特別企画

670Lの大容量なのに奥行65.4cm! キッチンに横並びですっきりフラットに置ける日立の冷蔵庫

まとめ買いや作り置きニーズの高まりなどから、容量の大きい冷蔵庫を求める人が増えています。ただ、冷蔵庫は、大容量になるほど本体サイズも大きくなるため、設置スペースが課題。2023年3月に発売された日立「R-GXCC67T」は、そんな点に着目し、670Lという大容量ながら奥行654mmという薄型化を実現しました。

容量600L以上の冷蔵庫は本体幅だけでなく奥行も大きい

日本国内の市場において、600Lを超える大容量の冷蔵庫のラインアップはそれほど多くありません。価格.comで検索すると、499製品ある冷蔵庫(冷凍冷蔵庫)のうち、容量600L以上の製品は36製品でした(2023年4月11日時点)。家庭の人数に適した冷蔵庫の容量は、日本電機工業会が開示している計算式「(1人あたりの容量70L×人数)+常備品の容量120〜170L+予備容量100L」にあてはめると、4人家族の場合、500〜550Lとなります。「設置スペースに余裕があればプラス50Lくらいのモデルを選んでもいいでしょう」という一文も付け加えられていますが、一般的なファミリー世帯であれば、600L以下の容量で対応できそう。ただ、近年は、セカンド冷凍庫の需要が高まっていることから、通常の冷蔵庫だけでは容量が足りない家庭が増加しているようです。

価格.comに登録されている容量600L以上の冷凍冷蔵庫は、600L〜740Lまで全36製品(2023年4月11日時点)

価格.comに登録されている容量600L以上の冷凍冷蔵庫は、600L〜740Lまで全36製品(2023年4月11日時点)

ただ、冒頭でも記したとおり、冷蔵庫は大容量になるほど本体サイズも大きくなります。日本では、多くの一般的な家庭に設置できる「本体幅685mm」や「本体幅650mm」サイズが中心。買い替えの際も本体幅を基準に選ぶことが多いため、このクラスのラインアップが充実しています。では、このクラスに600L以上の製品があるのかというと、本体幅650mm以下で該当する製品はなく、本体幅685mmは24製品ありました(2023年4月11日時点の価格.comでの検索結果)。もう少し詳しく調べてみると、本体幅685mmで最も大きい容量は617L。これ以上の容量になると、本体幅は750mm以上となります。

本体幅685mmで容量が最も大きい617Lの冷蔵庫は、2022年モデルも含めて5製品(R-HW62S、R-HXCC62S、R-HWC62T、R-HXC62T、R-HXCC62T)。いずれも日立の製品でした

本体幅685mmで容量が最も大きい617Lの冷蔵庫は、2022年モデルも含めて5製品(R-HW62SR-HXCC62SR-HWC62TR-HXC62TR-HXCC62T)。いずれも日立の製品でした

今回、新たに登場した日立「R-GXCC67T」は670Lという大容量モデルです。本体幅は880mmと大きいですが、奥行を654mmに抑えたのがポイント。実は、本体幅685mmの製品でも容量600L以上のものは本体奥行が730mm以上あります(2023年4月11日時点の価格.comでの検索結果)。日本の家庭では本体幅685mm以下の冷蔵庫が台所に置きやすいサイズではあるものの、システムキッチンの奥行は650mmや600mmが主流なため、キッチンの横に収まっても冷蔵庫が出っ張った状態になることが多いのだそう。システムキッチンの奥行に合わせたスリム設計の「R-GXCC67T」は、出っ張りの少ない空間を提供してくれます。

サイズは880(幅)×654(奥行)×1,875(高さ)mm。一般的なキッチン(奥行約650mm)と横並びにしても、冷蔵庫の出っ張りが少なく、すっきり置けます

サイズは880(幅)×654(奥行)×1,875(高さ)mm。一般的なキッチン(奥行約650mm)と横並びにしても、冷蔵庫の出っ張りが少なく、すっきり置けます

奥行がスリムということは、庫内の奥に入れた食品の取り出しもしやすくなります。また、庫内が広いので大きな鍋やホールケーキ、広い大皿も余裕を持って置けるので、庫内に入れた食品も探しやすいでしょう。なお、「R-GXCC67T」は冷凍室を真ん中に配置したタイプです。

幅がワイドなので庫内が見渡しやすく、奥行がスリムなので奥まで手が届きやすい。ドアポケットも最下段に2Lのペットボトルを左右各3本ずつ、計6本入れられるほどたっぷり収納スペースがあります

