価格.com 家電トレンド研究所

ついに人気逆転!? 軽量化とパワーの両立で国内メーカーのコードレススティック掃除機が大人気

長年家電業界を見てきた価格.com編集長が、価格.comが保有するさまざまなデータと、自身の知識・経験をベースに、家電製品の最新トレンドを解説。今押さえておくべき機能やスペックを紹介しつつ、コスパ、性能、ユーザー評価などの観点から、今買って間違いなしの製品を厳選して紹介する。

第4回は、年末の大掃除でも大活躍の「掃除機」の最新トレンドについて解説しよう。

軽量化を進める国内メーカーの躍進が目立つ、コードレススティック掃除機市場

年末といえば大掃除。家の中をいつも以上にきれいに掃除して新年を迎えたい、という人は今も少なくないだろう。そういった理由からかどうかは定かでないが、掃除機の販売が伸びるのは、やはり年末、そして年明けだ。図1は、価格.comの「掃除機」カテゴリーにおける過去13か月間の閲覧者数の推移を示したものだが、昨年の年末から今年の年明けにかけて大きなピークが来ていることがわかる。なお、今年1年については、その後、掃除機の需要はやや低迷気味に推移しているが、やはり11月後半くらいから伸び始めており、年末に向けてピークを形成しそうな状況となっている。

【図1】価格.com「掃除機」カテゴリーにおける閲覧者数推移(過去13か月)

【図1】価格.com「掃除機」カテゴリーにおける閲覧者数推移(過去13か月)

ちなみに、掃除機のタイプで見ると、ここ十年以上主流なのは、「コードレススティック掃除機」だ。コードレススティック掃除機は、電源ケーブルが必要ないため、取り回しがしやすく、スリムな形状なので部屋の片隅などに置いておきやすい。そのため、従来のコード付きのキャニスター型掃除機と比べ、思い立ったときにサッと取り出して掃除するという用途に向いており、掃除という家事自体を手軽に行えるとして人気を博している。デメリットとしては、バッテリー駆動のため、吸引力が弱いことと、駆動時間が短いことだが、ここ数年で吸引力・駆動時間ともだいぶ伸びてきており、これ1台で家中を掃除することも十分可能となってきた。

コードレススティック掃除機に次いで人気なのは「ロボット掃除機」だ。好きな時間に自動で床掃除を行ってくれるロボット掃除機は、掃除の手間を大きく減らしてくれる人気家電のひとつだ。ロボット掃除機が自由に走行できるよう、家具の配置などに気を遣う必要はあるが、家に人がいない時間などに自動で床掃除をしてくれるので、家を不在にしがちという人には大変便利。家に帰ったら、床はキレイになっているので、後は部屋の隅など、ロボット掃除機が入り込めない個所をたまに掃除するくらいで、掃除が完了する。最近では、ゴミをかき集めるだけでなく、自動でそのゴミを収集できるベースステーションが付属したり、水拭きに対応するモデルも増えており、より全自動で掃除を任せられるようになってきている。

【図2】価格.com「掃除機」カテゴリーにおける、主要5メーカーの閲覧者数推移(過去13か月)

【図2】価格.com「掃除機」カテゴリーにおける、主要5メーカーの閲覧者数推移(過去13か月)

メーカー別で見る(図2)と、これまでコードレススティック掃除機で市場をリードしてきたダイソンの閲覧者シェアが若干減少気味なのに対して、日立やパナソニックといった老舗・国内メーカーのシェアが横ばいもしくは若干伸びており、三つ巴といった様相を呈している。また、ロボット掃除機「ルンバ」で知られるiRobotも、今年後半の新モデル投入にともなってシェアを拡大。特に、コードレススティック掃除機においては、数年前までダイソン製品の強さが際立っていたが、現状では、国内メーカーの追い上げによってダイソンとの差はかなり縮まっており、最新モデルで見ると、むしろ国内メーカーの製品のほうが人気となっているケースもよく見かけるようになった。

【図3】価格.com「掃除機」カテゴリーにおける、コードレススティック型掃除機・人気5製品の閲覧者数推移(過去6か月)

【図3】価格.com「掃除機」カテゴリーにおける、コードレススティック型掃除機・人気5製品の閲覧者数推移(過去6か月)

図3は、価格.com「掃除機」カテゴリーにおける、コードレススティック掃除機の人気5製品の閲覧者数推移を示したものだが、この半年では、パナソニックの「パワーコードレス MC-SB32J」が最も人気を伸ばしており、次いで日立の「パワかるスティック PV-BL50J」と「ラクかるパワーブーストサイクロン PV-BHL3000J」、そして、ダイソンの「Dyson Cyclone V10 Fluffy SV12 FF LF」の3モデルが、同レベルで2位グループを形作っているという状況だ。これを見ても、かつてのように、ダイソンの製品が人気の上位を占めるという状況はすでに解消されており、パナソニックや日立を中心とした国内メーカーのコードレススティック掃除機も、ダイソンと並ぶかそれ以上の人気を博していることがわかる。

国内メーカー製品が飛躍した大きな理由として、ボディの軽量化と必要十分なパワーの両立があげられる。ダイソン製品の多くが2kgを超える重量であるのに対して、国内メーカーのコードレススティック掃除機は、1.5kg前後の軽量モデルが多く、力の弱い人にも扱いやすいという点から人気を博している。課題となっていた吸引力の弱さやバッテリーの持ちもだいぶ改良されてきており、ヘッドやブラシ形状の工夫などもあって、ゴミ取れ率は確実に向上。価格的にも5万円以下で買えるものが多く、トータルバランスで使いやすい製品が増えているのが、今の躍進につながっていると言える。

