーだけを設定して動作させるシンプルな製品でした。それがCAT-GP14Aでは、マイコンの搭載により、自動調理のメニューが新たに搭載されたのです。「トースト」「冷凍トースト」「温め(オーブン)」「高温グリル」「煮る」「蒸す」「低温調理(発酵)」「炊飯」と、さまざまな調理メニューに対応。今回は、その各モードをひとつずつレビューしていきますよ!
本体サイズは391(幅)×276(高さ)×391(奥行)mm。下記の従来モデルよりもひと回り大きめですが、デザインのおかげかそこまで圧迫感はありません。トースターとしては4枚焼きモデルとなります
こちら、筆者が普段愛用している「AGT-G13A」(4枚焼きモデル)です。本体サイズは360(幅)×250(高さ)× 355(奥行)mmで、CAT-GP14Aよりひと回り小さい
庫内は、上部に1基の遠赤グラファイトヒーター、下部に3基の石英管ヒーターを搭載しています。この辺りのヒーターの構成は、従来モデルのAGT-G13Aと共通。庫内容量も310(幅)×107(高さ)×278(奥行)mmと、AGT-G13Aとほぼ同じです
焼き網の位置を上段と下段で変えることができるようになっています。オーソドックスにトーストをするときは上段へ、後述するグリルパンなどの調理器具を使って調理をするときは下段へ焼き網をセットします
そしてコレ! マイコン付きモデルなので、本体フロントにデジタルの操作部を搭載しているのがアラジンユーザーとしては新鮮
調理モードはこのダイヤルを回して設定します。機能性は高いのですが、デザインはシンプルで使い方がわかりやすいところが好印象
そしてCAT-GP14Aで注目したいのが、付属品です。さまざまな調理に使えるグリルパンや、蒸しもの用の「すのこ」、炊飯用の専用釜など、自動調理モードを使うにあたって必要なアイテムがちゃんと付属してくるのです。
大活躍するのは、ホーロー製のグリルパン。白いほうの深皿は大きいので、4人分くらいのおかずが作れます。黒いほうの浅皿にも食材を載せて焼くことができますが、こちらは深皿にかぶせてフタにする使い方が多いと思います
こちらは、上記のホーロー製のグリルパンと組み合わせて使う蒸しもの用の「すのこ」
こちらは炊飯用のお釜と計量カップです。炊飯釜は、熱が伝わりやすいアルミ製
アラジンのオーブントースターと言えば、何よりもパンがおいしく焼けることで大人気。というわけでまずは、オーブントースターの基本機能となる、CAT-GP14Aの「トースト」モードと「温め(オーブン)」モードから試していきましょう。
さっそくここで、CAT-GP14Aが従来のアラジントースターと異なるポイントがひとつ。それは、パンを焼く「トースト」モードの温度と加熱時間が自動で設定されていることです。CAT-GP14Aでは、温度センサーとマイコン制御によって、トーストの最適な焼き時間を自動算出してくれるのです。
従来のアラジントースターはアナログ操作だったので、自分で温度設定やタイマーを調整する必要がありましたが、遠赤グラファイトヒーターの立ち上がりが早いのもあって、ちょっと油断するとパンが焦げてしまうこともありました。それがCAT-GP14Aでは、マイコン制御のおかげで焼きすぎるという失敗がなくなったのです。
実際にトーストしてみると、とにかくパンがおいしく焼けるアラジントースターとしてのクオリティはしっかり継承されていました。焼いている途中から、パンの甘くて香ばしいニオイがキッチンに充満して空腹感を促進させてくる! そして焼き上がったトーストを食べてみると、外カリ、中フワの間違いないおいしさです。これが失敗なくできるというのがイイ!
焼き網を上段にセットしてトースト
焼き色を5段階から選べるようになっています
焼き色・真ん中(2分20秒)でトーストしたところ
表はこんがりきつね色で、中身のフワッとモチモチ感もキープ! ウマイ!
