今年から生活家電ジャンルの担当となり、目下さまざまな製品について勉強中の筆者。今回は、編集部にあった電気圧力鍋「Re・De Pot」を使っていろんな家庭料理に挑戦してみることにしました。以前より、電気圧力鍋は時間がかかる煮込み料理も短時間で作れるうえ、すべておまかせで作れる手軽さが気になってはいたものの、実際に使うのはこれが初めて。人生初となる電気圧力鍋の体験談をレポートします。
Re・De Potに搭載されている調理モードは、最大1.8気圧(83kPa)をかけることで100℃を超える高温で調理する「圧力調理」、一定温度で加熱する「スロー調理」、作った料理の温め直しができる「温め調理」の3種類。炒め調理や発酵調理などには対応していませんが、無水調理や低温調理にも対応するので、電気圧力鍋としては平均的なスペックと言えるでしょう。そして、Re・De Potはなんと言ってもデザインがステキなんです。本体カラーは5色用意されており、いずれのカラーもマットテイストで上品な仕上がり。持ち手や操作ボタンなど細部まで洗練されており、目で見ても楽しめる美しいキッチン家電です。
カラーはブラック、レッド、ネイビー、ホワイト、ヒュッゲグレーの5色を展開。これだけ豊富なカラーを展開している電気圧力鍋はめずらしい。なお、ヒュッゲグレーは数量限定カラーです
サイズは288(幅)×222(奥行)×244(高さ)mmで、重量は2.8kg。スリムな形状なので、狭いキッチンに置いてもじゃまになりにくいのがうれしいポイント
今回使用するブラックは、マットな漆黒ボディにゴールドの持ち手が美しく輝いています。キッチンの見えるところに置いておきたくなるデザイン
ディスプレイで、選択中の調理モードや調理時間などを確認可能。「圧力調理」「スロー調理」「温め調理」の選択は、「切替」ボタンで行います
電気圧力鍋といえば、やっぱり圧力調理! ということで、煮物調理に挑戦。Re・De Potの圧力調理には8つの「オートモード」と、1分〜1時間まで加圧時間を設定できる「マニュアルモード」が用意されていますが、初めての経験なので、おまかせで簡単に調理できるオートモードで豚の角煮を作ります。
カットした食材と調味料を内がまに投入し、本体にセット。内がまの調理容量は1.2L(満水容量は2L)なので、だいたい2〜3人分の調理に向いています
ふたをしたら、圧力表示ピンが下がっていることを確認し、圧力切替弁を「排気」から「密封」にセット
あとは、メニュー番号「7」を選択し、「スタート」ボタンを押して調理完了を待つだけ!
調理は「加熱→加圧→減圧→保温」の工程で進みます。5分ほど経つとシューシューッと蒸気が噴き出し、圧力表示ピンが上がりました。10分ほどの圧力調理が完了すると、ピーという音が3回鳴り「減圧」の工程に入ります。この段階ではまだ鍋の中の圧力が高いため、ふたは開けられません
圧力調理完了から30分ほど経過すると、圧力表示ピンが下がり、ふたを開けられるようになりました。減圧完了までの時間はメニューによっても異なりますが、5〜30分ほどが目安です
圧力調理10分+減圧30分の合計40分ほどで、豚の角煮ができあがり
Re・De Potで作った豚の角煮は、肉汁が染みていてやわらかく、中までジューシーでトロトロ。初心者でも本格的な煮物が作れることに感動です! 箸で軽くほぐすだけで切れるやわらかさは下記の動画を参照いただきたい
普通の鍋で作った豚の角煮との違いが気になったので、同じ材料を使ってガスコンロでも作ってみました
普通の鍋だと火加減が難しく、弱火でコトコト煮込んだつもりが、火が通りすぎて肉が硬くなってしまいました。また、水分が飛んで煮立ってしまった分、味が濃くなった印象。煮物に慣れていなくても、簡単に絶妙なやわらかさを出せるのは、電気圧力鍋ならではの強みと言えるでしょう
ちなみに、オートモードに搭載されているメニュー数は8メニューですが、付属のレシピブックには、各メニューで作れる複数のレシピが用意されています。その数は、計72種類。オートモードだけでも、十分に幅広い料理を楽しめそうです
価格.comマガジン編集部スタッフが家電ライターに聞いた話によると、Re・De Potで炊いたごはんがとてもおいしいのだそう。一般的な圧力IH炊飯器は、最高1.2気圧(沸点105℃前後)の圧力をかけてごはんを炊くのが主流ですが、Re・De Potは最大1.8気圧(沸点118℃前後)で一気に炊き上げるため、わずか25分で炊き上げられます。いつもは圧力IH炊飯器で40〜50分ほどかけてごはんを炊いている筆者。果たして、たった25分でどこまでおいしく炊けるのか、楽しみです!
