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買い時はまさに今! “型落ち”ドラム式洗濯機が20万円近くもお得に買えるチャンス到来

長年家電業界を見てきた価格.com編集長が、価格.comが保有するさまざまなデータと、自身の知識・経験をベースに、家電製品の最新トレンドを解説。今押さえておくべき機能やスペックを紹介しつつ、コスパ、性能、ユーザー評価などの観点から、今買って間違いなしの製品を厳選して紹介する。

第22回は、最新モデルの登場で、従来モデルが買い時を迎えるドラム式洗濯乾燥機の最新トレンドについて解説する。

コロナ禍を経ても人気が続くドラム式洗濯機

ご存じの方も多いだろうが、洗濯機には大きく分けて「縦型洗濯機」と「ドラム式洗濯機(洗濯乾燥機)」の2つがある。一般的に縦型洗濯機は、大量の水を入れた洗濯槽を高速に回転させることで激しい水流をおこし、その水流で洗濯物をかくはんしながら洗い上げる方式で、洗浄力にすぐれている。いっぽうのドラム式洗濯機は、横向きに回転するドラムが洗濯物を持ち上げて落とす「叩き洗い」の方式で、使用する水が少なくて済むのと、比較的衣類の傷みが少なくて済むという利点がある。また、ドラム式の場合は、そのほとんどが乾燥機能を備えており、洗濯から乾燥までをワンストップで行えるのも大きな特徴となっている。ただし、その分、本体が大きくなり、価格も高くなる。

【図1】価格.com「洗濯機」カテゴリーにおける洗濯方式の種別の割合(2023年8月時点)

【図1】価格.com「洗濯機」カテゴリーにおける洗濯方式の種別の割合(2023年9月19日時点)

この2つの方式は、いずれも一長一短があるため、どちらがすぐれているとは言えず、価格.comの「洗濯機」カテゴリーでも、一定の人気を分け合っている状況だ。図1は、同カテゴリーにおける洗濯方式の種別の割合を示したものだが、このうち、ドラム式洗濯乾燥機(ドラム式洗濯乾燥機+ドラム式洗濯機の合計値)の割合は4割弱で、この割合は1年前くらいからあまり変わっていない。そのほかは縦型洗濯機に分類されるので、縦型洗濯機とドラム式洗濯機の現状の人気の割合は、約6:4ということになる。

ただし、こちらの割合は数年前までは7:3くらいだったので、ここ数年でドラム式洗濯機の人気は上がってきていると言える。この理由は、コロナ禍で醸成された清潔性への関心の高まりが大きい。縦型洗濯機の場合、多くの場合、乾燥は天日干しになるだろうが、乾燥機能を備えるドラム式洗濯機の場合、この天日干しが不要で、衣類へのさまざまな付着物を防止できる。また、部屋干しによる不快なニオイも防止できるほか、ドラム式で懸案だった洗浄力についても、最近のモデルはかなり高められていることもあり、こうした総合力の高さで、ドラム式洗濯機を選ぶ人が増えているという状況だ。

「指定価格」制による高値のパナソニックが下げ、人気復調の日立、東芝が追いつく三つ巴状態

【図2】価格.com「洗濯機」カテゴリーにおける主要5メーカーの閲覧者数推移(過去1年)

【図2】価格.com「洗濯機」カテゴリーにおける主要5メーカーの閲覧者数推移(過去1年)

では、ドラム式洗濯機の中では、今どんな製品が人気なのだろうか。図2は、価格.com「洗濯機」カテゴリーにおける、過去1年間の主要5メーカーの閲覧者数推移を示したもの。これを見ると、パナソニック、日立、東芝、シャープ、AQUAという順番で人気なのがわかるが、ここ1年でパナソニック、日立、東芝の人気度合いがほぼ拮抗してきており、現状ではこの3メーカーの三つ巴状態となっている。なお、このデータは、縦型洗濯機も含む割合ではあるが、ドラム式洗濯機の状況もほぼこれと同様だと見て問題ない。

