レビュー

プロダクトアワード金賞受賞! 小さくなって風量がアップしたヘアドライヤー「ナノケア」の人気に納得

今回は、その年にユーザーに最も支持された製品を選出する「価格.comプロダクトアワード2022」において、ヘアドライヤー部門で金賞を受賞したパナソニック「ナノケア EH-NA0J」を紹介します。2022年9月に登場した「ナノケア」シリーズの最上位モデルで、ボディを小型化しつつ、風量や髪ケア効果を向上させたのが特徴。従来モデルとの違いを解説するとともに、「EH-NA0J」を実際に使用し、その人気の理由をチェックしました。

カラーはディープネイビー、ラベンダーピンク、ウォームホワイトの3色を用意

カラーはディープネイビー、ラベンダーピンク、ウォームホワイトの3色を用意

小型化と「ナノケア」史上最大の風量を実現

まずは、小さくなった本体をご覧ください! 「EH-NA0J」は、従来モデルと比べて本体の体積が約27%削減されました。ノズル部分がなくなったようなフォルムになり、パッと見ただけでコンパクトになったことがわかります。

サイズは従来モデルが216(幅)×89(奥行)×224(高さ)mmで、「EH-NA0J」が148(幅)×74(奥行)×221(高さ)mm

サイズは従来モデルが216(幅)×89(奥行)×224(高さ)mmで、「EH-NA0J」が148(幅)×74(奥行)×221(高さ)mm

重量も従来モデルより45g軽い550gになりました。その差は45gですが、実際に使い比べてみると数値以上に軽く感じます

重量も従来モデルより45g軽い550gになりました。その差は45gですが、実際に使い比べてみると数値以上に軽く感じます

本体を小型化するため、「EH-NA0J」はヒーター部の構造を変更しました。一般的なドライヤーは、電熱線に電気を流して熱を発生させ、そこにファンで風を送ることで温風を放出します。従来から「ナノケア」では、下の写真のように波形に曲げた電熱線を巻き付ける構造を採用していますが、新モデルはその曲げ方を改良し、密度を高めることでヒーター部の体積を半分に削減しました。

ヒーター部の体積を大幅に減らしながら、高パワーを実現したのがポイント

ヒーター部の体積を大幅に減らしながら、高パワーを実現したのがポイント

上の写真を見ると、波形に曲げる間隔を狭くしてギュッと詰めたという印象を受けますが、そう単純ではありません。ヘアドライヤーのヒーターとしての性能を担保するには、曲げた山の部分に一定の距離が必要なのだそう。金属は曲げると元の形状に戻ろうとする力が働くため、その戻ろうとする「バネ量」を考慮した「曲げ量」を算出して加工するなど、細かな精度が求められたといいます。

金属の特性を考慮して加工することで、最適な幅を確保したU型形状での高密度化を実現

金属の特性を考慮して加工することで、最適な幅を確保したU型形状での高密度化を実現

そして、本体を小型化するにあたり、内部部品の配置も見直されました。本体を小さくすると部品を配置できるスペースも小さくなるため、従来モデルと同じ配置にすると内部部品の密度が増えて風が流れにくくなり、大風量が確保できません。また、部品が発熱する原因になる恐れもあります。そこで、部品や配線などの配置を調整するとともに、送風路を「内部を冷却する風」「髪の毛を乾かす風」「高浸透ナノイーとミネラルを届ける風」の3つに分割した構造に改良。単純に吸い込んだ風を3分割するだけでは風量は小さくなりますが、「髪の毛を乾かす風」と「高浸透ナノイーとミネラルを届ける風」の送風路を最適化することで、「ナノケア」シリーズ史上最大風量1.6㎥/分を実現しました。

送風路を確保しつつ部品を配置するため、「EH-NA0J」はハンドル部にも部品や配線が収められています

送風路を確保しつつ部品を配置するため、「EH-NA0J」はハンドル部にも部品や配線が収められています

下の動画は、ヘアドライヤーにスモークを吸い込ませ、吹き出す風を約1/100秒の速度で撮影して可視化したもの(風量はどちらも「強」モード)。「EH-NA0J」は吹出口の面積が従来モデルよりも大きくなったため、より多くの風が出ています。

