レビュー

加湿フィルターも水トレイも洗わなくていい! ダイニチのハイブリッド式加湿器「LXタイプ」はお手入れが楽ちん

フィルターに水を含ませて加湿するタイプの加湿器で怠ってはならないのが、定期的なお手入れ。フィルターだけでなく、水タンクや水を溜めるトレイなどの手入れを放置していると、雑菌が繁殖するおそれがあるので注意が必要です。ただ、こうしたお手入れは面倒なもの。ついつい後回ししてしまい、ますますお手入れするのが面倒になったことがある人も多いのではないでしょうか。そんなお手入れのわずらわしさを軽減したいなら、ダイニチのハイブリッド式加湿器「LXタイプ」がうってつけ! オプションを使うことで水トレイと加湿フィルターのお手入れの作業を省ける、これまで以上に手がかからなくなった「LXタイプ」の最新モデルを紹介します。実際に使用し、加湿性能の検証もしたので、参考にしてみて!

お手入れの手間を減らせる使い捨てのトレイカバーと加湿フィルター

ダイニチ「LXタイプ」は、水で濡らしたフィルターにファンで風を当てて加湿する「気化式」にヒーターを組み合わせた「ハイブリッド式(温風気化式)」の加湿器です。ヒーターを使用するため、気化式よりも効率よく加湿できるのが特徴ですが、フィルターを水で濡らすという点は気化式と同じ。水道水に含まれるミネラル成分が付着したフィルターを放置しておくと、雑菌が発生して不快なニオイが発生したり、汚れが蓄積して目詰まりして加湿性能を低下させたりする可能性もあるため、気化式同様に、加湿フィルター(気化フィルター)や水トレイ、水タンクなどの定期的なお手入れが必要です。

その手間を解消するために、ダイニチが2019年に提案したのが、水トレイに装着する使い捨ての「カンタン取替えトレイカバー」。水を溜める水トレイも定期的に水洗いしなければなりませんが、「カンタン取替えトレイカバー」を装着すれば、水トレイを洗う必要がなくなります。

「LXタイプ」は、水タンクの下に水トレイと気化フィルター(加湿フィルター)を装備。水タンクから水トレイに水が流れ、気化フィルターに水を供給します

「LXタイプ」は、水タンクの下に水トレイと気化フィルター(加湿フィルター)を装備。水タンクから水トレイに水が流れ、気化フィルターに水を供給します

水トレイのお手入れをする際は、水タンクを取り外し、水トレイを引き出します。この構造は、気化式やハイブリッド式(温風気化式)では一般的

水トレイのお手入れをする際は、水タンクを取り外し、水トレイを引き出します。この構造は、気化式やハイブリッド式(温風気化式)では一般的

構造は一般的ですが、「LXタイプ」の水トレイには「カンタン取替えトレイカバー」が装着できるのがポイント。プラスチック製のトレイの上にある乳白色のトレイが「カンタン取替えトレイカバー」です

構造は一般的ですが、「LXタイプ」の水トレイには「カンタン取替えトレイカバー」が装着できるのがポイント。プラスチック製のトレイの上にある乳白色のトレイが「カンタン取替えトレイカバー」です

「カンタン取替えトレイカバー」を装着した状態で使用すれば、水は「カンタン取替えトレイカバー」流れ落ちて溜まり、気化フィルターがその水を吸引。水トレイを覆うようにカバーがあるので、水トレイは濡れずに済みます

「カンタン取替えトレイカバー」を装着した状態で使用すれば、水は「カンタン取替えトレイカバー」流れ落ちて溜まり、気化フィルターがその水を吸引。水トレイを覆うようにカバーがあるので、水トレイは濡れずに済みます

そして、水トレイのお手入れをするタイミングになったら、「カンタン取替えトレイカバー」を取り外して捨てるだけ。水トレイは濡れていないので、洗わなくてよし!(気になったら、布などで軽く拭いてもOK)

そして、水トレイのお手入れをするタイミングになったら、「カンタン取替えトレイカバー」を取り外して捨てるだけ。水トレイは濡れていないので、洗わなくてよし!(気になったら、布などで軽く拭いてもOK)

「カンタン取替えトレイカバー」の交換は、ワンシーズに1回が目安。1枚の「カンタン取替えトレイカバー」が同梱されていますが、継続して使用したいときには交換用の別途購入(メーカー公式オンラインショップ価格は3枚入りで1,650円/税込)が必要です。もちろん、「カンタン取替えトレイカバー」を装着せずに使うことも可能。ちなみに、「LXタイプ」のほか、「RXTタイプ」と「HD SERIES パワフルモデル」も「カンタン取替えトレイカバー」を装着できます。