なお、この3強の動きを個別に見ると、なかなかに興味深いことがわかる。1年前は首位だったパナソニックについては、この1年でかなりシェアを減らしているが、これは、同社が主に高価格帯の製品で行っている「指定価格」によって、高価なドラム式洗濯乾燥機の価格が下がりにくくなったことが影響している。こちらについては後述するが、競合モデルと比べてかなり割高な価格設定となったことが、ユーザー離れにつながったものと思われる。

次に、パナソニックと並んで2強時代が長く続いた日立についてだが、昨年2022年は、生産工場のある中国で新型コロナに関連するロックダウンが起こり、4〜6月くらいの時期に洗濯機を生産できないという状況が起こった。この影響で、一時期同社の製品が品薄になったほか、新型モデルの投入がかなりずれ込んだことも影響して、春〜夏にかけては落ち込んだが、逆に秋に発売されたドラム式洗濯乾燥機の新モデルが割安に売られたこともあって、年末年始を中心に大きく人気を回復している。

最後は、単独3位をキープしている東芝だが、こちらは2年前のドラム式洗濯乾燥機の大幅刷新によって人気が上昇。当初は価格も高めだったが、徐々に価格もこなれて購入しやすくなったこともあって、ラインアップは少ないものの、比較的好調を維持している状況だ。

新モデルの発売を前に、最大50%以上の価格下落を見せるモデルも

【図3】価格.com「洗濯機」カテゴリーにおけるドラム式洗濯乾燥機・人気5製品の閲覧者数推移(過去1年)

【図3】価格.com「洗濯機」カテゴリーにおけるドラム式洗濯乾燥機・人気5製品の閲覧者数推移(過去1年)

図3は、価格.com「洗濯機」カテゴリーにおける現在のドラム式洗濯乾燥機の人気上位5製品の閲覧者数推移を示したもの。いずれも昨年2022年秋に発売されたモデルとなる。これを見ると、上述のように、日立の「ビッグドラム BD-SX120HL」が、年末年始にかけてかなりのヒットとなったが、その後はやや低迷している。この「ビッグドラム BD-SX120HL」を追いかけるようにして人気を博したのが、東芝「ZABOON TW-127XP2L」だ。年末年始にピークを迎えて以降、やや失速した感のある「ビッグドラム BD-SX120HL」に対して、「ZABOON TW-127XP2L」はさらに人気を集め、ドラム式洗濯乾燥機ではしばらく単独首位の座を確保していた。東芝のドラム式洗濯乾燥機のラインアップは本製品を含めて3モデルのみの展開だが、それでもパナソニック、日立とシェア争いができている理由は、この「ZABOON TW-127XP2L」の人気によるところが大きい。

【図4】価格.com「洗濯機」カテゴリーにおけるドラム式洗濯乾燥機・人気5製品の最安価格推移(過去1年)

【図4】価格.com「洗濯機」カテゴリーにおけるドラム式洗濯乾燥機・人気5製品の最安価格推移(過去1年)

これに対して、モデルチェンジ直前のここ3か月ほどで人気を上げてきたのが、パナソニック「NA-LX129BL」と、日立の上位モデル「ビッグドラム BD-SX120HL」だ。図4は、上記5モデルの最安価格の推移を示したものになるが、「NA-LX129BL」については、上述の「指定価格」によって、最安価格でも30万円のラインはキープし続けていたが、5月くらいから30万円をやや切ることが増え、これをきっかけに人気を上げてきた。なかなか安くはならない本モデルだが、後継モデル「NA-LX129CL」が10月1日に発売されることが決まっており、これとの価格差が現状10万円程度あることから、旧モデルの購入に踏み切る人が増えたものと思われる。