CAT-GP14Aの「トースト」モードは、焼き色を5段階から選べます。上記のトーストの写真は、真ん中(3)の焼き色で焼いてみたところですが、中身のモチモチ感もキープしつつ、表面のカリッとしたトーストっぽさもあって、バランスのよい焼き上がりでした。
なお、薄めの焼き色を選ぶと中身のモチモチ感がバツグンで、濃いめの焼き色を選ぶとサクッとトーストした感があります。その日の気分や好みに合わせて、焼き色を手軽に調整できるのがうれしい。
左が薄め(2)の焼き色(2分10秒)、右が濃いめ(4)の焼き色(2分30秒)です
余談ですが、「トースト」モードで焼き網を上段に設置している場合は、ドアをオープンしたときに金具が焼き網に引っかかって、焼き網が手前にうまく引き出される設計になっています。しかも、引っかかった金具は引き出している間に自然と外れて、最終的にはドアがフルオープンできます
お餅を焼いたり、冷凍ピザを焼いたり、揚げ物を温め直したり……CAT-GP14Aでオーソドックスなトースター機能を使いたいときは、「温め(オーブン)」モードを選べばOKです。アラジンのトースターって、遠赤グラファイトヒーターで素早く火を通すおかげか、加熱し終わったあとに食材のおいしさがしっかり生きている感じなんですよね。もちろんCAT-GP14Aにも、その特徴はしっかり備わっていますよ!
アラジンのオーブントースターと言えば、焼いたお餅がウマイ! 冷凍ピザも5〜6分でこんがり! 遠赤グラファイトヒーターで素早く高温で焼き上げるためか、食材そのものの味が損なわれずおいしく仕上がっている気がするのです
続いては、CAT-GP14Aを毎日の食事作りに使う目線でレビューしていきましょう。リアルに日々の料理で使える便利なモードは、「グリル」と「煮る」だと思います。
CAT-GP14Aで焼き物のおかずを作るなら、「グリル」モードの出番です。余熱が不要なので使い勝手がよいですし、最大320℃の高火力を実現するのがポイントです。「グリル」モードで調理する基本手順は、ホーロー製のグリルパンに食材を入れて、フタを閉めて庫内にセットして加熱するだけ。特に大容量の深皿のほうに食材を入れると、4人分くらいのおかずを一気に作れてとても便利です。
「グリル」モードは手動で温度設定ができるので、一般的なオーブントースターの感覚で臨機応変に使えます。メニューに合わせて、温度と加熱時間を調整しましょう。
「豚肉とキノコのみそバター焼き」を作ってみました。豚ロース肉、タマネギ、キノコ類をグリルパンに入れ、白ワイン・みそ・しょう油を混ぜた合わせ調味料を上からかけて、バターを載せるだけ
グリルパンのフタを閉めて、「グリル」250℃で約12分加熱します。グリルパンを使うときは、焼き網は下段に設置
肉はやわらかくジューシーに、タマネギやキノコは甘く仕上がっています! 食材のうま味がギュッと凝縮したおかずを作れるのが、アラジントースター調理の魅力
お皿に盛り付けてパセリを振れば、ボリュームのある豪華なおかずに! アラジントースターで焼くと、とにかくタマネギが甘くておいしくなるんですよね
「グリル」モードでグラタンも作れます。チーズが上に乗るおかずをアラジントースターで作るとおいしい!