コレ買っときゃ間違いない! 価格.com編集長が今注目する掃除機5選

※最安価格とユーザー評価は、いずれも2022年12月6日時点のものです。

パナソニック「パワーコードレス MC-SB32J」

パナソニック「パワーコードレス MC-SB32J」

価格.com最安価格:27,800円
発売日:2021年10月25日
ユーザー評価:★4.72(20人)

ハイパワーの小型モーターの採用によって、本体重量1.6kgという軽さと、十分な吸引力を両立した、価格.com上でも人気の高いコードレススティック掃除機。中央にゴミを寄せやすいV字型のブラシを採用することで取り残しを防ぐだけでなく、前方部が薄いパワーノズルで壁際のゴミもしっかり取り除ける。スタンドは付属しないが、壁に立てかけておける「壁ピタゴム」を本体に装備。ボディは同様の仕様で、髪の毛などがからまりづらい「からまないブラシ」を採用した上位モデル「MC-SB52K」もラインアップされているので、こちらも要チェック。なお、すでに「MC-SB32J」の後継モデル「MC-SB33J」も発売されている。

日立「パワかるスティック PV-BL50J」

日立「パワかるスティック PV-BL50J」

価格.com最安価格:47,380円
発売日:2021年11月中旬
ユーザー評価:★4.49(10人)

上記「パワーコードレス MC-SB32J」と人気を二分するのが、日立の軽量コードレススティック掃除機。ハイパワーのファンモーターを採用し、わずか1.4kgという軽量ボディながらも、十分な吸引力を実現。ノズルなどのセット内容も充実しており、髪の毛などがからまりづらい「からまんブラシ」を採用するパワフルスマートヘッドをはじめ、ハンディブラシ、ミニパワーヘッド、2WAYすき間ブラシ、ほうきブラシが付属するほか、専用スタンドも付属する。なお、すでに後継モデル「PV-BL50K」も発売されている。

ダイソン「Dyson V12 Detect Slim Complete SV30 ABL2」

ダイソン「Dyson V12 Detect Slim Complete SV30 ABL2」

価格.com最安価格:95,870円
発売日:2022年8月
ユーザー評価:★5.00(4人)

人気のダイソンのコードレススティック掃除機の最新モデル。「Dyson Hyperdymiumモーター」が毎分最大125,000回転することで、微細なホコリから大きなゴミまで吸引。パワフルな吸引力はそのままに、本体はスリム化しており、重量も標準ブラシ込みで2.2kgに抑えられている。掃除機内部に搭載するピエゾセンサーでゴミの量とサイズを測定し、吸引力を自動調整するほか、掃除の結果を数値で表示する機能も備える。なお、床のゴミをレーザー光で可視化する「Laser Slim Fluffyクリーナーヘッド」を搭載し、より効率的に吸引できるようになった。

iRobot「ルンバ j7+ j755860」

iRobot「ルンバ j7+ j755860」

価格.com最安価格:93,925円
発売日:2022年2月10日
ユーザー評価:★4.07(29人)

ロボット掃除機の代名詞「ルンバ」シリーズの最新モデル。本体前面に搭載されたカメラで前方の障害物などを認識する「PrecisionVisionナビゲーション」により、コードやペットの排泄物などの障害物を回避しながら確実に清掃を完了。より賢いコースで動作するようになった。付属するクリーンベースは、充電のほか、ゴミの吸い取り機能も搭載。最大1年分のゴミを収納できるため、ゴミ捨ての手間も大幅に削減される。なお、同様の機能を持ち、水拭き機能も搭載した「ルンバ コンボ j7+ c755860」も発売されている。

<関連記事>新しい「ルンバ j7+」は散らかった床でも動きやすい! ケーブルやペットのフンも識別&回避
<関連記事>今度のルンバは水拭きもできる! “変形”して賢く掃除する2in1の「ルンバ コンボ j7+」

エコバックス「DEEBOT N8+ DLN26-11EE」

エコバックス「DEEBOT N8+ DLN26-11EE」

価格.com最安価格:64,800円
発売日:2021年12月20日
ユーザー評価:★4.46(4人)

ゴミ収集のほか、水拭き機能もあわせもった2in1のロボット掃除機。2つの機能をあわせもちながらも、6万円台で購入可能なコストパフォーマンスの高さが特徴だ。航空宇宙規格の検出技術「D-ToF技術」を採用し、部屋の壁や家具など、目的地までの距離を正確に測定しながらの動作が可能。充電スタンドには2.5 Lのダストボックスが搭載されており、最大60日分のゴミが収容できる。なお、スマホ操作に対応するほか、「Google Home」や「Amazon Echo」経由での音声操作にも対応する。

>>価格.comユーザーのおすすめは? 掃除機人気売れ筋ランキング
>>価格.comでそのほかの掃除機をチェックする

鎌田 剛(編集部)

鎌田 剛(編集部)

価格.comの編集統括を務める総編集長。パソコン、家電、業界動向など、全般に詳しい。人呼んで「価格.comのご意見番」。自称「イタリア人」。

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
プレゼント
価格.comマガジン プレゼントマンデー
SPECIAL
ページトップへ戻る