いっぽうの「ビッグドラム BD-SX120HL」については、まだ後継モデルの発表はなされてはいないものの、7月に最安価格が18万円を切ってきたあたりから人気が上昇。売り出し価格40万円の半額以下のプライスとなったことで購入する人が増えてきたものと思われる。直近では16万円台前半の最安価格を付けており、かなりのバーゲンプライスと言っていい。

このように、最新モデルの発売が近づいてきたこの時期、ドラム式洗濯乾燥機の多くは、売り出し価格の半額程度にまで最安価格が下がってくる。「指定価格」制を取るパナソニックは別だが、最新モデルとの価格差が20万円近くなるモデルもあり、この時期はまさに旧モデルの買い時となっている。

【図5】価格.com「洗濯機」カテゴリーの閲覧者数推移(過去2年)

【図5】価格.com「洗濯機」カテゴリーの閲覧者数推移(過去2年)

ちなみに、図5を見るとわかるように、価格.com上で洗濯機の需要が最も高まるのは、過去2年間のデータを見ても、年末年始、特に年明けの時期だ。この時期は、冬のボーナスが出たりして経済的な余裕があることと、正月休みなどで比較的時間に余裕があることから、高価なドラム式洗濯乾燥機の需要期となっているが、この時期になると、旧モデルの在庫が少なくなってくることに加えて、需要期の伸びで実売価格が上がることも考えられる。そう考えると、新モデルの発売前後の9〜11月くらいの時期というのが、ドラム式洗濯乾燥機の旧モデルを安く手に入れられる絶好の季節だと言えるだろう。

コレ買っときゃ間違いない! 価格.com編集長が今注目するドラム式洗濯乾燥機4選

※最安価格とユーザー評価は、いずれも2023年9月19日 時点のものです。

日立「ビッグドラム BD-SX120HL」

BD-SX120HL

価格.com最安価格:168,500円
発売日:2022年9月中旬発売
ユーザー評価:★3.35(14人)

日立が2022年秋に発売したドラム式洗濯乾燥機のラインアップでは、上から2番目に当たる上級モデル。下位モデルの「ビッグドラム BD-SV120HL」もお買い得モデルだが、最安価格の差額で1万円強しかないことを考慮すると、いくつかの性能がプラスされた本モデルのほうがよりお買い得と言える。

日立「ビッグドラム」でおなじみの「ナイアガラ洗浄」「ナイアガラすすぎ」といった機能はもちろん搭載され、温水を使った「温水ナイアガラ洗浄」も行える。洗剤・柔軟剤の自動投入機能も備え、さらに、各種センサーで洗濯時の状況を把握し、AIが自動で最適な洗濯を行う「AIお洗濯」にも対応するなど、最新機能が満載だ。乾燥機能では、人気のシワが付きにくい「風アイロン」機能を搭載。ただし、乾燥機能はヒートポンプ式ではなく、ヒーター方式となるので、競合モデルと比べると、乾燥時の消費電力は大きくなる。このほか、乾燥フィルターを廃し、大容量糸くずフィルターに統合した「らくメンテ」に対応。フィルターレスの効果についてはさまざまな意見はあるが、メンテナンスの手間が省ける点が特徴となっている。

これだけの内容で、発売時は40万円ほどした高価な製品だが、現在の最安価格は50%以上安い16万円台と、驚異的なコストパフォーマンスとなっている。

東芝「ZABOON TW-127XP2L」

TW-127XP2L

価格.com最安価格:228,000円
発売日:2022年9月上旬発売
ユーザー評価:★4.61(23人)

