ドイツの家電ブランド「ブラウン」が、ドリップ式コーヒーメーカー「ブラウン マルチサーブ コーヒーメーカー KF9170SI」を発表。ブラウンの手がける調理家電といえば、日本国内ではハンドブレンダーやフードプロセッサーが有名ですが、グローバルでは1972年からコーヒーメーカーを製造・販売しており、実はコーヒーメーカーの老舗ブランドという顔を持ちます。そんなブラウンの新モデルを見てきました!
「ブラウン マルチサーブ コーヒーメーカー KF9170SI」(以下、ブラウン マルチサーブ コーヒーメーカー)は、セットしたコーヒー粉にお湯を注いで抽出するドリップ式のコーヒーメーカーです。一般的なドリップ式コーヒーメーカーは淹れたい抽出量に合わせてコーヒー粉と水量を準備しますが、「ブラウン マルチサーブ コーヒーメーカー」は本体に搭載したフローターメーターと給水ポンプを制御する「イグザクトブリューテクノロジー」を使い、抽出したい量に合わせて自動で調節。1杯(125mL)〜10杯(1,250mL)分まで7通りの抽出量に対応し、付属のジャグだけでなく、お手持ちのカップやタンブラーに直接抽出できます。
サイズは330(幅)×200(奥行)×385(高さ)mmで、消費電力は1,400W。市場想定価格は38,280円(税込)で、2023年3月29日発売予定です
水タンクの最大容量は約1.6L。本体に取り付けた状態で水を注ぎ入れるだけでなく、水タンクを取り外して水を入れることもできます。用意する水の量は抽出する量とぴったりにしなくても、自動調節してくれるので足りていればOK
水タンクには、活性炭フィルターも装備。活性炭フィルターには塩素臭を除去する効果がありますが、定期的に交換が必要です。交換用の活性炭フィルターは6個入りで1,980円(税込)。なお、活性炭は取り付けずに使用することもできます
抽出するコーヒーの量は、「抽出量設定ダイヤル」を回して125mL/250mL/330mL/450mL/590mL/625mL/1,250mLの7通りの量で抽出可能。抽出量に該当する容器のアイコンが記されているので、直感的に操作できます
折りたたみ式のカップトレイも装備しているので、カップに直接抽出する際にコーヒーが周囲に飛び散る心配はありません
付属のガラスジャグを使用する抽出量(625mL/1,250mL)に設定した場合、抽出後、自動で保温に切り替わります。保温時間は最大40分で、液晶ディスプレイに1分単位でカウントダウンされる保温の残り時間を表示。40分経過すると、保温プレートの通電は自動でオフになります
使用する水の量は自動で制御されるため厳密に測る必要はありませんが、水量をパッと確認できるシールも付属します
コーヒーの粉は、抽出量に合わせて用意。付属のペーパーレスフィルターだけでなく、ペーパーフィルターも使えます
抽出量に必要なコーヒー粉の杯数は取扱説明書だけでなく、付属の計量スプーンに記されています
計量スプーンがクリップとして使えるのもユニーク
また、「ブラウン マルチサーブ コーヒーメーカー」は給湯機能も備えています。抽出部にあるレバーを切り替えて、コーヒー抽出と給湯を使い分ける仕組み。お湯の温度は70/75/80/85/90/95度の6段階で設定でき、コーヒーを抽出するときと同じように「抽出量設定ダイヤル」で湯量を選択します。コーヒーとは異なる経路からお湯が出る設計となっているので、味が混ざる心配はありません。
電源をオンにした後、コーヒーやお湯が出てくる部分近くにあるレバーを「Coffee」に合わせるとコーヒーが抽出できるようになり、「Water」に合わせると給湯できます。操作部の表示は選択できるものだけが点灯する仕様
お湯の温度は「Temp」の「−」「+」をタッチして設定。その下にある「Water」をタッチするとお湯が出ます
コーヒーの粉や水の量は変えずに、ボタンひとつで抽出するコーヒーの味を「Mild」「Gold」「Strong」の3種類に淹れ分けできる「ブリューチョイスプラス」機能を搭載しているのもポイント。「Mild」は湯温を低めにして抽出スピードを速くすることで軽めの味わいに、「Strong」は湯温を高めにしてゆっくり抽出することで強めの濃い味わいにというように、湯温と抽出時間を制御して味を変えます。残る「Gold」は、「ヨーロッパコーヒーブリューイングセンター(ECBC)」の認証を取得したモード。抽出温度は92〜96℃、抽出時間は4〜6分などの規定に基づいた抽出方法で、ECBCが定める基準に合格しなければ認証を受けることができません。いわばコーヒーのプロが認めるコーヒーを楽しめるのが「Gold」です。このほか、氷を入れたジャグなどに抽出し、急速に冷やす「アイスコーヒー」モードも搭載。氷から出る水分を考慮し、通常使用する半分の水量で抽出します。アイスコーヒーもカップ1杯から抽出可能。
電源をオンにしてレバーを「Coffee」に合わせた後、モードをタッチすると抽出が始まります。アイスコーヒーを淹れる際は、事前にジャグなどの容器に氷を入れてから「Over Ice」を押しましょう
実際にコーヒーを淹れてみると、約6分で10杯分(1,250mL)のコーヒーが抽出できました
今回は「ブラウン マルチサーブ コーヒーメーカー」を用意し、3つのモードで淹れ分けしたのですが、すべて同じ水の量を使ったにも関わらず、抽出されたコーヒーの量に差が出ました。これは、抽出にかける時間が違うからなのだそう。高めの温度でゆっくり抽出する「Strong」は、コーヒー粉が吸収する水分が多いのでほかのモードよりも抽出されるコーヒーの量が少なくなるといいます
見た目からは違いはわかりませんが、それぞれのモードで抽出したコーヒーを飲んでみると風味や味わいがまったく違いました。「Mild」は軽くてさっぱりとした味わいで、「Strong」は濃くてミルクなどを入れて楽しみたい味わい。そして、「Gold」はバランスがとてもいい印象で、雑味がなく、強い香りとコクがあります
なお、コーヒー抽出や給湯をした後は、コーヒー抽出と給湯を切り替えるレバーを中央に戻しましょう。中央に戻さなくてもジャグなどの容器を取って飲むことはできますが、レバーを中央に戻すことで抽出口からしずくが垂れるのを防ぐことができます。
レバーを中央に戻すとしずく垂れが防止できます
このほか、抽出する時間を予約する機能も搭載。就寝前にセットしておけば、朝、淹れたてのコーヒーを楽しめます。
家電流通専門誌で白物家電と家電量販店と流通に関する取材・執筆・編集を担当。趣味は料理、旅行、舞台鑑賞、米国ドラマ視聴など。クラシック音楽の”現代音楽ファン”というと変人扱いされることが悩み。