洗ったお米と水を入れた内がまを本体にセット。炊飯は4合まで対応しますが、今回は2合を炊きます。ちなみに、内がまでお米を研ぐとコーティングに傷がつく恐れがあるので、ボウルを使用しましょう。準備できたら、オートメニュー「1」を選択して、炊飯スタート!
約25分で炊き上がりました。粒立ちがしっかりした、ふっくらごはんです。食べてみると、水分はやや多い印象ですが、コシが強く、ほどよいもちもち感が。筆者が使っている圧力IH炊飯器と比べても遜色ない炊き上がりです
初めての豚の角煮がうまく作れたことと、ウワサどおりにごはんがおいしく炊けたことで、Re・De Potを使うのが楽しくなってきた筆者。2か月ほど使い続け、いろいろな料理に挑戦しました。その中から、特に気に入ったものをいくつかご紹介します。
オートモードで作れる料理の中で、特に興味を引かれたのが無水カレー。無水調理ができる電気圧力鍋はめずらしくはありませんが、他社の電気圧力鍋で無水カレーを作った家電ライターや価格.comマガジン編集部スタッフがおいしい、おいしいと言っていたのを聞いて気になっていたので作ってみたのですが、激ハマりするおいしさでした。
内がまに、カットした玉ねぎ、じゃがいも、にんじん、鶏肉の順に入れ、細かく砕いたコンソメキューブとローリエを入れたら、オートモードの「3」を選んで調理スタート!
圧力調理15分+減圧25分ほどでできあがり。水は入れていないのに「なんでこんなに水分が!?」というぐらい水分が溶け出ていることに驚きました。野菜や肉汁のうま味がスープに出ているのか、いい香りがします。でも、これで完成ではありません。カレールーを入れて仕上げます
ローリエを取り出し、カレールーを投入して、おたまでかき混ぜるのは手作業。粘り気の強いものを加熱前に入れてしまうと、ノズルに詰まって正常に動作しなくなる可能性があるため、あとからカレールーを入れて溶かすのは電気圧力鍋では一般的な作り方です
具材をつぶさないようにゆっくりかきまぜ、カレールーが溶けたら完成!
普通の鍋で作ると煮崩れしてしまいがちなじゃがいもの形状も、しっかり残っていました。鶏肉もやわらかくてジューシー。わずか40分ほどの調理だったのに、じゃがいもの芯までホクホク
カレーはとてもおいしいのだけれど、ごはんが欲しい……。でも、Re・De Potで無水カレーとごはんは同時に作れません。同時に調理できないのは当たり前ですが、せっかくならどちらもホカホカで味わいたい。そんなときは、先に炊いて冷凍保存しておいたごはんを電子レンジで温めなおせばいい!
Re・De Potで炊いたごはんは水分が多めなので、冷凍保存したごはんを電子レンジで温めなおしてもツヤがあり、おいしさも損なわれていません
やっぱり、ごはんと一緒に食べると幸せ!
なお、圧力調理後には自動で保温に切り替わります。最大1時間まで保温できるので、調理後すぐに食べられなくてもアツアツをキープ可能
材料が、さつまいもと水だけの超簡単レシピ「ふかし芋」を見つけたので、軽い気持ちで作ってみたところ、これが激ウマ! 実は、Re・De Potには「蒸し台」が付属しており、手軽に蒸し物が作れちゃいます。マニュアルモードでしか作れないメニューですが、レシピにあるとおりに時間を設定するだけなので難しくはありません。このふかし芋があまりにもおいしくて、予約機能を使ってまで何度も作ってしまいました。
準備は、水300mlを入れた内がまに蒸し台をセットし、洗ったさつまいもを入れるだけ
圧力調理を選択し、調理時間を12分に設定(マニュアルモードは1分刻みで、1分〜1時間の間で加圧時間を設定可能。なお、圧力値の設定はできません)
今回は予約機能を使って作るので、「予約」ボタンを押して、調理を開始する時間を設定。予約タイマーは、1時間刻みで、1〜12時間の間で設定できます。あとは、「スタート」ボタンを押せば準備完了
出かけて戻ってきたら、ふかし芋が完成していました! 帰宅が予約設定した時間をすぎてしまいましたが、自動で保温されるのでアツアツのまま
さつまいも本来の甘みがギュッと引き出されていて、皮までおいしい。水とさつまいもを入れるだけの簡単調理なのに、濃厚で甘みのあるふかし芋を味わえるなんて最高!