2021年秋に東芝がドラム式洗濯乾燥機を大幅リニューアルして登場させた「ZABOON TW-127XP1L」。その人気を受けて、改良版として登場した第2段モデルが本機だ。微細な泡を洗浄水に溶かし込んで、衣類の奥まで洗剤を浸透させる「温水抗菌ウルトラファインバブル洗浄EX」を搭載。繊維の奥から汚れを落とし、黄ばみを予防するとしている。また水道水をAG+による抗菌水に変えて洗浄することで、雑菌の繁殖を防ぎ、部屋干しのニオイなどを抑制するという。洗剤・柔軟剤の自動投入機能ももちろん搭載。乾燥機能は、消費電力の少ないヒートポンプ式で、大風量ともあいまって7kgの洗濯物を約96分で乾燥可能。洗いにくいものを除菌する「UV温風除菌」機能も備える。操作面では、大画面のワイド液晶カラータッチディスプレイで、操作しやすいのも特徴だ。

こちらも発売時には40万円以上した高価な製品だが、後継モデル「ZABOON TW-127XP3L」がこの9月に発売されたことから、8月には一時20万円台の最安価格を付けた。今はむしろ在庫減少の影響からやや値上がりに転じており、22万円台となっているが、それでも十分にお買い得だ。

シャープ「ES-X11A-L」

ES-X11A-L

価格.com最安価格:194,800円
発売日:2022年11月17日発売
ユーザー評価:★4.10(21人)

シャープが2022年11月に発売したドラム式洗濯乾燥機の最上位モデル。外見に特徴があり、前面全体がラウンドしたガラスデザインと、その上部に浮かび上がる操作パネルが未来的な雰囲気を漂わせる。

洗浄機能では、シャープ独自の「マイクロ高圧洗浄」を採用。水道水を微細な水滴にしてシャワーのように衣類に噴射することで、衣類の傷みを抑えつつ、汚れを効率よく落とせるという。洗剤・柔軟剤の自動投入機能と、フィルターの自動お掃除機能を搭載することから、メンテナンスの手間が減らされているのも特徴だ。また、乾燥機能では、省電力なヒートポンプにサポートヒーターを組み合わせた「ハイブリッド乾燥技術」を採用。乾燥の最後にサポートヒーターを使うことで、カラッとした仕上がりになるという。このほか、シャープならではの「プラズマクラスター」機能で衣類の除菌や消臭も行えるほか、洗濯槽内部を清潔に保つことも可能。スマートフォンとの連携機能も備え、AIがユーザーの好みを学習し、理想の仕上がりに近づける「AI標準コース」も備える。

こちらも発売時には40万円前後だった価格が、後継モデル「ES-X11B-L」がこの9月に発売されたこともあって、最安価格では約半額の20万円弱にまで下がっており、お買い得となっている。

パナソニック「NA-LX113BL」

NA-LX113BL

価格.com最安価格:185,438円
発売日:2022年10月1日発売
ユーザー評価:★4.68(5人)

パナソニックのドラム式洗濯乾燥機のラインアップではボトムを担う洗濯容量11kgのモデル。上述したように、パナソニックはドラム式洗濯乾燥機については「指定価格」制を採用しており、価格が下がりづらい状況となっている。洗濯容量12kgの「NA-LX129BL」が主力モデルではあるが、現状でも30万円を超える高価格帯であるため、20万円以下で購入できるモデルとして、本モデルをチョイスした。

比較的価格の安いモデルではあるが、パナソニックならではの「スゴ落ち泡洗浄」や「はやふわ乾燥 ヒートポンプ」といった機能はしっかり備え、十分な性能を持つ。ただし、洗剤・柔軟剤の自動投入機能は非搭載となるほか、温水洗浄機能も搭載しない。

価格については、発売時が約29万円で、現在18万円台で購入できることを考えると、パナソニック製品としては比較的値ごろ感が強い。後継モデルの「NA-LX113CL-W」が10月1日に発売予定となっているが、性能差は小さいので、7万円ほど安く買える本モデルを今のうちに購入するのも賢い選択だろう。

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鎌田 剛(編集部)

鎌田 剛(編集部)

価格.comの編集統括を務める総編集長。パソコン、家電、業界動向など、全般に詳しい。人呼んで「価格.comのご意見番」。自称「イタリア人」。

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