ハンディクリーナー「EVOPOWER」シリーズや、日本専用に開発したコードレススティック掃除機「EVOPOWER SYSTEM」シリーズを展開し、日本国内のユーザーからも高い評価を獲得しているシャークニンジャから、コードレススティック掃除機の新モデル「Shark CleanSense iQ」と「Shark CleanSense iQ+」が登場。必要なときにサッと手に取って掃除できる手軽さはそのままに、新たなセンシング技術を搭載することでより高い掃除性能を実現しました。
「Shark CleanSense iQ」(右写真)と「Shark CleanSense iQ+」(左写真)の違いは、「自動ゴミ収集ドック」の有無。「iQ+」が自動ゴミ収集ドック付属モデルです。市場想定価格は「iQ」が74,800円(税込)で、「iQ+」が89,650円(税込)。どちらも2023年6月16日発売
「Shark CleanSense iQ」はホワイトアルミニウム(右から2番目)とミッドナイトグレー(右端)の2色を用意。「自動ゴミ収集ドック」が付属する「Shark CleanSense iQ+」も2色展開で、ライトチタニウム(左端)とメタルブラック(左から2番目)をラインアップしています
「CleanSense iQ/iQ+」は、これまで展開してきたコードレススティック掃除機「EVOPOWER SYSTEM」シリーズとは異なる新たに追加されたラインで、同社最高の掃除力を実現した最上位モデル。主力モデル「EVOPOWER SYSTEM iQ/iQ+」(2022年に発売)と比べると、デザインが大きく変わり、本体部がサイズアップしています。これは、「CleanSense iQ/iQ+」がもっとしっかり掃除したいユーザーのために開発されたモデルだから。「EVOPOWER SYSTEM iQ/iQ+」でも十分な掃除性能を有していますが、「CleanSense iQ/iQ+」は基本の掃除性能を向上させ、それに合わせてダストボックスの容量を大きくし、ハンドルなどを最適な形状にしたそうです。
通常使用時(スティック時)の本体サイズは既存の「EVOPOWER SYSTEM iQ/iQ+」が258(幅)×114(奥行)×1,040(高さ)mmで、新モデル「CleanSense iQ/iQ+」が260(幅)×316(奥行)×1,068(高さ)mm。重量は「EVOPOWER SYSTEM iQ/iQ+」より0.2kg重い2.2kgです
若干、サイズや重量はアップしましたが、実際に使ってみると動かしやすさには影響なし。使用時の重量バランスを調整するため、パイプの黒い部分にはカーボンを採用。また、手が小さめの人でも握りやすいように、ハンドルの握り部分は細く設計しているといいます
掃除性能を高めるために「CleanSense iQ/iQ+」は、ゴミの量に応じて吸引力を自動調整する「iQセンサー」と床の種類に合わせてブラシロールの回転速度を自動調整する「フロアセンサー」、壁際などを検知すると吸引力をアップする「エッジセンサー」、暗い場所でヘッドライドの照度を上げる「ライトセンサー」という4種類のセンサーを組み合わせたセンシング技術「Smart iQ PRO」を搭載。効率的な掃除を実現するとともに、ゴミの取り残しを防ぎます。なお、この機能は「iQモード」時のみ作動し、その他の運転モードでは作動しません。
運転モードは「iQ」「エコ」「ブースト」の3種類。スティック時の連続運転時間は「iQモード」で約7〜32分、「エコモード」で約32分、「ブーストモード」で約7分です
実際に「iQモード」で掃除した様子を紹介していきます。最初に、フローリングに撒いた疑似ゴミを吸引。ゴミの量が多いと「iQセンサー」により、吸引力がアップします。その後、床がカーペットに変わると「フロアセンサー」が反応し、ゴミをしっかりかき出すため、ブラシロールの回転速度が上昇。動画にはありませんが、畳では目地を傷付けないようにブラシロールの回転速度をゆっくりにするそうです。ゴミ取れ性能はかなり高く、下の動画のとおり、フローリングでもカーペットでも掃除機を押し引きしなくても1回通過しただけでゴミは完全に吸い取れました。特にカーペットはヘッドを押し引きさせないとゴミが取りきれないことが多いので、このゴミ取れ性能はすごい!
