私、自堕落王(ジダラキング)は、胃がちょっと弱めなので、基本的に4シーズン、ずっと飲み物はホットがありがたい。そのため、「そろそろコタツとか片付けるかなー」というこの時期になっても、大体熱いほうじ茶をすすっていたりします。
ただ、冷たいお茶なら、ペットボトルを冷蔵庫に放り込んでおけばいつでも飲めるのに、熱いお茶はいちいちお湯を沸かして淹れなきゃならないのが面倒臭い。というか、ヤカンに水をくむ→コンロにかけて沸かす→お茶を淹れる→マグカップに移して飲む……って、ステップ多過ぎないですかね? もうちょっと単純化して、マグカップで沸かしてそのまま飲む、ぐらいまで持っていけたら最高なんですけども……。
上記のステップ、ヤカンを電気ケトルに変更しても作業量にあまり差はありません。しかし、電気ケトルから直でお茶が飲めれば、もしかして大幅に省力化できるのでは!?
見た目もだけど、電気ケトルから直飲みは、まず100%ヤケドするのでダメ、絶対
いや、さすがにそれはビジュアル的にもひどいし、取り回しの点で逆に面倒臭そうな気が。それなら、ビジュアル的に問題なく、取り回しもラクな電気ケトルがあればよいはず。いっそ、マグカップ型の電気ケトルがあれば、話は解決するんですよ。
マグカップでダイレクトにお湯が沸かせて、そのまま飲める「Cook Mug」(エレコム)
ということで取り寄せてみたのが、エレコムのマグカップ型電気鍋「Cook Mug」です。
お湯が沸かせて、それをそのまま飲めるマグカップというわけで、これはまさに欲しかったやつ! 実際、やや大ぶりではありますが、見た目も完全にマグカップ。そのまま口をつけて飲むにも問題のない雰囲気でしょう。
加熱時は、本体下部のソケットに電源ケーブルを接続
本体側面に搭載されたタッチスイッチで、モードや温度設定を行います。写真は、「Boil(湯沸かし)モード」で100℃の設定
お湯を沸かすには、マグに水を注いでから電源ケーブルを接続し、側面にあるタッチスイッチで「Boilモード」から温度を選択(45/60/100℃)します。
あとは、内蔵ヒーターが設定温度になるまで加熱してくれます。また、加熱終了後は、最大8時間までの「保温モード」に自動で移行。電源ケーブルにつながっている限りは、設定温度をキープし続けるようになっています
ちなみに、割とジャマになるので、飲む際にはケーブルは抜いたほうがよさそう。
350mlの20℃の水を沸騰させるまでに、実測値で10分弱。意外と時間はかかるかな……?
あとは、沸いたお湯に直でティーパックを放り込むなり、インスタントコーヒーを投入するなりで、手間なくホットドリンクが飲めるというわけ。沸かしたところから直飲みなので、温度が下がることもありません。半端なくアツアツです。
なお、100℃設定にすると、マグのフチまでかなり熱くなるので、1〜2分ほど冷ましてから口をつけたほうが安全でしょう。
沸かして即飲む、というダイレクトさが面白い!
ただ、内蔵ヒーターが小さいからか、お湯を沸かすのに10分近く時間がかかったのは残念なところ。ヤカン+ガスコンロなら、その1/3以下の時間で沸かせちゃうので、時短効果はない!と言い切れるレベルです。
ただ、お湯を沸かしてから飲むまでの省力化という点では、この「マグカップ直沸かし方式」がベストに近いはず。「あー、今思いっきり手間を省いてラクしてるなー」という満足感に浸れます。
ところで、この「Cook Mug」という製品名の「Cook(料理)」の部分、引っかかりませんか?
実はこの製品、単にお湯を沸かすだけでなく、煮込み調理が可能な「Stewモード」が付いているんです。だからジャンルも、「マグカップ型電気ケトル」ではなく「マグカップ型電気鍋」という話で。
単にお湯を沸かせるマグカップというだけであれば、同様の製品はいくつかあります。が、さすがに煮込み調理対応マグカップというのは、ほかにはないでしょう。
マグカップのレビューには、まず登場しないであろう食材群。これを煮込んでいきます
「Stewモード」は、煮込み時間を10/40/70分からセレクト可能。100℃キープで、設定した時間、ずっとグツグツと煮込み調理を行ってくれます(時間が来ると、ヒーターが自動でオフ)。
煮込み料理は、基本的にコンロに付きっきりになりがちです。つまり、手間でかつ面倒で、ラクじゃない。しかし、火加減とかまったく気にしなくてよい電気鍋なら、完全放置でOKです。具材と水、調味料を放り込んでスイッチをオンにしたら、もうあとは何もしなくてよい。これは、間違いなく自堕落な人向けの家電と言えるでしょう。
「Stew(煮込み)モード」では、タイマー設定した時間中、ずっとグツグツと加熱が続きます
ショートパスタを放り込んで煮込みスープパスタや、味噌汁、雑炊なんかも簡単ですが、個人的におすすめなのが、ひとり用カレーです。
冷凍の炒めタマネギや、ニンジン、ジャガイモなんかを小さめに刻んで(面倒なら冷凍のミックスベジタブルでも可)、水と一緒に調理スタート。まず、10分タイマーでいってみましょう。
ニンジンとジャガイモに火が通ったら、牛肉も入れて煮込みます
目安としては、1皿分のカレールー(1箱で6皿分なら全体の1/6)を入れると適量です
最初の煮込みが終わったら、ザッと表面のアクをすくって、薄切りの牛肉を投入します。で、また10分タイマーをセット。
最後に、板チョコ状のカレールー(5〜6皿用)を1かけら割って入れてかき混ぜ、とろみがつくまで少し追加で煮込めば完成!
レトルトではない手作りのカレー1人前が、割と簡単にできちゃいました。あとは、ごはんにザバーッとかけて、いただきましょう。
調理開始から30分以内で、ひとり分のカレーが完成!
マグカップで煮込んだカレー、問題なくウマいです
さて、食後の後片付けですが、さすがに電源ユニットとヒーター内蔵の家電なので、普通のマグカップのように丸洗いはできません。
まず、中の汚れをキッチンペーパーでザッと拭ってから、スポンジに薄めた中性洗剤をつけて洗って、ゆすいでください。重要なのは、本体外側を濡らさないこと。一応、電源ケーブルの挿し込み口にはゴムキャップが付いていますが、万が一ってこともありますし。
本体の洗浄には、水筒などを洗う用の柄付きスポンジが便利。洗剤や水が本体の電源周りにかからないように注意しましょう
個人的には、ドリンク用の小型湯沸かしとして使うよりも、この煮込み調理の「Stewモード」が使いやすい印象でした。なんせ、従来の電気鍋ってサイズの大きいものばかりなので、ひとり用の調理はかなり難しい。ひとり暮らしにジャストな煮込み料理が、放置しておけばできあがるのって、実はかなりありがたいんですよね。
単身者の“自堕落調理家電”として、なかなかにおすすめです。
最新機能系から雑貨系おもちゃ文具まで、何でも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は大手文房具店の企画広報として企業ノベルティの提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。