過度な熱を加えずに“風”でスタイリングするダイソンのヘアスタイラーに新モデル「Dyson Airwrap マルチスタイラー(ダイソン エアラップマルチスタイラー)」が登場。アタッチメントを交換することで幅広いスタイリングが行えるのは従来モデルと同じですが、そのアタッチメントが刷新され、髪の毛を乾かす、巻く、ブローがよりスムーズに速くできるようになったほか、「浮き毛を抑える」という新しいモードも使えるようになりました。
「ダイソン エアラップマルチスタイラー」には、「コンプリート(HS05 COMP BNBC/HS05 COMP FBN)」と「コンプリートロング(HS05 COMP LG BNBC/HS05 COMP LG FBN)」の2シリーズが用意されています。どちらも本体の持ち手部分の太さ(41×47mm)とブラシなどの種類は同じ。カーラーの長さが異なるので、髪の毛の長さに合わせて選びましょう。メーカー直販価格は63,250円(税込)
付属する、スタイリングのためのアタッチメントは6種類。写真には「Airwrap カーラー」が4つありますが、手前側が「コンプリート」に、奥側が「コンプリートロング」に付属するものです
販売経路で用意されているカラーは異なります。家電量販店などで購入できるカラーは、写真左の「ニッケル/コッパー」と「フューシャ/ニッケル」の2色
「ダイソン エアラップマルチスタイラー」の基本的な仕組みは、2018年に登場した「ダイソン エアラップスタイラー」と同じです。最大110,000/分回転する「ダイソン デジタルモーター V9」によって生み出された3.2キロパスカルの風圧により、高速で高圧の気流が物体の表面に沿って流れ、周りの空気を引き寄せる現象「コアンダ効果」がアタッチメント周囲に発生。連続的に流れる風が髪の毛を引き寄せ、カーラーの場合、クルクルッと髪の毛を巻き付けてヘアスタイルを完成させます(下の動画参照)。その際、温風の熱を利用しますが、放出される温風は150℃を超えないように制御されているため、一般的なコテ(カールアイロン)より低温で、髪の毛が傷みにくいのも特徴。髪の毛が濡れた状態でスタイリングするのが基本的な使い方となっていますが、これも高温の熱で髪の毛の形状を変えずコアンダ効果によってスタイリングできる重要なポイントなのだそう。また、濡れた髪を乾かすのと同時にスタイリングできるので、時間が短くて済むのもメリットです。
ダイソン エアラップマルチスタイラーで髪の毛を巻く際の使い方は、独特。濡れた状態の髪の毛を、毛先から巻いていきます。さらに、一般的なコテ(カールアイロン)の場合、コテを回して巻いていくのが普通ですが、ダイソン エアラップマルチスタイラーはカールさせたい部分の髪に近づけるだけでOK。手首をひねって巻かなくても、自動でカーラーに髪が巻かれていきます。
一般的なヘアスタイラーは髪の毛が乾いた状態でスタイリングするため、高温の熱で髪内部の水素結合を切り、形状を変えますが、ダイソン エアラップマルチスタイラーは水素結合が分解されやすい髪の毛が濡れている状態でスタートするので、過度な熱を加える必要がなく、コアンダ効果によって乾かしながらスタイリングできるのです
操作部は従来モデルと同じ。風温(冷風/低温/高温)と風量(弱/中/強)は3段階で調整可能。電源スイッチを上にスライドさせると、冷風が出る仕組みも装備されています。カーラーで髪の毛を巻く際は温風を使い、髪の毛が乾いたタイミングで冷風に切り替えて冷やすとカールに形状しやすくなるとのこと
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ここまでは従来モデルでもできることを紹介しましたが、ここからは新しくなったアタッチメントを見ていきましょう。「Airwrap カーラー」は、従来モデルでは内巻き用、外巻き用のカーラーが用意されており(30mmと40mmのタイプどちらにも)、ミックス巻きのスタイルを作るためにはカーラーを付け替える必要がありました。いっぽう、新モデルではカーラー上部にある「クールチップ」を回転させるだけで、カールの向きを内巻きと外巻きに切り替えられるように。使い勝手がよくなったのはもちろん、カーラーの数が2つ少なくなったのもうれしいポイントです。
