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プライバシーを守りながら離れて暮らす家族を家電製品で見守る三菱電機の新サービス「MeAMOR」

三菱電機が、エアコンや冷蔵庫、給湯器を活用し、離れて暮らす高齢の親などを見守ることができるサービス「MeAMOR(ミアモール)」の提供を2023年2月3日から開始すると発表。その詳細を紹介します。

「MeAMOR」って、どんなサービス?

「MeAMOR」は、対象の家電製品をWi-Fi接続し、連携したスマートフォンの専用アプリで、高齢者宅にある家電製品の日々の使用状況や室内温度などの生活状況をもとに見守りができる高齢者見守りサービスです。エアコンや冷蔵庫などを使った見守りサービスは他社も実施していますが、「MeAMOR」はカメラを使わないため、見守られる側のプライバシーを守りながら生活状況を見守れるのが特徴。カメラなどの専用の機器を用意しなくても同社の対象家電製品があれば(ルームエアコンSシリーズとアダプター後付けタイプの給湯器は別途無線LANアダプターが必要)、月額1,080円(税込)で利用できます。

単身で自立した生活は可能だけれど、健康不安などから見守りサービスを求めている高齢者やその家族が「MeAMOR」の想定ユーザー

単身で自立した生活は可能だけれど、健康不安などから見守りサービスを求めている高齢者やその家族が「MeAMOR」の想定ユーザー

三菱電機は従来から、エアコンやキッチン家電、住宅設備などと連携させて使用できるスマホアプリ「MyMU」を用意しています。このアプリを使えば、たとえば冷蔵庫では冷蔵室や冷凍室、野菜室といった各部屋の温度設定の変更、エコレベルやドアの開閉回数の確認などができ、給湯器では、宅内や外出先からもお湯はりの温度や使えるお湯の量を確認、お湯はり運転の操作などが行え、エアコンでは「MyMU」とエアコンアプリ「霧ヶ峰REMOTE」を連携させて、エアコンの運転状況の確認や操作が可能。今回の新サービス「MeAMOR」は、「MyMU」の追加機能としてリリースされます。

「MeAMOR」が使用できる対象製品は、2023年2月と3月に発売予定のエアコン「霧ヶ峰」Z/X/R/Sシリーズの72機種と2021年以降に発売した冷蔵庫のMZ/WZ/WXD/MXDシリーズの17機種、そして2018年以降に発売した給湯器(エコキュート)全機種227機種。

エアコンは、フラグシップタイプからスタンダードタイプまで幅広いラインアップに対応していますが、冷蔵庫は大型モデルのシリーズのみ。これは、小型モデルにはWi-Fi機能を搭載した機種がないためです。同社としては、ユーザーの利用状況などに応じて小型冷蔵庫での対応も検討するとのこと

エアコンは、フラグシップタイプからスタンダードタイプまで幅広いラインアップに対応していますが、冷蔵庫は大型モデルのシリーズのみ。これは、小型モデルにはWi-Fi機能を搭載した機種がないためです。同社としては、ユーザーの利用状況などに応じて小型冷蔵庫での対応も検討するとのこと

どんなふうに見守れる?

接続可能な家電製品は、1ユーザーごとにエアコン10台、冷蔵庫3台、給湯器1台まで。冷蔵庫と複数の機器を登録すれば、「食事の支度で冷蔵庫を開閉している」「お風呂に入っている」というような生活全体の状況を知ることができます。また、長時間行動を検知しないなど普段と違う傾向が発生した場合に、見守っている側のスマホアプリに通知が届くように設定できるほか、定期的に通知されるように設定することも可能。前週との使用状況比較レポートを作成するなど、「いつもと違うかも?」と気付きに貢献するサポートも用意されています。

トップ画面には、高齢家族が利用している対応製品の使用状況など、知りたい情報を表示。ユーザーによるカスタマイズもできます。そして、左写真は、普段と違う状況が発生したときにアプリに届く通知