実際に髪に風を当てみると、想像以上の風量に驚きました(下の動画参照)。というのも、筆者が普段使っているヘアドライヤーは最大風量2.0㎥/分と「EH-NA0J」よりも大風量なので、むしろ弱く感じるかもと思っていたのですが、「EH-NA0J」のほうが強い! これは、放出される風がまとまってまっすぐ届くからなのかもしれません。

ちなみに、「EH-NA0J」の吹出口には、風が縦に3分割されて放出される「速乾ノズル」が内蔵されています。強弱差のある風を同時に放出する仕組みとなっており、濡れて密着した髪をほぐしながら乾かすのに効果的なのだそう。

中央の風を弱く、サイドの風を強くすることで毛束がほぐれやすくなり、髪をスピーディーに乾かせるのだそう

中央の風を弱く、サイドの風を強くすることで毛束がほぐれやすくなり、髪をスピーディーに乾かせるのだそう

通常は「速乾ノズル」を使用しますが、風の当たり具合を変えられるように「根元速乾ノズル」と「セットノズル」とう2種類のノズルも付属。毛量が多い人や髪の根元を乾かしたいときには「根元速乾ノズル」、髪をセットする際には「セットノズル」というように用途に応じて使い分けられます。

着脱式の「根元速乾ノズル」と「セットノズル」が付属

着脱式の「根元速乾ノズル」と「セットノズル」が付属

スモークを使って、ドライヤーから放出される風を可視化したもの(以下、同)。「速乾ノズル」は髪の表面に広く風が当たります

スモークを使って、ドライヤーから放出される風を可視化したもの(以下、同)。「速乾ノズル」は髪の表面に広く風が当たります

「根元速乾ノズル」は髪の内側に入り、髪の根元まで風が届くように絞り込んだ強い風を放出します

「根元速乾ノズル」は髪の内側に入り、髪の根元まで風が届くように絞り込んだ強い風を放出します

「セットノズル」はヘアセットの仕上げで使いやすいように、幅広い薄型の風を放出。セットするときに使用する場合は、風量「弱」が推奨されています

「セットノズル」はヘアセットの仕上げで使いやすいように、幅広い薄型の風を放出。セットするときに使用する場合は、風量「弱」が推奨されています

風温をコントロールする機能が進化し、さらに髪へのダメージを低減

大風量の風を届けるだけでなく、温風の温度制御もより精度が向上しました。熱風式ヘアドライヤーは使い方や製品によっては温風の熱さが気になることがありますが、「EH-NA0J」は室温を感知する「環境温度センサー」と風の温度を感知する「風温センサー」という2つのセンサーを使った「スマートセンシング」機能を搭載することで、最適な風温に自動でコントロール。環境温度センサーは従来モデルにも搭載されていましたが、風温センサーを追加したことで、部屋の室温に応じて風温を下げたり、上げたりするだけでなく、温風を至近距離で当て続けた際に髪に蓄積された熱も加味して過度な熱が伝わるのを抑えられるようになりました。

従来モデルと「EH-NA0J」を使って、髪を乾かしている際の表面温度をサーモカメラで撮影したもの。「EH-NA0J」のほうが明らかに髪の表面温度が低く、また、温度ムラも少ないことがわかります

従来モデルと「EH-NA0J」を使って、髪を乾かしている際の表面温度をサーモカメラで撮影したもの。「EH-NA0J」のほうが明らかに髪の表面温度が低く、また、温度ムラも少ないことがわかります

髪の表面温度が高温にならないように風温が調節されるということは、髪を乾かすのに長い時間がかかるのではないかと思い試してみましたが、従来モデルとほぼ変わらず。ミディアムヘアの筆者の場合、約3分30秒で乾きました

髪の表面温度が高温にならないように風温が調節されるということは、髪を乾かすのに長い時間がかかるのではないかと思い試してみましたが、従来モデルとほぼ変わらず。ミディアムヘアの筆者の場合、約3分30秒で乾きました

高浸透ナノイーとミネラルで髪の内部から潤う

「ナノケア」シリーズは髪を乾かすのと同時に、高浸透ナノイーとミネラルを含む風を届けることによって髪をケアできるのも特徴です。従来モデルにもこの機能は搭載されていましたが、「EH-NA0J」はより髪に届きやすいように「高浸透ナノイー&ミネラル吹出口」を髪に近い位置に配置。これより、髪へのうるおいが従来モデルと比べて約1.9倍にアップしました。