もうひとつ、使い勝手のよいメニューが「煮る」モードです。ビーフシチューや煮物、さらにリゾットなんかも作れちゃいます。「煮る」モードは温度設定が自動なので、タイマーだけ調整すればあとはおまかせ。筆者はビーフシチューを試してみましたが、これが本当に簡単でした。加熱時間は50分程度なのですが、この間はCAT-GP14におまかせでほったらかせるから、とてもラク。あとグリルパン(深皿)が大容量なので、こういう汁物が作りやすいのもイイ感じです。
ビーフシチューの作成手順ですが、まずはグリルパン(深皿)の中に、デミグラスソース(缶詰)、水、赤ワイン、中濃ソース、ケチャップ、塩、砂糖、コショウを入れて混ぜます。続いて、具材であるタマネギ、ジャガイモ、ニンジン、牛肉、マッシュルームを入れて全体をざっくり混ぜてならし、最後にローリエを置いて準備完了。あとは、グリルパンのフタを閉めて、「煮る」で50分加熱すれば完成!
ジャガイモはホクホク、牛肉の中身はしっとりと仕上がっていてスゴい! 特にお肉が硬くならないのが最高です。材料を切ってグリルパンに入れて加熱しただけで、こんなにうまく作れるとは!
なお、ビーフシチューの作り方は、↓以下記事にて動画で詳しく紹介しています。
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いよいよここからは、マイコンモデルならではの調理メニューである「蒸す」「低温調理」「炊飯」を試していきましょう。これらのモードを使うと、加熱中に庫内のヒーターがひんぱんに点灯を繰り返しているのが見えて、かなり緻密に温度制御を行っているのがわかります。従来モデルのユーザーとしては「ああ、マイコン付きだなあ」と感慨深いです(笑)。
特に筆者が関心したのは「蒸す」モード。蒸し器を使わずに蒸すことができるのは、手軽に料理の幅も広がるし、本当に便利ですね。温度も自動設定なので、タイマーをセットするだけであとは完全にトースターにおまかせです。
魚・野菜・キノコなどの食材でヘルシーな蒸しものも作れますが、感動したのは、シュウマイや肉まんといった「ちゃんと蒸したほうが絶対的においしい食材」を加熱したときですね。シュウマイや肉まんて、蒸し器を使うのが面倒だから、電子レンジで適当に温めてしまうじゃないですか。そして、加熱調整を失敗して硬くなってしまうという……。CAT-GP14Aがあれば、トースターにおまかせでふんわりおいしく蒸すことができるうえ、最後に蒸し器を片付けなくてよいから超ラクです。
蒸しものをするときは、グリルパンの深皿に水150mlを入れ、上からすのこを敷きます。
すのこの上に食材を置いてグリルパンのフタをして、トースターにセットすればOK。シュウマイの場合は「蒸す」に設定して10分も加熱すれば完成です。見た目にはいまいち代わり映えがしないように見えますが……
割ってみると、ふっくらジューシーですごくおいしい……! 中身がふっくらと仕上がるのは、ちゃんと蒸しているからです。やはりシュウマイは電子レンジよりも、蒸したほうが絶対的においしいなと実感
そのほか、蒸しもの系おかずもばっちり! こちらはすのこの上に広げたクッキングシートに、白身魚(タラ)とキノコとタマネギを置いて、料理酒・みそ・しょう油の合わせ調味料をかけて酒蒸しにしたものです。蒸しものが簡単に作れると、料理の幅がものすごく広がりますね
そしてこれもスゴかった! CAT-GP14Aは最近人気の「低温調理(発酵)」も自動でできちゃいます。これこそ、マイコン付きで温度制御ができるからこその調理メニューですね。「低温調理(発酵)」モードは、40℃〜90℃の範囲で温度設定できます。
筆者はサラダチキンを作ってみたのですが、とにかく感動したのは、調理手順があまりにも普通だったこと。通常の低温調理でよくある、食材をジップロックに入れてお湯の中につけるといった手順が一切ないのです。CAT-GP14Aでは、下ごしらえをした鶏むね肉をグリルパンに入れてフタをして、「低温調理(発酵)」モードで加熱するだけ。つまり、「温め(オーブン)」や「グリル」なんかで作る普通のおかずと、感覚的に変わらない手順なのです。
