エアコンなどで部屋を暖めていても、手元が冷えてデスクワークがつらい……という人は結構いらっしゃるのではないでしょうか。筆者もそのひとり。指先がかじかんでしまい、パソコンのキーボードをタイピングするスピードが落ちるなど、作業効率が大幅にダウンしています。そんな筆者を助けてくれそうな、卓上で使えるヒーターを発見。デロンギ「カプスーラ デスク セラミックファンヒーター HFX12D03」で指先の冷えが緩和されるのか、オフィスで使ってみました。
指先や足元を温めるために開発された「カプスーラ デスク セラミックファンヒーター HFX12D03」(以下、HFX12D03)は、デスクなどにも置きやすい小型モデル。A6サイズくらいの設置面積なので、仕事中のデスクにも置きやすそう。そして、ヒーターの種類は、特殊加工されたセラミックスを発熱させ、ファンで送風することで温風を出すセラミックファンヒーター。電源をオンにするとすぐに温風が出る速暖性の高さが魅力です。
サイズは110(幅)×150(奥行)×180(高さ)mmで、重量は950g。丸みを帯びたフォルムがどこかレトロな雰囲気をかもし出す、シンプルでタイリッシュなデザインです
カラーはサンドベージュ(写真上)、セージグリーン(写真左下)、ストーンブルー(写真右下)の3色展開
本体前側の中央部にある送風口から温風が出ます。前面のパネル(送風パネル)は上下に角度調節できるようになっており、風の向きを変えることが可能
風量や温風温度を設定する機能は非搭載。天面にあるロータリースイッチを回して電源をオン/オフする仕様で、電源をオンにすると温風が吹き出します
送風口から20cmほど離れた位置で温風の温度を測定したところ63.7℃でした。この距離で手に温風が当たっても、「熱ッ!」とはならない心地いい暖かさです
ちなみに、電源のオン/オフを切り替えるロータリースイッチでサーモスタットを設定可能。「HFX12D03」に搭載されているサーモスタットは温度が一定になるように調節するためのもので、一定の温度に達すると自動で運転が停止し、温度が下がってくると再び運転を始めます。明確な温度は公表されていませんが、「0」に近いほうが自動休止する温度が低い設定となっているとのこと
セラミックファンヒーターは基本的に温風が当たっている部分を温めるものなので、たとえばデスク上で使用する場合、手元に温風が当たるように使い続けますが、なかには直線的な風が当たり続けることに不快を感じる人もいます。そこで、「HFX12D03」は送風パネルに独自のグリッド設計を施すことで、やさしい風を実現。方眼の目を通過した温風をやわらかい渦状の気流に変え、包み込むようなやさしい風を生み出すのだそう。下の動画は、一般的な電気ファンヒーターと「HFX12D03」から出る温風を比較したものですが、「HFX12D03」から出た温風は、人に届くくらいの距離でたくさんの渦に変わり、ゆるやかに広がっていることがわかります。
送風パネルの格子状のデザインは、やさしい風を生み出すための工夫
実際に吹き出す温風を体感してみると、一般的な電気ファンヒーターから出る風とは別物。やわらかいという表現が合っています。やさしい風というと弱そうなイメージを持たれるかもしれませんが、温風が届く範囲は比較的広め。送風パネルの角度を変えない状態で約80cm先まで温風が届き、机から約60cmの高さでも風を感じることができました
風の質にもこだわった温風はとても心地いい印象ですが、筆者が「HFX12D03」を使う目的は、デスクワークでの指先の冷えを解消するため。オフィスで働く約8時間、「HFX12D03」を使い続けるとどうなるか試してみました。ちなみに、オフィスの室温は約22℃です。
送風パネルを下向きにし、指先に温風が当たるようにして設置。温かくやさしい風がじんわりと指先を包み込みます
左手側に「HFX12D03」を設置したので、右手は温かくならないかも……と心配していましたが、使用開始15分で両手とも指先までポカポカに!
その後も使い続けましたが、送風口に近い左手が熱くて耐えられない状態になることはありませんでした。吹き出す温風がたくさんの渦状になって広がる特性のおかげなのか、手元全体の空間が温まる不思議な感覚。両手ともじんわり温かくなります。送風パネルを下向きにしていても首もとや顔までほんのり暖かさを感じるほど送風範囲が広めなので、日中、部屋に日差しが入ってくるときはサーモスタットの設定を低くしたりと、勤務中、常に「HFX12D03」をフル稼働させていたわけではありませんが、この日は指先がかじかむこともなく、パソコンを使った作業が順調に進みました。
運転音も静かなので、電話したり、デスクまわりで打ち合わせしたりする際にも支障なし。隣で仕事をしている同僚は、「HFX12D03」を使っていることにも気づかなかったほどなので、オフィスでも気兼ねなく使用できます
ちなみに、温風で書類が飛ばされないか気になったので試してみました。A4サイズの書類を複数枚デスクに置いておきましたが、微動だにせず。ビニール袋やティッシュなどで試してみても、吹き飛ぶことはありませんでした
電気ファンヒーターはすぐに温かい風が出るのがメリットですが、長時間当たり続けていると、温風が当たっているところだけ過剰に熱くなることがあり、移動して温風が当たる部位を変えたり、いったん運転を停止するなどした経験があったので、「HFX12D03」も使い続けるのはつらいのではないか……と心配していましたが、それは杞憂に終わりました。直線的な温風が勢いよく当たる感じではないので、風による不快感もありません。温度がちょうどよく、指先かから腕のほうまでじんわりと温まりました。運転音や温風によって作業時の集中が妨げられることもないので、デスクワークや勉強をしながらの使用に最適です。冬場だけでなく、冷房が効いて寒さを感じる夏場のオフィスでも役立ちそう。
ちなみに、今回は手元の温めに使用しましたが、「HFX12D03」は足元を温める用途としても使えます。床に置いて試してみたところ、指先から膝下あたりまで十分に温まれました。
転倒時に電源が自動でオフになる機能も搭載しているので、足元に置いて使っても安心
ランニングコストについては、消費電力が360Wなので、単純に計算すると8時間使用した際の電気代は約89円となります(1kWhあたりの電力量料金は31円で算出)。ただ、サーモスタット機能により運転は休止/再開するため、実際の電気代はもう少し抑えられるでしょう。
編集プロダクション「雪か企画」所属。クラシック音楽、アート、韓国カルチャーなど趣味は多岐にわたり、最近は自宅から絶妙に遠いカフェでゆったり過ごすことにハマっています。