髪を乾かすための風が出る吹出口の下に、高浸透ナノイー&ミネラル吹出口を搭載

髪を乾かすための風が出る吹出口の下に、高浸透ナノイー&ミネラル吹出口を搭載

従来モデルは風の吹出口より後方に高浸透ナノイー&ミネラル吹出口が装備されていましたが、「EH-NA0J」は風の吹出口と同じ面に配置。髪との距離が近くなりました

従来モデルは風の吹出口より後方に高浸透ナノイー&ミネラル吹出口が装備されていましたが、「EH-NA0J」は風の吹出口と同じ面に配置。髪との距離が近くなりました

ちなみに、高浸透ナノイーとは、髪への浸透性を高めた「ナノイー」のこと。そもそもナノイーは空気中の水分に高電圧をかけて生成したイオンで、マイナスイオンに比べて1000倍の水分量(体積比)を持つのが特徴。その発生方式を変えることで生成されるナノイーの量を増やし、水分発生量が従来のナノイーの18倍にアップしたのが高浸透ナノイーです。高浸透ナノイーは髪内部まで浸透するため、なめらかな手触りになるのだそう。また、キューティクルの密着性が高まるので、「EH-NA0J」で髪を乾かしただけで広がりやうねりが抑えられ、まとまりのある髪に仕上がるほか、ヘアカラーの退色を抑制やブラッシングなどの摩擦ダメージ低減、頭皮の水分量アップといった効果もあるといいます。

高浸透ナノイーはキューティクルのわずかな隙間にも入り込み、髪の内側からもうるおいを与えてくれます

高浸透ナノイーはキューティクルのわずかな隙間にも入り込み、髪の内側からもうるおいを与えてくれます

試しに、うねりのある状態の髪に「EH-NA0J」の温風を当ててみたところ、うねりが落ち着きました

試しに、うねりのある状態の髪に「EH-NA0J」の温風を当ててみたところ、うねりが落ち着きました

寝ぐせがついた髪もこのとおり! ミストやブラシを使わずに寝ぐせが直せました

寝ぐせがついた髪もこのとおり! ミストやブラシを使わずに寝ぐせが直せました

「EH-NA0J」を1週間使ってみた!

「ナノケア」シリーズは1度使うだけで一般的なヘアドライヤーとの違いを実感できるというウワサどおり、乾いた髪で使っただけで、まとまりのある髪になったことが感じられました。使い続ければもっと美髪になるのかも!? という期待もふくらみますが、ちょっとヘアドライヤーを使うだけでうねりや寝ぐせが解消できるのは、忙しい朝に重宝するはず。ということで、「EH-NA0J」のある生活を1週間体験してみました。髪の変化も気になるところですが、使いやすさもチェックしておきたいポイントです。ちなみに、「EH-NA0J」には複数のモードが搭載されていますが、筆者は「温風」モードで髪を9割ほど乾かし、温風と冷風が相互に切り替わる「温冷リズム」モードで仕上げるという流れで使用しました。

搭載されているモードは「温風」「温冷リズム(風量が「強」「中」のとき)」「毛先集中ケア(温冷リズムモードで、風量が「弱」のとき)」「冷風」「スカルプ」「スキン」の6種類。風温切替ボタンを押して選択します

搭載されているモードは「温風」「温冷リズム(風量が「強」「中」のとき)」「毛先集中ケア(温冷リズムモードで、風量が「弱」のとき)」「冷風」「スカルプ」「スキン」の6種類。風温切替ボタンを押して選択します

お風呂上がりの濡れた髪を乾かすのはいちばん時間がかかりますが、本体サイズが小さく、軽量なので腕に負担を感じませんでした。特に、後ろ側の髪を乾かす際にも腕への負担が少なかったのが好印象

お風呂上がりの濡れた髪を乾かすのはいちばん時間がかかりますが、本体サイズが小さく、軽量なので腕に負担を感じませんでした。特に、後ろ側の髪を乾かす際にも腕への負担が少なかったのが好印象