皮を取った鶏むね肉に、塩・砂糖・酒をもみ込んで15分ほど放置したら、すのこを敷いたグリルパンに並べます。その上に、ネギ(青い部分)とスライスしたショウガを置いたら準備完了。グリルパンのフタを閉めてCAT-GP14Aにセットし、「低温」モード80℃で70分間加熱するだけ
70分後、完成したチキンを切り分けてみると……ちゃんとできてる! まさにこれぞ低温調理で作ったチキン。期待していたしっとり感! もう感動でした
ネギ・しょう油・砂糖・みりんを混ぜて作ったネギダレをかけていただきました。死ぬほどおいしかったです。こんな料理上級者のメニューがこんな簡単にオーブントースターで作れるなんて……
残ったチキンは、翌日にアレンジ! オリーブオイル、コショウをかけてとろけるチーズを乗せ、CAT-GP14Aの「グリル」モードで焼きました。これもまたおいしかった……。チキンのやわらかさそのままにグリルできるんです
最後のメニューは「炊飯」です。従来モデルのアラジントースター(CAT-GP13A)でも、付属のグリルパンを使ってご飯を炊くことは可能でしたが、CAT-GP14Aではついに専用の炊飯釜が付いてくるようになりました。ちなみに、浸水時間を少なくするとさっぱりシャキシャキ、浸水時間を多くするとふっくらもちもちになるので、好みに合わせて調整できます。
専用の炊飯釜は、熱が伝わりやすいアルミ製。独自の炊飯プログラムによって、ご飯をおいしく炊きあげます(お米は2合まで炊くことが可能。1合の場合28分、2合の場合30分で炊き上がります)
しっかりご飯が立っていて、ハリがある! 個人的には、浸水時間を長くしたほうがおいしく炊ける印象でした
従来のアラジントースターと異なるCAT-GP14Aならではの魅力は、言うまでもありませんが、やはり高機能化です。マイコン付きになったことにより、さまざまな調理モードに対応したその機能性は、もはや「自動調理家電」としての使い勝手に近いところがあります。普段のオーブントースター調理と同じノリで、料理の幅が広がるのがすばらしい。
その半面、ユーザーにはさまざまな調理モードの使いこなしが求められるという部分も。自分が作りたい料理に、どの調理モードが最適かというのを把握する必要があるわけです。かなり使いこなしがいのあるオーブントースターと言えるでしょう。
また、グリルパンの使い勝手についても言及しておきましょう。これまで見てきた通り、CAT-GP14Aで料理をするときはこのグリルパンが大活躍しますが、どうしてもホーロー製で少々重いため、取り回しの手軽さという面では落ちるかもしれません(AGT-G13Aに付属するコンパクトなグリルパンのほうが手軽です)。しかし、ホーロー製のおかげで汚れに強く、ニオイも残りにくいので、洗ってキレイに保ちやすいのはかなり魅力です。
やはりどうしても焼き物調理をしたあとは、グリルパンが汚れます。しかし……
一般的な台所用中性洗剤で洗えば、グリルパンの汚れはスルリと落ちます。頑固にこびりついた焦げ目などは、重曹とクエン酸を駆使する必要もありますが、それでもほとんど焦げ目の跡が残らずキレイに保てるのはうれしいところ
なお、設計的に少々難を感じる部分をあえてあげるなら、ドアを開けないとパンくずトレイが取れないところでしょうか。こんな感じで、ドアの内部に収納されている設計になっているんです
というわけで、アラジンのオーブントースターの新たなフラッグシップモデル、CAT-GP14Aをチェックしてきました。普段からアラジントースターの従来モデルを使っているユーザー目線で言うと、「機能性の進化に大感動!」です。そして、いろんな料理に挑戦してみたくなるオーブントースターでもありました。ただ、冒頭でお伝えした通り大人気で売り切れていることも多く、購入するなら再販のタイミングを狙わなくてはならないことだけが大変ですが……。
オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。