「カンタン取替えトレイカバー」を使用する際も、「トレイ仕切板」のお手入れ(水洗い)は必要です

「カンタン取替えトレイカバー」を使用する際も、「トレイ仕切板」のお手入れ(水洗い)は必要です

水トレイを洗う手間がなくなるのは魅力的ですが、加湿器のお手入れで最も面倒なのは気化フィルター(加湿フィルター)ではないでしょうか。「LXタイプ」に標準装備されている気化フィルターは、2週間に1回の頻度で、ぬるま湯にクエン酸や重曹などを入れて約30〜120分浸け置き洗いすることが推奨されています。浸け置きが終わったら、すすぎ洗いも必要。ある程度時間がかかるうえ、加湿器が使えない状況になるため、なかなかメンテナンスできず、気付いたら気化フィルターに白い塊(水道水に含まれるミネラル成分が固まったもの)が付いていたり、変色していたという経験がある人もいるでしょう。

40℃未満のぬるま湯を用意。水垢を取るときはクエン酸を使って約30分〜2時間浸け置きし、加湿器から吹き出す風が臭ったときは重曹を溶かして約60分浸け置きするというように、気化フィルターのお手入れには準備の手間と時間が少々かかります。その後、すすぎ洗いする作業も必要

40℃未満のぬるま湯を用意。水垢を取るときはクエン酸を使って約30分〜2時間浸け置きし、加湿器から吹き出す風が臭ったときは重曹を溶かして約60分浸け置きするというように、気化フィルターのお手入れには準備の手間と時間が少々かかります。その後、すすぎ洗いする作業も必要

清潔性や性能を保持するために気化フィルターのお手入れは欠かせないとわかっていても、なかなか腰が上がらない。そんな課題に応えるオプション「カンタン取替えフィルター」が、2022年9月に登場しました。使い捨てなので、浸け置きなどのお手入れの手間はなし! 交換時期になったら取り出して捨てて、新しい「カンタン取替えフィルター」をセットすればメンテナンス完了です。

標準装備されている気化フィルター同様に、「カンタン取替えフィルター」にも抗菌加工が施されています

標準装備されている気化フィルター同様に、「カンタン取替えフィルター」にも抗菌加工が施されています

使い方は、標準装備の気化フィルターと同じ。水トレイに装着するだけです

使い方は、標準装備の気化フィルターと同じ。水トレイに装着するだけです

使用済みの汚れた「カンタン取替えフィルター」は、不燃ごみとして捨てるだけ(自治体により廃棄方法が異なる場合があるので、確認してから捨てましょう)

使用済みの汚れた「カンタン取替えフィルター」は、不燃ごみとして捨てるだけ(自治体により廃棄方法が異なる場合があるので、確認してから捨てましょう)

「カンタン取替えフィルター」のメーカー公式オンラインショップ価格は、2個入りで3,300円(税込)。交換の目安は3か月に1回なので、加湿器を使用する期間が3か月程度であれば、余った1個は翌年に持ち越せます。別途費用はかかりますが、標準装備の気化フィルターも5シーズン(1シーズン=6か月)で買い替え(1個2,640円/税込)なければならないため、永久に使い続けられるわけではありません。浸け置きしたり、洗ったりしなくていい楽さを考えると、「カンタン取替えフィルター」に切り替えるのはアリではないでしょうか。なお、「カンタン取替えフィルター」は2019年以降に発売された「LXタイプ」に装着できるので、従来モデルを使っている人も使えます。

このほか、清潔に保つための工夫として、気化フィルター以外に、水トレイや吸気口に装備しているエアフィルターにも抗菌加工が施されています。また、水タンクのキャップに装着した「Ag+抗菌アタッチメントEX」から抗菌成分が水中に溶け出し、水タンク内の雑菌の繁殖を抑制。お手入れしやすいように、水タンクの口も広く設計されています。

水タンクのキャップの裏側に、粒状の抗菌材を入れた「Ag+抗菌アタッチメントEX」を装着。銀イオンが水に溶け出し、雑菌の繁殖を抑えます。「Ag+抗菌アタッチメントEX」の交換目安は6か月。交換用の「Ag+抗菌アタッチメントEX」は、メーカー公式オンラインショップ価格1,320円(税込)で販売しています

水タンクのキャップの裏側に、粒状の抗菌材を入れた「Ag+抗菌アタッチメントEX」を装着。銀イオンが水に溶け出し、雑菌の繁殖を抑えます。「Ag+抗菌アタッチメントEX」の交換目安は6か月。交換用の「Ag+抗菌アタッチメントEX」は、メーカー公式オンラインショップ価格1,320円(税込)で販売しています

水タンクの口が広いので、ハンディモップやスポンジを使って中もしっかり水洗いできました

水タンクの口が広いので、ハンディモップやスポンジを使って中もしっかり水洗いできました

加湿力や使い勝手をチェック

お手入れに手間がかからないのは最高ですが、それ以外の使い勝手や加湿性能がいまいちでは価値がありません。ということで、実際に使ってチェックしてみましょう。「LXタイプ」には、適用床面積(プレハブ洋室)〜27畳の「HD-LX1022」と〜33畳の「HD-LX1222」がラインアップされていますが、今回は約15畳の部屋で検証するので「HD-LX1022」を使用。エアコンの暖房運転(25℃設定)で部屋を暖めつつ加湿するという、リアルな環境下での検証です。

