選び方・特集

【動画】防災、キャンプ、車中泊などに大活躍のポータブル電源ってどうやって選べばいいの?

キャンプや車中泊での利用や防災グッズとして、注目されているポータブル電源。3年前くらいから目にする機会が増えてきた、比較的新しいジャンルの製品です。そこで、選び方を動画で解説してきましょう。価格.comの人気メーカーの最新モデルも紹介します。

ポータブル電源とは?

ポータブル電源とは、スマートフォンを充電するモバイルバッテリーの大容量版と考えるとわかりやすいと思います。AC出力ポートを備えるのが、USBポートのみのモバイルバッテリーとの違い。「持ち歩けるコンセント」とも言われます。アウトドアでの利用や防災グッズとして注目され、3年前くらいからチラホラと見るようになり、コロナ禍のキャンプブームが追い風となり、広がりを見せています。

・キャンプ、車中泊
ポータブル電源があれば、電源が取れないキャンプ場でも、調理家電や扇風機、暖房機器まで幅広い機器が利用できます。キャンプといっても、家電を使って快適にを楽しみたいというニーズにぴったり。車中泊とも相性抜群。DIYの電気工具なども動かせます。

・防災グッズ
万が一の停電対策にも、ポータブル電源は有効です。情報収集のためスマートフォンやノートパソコンの充電のほか、テレビなども使えます。電子レンジや電気ケトルなども使えるので、停電中でも温かいものが食べられます。最新モデルはEPS(非常用電源)機能を備えたモデルもあり、UPSに近い使い方ができます(瞬断はするので使い方は注意)。

ポータブル電源の選び方

(1)バッテリーの容量

ポータブル電源を選ぶ際は、まずは用途に合ったバッテリー容量のモデルを選びましょう。ポータブル電源はバッテリー容量が大きくなるほど、家電を長く使えたり、消費電力の大きな家電が使えたりします。ただし、その分本体サイズが大きく重くなり、持ち運びが大変になり、収納時の場所も取ります。さらに、価格も高くなるので、自分に合った容量のモデルを選ぶのが重要です。

ポータブル電源の容量は、「Wh」(ワットアワー、1時間の消費電力)という数値で表されます。たとえば、100Wのテレビを2時間使う場合の消費電力は100W(0.1kW)×2時間=200Whとなります。つまり、このテレビを2時間使いたい場合は、バッテリー容量が200Whのポータブル電源が必要ということです。

(2)使いたい家電の消費電力を確認する

ポータブル電源に接続して利用したい電気製品の「消費電力(W)」の確認もしておきましょう。消費電力は、どのくらい電気を消費するかを示したものです。家庭向けの電気製品には、消費電力の表示が義務づけられているので、製品のどこかに表示があるはずです。たとえば、電気毛布は50〜80W、ドライヤーは600〜1200W、電子レンジは1000〜1500Wが目安。

なお、複数のAC出力ポートを備えたポータブル電源の場合、同時に利用する家電の合計消費電力が定格出力を超えないようにしないといけません。多くの家電を同時に使いたい人は、バッテリー容量および定格出力の大きなモデルを選びましょう。なお、定格出力が2000W以上であれば、家の中のほとんどの家電が使えると言われています。

(3)出力ポートの種類と数

ポータブル電源はモデルによって、搭載される出力ポートの数が異なります。ポータブル電源に搭載される出力ポートは、AC出力、DC出力、USBの3種類。出力ポートが多ければ、多くの家電を動かしたり、充電したりできます。

・AC出力ポート:扇風機、サーキュレーター、電気ケトルなど家電を接続して利用します。家のコンセントと同じです。
・DC出力ポート(シガーソケット):車載用冷蔵庫や自動車エアーポンプなどが使えます。
・USB出力ポート:スマートフォンやタブレットなどデジタル機器の充電に利用します。USB Type-Cポートでポータブル電源の充電(入力)ができるモデルもあります。

(4)重量とサイズ

ポータブル電源は、バッテリー容量が大きければ大きいほど、本体の重量とサイズが増えます。キャンプや車中泊で持ち歩く場合は重量とサイズに気をつけましょう。防災目的でも、大容量モデルは1人で運ぶのは大変です。大容量でも持ち運びやすさを重視する人は、タイヤやハンドルを備えたモデルを選びましょう。

最新モデル紹介

今回は価格.comで人気の3メーカーの小/中/大容量モデルをピックアップしました。

Jackery(ジャクリ)――ポータブル電源のパイオニア

2012年に設立されたポータブル電源のパイオニア的なメーカー(日本法人は2019年に設立)。米国に基盤を置くメーカーで、多くのモデルをラインアップします。オレンジ色が目印で、最新モデルの「Plusシリーズ」はリン酸鉄リチウムイオン電池を採用するほか、拡張にも対応。スマートフォンアプリで充電状況などの確認も可能になりました。