幅がワイドなので庫内が見渡しやすく、奥行がスリムなので奥まで手が届きやすい。ドアポケットも最下段に2Lのペットボトルを左右各3本ずつ、計6本入れられるほどたっぷり収納スペースがあります

冷蔵室最上段の棚は、500mlペットボトルを立てたまま収納できるほど高さがあります。最上段の棚の高さは床面から約157cm。身長159cmの人に試してもらったところ、少し背伸びをすれば最上段の奥まで手が届きました

冷蔵室最上段の棚は、500mlペットボトルを立てたまま収納できるほど高さがあります。最上段の棚の高さは床面から約157cm。身長159cmの人に試してもらったところ、少し背伸びをすれば最上段の奥まで手が届きました

冷蔵室の最下部に配置された、約-1度で肉や魚を保存する「特鮮氷温ルーム」も広々

冷蔵室の最下部に配置された、約-1度で肉や魚を保存する「特鮮氷温ルーム」も広々

冷蔵室3段目の棚は右側を3段階に高さ調節できるなど、使いやすく工夫されています

冷蔵室3段目の棚は右側を3段階に高さ調節できるなど、使いやすく工夫されています

冷凍室(下段)の容量は132Lで、3段のケースを装備

冷凍室(下段)の容量は132Lで、3段のケースを装備

冷凍室(下段)の1段目は、アルミトレイがセットされた「デリシャス冷凍スペース」。アルミが食品の熱を奪い、素早く凍らせることができるため、食品の細胞の破壊を抑えられます。その結果、肉や魚は解凍時のドリップ(うまみ成分)流出を、野菜はビタミンCなどの栄養素の減少を抑えられるそう。温かいごはんの急速冷凍やホームフリージングに役立つスペースなので、広く確保されているのはありがたい

冷凍室(下段)の1段目は、アルミトレイがセットされた「デリシャス冷凍スペース」。アルミが食品の熱を奪い、素早く凍らせることができるため、食品の細胞の破壊を抑えられます。その結果、肉や魚は解凍時のドリップ(うまみ成分)流出を、野菜はビタミンCなどの栄養素の減少を抑えられるそう。温かいごはんの急速冷凍やホームフリージングに役立つスペースなので、広く確保されているのはありがたい

野菜室(124L)も3段ケース構造。野菜から出るエチレンガスやニオイ成分を分解して炭酸ガスを生成し、野菜の呼吸活動を抑え、野菜の鮮度を保つ機能を搭載しています

野菜室(124L)も3段ケース構造。野菜から出るエチレンガスやニオイ成分を分解して炭酸ガスを生成し、野菜の呼吸活動を抑え、野菜の鮮度を保つ機能を搭載しています

容量が大きいとたくさんの食品が入れられるので、引き出しは引き出す際に重さが負担になることがありますが、「R-GXCC67T」は電動引き出しを採用しているのでラクに開けられます。下の動画は、引き出しに27kg分のペットボトルを入れ、開けている様子。引き出しを軽く押すと自動で開きます。電動に対応しているのは、下段にある冷凍室と野菜室の2か所。

冷蔵庫の本体サイズが横に広くなるとドアも大きくなるため、ドアを開けた際や開閉中に熱が逃げやすく、ドアを閉めているときもすき間から逃げる熱に対策しなくてはなりません。そうした点が、省エネ性能を維持しながら、奥行がスリムで横に広い冷蔵庫を開発する際の難しさなのだそう。同社では、断熱材の配置などを工夫し、この課題を解決したといいます。年間消費電力量は322kWh/年。このほか、倒れにくいようバランスの調節もしています。

インテリアに調和する外観デザインにグレーカラーをポイントで加えた庫内

「R-GXCC67T」は、既存の日立製冷蔵庫とは異なるデザインを採用しているのも特徴です。近年のキッチンのトレンドであるグレッシュな住空間にマッチするダークトーンのモーブグレーカラーを採用し、キッチンのステンレス仕上げにも用いられるバイブレーション仕上げ調の柄をドア面に施すことで、キッチンに調和する上質なデザインを実現。製氷室や冷凍室、野菜室の引き出しケース、冷蔵室内の「特鮮氷温ルーム」やドアポケットをダークトーンでまとめるなど、庫内もワンランク上の高級感ある仕上がりとしています。

操作部や凹凸が少ない、フラットでシンプルな形状。フレンチドアの冷蔵庫は一般的に冷蔵室ドアの左右分割が非対称で、それにともない製氷室と冷凍室(上段)の面積も異なりますが、「R-GXCC67T」は冷蔵室ドアの左右分割を対象とすることで、製氷室と冷凍室(上段)の面積を同じにしたのも特徴です