温風モードはセンサーを使用し、温風の熱さを自動で調整してくれるので、頭皮や耳に温風が当たったときに「熱っ!」となるようなこともありませんでした

温風モードはセンサーを使用し、温風の熱さを自動で調整してくれるので、頭皮や耳に温風が当たったときに「熱っ!」となるようなこともありませんでした

温風モードから温冷リズムモードに切り替える操作が、ヘアドライヤーを持っている手でできるのも便利

温風モードから温冷リズムモードに切り替える操作が、ヘアドライヤーを持っている手でできるのも便利

濡れた状態から乾かしたこの1回で、普段よりも髪にハリやツヤが出ていることに気付きました。もちろん、乾いた髪で試したとき同様に、まとまりのある仕上がりです

濡れた状態から乾かしたこの1回で、普段よりも髪にハリやツヤが出ていることに気付きました。もちろん、乾いた髪で試したとき同様に、まとまりのある仕上がりです

そもそも髪のコンディションがよかったのでは? と言われそうなので、「EH-NA0J」を使う前日に、筆者所有のヘアドライヤーで乾かした状態を撮影しておきました。時間をかけて乾かしたのに、こんなにうねっていたなんて……。髪を乾かす時間はそれほど変わりませんが、このうねりを直す手間がない分、「EH-NA0J」を使った1週間はヘアドライヤーを使う時間が短くなりました

そもそも髪のコンディションがよかったのでは? と言われそうなので、「EH-NA0J」を使う前日に、筆者所有のヘアドライヤーで乾かした状態を撮影しておきました。時間をかけて乾かしたのに、こんなにうねっていたなんて……。髪を乾かす時間はそれほど変わりませんが、このうねりを直す手間がない分、「EH-NA0J」を使った1週間はヘアドライヤーを使う時間が短くなりました

入浴後に使うだけでなく、出勤前にも使用。毛先をちょっとまとめたいので、毛先集中ケアモードを使いました。毛先集中ケアモードは、温冷リズムモードと同じように温風と冷風が自動で切り替わるモード。風量を「強」または「中」にすると温冷リズムモード、「弱」にすると毛先集中ケアモードになります。

手ぐしで髪をまとめながら、毛先の内側と外側から風を当てるだけで……

手ぐしで髪をまとめながら、毛先の内側と外側から風を当てるだけで……

広がった毛先が、いい感じでまとまりました

広がった毛先が、いい感じでまとまりました

使用期間の1週間が過ぎて感じた髪の変化は、使用前よりもやわらかくてしっとりした髪質になったこと。ツヤも出ているのか、同僚に「最近、シャンプーとか変えた? なんか、髪、キレイだね」とほめられました。毎日使い続けることで、より美しい髪質に改善してくれることが期待できます。

まとめ

筆者は少し前までロングヘアだったこともあり、ヘアドライヤーを選ぶ際の必須条件は「大風量」でした。短時間で髪を乾かせるので特に不満なく使っていましたが、今回、小型化した「EH-NA0J」を使って、小さいことのメリットを実感。腕への負担が少なく、取り回しもしやすい。それでいて、筆者所有のヘアドライヤーと変わらないくらいの時間で髪が乾くうえ、髪がまとまってツルンとした手触りに仕上がるのですから、本気で買い替えたい気持ちになりました。

「EH-NA0J」の価格は35,712円(2022年12月16日時点の価格.com最安価格)と、ヘアドライヤーとしては高価格。従来モデル(EH-NA0G)と比べると8,000円ほど高くなりますが、筆者なら「EH-NA0J」を選びます。なぜなら、毎日使うものは、少しでもストレスが少なくラクに使えるほうがいいから。最近は小型ボディと大風量を両立したヘアドライヤーが続々と登場していますが、多くの人に支持される人気の製品であるという信頼や高い機能性を鑑みれば、「EH-NA0J」を選んだほうが高い満足感を得られるはずです。

清水 絵美菜

清水 絵美菜

少数精鋭の編集プロダクション「雪か企画」に勤務。趣味は料理で、トマト煮込みハンバーグが得意料理。休日はプロジェクターでホームシアターを楽しんでいます。

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
プレゼント
価格.comマガジン プレゼントマンデー
SPECIAL
ページトップへ戻る