その後、壁際に近づくと「エッジセンサー」が作動。壁際を検知すると吸引力が2.5倍アップするとともに、きちんと作動していることを目で確認できるように、ヘッドにあるLEDライトの壁際のほうだけが点灯します。センサーはヘッドの左右に搭載されており、壁との距離が3cm程度で識別可能。一般的な椅子やテーブルの脚にも対応しますが、細いアイアンの脚は識別するのは難しいとのこと。また、光の反射を利用しているため、黒色の壁や家具も検知しにくいそうです。
ヘッドの両側面に「エッジセンサー」を搭載
下の動画は、壁際に撒いた砂ゴミを掃除している様子。壁際のゴミはなかなか取りきれないので、ヘッドの方向を変えながら何度もアプローチしなければならないことがありますが、「CleanSense iQ/iQ+」は壁に沿わせ前に押すだけで、往復させなくてもゴミが吸い取れました。
しかも、上の動画後の半掃除機がけを終えた部分を見ていただきたい! 壁の下のほうに巾木があり、壁が奥に引っ込んだ状態になっています。ヘッドが入り込めるほどの高さはないので、壁際までブラシはおろかヘッドも届いていません。この状態でゴミの取り逃しなく掃除できたポイントは、床面との密閉性の高いヘッドの裏面のサイドに設けられた溝と、壁際でアップする吸引力。吸引力を最大化することで密閉性との相乗効果で気流が発生し、ヘッドの横からゴミを強力に吸い込みます。
ヘッドの裏面のサイドにある溝からゴミを引き込みます。「CleanSense iQ/iQ+」の場合、壁際にヘッド前方を向けるよりも、側面を沿わせて掃除したほうがよくゴミが取れるそう
椅子の脚でも「エッジセンサー」が反応しましたが、ワンテンポ遅れて検知される印象。「CleanSense iQ/iQ+」のヘッドは押し引きしなくてもゴミをよく吸い取りますが、家具の脚まわりを掃除する際にはゆっくり動かすとともに、反応によっては押し引きしながら動かすようにしましょう
なお、ヘッド「ハイブリッドパワークリーン」に搭載されているブラシロールは「EVOPOWER SYSTEM iQ/iQ+」で採用されているものと同じ構造ですが、「CleanSense iQ/iQ+」ではブラシ毛の密度や長さ、フィンの硬さや高さを「iQモード」使用時にパフォーマンスを発揮できるよう設計し直しているとのこと
そして、暗い場所にヘッドが入ると「ライトセンサー」が反応し、ヘッドに装備されたLEDライトの明るさを自動でアップします(下の動画参照)。運転をオンにするとヘッドライトは点灯しますが、ヘッドのまわりをライトで照らして見やすくし、操作性を高めるのが目的。ゴミを可視化するためにライトを搭載している製品もありますが、「CleanSense iQ/iQ+」は目で確認できないような微細なゴミも「iQモード」でしっかり吸い取れるので、ライトを使ってゴミを浮かび上がらせる必要はないそうです。
「ライトセンサー」はヘッドの天面に搭載
ライトで床面のゴミを可視化する機能はありませんが、ハンドル上部に半円を描くように光る「iQバー」と、ヘッド天面の「iQアイコン」の色の変化でゴミの量を確認可能。ゴミやホコリが多いときは赤色、日常的な汚れ具合はオレンジ色、汚れが少ない場合は緑色になります
一般的なサイクロンタイプのコードレススティック掃除機は、ダストカップに溜まったゴミをある程度こまめに捨てなければなりませんが、「CleanSense iQ+」は充電台に「自動ゴミ収集ドック」を搭載しているので、ゴミ捨ては1か月に1回程度で済みます。ロボット掃除機でトレンドとなっている機能と同じで、掃除機本体を充電台に戻すと、充電が始まるとともに掃除機本体のダストカップに溜まったゴミが「自動ゴミ収集ドック」内のダストカップに吸引されて移送される仕組み。既存の「EVOPOWER SYSTEM iQ+」(2022年発売)や「EVOPOWER SYSTEM STD+」(2023年発売)にも「自動ゴミ収集ドック」を搭載していますが、「CleanSense iQ+」では掃除機に合うデザインや性能に変更されました。
「CleanSense iQ+」に付属する「自動ゴミ収集ドック」を搭載した充電台。HEPAフィルターを搭載し、排気のクリーンさにもこだわっています
既存の「EVOPOWER SYSTEM iQ+」の「自動ゴミ収集ドック」と比べると、本体幅は狭くなり、奥行が若干アップ。ダストカップの容量は1Lから1.3Lに増えました。容量が大きくなったのなら30日以上ゴミを溜められるのでは? と期待しましたが、「CleanSense iQ+」は従来モデルよりもゴミがしっかり吸い取れるため、ダストカップにストックできる日数の目安は変わらないそう
掃除を終え、掃除機を充電台に戻すと下の動画のようにゴミが「自動ゴミ収集ドック」のダストカップに移送されます。なお、収納時のサイズは260(幅)×334(奥行)×1,108(高さ)mm。バッテリー残量ゼロの状態から満充電まで約4時間かかります