操作部や凹凸が少ない、フラットでシンプルな形状。フレンチドアの冷蔵庫は一般的に冷蔵室ドアの左右分割が非対称で、それにともない製氷室と冷凍室(上段)の面積も異なりますが、「R-GXCC67T」は冷蔵室ドアの左右分割を対象とすることで、製氷室と冷凍室(上段)の面積を同じにしたのも特徴です

ドア面は、ランダムな円弧を描きながら研磨するバイブレーション仕上げ調。木目調のアクセントもあしらわれています

ドア面は、ランダムな円弧を描きながら研磨するバイブレーション仕上げ調。木目調のアクセントもあしらわれています

通常、ドアポケットは無色透明ですが、スモールグレーを採用

通常、ドアポケットは無色透明ですが、スモールグレーを採用

「特鮮氷温ルーム」もダークカラーを採用。ハンドル部はステンレス仕様とし、品位を向上させています

「特鮮氷温ルーム」もダークカラーを採用。ハンドル部はステンレス仕様とし、品位を向上させています

製氷室、冷凍室、野菜室など引き出しのケースも、すべてダークカラー

製氷室、冷凍室、野菜室など引き出しのケースも、すべてダークカラー

冷蔵室内の食品管理に役立つ「冷蔵庫カメラ」

2022年に発売した「HXCCタイプ」「HWSCCタイプ」(冷凍室を真ん中に配置したタイプ)や「KXCCタイプ」(野菜室を真ん中に配置したタイプ)に搭載した、冷蔵室の中をスマートフォンで確認できる「冷蔵庫カメラ」も引き続き搭載しています。「冷蔵庫カメラ」とは、冷蔵室のドアを開けて一定の時間が経過すると、本体上部にあるカメラで冷蔵室の棚と左右ドアポケットを自動で撮影し、冷蔵室のドアを閉めると撮影した画像がスマートフォンのアプリに送信されるというもの。買い忘れや二重購入の防止に役立ちます。

冷蔵庫上部に搭載したカメラで、冷蔵室の棚と左右のドアポケットを同時に撮影。ドアを開けてから撮影するタイミングやシャッターの間隔はアプリ上で変更できます

冷蔵庫上部に搭載したカメラで、冷蔵室の棚と左右のドアポケットを同時に撮影。ドアを開けてから撮影するタイミングやシャッターの間隔はアプリ上で変更できます

手動で撮影するためのボタンは非搭載になるなど、一部、違う点はありますが、搭載しているカメラのスペックや仕組みは従来モデルと同じ。ただ、その場合、本体幅がワイドになった「R-GXCC67T」は、ドアポケットまでしっかり写るのか気になります。ということで、実際に「冷蔵庫カメラ」で冷蔵庫内を撮影してみたところ、ドアポケットに入れた食品もきちんと確認できました。

「冷蔵庫カメラ」で撮影した画像は、3つのエリアに分けて表示されます。冷蔵庫の棚の奥や影になってしまう部分は写らないので、よく使うものを手前に配置しておくといいでしょう

「冷蔵庫カメラ」で撮影した画像は、3つのエリアに分けて表示されます。冷蔵庫の棚の奥や影になってしまう部分は写らないので、よく使うものを手前に配置しておくといいでしょう

画像は拡大できます

画像は拡大できます

撮影された画像を見ていて気づいたのですが、従来モデルより「R-GXCC67T」のほうが、冷蔵庫の棚は奥のほうまで、ドアポケットは中段や下段の写る範囲が広くなった印象。メーカー担当者によると、ワイドな本体幅とスリムな奥行にしたことで、結果的に従来モデルよりも写る範囲が広くなったそうです

撮影された画像を見ていて気づいたのですが、従来モデルより「R-GXCC67T」のほうが、冷蔵庫の棚は奥のほうまで、ドアポケットは中段や下段の写る範囲が広くなった印象。メーカー担当者によると、ワイドな本体幅とスリムな奥行にしたことで、結果的に従来モデルよりも写る範囲が広くなったそうです

伊森ちづる

伊森ちづる

家電流通専門誌で白物家電と家電量販店と流通に関する取材・執筆・編集を担当。趣味は料理、旅行、舞台鑑賞、米国ドラマ視聴など。クラシック音楽の”現代音楽ファン”というと変人扱いされることが悩み。

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
プレゼント
価格.comマガジン プレゼントマンデー
SPECIAL
ページトップへ戻る