Jackeryのポータブル電源の最新シリーズである「Plus」シリーズ。電池にはり長寿命かつ高温に強いリン酸鉄リチウムイオンを採用します

Jackeryのポータブル電源の最新シリーズである「Plus」シリーズ。電池にはり長寿命かつ高温に強いリン酸鉄リチウムイオンを採用します

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「ポータブル電源 300 Plus」(小容量モデル)

バッテリー容量が288Whの小容量モデル。重量が約3.5kgと軽量で気軽に持ち運べるのが魅力です。キャンプや車中泊向けとして人気の「ポータブル電源240」の後継モデルでもあります。なお、定格出力が300Wとひかえめなので、消費電力の大きな家電を使うのには向きません。AC出力ポートが1つだけなので、複数の家電を使いたい人も気をつけましょう。

発売日が2023年9月1日に決まった「ポータブル電源 300 Plus」

「ポータブル電源 300 Plus」の主なスペック
バッテリー容量:288Wh(リン酸鉄リチウムイオンバッテリー)
・定格出力:300W
・出力ポート(給電):AC出力ポート×1(合計300W、瞬間最大600W)、DC出力ポート(シガーソケット)×1、USBポート×3(USB Type-C×2、USB Type-A×1)
・充電時間:コンセント2時間/シガーソケット5.5時間
・本体サイズ:230(幅)×155(奥行)×167(高さ)mm
・重量:約3.5kg
・備考:―

「ポータブル電源 1000 Plus」 (中容量モデル)

バッテリー容量が1264.64Whの中容量モデル。定格出力2000Wで、同社によると家の中の90%以上の家電を動かせるとのこと。これだけパワフルであれば、キャンプや車中泊でも扇風機や電気毛布などを余裕で使えるでしょう。防災用に家にあってもいいと思います。重量は約14.5kgと軽くはないですが、汎用性の高いモデルと言えるでしょう。

「ポータブル電源 1000 Plus」の主なスペック
・バッテリー容量:1264.64Wh(リン酸鉄リチウムイオンバッテリー)
・定格出力:2000W
・出力ポート(給電):AC出力ポート×3(合計2000W、瞬間最大4000W)、DC出力ポート(シガーソケット)×1、USB×4(USB Type-C×2、USB Type-A×2)
・充電時間:コンセント1.7時間/シガーソケット7時間
・本体サイズ:356(幅)×283(奥行)×260(高さ)mm
・重量:約14.5kg
・備考:最大3台の拡張に対応

「ポータブル電源 2000 Plus」(大容量モデル)

バッテリー容量が2042.8Whの大容量モデル。定格出力は3000Wで、家中のほとんどの家電を動かせます。重量は約27.9kgとヘビー級ですが、ハンドルとタイヤが付いており、移動はしやすいです。ただし、上げ下げするときに腰をやられないように気をつけましょう。

「ポータブル電源 2000 Plus」の主なスペック
・バッテリー容量:2042.8Wh(リン酸鉄リチウムイオンバッテリー)
・定格出力:3000W
・出力ポート(給電):AC出力ポート×5(合計3000W、瞬間最大6000W)、DC出力ポート(シガーソケット)、USB×4(USB- TypeC×2、USB Type-A×2)
・充電時間:コンセント2時間、シガーソケット25時間
・本体サイズ:473(幅)×373(奥行)×359(高さ)mm
・重量:約27.9kg
・備考:ハンドルとタイヤ付き。最大10台の拡張に対応

JVC――安心の国内メーカー

JVCのポータブル電源といえば、前述のJackeryと共同開発したモデルが有名ですが、最新モデルはVictor(ビクター)ブランドから発売されています。家で常時使うことも想定し、カラーがベージュと、アウトドアを強く意識したモデルとはちょっと違います。独自設計により、コンセントは挿したままでOKという常時接続を実現。電源タップ代わりに使うことができます。しまって保管するときでもコンセントに挿したままにしておけば、フル充電に近い状態を維持できます。

Victorブランドのポータブル電源は、大中小の3サイズがラインアップされていますが、一番容量の少ないモデルでもバッテリー容量は約800Whと、他社の中容量クラスなのも違いです。このほか、細かい点ですが、本体の各種文字が日本語というのも見逃せません。日本メーカーらしい安心感が強みと言えるでしょう。

統一感のあるデザインのビクターのポータブル電源

統一感のあるデザインのJVCのポータブル電源は、外出先だけでなく、家の中での利用を想定したモデルです

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「BN-RF800」(中容量モデル)

ラインアップ的には大中小の小にあたるモデルですが、バッテリー容量が806.4Whの中容量モデル。大きめのハンドルが付いており、持ち運びはしやすいです。家の中で、コンセントに挿したままで利用し、キャンプなどのお出かけ時に気軽に持ち出すという使い方がいいのではないでしょうか。重量は約11kgと、バッテリー容量を考えると少し重めです。

「BN-RF800」の主なスペック
・バッテリー容量:806.4Wh(リン酸鉄リチウムイオンバッテリー)
・定格出力:700W
・出力ポート(給電):AC出力ポート×3(合計700W、瞬間最大1400W)、DC出力ポート(シガーソケット)、USB×4(USB Type-C×2、USB Type-A×2)
・充電時間:コンセント約2.5時間、シガーソケット約12時間
・本体サイズ:330(幅)×207(奥行)×246(高さ)mm
・重量:約11kg
・備考:―