髪の毛を巻く際に使用する「Airwrap カーラー」を装着したダイソン エアラップマルチスタイラー。太さの異なる30mmと40mmのカーラーが付属します
0.6mm幅の通気孔から高圧の風が均一に発生。カーラーの周囲に流れる風が、コアンダ効果で髪の毛を引き寄せて巻き付けます
カーラー上部の突起が「クールチップ」。クールチップを回転させるだけで、ひとつのカーラーで内巻き/外巻きを切り替えられます(下の動画参照)
もっとも新しいアタッチメントが「スムージングドライヤー」です。従来モデルで髪の毛を普通に乾かす際には、ダイソンのヘアドライヤー「Supersonic」に似た形状のアタッチメント「プレスタイリングドライヤー」を使いましたが、新モデルのスムージングドライヤーは形状も構造もまったく別物。従来よりも風を集中させて放出することで、素早く効率的に髪の毛を乾かせるようになりました。
正面(右写真)に吹出口がある状態にすると、普通のドライヤーとして使えます。従来モデルのアタッチメントより範囲が絞り込まれたため、根元まで風が届きやすい印象。発表会にいたスタッフによると、腰まである長い髪の毛でも10分くらいで乾かせたそうです
さらに、スムージングドライヤーの上部にある「クールチップ」を回転させると、「浮き毛抑制」モードに切り替わります。このモードにするとサイドから風が出るようになるのですが、髪の表面をなでるように動かすだけで、コアンダ効果で浮き毛が低減。ダイソンによると、縮れ毛と浮き毛を最大平均58%抑えることができるといいます。
上部のクールチップを回転させて、正面に吹出口がない状態になれば「浮き毛抑制」モードに切り替え完了。両サイドにある吹出口から風が出ますが、送風はどちらか片方のみとなります。放出する風の切り替えは、スムージングドライヤーの背面にある金色のパーツを左右に動かせばOK
使い方は、浮き毛を抑えたい部分に当てて動かすだけ(下の動画参照)。コアンダ効果により、アタッチメントの表面に髪の毛が引き寄せられているのか、毛先のほうまで浮いています
仕組みを説明するのはちょっと難しいのですが、コアンダ効果で長い髪の毛を手前に引き寄せ、浮き毛になる短い髪の毛を隠すのだそう
頭頂部に飛び出る浮き毛にも効果あり! ツヤも出たように見えます
従来モデルにも用意されていたアタッチメントですが、新モデルの「スムージングブラシ(ソフト/ハード)はブラシが左右に可動するのがポイント。ブラシ部が2つに分かれており、その間から風が出るようになっています。ブラシの向きに合わせて風の放出が切り替わることで、髪の流れに沿って空気を送り込むことができるため、よりまとまりのあるなめらかなストレートヘアに仕上げられるのだそう。
写真ではわかりづらいのですが、ブラシが左右に動くと同時に風の放出方向も切り替わります。下の動画は、それをわかりやすく視覚化したもの
スムージングブラシによるスタイリングでもコアンダ気流が髪の毛を引き寄せ、サロンで仕上げたようなブローが実現できるとのこと。また、縮れ毛や浮き毛が最大17%抑えられるそうです
ブラシが大きいので、髪の毛が短いと使いにくいのでは? と思っていましたが、コアンダ効果のおかげなのか、数回ブラッシングするだけで、外側にはねていた筆者の髪の毛がキレイにまとまりました
新しいアタッチメントは魅力的だけれど、従来モデルを持っているから新モデルを購入するのはちょっと……と思っている方に朗報! 従来のダイソン エアラップスタイラーでも、アップグレードキットを購入すれば新しいアタッチメントを使うことができます。ラインアップは、カーラーの長さが異なる「コンプリート」と「コンプリートロング」の2種類。入荷次第順次発売となっています。
アップグレードキットのアタッチメントは、従来のダイソン エアラップマルチスタイラーにマッチするカラーを採用
モノ雑誌のシロモノ家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。アウトドアからオタク系まで意外と幅広くイケちゃいます。