「HD-LX1022」のサイズは390(幅)×245(奥行)×405(高さ)mm。標準モード使用時の最大加湿量は960mL/hで、最大消費電力は430W(60Hz)です

「HD-LX1022」のサイズは390(幅)×245(奥行)×405(高さ)mm。標準モード使用時の最大加湿量は960mL/hで、最大消費電力は430W(60Hz)です

使用する前に、まず水タンクに水を入れます。タンク容量は大きめの7L。高さもあるので、洗面台には蛇口までの距離がある程度必要です

使用する前に、まず水タンクに水を入れます。タンク容量は大きめの7L。高さもあるので、洗面台には蛇口までの距離がある程度必要です

水タンクの容量が大きいと、水を入れた際に重量が重くなって運ぶのが大変になりますが、上下に取っ手が装備されているので持ちやすく、安定して運べる印象。片手でも持ち運べますし、両手持ちならタンクを横にした状態で持つこともできます

水タンクの容量が大きいと、水を入れた際に重量が重くなって運ぶのが大変になりますが、上下に取っ手が装備されているので持ちやすく、安定して運べる印象。片手でも持ち運べますし、両手持ちならタンクを横にした状態で持つこともできます

検証する約15畳の部屋には温湿度計を3つ設置して、変化をチェックします。加湿器を使用する前の湿度は38〜39%

検証する約15畳の部屋には温湿度計を3つ設置して、変化をチェックします。加湿器を使用する前の湿度は38〜39%

運転モードは、設定した湿度になるように加湿量が自動で調整される標準モードを使います。50/60/70%の3段階で設定湿度を選べますが、今回は60%を選択して運転スタート

運転モードは、設定した湿度になるように加湿量が自動で調整される標準モードを使います。50/60/70%の3段階で設定湿度を選べますが、今回は60%を選択して運転スタート

運転を開始してから1時間30分で、部屋の湿度は58%になりました。部屋全体の湿度が均一に上昇したのも高評価

運転を開始してから1時間30分で、部屋の湿度は58%になりました。部屋全体の湿度が均一に上昇したのも高評価

部屋の湿度が設定した60%近くになるまで約1時間30分かかりましたが、加湿運転をスタートしてから30分後には部屋の湿度は45%になりました。エアコン暖房を25℃設定で稼働させているのに室温は22℃と、設定温度より低いままなので、エアコンはずっとフルパワーで稼働し続けている状態。部屋の空気がエアコン暖房でどんどん乾燥する中、冬の室内の湿度として適正と言われる「45〜60%」の環境に30分程度で到達したことから、「HD-LX1022」は素早く快適な湿度環境にできる加湿性能を備えていると言えそうです。

そして、加湿運転中に気付いたのですが、「HD-LX1022」は運転音が静か! カタログ値は、標準モードで34〜13dB。加湿した風を部屋に届けるためにファンを動かすモーターに、設定した湿度と部屋の湿度に合わせて送風量をきめ細かく制御する「エコモータ」を採用することで高い静音性を実現したのだそう。

まとめ

加湿器を使用するうえで、お手入れは避けては通れません。なかでも、加湿フィルター(気化フィルター)を使うタイプの加湿器は、特にお手入れの手間がかかります。そうした多くの人が手間に感じているであろう、加湿フィルターや水トレイのお手入れを省ける方法があるのはありがたい。オプションなので別途費用はかかりますが、2週間〜1か月ごとに浸け置き洗いが推奨されている加湿フィルターの手入れをワンシーズン行わず、結局ダメにしてしまって買い直している人や、白い塊がびっしり付着した状態や変色した加湿フィルターを使い続けているような人は、“使い捨てスタイル”のほうがあっているかも。手間やストレスなく、加湿器を快適に長く使いたいなら「LXタイプ」は有力候補だと思います。

加湿器内部のお手入れ性だけでなく、設置場所やその周囲の掃除がしやすいのもポイント。重量は約6.4kgですが、本体に取っ手が付いているので、本体を片手で持ち上げながら掃除機がけできました(取っ手を使用する際は、水タンクを取り外すか、空にしておきましょう)

加湿器内部のお手入れ性だけでなく、設置場所やその周囲の掃除がしやすいのもポイント。重量は約6.4kgですが、本体に取っ手が付いているので、本体を片手で持ち上げながら掃除機がけできました(取っ手を使用する際は、水タンクを取り外すか、空にしておきましょう)

秋月 胤斗

秋月 胤斗

編集プロダクション「雪か企画」に所属し、日々、さまざまな記事作りに奮闘中。休日はゲームやギター、料理、サウナなどを楽しんでいます。

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