「BN-RF1100」(中容量モデル)

バッテリー容量が1152Whの中容量モデル。見た目は「BN-RF800」と似ていますが、持ち手が上部に設けられており、両手でしっかり持てます。出力ポートが多く、定格出力も1500Wと大きめなので、ホットプレートやドライヤー、電子レンジなど消費電力が大きな家電が利用できます。

「BN-RF1100」の主なスペック
・バッテリー容量:1152Wh(リン酸鉄リチウムイオンバッテリー)
・定格出力:1500W
・出力ポート(給電):AC出力ポート×4(合計1500W、瞬間最大3000W)、DC出力ポート(シガーソケット)、USB×4(USB Type-C×3、USB Type-A×1)
・充電時間:コンセント約2.4時間、シガーソケット約14.3時間
・本体サイズ:380(幅)×300(奥行)×254(高さ)mm
・重量:約18.3kg
・備考:―

BN-RF1500(大容量モデル)

「BN-RF1100」を少しサイズアップさせたのが、バッテリー容量1546Whの「BN-RF1500」です。「BN-RF1100」と兄弟機種で、違いはバッテリー容量のみ(それによる充電時間やサイズも違います)と言っていいでしょう。「BN-RF1100」と「BN-RF1500」の価格差は約5万円。定格出力も同じで、どちらにするかはなかなか迷うところです。

「BN-RF1500」の主なスペック
・バッテリー容量:1152Wh(リン酸鉄リチウムイオンバッテリー)
・定格出力:1500W
・出力ポート(給電):AC出力ポート×4(合計1500W、瞬間最大3000W)、DC出力ポート(シガーソケット)、USB×4(USB Type-C×3、USB Type-A×1)
・充電時間:コンセント約2.4時間、シガーソケット約14.3時間
・本体サイズ:380(幅)×330(奥行)×254(高さ)mm
・重量:約21.6kg
・備考:―

EcoFlow(エコフロー)――高コスパで価格.comでも人気

2017年設立の中国の新興メーカー(日本法人は2019年に設立)。ポータブル電源だけでなく、ポータブルクーラーやポータブル冷蔵庫などバッテリー技術を生かしたユニークな製品もラインアップしています。本体が比較的コンパクトで、高速充電が強み。コストパフォーマンスにもすぐれており、価格.comでも人気のメーカーです。

EcoFlowのポータブル電源はコンパクトかつ軽量でコストパフォーマンスにすぐれています。電池にはリン酸鉄リチウムイオンを採用しています

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「RIVER 2 Pro」 (中容量モデル)

価格.comの「ポータブル電源」カテゴリーの人気売れ筋ランキング1位の人気モデル(2023年8月31日時点)。バッテリー容量は768Whの中容量モデルで、重量は約7.8kgです。中容量モデルとしては軽量かつ、ハンドルもあり持ち運びしやすいのがポイント。70分(コンセント利用時)で充電できる高速充電もウリです。価格.com最安価格は62,480円と価格も手ごろです。

「RIVER 2 Pro」の主なスペック
・バッテリー容量:768Wh(リン酸鉄リチウムイオンバッテリー)
・定格出力:800W
・出力ポート(給電):AC出力ポート×4(合計800W、瞬間最大1600W)、DC出力ポート(シガーソケット)、USB×4(USB Type-C×1、USB Type-A×3)
・充電時間:コンセント1.17時間、シガーソケット9時間、USB Type-C 9時間
・本体サイズ:259(幅)×226(奥行)×269(高さ)mm
・重量:約7.8kg
・備考:―

「DELTA 2 Max」(大容量モデル)

バッテリー容量が2048Whの大容量モデル。このバッテリー容量で、本体サイズが497(幅)×242(奥行)×305(高さ)mmと比較的コンパクトなのが特徴です。しまっておくときにありがたいサイズ感と言えるでしょう。重量も約23kgと比較的軽量なのもポイント。最大2個の専用エクストラ(拡張)バッテリー(別売)も付けられます。

「DELTA 2 Max」の主なスペック
・バッテリー容量:2048Wh(リン酸鉄リチウムイオンバッテリー)
・定格出力:2000W
・出力ポート(給電):AC出力ポート×6(合計2000W、瞬間最大4000W)、DC出力ポート(シガーソケット)、USB×4(USB Type-C×2、USB Type -A×2)
・充電時間:コンセント1.17時間、シガーソケット9時間、USB Type -C 9時間
・本体サイズ:497(幅)×242(奥行)×305(高さ)mm
・重量: 約23kg
・備考:最大2台の拡張に対応

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

ガジェットとインターネットが好きでこの世界に入り、はやいもので20年。特技は言い間違いで、歯ブラシをお風呂、運動会を学芸会、スプーンを箸と言ってしまいます。お風呂とサウナが好きです!

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