アイロボットのロボット掃除機「ルンバ」に、水拭き機能を搭載した「ルンバ コンボ j7+」(以下、コンボ j7+)が登場しました。床上のゴミを吸引すると同時に水拭き掃除もできる2in1仕様自体はめずらしくありませんが、「コンボ j7+」は“変形”して掃除スタイルを自動で切り替えるのが特徴。本日、2022年11月11日より販売を開始した本製品の詳細を紹介します。
水拭き機能も搭載した2in1タイプのロボット掃除機は、一般的に、本体裏面に装備した水拭き用モップに、本体内の水タンクから水を供給しながら掃除します。ゴミを吸引しながら水拭き掃除もできるのがウリですが、ラグやカーペットにそのまま侵入すると、ラグやカーペットが濡れたり汚れたりする恐れも。ラグやカーペットなどを回避する機能を備えた製品も発売されていますが、その場合、掃除できないエリアができるため、部屋全体を掃除するには「吸引清掃」と「吸引清掃+水拭き掃除」を切り替える必要がありました。
そんな課題を解決するため、「コンボ j7+」は、床材を検知し、自動でモップを持ち上げたり、降ろしたりする「パッドリフティングシステム」を採用。床材に合わせてモップを上下に可動させるロボット掃除機は他メーカーにもありますが、わずかにモップを持ち上げるだけでは毛足の長いラグや絨毯などを汚す可能性があるため、パッドリフティングシステムは、水拭き掃除時にはモップを本体裏に移動させ、吸引清掃時にはモップを天面に持ち上げて格納するのが特徴です。
水拭き掃除もできる2in1のロボット掃除機は本体裏面にモップを取り付けて使用しますが、「ルンバ コンボ j7+」は本体裏にモップは装着しません
水拭き用のモップの装着部は、本体の天板の裏に配置。本体を裏返さずに着脱できるので、準備や後片付けがラクなのもポイントです。なお、モップは洗って繰り返し使えるタイプ(約30回)。購入時に2枚付属しており、交換用のモップ(2枚セット)は2,970円(税込)で販売されています
水拭き掃除のオン/オフを切り替えるときには、可動式のアームでモップを本体天面と裏面に移動させます
水拭き掃除時には本体裏にモップを配置し、掃除中にはモップの前側にある3つの穴(○で囲っている部分)から水がポタポタと出ます。可動式アームで圧をかけながら水拭きするのもポイント
水拭き掃除を実行するには、事前に水タンクに水を入れておかなければなりません。自動給水機能は搭載されていないので、この作業は人が行います。水タンクの容量は210mlで、いちどの給水で約56畳を水拭き掃除できるとのこと。なお、同社の床拭き掃除ロボット「ブラーバ」の床用洗剤にも対応しており、4回分が同梱されます
下の動画は、「コンボ j7+」がフローリングとラグのある空間を掃除している様子。フローリングを吸引清掃+水拭き掃除している「コンボ j7+」がラグを検知→モップを本体天面に持ち上げる→ラグを吸引清掃→フローリングに変わったことを検知→モップを本体裏に移動させる→吸引清掃+水拭き掃除をするというように変形しながら掃除します。
床材は、本体前面に搭載されたカメラと裏面に配置された3つのフロアセンサーで検知します。上の動画では、フローリング→ラグ→フローリングというように走行していますが、普段の掃除中の動きとは異なるとのこと。「ルンバ」は通常、部屋をマッピングして家具の位置やラグなどのある場所を把握した状態で掃除するスタイルなので、先に吸引清掃を実行し、その後、吸引清掃+水拭き掃除を行うというように効率よく掃除するそうです。ただ、上の動画のように床材の違いを検知したら自動で水拭きのオン/オフを切り替えるので、模様替えなどでラグの位置が変わってもきちんと対応できるとのこと。
なお、「コンボ j7+」は2022年2月に発売した「j7+」をベースにしており、「j7+」で新たに採用されたカメラによる画像認識機能「Precision Visionナビゲーション」を継承。目の前にある障害物をリアルタイムで識別して、回避しながら掃除します。また、カメラでとらえた障害物の画像情報は、清掃終了後にスマホアプリ「iRobot Home」(無料)から、今後どのように対処するかを選択し、任意でクラウド上にフィードバック可能。全世界のユーザーからのフィードバックデーターをもとにAIが学習していくので、認識される障害物の種類が増え、回避の精度が高まるのも「Precision Vision ナビゲーション」の強みです。
カメラで前方の障害物をセンシング
より正確に床材を見分けられるように、「コンボ j7+」には超音波を使って検知するフロアセンサーが本体裏面に3つ追加されました
水拭き機能が搭載されましたが、サイズや重量は「j7+」と同じです。サイズは339(直径)×87(高さ)mmで、重量は3.4kg。公式オンラインストア価格は159,800円(税込)
また、スマホアプリ「iRobot Home」を使えば、「吸引清掃と同時に水拭きするか」や「吸引清掃のみ」といった掃除スタイルを設定できるほか、モップパッドに含ませる水分量を3段階から選択できます。水拭きしたくない場所を「拭き掃除禁止エリア」に設定することも可能。ちなみに、「ルンバ」のOS「iRobot Genius」は「iRobot OS」に名称変更されました。
畳は検知できない可能性があるため、「拭き掃除禁止エリア」に設定するよう推奨されています
当然、「j7+」をベースにした製品なので、ゴミ自動収集機能を搭載した充電台「クリーンベース」も付属。掃除が完了してクリーンベースに戻ると、本体のダスト容器に溜まったゴミがクリーンベース内の紙パックに自動で移送されます。
クリーンベース内に装備した紙パックには、最大1年分のゴミが溜めておけるとのこと。ゴミ捨ての回数が大幅に減らせます
水拭き掃除もできる「コンボ j7+」が登場したことで、床拭き掃除ロボット「ブラーバ ジェット m6」と購入を迷われる方が出てくるかもしれません。「ブラーバ」にはゴミを吸引する機能は搭載されていないものの、水拭きだけでなくから拭きもできるので、拭き掃除をメインでおまかせしたい人にはうってつけ。使い捨てパッドが使えるのも魅力です。また、「ルンバ コンボ j7+」よりたっぷり水を使い、本体裏面に配置された大きなパッドに圧をかけて拭き掃除するため、1回あたりの水拭き清掃能力は「ブラーバ ジェット m6」のほうが高いのだそう。吸引清掃を行わないので、運転音が静かなのもいいところ。
「ブラーバ ジェット m6」は、前方に勢いよく水を噴出するジェットスプレーと大きなパッドを使って水拭き掃除します。公式オンラインストア価格は59,800円(税込)
いっぽう「ルンバ コンボ j7+」は、吸引清掃と水拭き掃除をいちどに済ませられる効率のよさが魅力です。メーカーの担当者によると、これまで「ルンバ」と「ブラーバ」の2台体制で3時間程度かけて掃除していた3LDKの部屋を、「ルンバ コンボ j7+」なら1時間10分程度で完了させられるとのこと。当然ながら、「ルンバ」と「ブラーバ」を2台置くより場所を取らないので、設置スペースで悩んでいるなら「ルンバ コンボ j7+」は有力な選択肢になるかもしれません。
家電からゲーム、ホビー雑貨まで興味あるモノはひたすらコレクションして試さずにはいられないマニア。心ときめくモノだけに囲まれて暮らしたいという願望があります。