ひとり暮らしにぴったりなカセットガス式の卓上調理器「カセットガスホットプレート mini-maru(ミニマル)」がイワタニから登場。かわいらしいデザインですが、カセットコンロの先駆者であるイワタニ製なので、その実力は期待できるはず!
ひとり暮らし向けのホットプレートやグリル鍋は、いろいろなメーカーから発売されていますが、ほとんどが電源コードをコンセントに挿して使用する電気式。その点、今回紹介するミニマルは、カセットボンベをセットして使用するカセットガス式なので、コンセントが足りないからと延長コードを用意したり、電源コードに引っかからないように注意するなどのわずらわしさがありません。
また、筆者のこれまでの経験上、一般的な電気式ホットプレートよりも、カセットガス式のほうが立ち上がりが早い印象。さらに、野菜をおいしく焼き上げるのも、食材をカリッと香ばしく仕上げるのも、直火で焼くガス式のほうがすぐれていると思います。そのうえミニマルは、“いかにも”なデザインではないカラーや形状なのも特徴。インテリア性にこだわる人にもウケそうです。
サイズは約302(幅)×282(奥行)×193(高さ)mm、重量は約2.8kg。丸みを帯びたかわいらしいデザインと、家庭用調理器具にはめずらしいブルー系のカラーが個性的です
プレート内側のサイズは一辺212mmの正方形。フッ素樹脂加工が施されています
一般的なギョウザをプレートに並べてみました。1度に焼くのは12個ぐらいがほどよい感じなので、1〜2人で使用するのにちょうどいいミドルサイズです
さらに、プレートは深さが約23mmあり、フタにも高さを持たせた設計となっているため、プレートからフタ上部までの高さは約560mmあります。厚さ5cmまでの食材ならフタをして調理できるので、じゃがいもやトウモロコシもサイズが合えば丸ごと入れることが可能
プレートを取り外すとリング状のバーナーヘッドが現れます。ゴトクは付いていないため、鍋などを載せて調理することはできません
カセットボンベはマグネットで固定する仕様なので、取り付けは簡単。なお、カセットボンベはイワタニ製を使用しましょう。他社製のボンベを使うと、ガス漏れなどを起こす可能性があります
ボンベ装着部には安全装置を搭載。ボンベが加熱されて内部の圧力が高まると自動的に外れるので安心して使えます
火力は1,100kcal/hと、ほかのカセットコンロやホットプレートに比べると少々低め。火力を最大にしても、炎の状態は一般的なカセットコンロの中火くらいです
火力は高くはありませんが、アルミダイキャスト製のプレートは熱伝導率が高く、素早くプレートが熱くなります。厚さが約5mm(フチ部分を実測)あり、蓄熱性にすぐれているのもメリット。こうした構造により、火力が低くても隅々まで加熱し、しっかりと食材に火を通せるのだそう
ここからは、ミニマルを使って調理します。ホットプレートでは焼き肉やお好み焼きなどを楽しむ人が多いと思いますが、今回はフライパン感覚で使ってみました。
最初に、プレートを加熱します。「点火つまみ」を「ON」のほうに回せば点火できるので、操作は簡単。火力調整もこのつまみで行います
点火したら、念のため、「点火確認窓」で炎の状態を確認しておきましょう。点火確認窓は3面に装備されているので、便利。視認性もよく、火力調整もしやすい印象です
プレートが温まったら、ハーブとニンニク、オリーブオイルに浸けておいた鶏モモ肉とじゃがいもを載せます
フタをして蒸し焼きに。蒸し焼きにすることで鶏モモ肉に火が通りやすくなり、ふっくらとした仕上がりになります。また、フタをしているので周囲に油が跳ねる心配もありません。なお、フタにあるガラス窓には水滴が付いたため、中の様子は確認できませんでした。でも、蒸気の具合は確認できるので安心感はあります
5分ほど焼いたら鶏モモ肉を裏返します。表面にはこんがりと焼き色が付きました。火力は十分です
食材を裏返す際に外したフタは、そのままテーブルに置くと熱でテーブルが傷む可能性があるので、写真のように取っ手を下にして置くといいでしょう。取っ手がフラットで大きめなので、安定感もバッチリ。ただし、フタは熱くなっているので、ミトンなどを用意しておくほうが安心です
鶏モモ肉とじゃがいもを裏返したら、フタをしてさらに5分間焼けば完成。ガスなので火力が強く、しっかりと焼き色が付きました
蒸し焼きにしたので、カリッとした焼き上がりではありませんが、鶏モモ肉はふっくらジューシー
じゃがいももホクホクとした食感で、甘みがあってとってもおいしい
調理後のプレートには食材や調味料の焦げが残っていますが、フッ素樹脂加工が施されているのでこびりついてはいません
洗えば、キレイに取れました。プレートの下にある汁受けも取り外して洗えます
深さのあるプレートと高さのあるフタの特徴を生かせば、蒸し物も作れます。ちょっとおしゃれに、クレームブリュレを作ってみましょう!
プレートの半分くらいまで水を入れて沸騰させます
クレームブリュレの材料を入れ、アルミホイルをかぶせたココットをセット。サイズが約750(直径)×40(高さ)mmのココットを4つ並べることができました
フタをして10分ほど蒸したら材料が固まります
ココットの中の材料が固まったら粗熱を取り、冷蔵庫でしっかりと冷やしましょう
冷えたらグラニュー糖をかけて、トーチバーナーでキャラメリゼ。表面のグラニュー糖が焦げて、アメのように固まれば完成です
簡単なのに、見栄えするデザートが作れました
一般的なカセットコンロと比較すると、1,100kcal/hという火力は決して大火力ではありません。ですが、たくさんの水を沸かすわけではないし、プレートサイズが小振りなので、このくらいの火力でも十分。その分、燃費もよく、連続燃焼時間は約175分と同クラスのカセットコンロに比べて経済的です。また、ミニマルは屋外でも使用可能。使う場所を選ばないので、ピクニックや少人数のキャンプにも最適です。
このように、どんなシチュエーションでもいろいろな調理が楽しめるミニマル。朝はフレンチトースト、ランチにはパエリア、ティータイムにはホットケーキやガレット、夜はステーキというようにいろいろなシーンで活躍してくれるでしょう。「焼く」「蒸す」「煮る」といった、さまざまな調理ができるので、いつでもすぐに使えるよう卓上やその近くに出しっぱなしにしておいてもいいかもしれません。人目につくところに置いてあってもはずかしくない、かわいいデザインですしね。
ホットプレートの定番料理、焼肉もストレスなく楽しめます。フッ素樹脂加工プレートは少ない油で焼けるので、油跳ねはほとんどありませんでした
プレートの深さが約23mmあるので、1袋分の袋麺も作れました。水を450cc入れ、沸騰させて作りましたが、麺は全部浸からないので途中で裏返す必要あります。でも、ほぐれたあとは、普通に鍋で作るのと変わりません。プレートの蓄熱性が高いので、できあがったラーメンはこのまま食べてもいいかも!?(火傷には注意!)
アウトドア雑誌の副編集長職を経てフリーランスとして独立。以降、アウトドアをはじめ、グッズ、クルマ、旅行などレジャー関連を中心に執筆している。