トップ画面には、高齢家族が利用している対応製品の使用状況など、知りたい情報を表示。ユーザーによるカスタマイズもできます。そして、左写真は、普段と違う状況が発生したときにアプリに届く通知

各製品で可能な見守りの詳細を見ていきましょう。

エアコンは、搭載されているセンサー「ムーブアイ」を使って、人の行動状況や部屋の室温環境を見守ります。エアコンを使っていることだけでなく、高齢者が感じにくい真夏や真冬の室内の高温・低温の状態を検知し、アプリに通知することも可能。なお、電源プラグをコンセントに挿し、通電している状態になっていればクラウドとつながるため、エアコンを使用していなくても在室者の様子を見守りできます。2023年2月より前に発売されているエアコン「霧ヶ峰」にも「ムーブアイ」を搭載した製品はありますが、サービス対象の機種が2023年2月と3月発売予定の製品からとなっているのは、それ以前の製品はエアコンを運転していないときにも見守りができる仕様ではないからなのだそう。

床や壁、天井の温度だけでなく、人の位置や動きを検知するセンサー「ムーブアイ」を使って見守ります

床や壁、天井の温度だけでなく、人の位置や動きを検知するセンサー「ムーブアイ」を使って見守ります

室温は定期的な確認のほか、1日の平均室温をグラフで見ることも可能。また、部屋の温度が高温・低温になった際に通知する温度は任意で設定できます

室温は定期的な確認のほか、1日の平均室温をグラフで見ることも可能。また、部屋の温度が高温・低温になった際に通知する温度は任意で設定できます

冷蔵庫は、節電運転に役立てるために搭載しているドアの開閉センサーを使用。全室に搭載しているので、製氷室を開けただけでも利用状況として記録されます。

冷蔵室のドアだけでなく、冷凍室や製氷室、野菜室などを引き出したり戻したりした動作も、扉の開閉回数として検知

冷蔵室のドアだけでなく、冷凍室や製氷室、野菜室などを引き出したり戻したりした動作も、扉の開閉回数として検知

冷蔵庫の扉を開けない日数が何日以上になったら通知するか、設定できます

冷蔵庫の扉を開けない日数が何日以上になったら通知するか、設定できます

給湯器(エコキュート)は、お湯の使用量や湯はりの利用状況で見守りを実行。お風呂で使用されたお湯だけでなく、キッチンなどで洗い物をしたお湯も含まれます。

エコキュートを使ってお湯を利用した量がとタイミングが検知されます

エコキュートを使ってお湯を利用した量がとタイミングが検知されます

アプリに通知するタイミング(お湯が使われていない期間や湯はりされていない期間)も、任意で設定可能

アプリに通知するタイミング(お湯が使われていない期間や湯はりされていない期間)も、任意で設定可能

「MeAMOR」を使用するのは、見守る側(子世帯)と見守られる側(高齢家族)のどちらもID登録が必要。現時点では、高齢家族世帯のID対し、子世帯のIDはひとつしかひも付けできませんが、高齢者の見守りというと子世帯が複数で見守ることもあり得るため、今後はひとつのIDを複数で使えるようにすることも検討しているそうです。また、「MeAMOR」を使用するためには、見守る側のスマートフォンと家電製品を連携させる必要があり、そのために高齢家族宅に行かなければなりません。ユーザー利用状況などをみながらサービスマンの協力なども視野に入れて対応を検討していくとのことですが、当分の間は、一般的なIoT家電と同じように設定するものと思っておいたほうがいいでしょう。

「MeAMOR」と連携させる家電製品が増えるほど、生活状況を広く見守れます

「MeAMOR」と連携させる家電製品が増えるほど、生活状況を広く見守れます

伊森ちづる

伊森ちづる

家電流通専門誌で白物家電と家電量販店と流通に関する取材・執筆・編集を担当。趣味は料理、旅行、舞台鑑賞、米国ドラマ視聴など。クラシック音楽の”現代音楽ファン”というと変人扱いされることが悩み。

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