念のため、電子レンジで作ったふかし芋と食べ比べてみたところ、電子レンジで作ったほうは食感がサクサク。いっぽう、Re・De Potで作ったものはほどよい感じに水分を含んでいて甘さがあり、ふわふわの食感が味わえました。電子レンジは手軽ですが、電気圧力鍋で作ったふかし芋ほどの”しっとり感”を出すのはなかなか難しい……
ちなみに、Re・De Potには、予約調理中に食材が傷みにくいように加熱して温度をコントロールする機能は搭載されていません。取扱説明書にも、肉や魚介類、卵、牛乳などの生ものは予約調理しないようにと記されています。また、予約機能が使えるのは、オートモードの「炊飯」とマニュアルモード(圧力調理)のみとなっています。
最後に紹介したいのが、スロー調理を使った料理です。スロー調理は一定の温度で加熱するモードで、調理温度は40〜100℃の範囲で10℃単位で設定でき、タイマー(加熱時間)は5分〜12時間の範囲で、5〜60分では5分刻み、1〜12時間では30分刻みで設定可能。低温状態をキープして加熱できるので、人気の低温調理にも対応します。ということで、筆者が作って気に入ったのが、メーカーの公式サイトに公開されていた「ローストしないビーフ」。一般的なローストビーフの場合、肉の表面をフライパンで焼いてからアルミホイルで包み、予熱で仕上げますが、「ローストしないビーフ」は先に焼かず、2時間ほど低温で湯煎します。
塩をすりこんだ牛肉を耐熱性のジッパー付き保存袋に入れて、30分〜ひと晩ほど冷蔵庫で休ませます
内がまに約60℃のお湯注ぎ、保存袋ごと肉を入れます。保存袋が浮かないように、封をする際になるべく空気を抜いておくのがポイント
スローモードの場合、圧力はかからないので、ふたを閉めたら圧力切替弁を「排気」モードに合わせます。スロー調理を選択し、調理温度は60℃、調理時間は2時間に設定してスタート!
2時間ほったらかしておいたら完成
仕上げに肉の表面をフライパンでさっと焼けば完成です! 外側は火が通っているのに内側は肉汁が滴るレアに仕上がっていました。買ってきたローストビーフとは違ってカットも自分でできるのがうれしくて、ついつい厚めに切ってしまいましたが、やわらかくて食べ応えがあり、大満足です
今回、初めてローストビーフを作りましたが、これほど楽に本格的な料理が作れてびっくりしました。かなり料理上手になった気分になれたのと、ローストビーフはおもてなし料理としても出せるので重宝しそう。ちなみに、公式サイトにはレシピがたくさん公開されており、サーモンのミキュイやチキンハム、自家製ツナといった低温調理も手軽に作れちゃいます。
筆者はほかの電気圧力鍋を使ったことがないので比較はできませんが、Re・De Potのお手入れはとっても簡単でした。ふたは本体から取り外せるので洗えますし、内ぶたやパッキン、圧力切替弁、排気弁カバー、圧力表示ピンなどもすべて取り外し可能。清潔に保ちやすいのでありがたい。
お手入れ点数は、内がまを入れて6点
お手入れがめんどうだと使わなくなってしまいそうですが、パーツもきちんと洗えて、分解や取り付けもそれほど難しくないので、これなら継続できそう。部品が変形するリスクがあるので、食洗機や食器洗い乾燥機の使用は禁止されています
人生初となる電気圧力鍋「Re・De Pot」を使ってさまざまなメニューに挑戦してみましたが、ほったらかしで何でもおいしく作れてしまう手軽さが、すっかりやみつきに。カレーや肉じゃがなど、いつも普通の鍋で作っていたメニューも、電気圧力鍋の楽さに慣れてしまうと、もう火加減を気にしながら作るのがめんどうに感じてしまいました。夏場はキッチンに立つだけでも蒸し暑くてツラいですし、電気圧力鍋ならエアコンの冷房の効いた部屋でゲームをしているだけで、作れますしね! 自宅で作れる料理の幅も広がって、健康的な手作り料理をたっぷり満喫できました。
Re・De Potは、公式オンラインショップでの価格が14,800円(税込)。1万円台とは思えないほどデザインに高級感があり、キッチンに置いておくだけで毎日の調理がちょっと楽しくなってしまう、そんなワクワク感を暮らしにもたらしてくれるキッチン家電と言えるでしょう。
こちらは、オートモードで作った肉じゃが。具材を入れて23分待つだけで、煮崩れなくホクホクの仕上がりに。野菜や肉から水分が染み出て、やわらかく茹で上がりました
いわし煮は約30分で完成。骨までホロホロで、箸で軽く触れただけでサクッと切れるやわらかさ。しょうがを入れた出汁が身の奥までしっかり染み込んで、サッパリした味わいでした
家電からゲーム、ホビー雑貨まで興味あるモノはひたすらコレクションして試さずにはいられないマニア。心ときめくモノだけに囲まれて暮らしたいという願望があります。