上の動画のとおり、掃除機本体のダストカップ内のゴミは一瞬で「自動ゴミ収集ドック」に吸い込まれます。従来モデルはゴミの移送経路が、いったん横に移動させてから下に落とすというものだったのに対し、「CleanSense iQ+」では空気の流れを見直し、真下にストンと落ちる設計を採用。空気の流れがスムーズになったことで、ゴミの取り残しが少なくなり、運転音のノイズも低減できたといいます。
ゴミの自動収集機能を搭載した掃除機は他社にもありますが、シャークは紙パックを使わないのが特徴。「自動ゴミ収集ドック」のダストカップを取り外し、溜まったゴミをゴミ箱などに捨てる仕様なのでランニングコストがかかりません。
ダストカップにはハンドルが付いているので、取り外しやすく、持ち運びも楽々。マグネットでくっつく仕様なので、脱着も簡単です
ダストカップの側面にあるボタンを押すと、底が開いて中のゴミを捨てられます
ダストカップに直接ゴミが溜まりますが、汚れが気になったら水洗い可能
ゴミ捨ての時期をお知らせするインジケーター(左のゴミ箱マーク)が点灯する機能も搭載。使用期間が30日経つと点灯し、ダストカップを取り外すとゴミを捨てたということになるので、リセットされて1日目からカウントが始まります。また、写真で点灯している月マークは「自動ゴミ収集停止ボタン」。夜間など音が気になるときには、このボタンを押しておくとゴミ収集機能が停止し、充電のみ行えます
ちなみに、「自動ゴミ収集ドック」を搭載していない「CleanSense iQ」は、一般的なサイクロンタイプの掃除機と同じように、掃除機本体にあるダストカップに溜まったゴミを捨てます。ダストカップを本体から取り外すタイプのものが多いですが、「CleanSense iQ」は本体に付けたままゴミを捨てるスタイルを採用。本体からパイプを取り外し、本体にある「ゴミ捨てボタン」を押すとダストカップが開きます。
ゴミ箱などに直接ゴミを捨てられます
最後に、「CleanSense iQ/iQ+」のその他の特徴的な機能を紹介しておきましょう。
ベッドや椅子など家具の下を掃除機がけする際には、腰をかがめて掃除機を差し込み、その状態で動かしますが、「FLEX」機能を使えば、パイプを折り曲げられるので立ったまま家具の下にアプローチできます。使い方は、下の動画のとおり、超簡単。パイプにあるボタンを押して掃除機を軽く動かせば折り曲がり、本体を手前に引けば元の状態に戻ります。
掃除の手を止めることなく形状を変えられるので、掃除がはかどります。ハンドル部の「iQバー」の色で床面の汚れが確認できるので、「iQモード」にしておくと便利でしょう
ヘッド「ハイブリッドパワークリーン」に搭載されているブラシロールは、ブラシ毛の密度が高いため、髪の毛やペットの毛などがからみにくいのも特徴。さらに、ブラシロールの両サイドに「巻き込み防止ガード」を備え、ブラシの端にすき間や溝ができない構造になっているので、その部分にからみ付いた毛をカットする手間も減らせます。
ブラシロールの両サイドにはすき間や溝があることが多く、そこにからんだ髪の毛などはハサミを使ってカットしないと除去できません。「ハイブリッドパワークリーン」はそのからみ付きを防ぐため、「巻き込み防止ガード」を装備しています
ブラシロールの後方にあるくし状のパーツは、髪の毛やペットの毛、糸などをほぐしてからまないようにする効果があるそうです
いろいろなゴミを吸い取った後、ブラシロールを確認してみましたが、からみ付きはありませんでした
もちろん、ブラシロールは取り外して水洗い可能。脱着も簡単に行えます
床だけでなく、すき間やソファなどを掃除するための4種類のアクセサリーを同梱。ヘッドを取り外してパイプに装着するか、パイプを取り外して本体に装着してハンディスタイルで使用するか、掃除したい場所に合わせて使えます。
布団やマットレス、布製のものの掃除には、高速回転するフィンがゴミをかき出す「ミニモーターヘッド」を使いましょう
「布団ノズル」も布団や布製のものに使えますが、こちらはゴミをかき出したり、繊維の奥からゴミをたたき出したりする機能は搭載していないので、吸引でホコリやゴミを吸い取ります
カーペットにからみ付いた糸や糸くずなどを取り除くのに役立つ「ペットマルチノズル」。ブラシ部は取り外せるようになっており、その状態にすると布製のものに付着したゴミを取り除けます
家具と壁のすき間や角など狭いスペースの掃除に使える「ブラシ付き隙間ノズル」も付属。先端のブラシは格納した状態と引き出した状態で使い分けられます
ノズルやヘッドなど4種類のアクセサリーは充電台の横に収納できます
家電流通専門誌で白物家電と家電量販店と流通に関する取材・執筆・編集を担当。趣味は料理、旅行、舞台鑑賞、米国ドラマ視聴など。クラシック音楽の”現代音楽ファン”というと変人扱いされることが悩み。