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洗濯王子に聞く! 意外と知らない洗剤の選び方・使い方

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こんにちは、洗濯家の中村祐一です。みなさんは普段、洗濯洗剤をどのように選んでいますか? 実は洗剤にはそれぞれ得意な汚れや使い方があり、その特性に合わせて使用しなければパワーを十分に発揮できません。そこで今回は、洗剤の力を最大限生すための正しい選び方・使い方についてお話ししたいと思います。

 

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洗浄力の強・中・弱3種類の洗剤をそろえましょう

僕の場合、家庭の洗濯に使用する洗剤は以下の3種類に分けて考えています。

<1> 汚れをしっかり落とす粉末洗剤
<2> 普段使いの液体洗剤
<3> デリケートな服を洗うためのおしゃれ着用洗剤

洗浄力は<1>が一番強く、<2>、<3>と順に穏やかになります。この3種類の洗剤を基本のラインアップとして持っておきましょう。ご家庭にある洗剤がどの位置に入る洗剤なのかを見て、足りないものや特徴がかぶっているものがないかチェックしてみてください。

まずは普段使いの液体洗剤を選ぼう!「液性」と「蛍光剤の有無」に注目

最初に、洗浄力の基準となる<2>の液体洗剤を選びます。基本的にはどれでもOKですが、迷った時はパッケージの裏の成分表で「液性」と「蛍光剤の有無」をチェックしましょう。

液性の欄と、成分の欄で「蛍光剤」の有無を確認。「蛍光増白剤」という表記があれば、蛍光剤が含まれるということになります

まず液性についてですが、ほとんどの洗剤は弱アルカリ性か中性です。弱アルカリ性は中性に比べて洗浄力が高く、中性は弱アルカリ性に比べて衣類にかかる負担が少ないということを頭に入れておいてください。

普段使いの液体洗剤にもしっかりとした洗浄力を求める場合は、弱アルカリ性の表示を選んで使うといいです。実は弱アルカリ性の液体洗剤は水に溶かすと中性に近くなるものが多く、それだけでしっかり汚れを落としたい場合は粉末洗剤のほうが安心。とはいえ、がんこな汚れに洗剤を直接付ける「直付け」(後述)する場合には弱アルカリ性の液体洗剤が最適です。「目に見えるヨゴレ」、たとえば泥汚れや食べこぼしが多いご家庭などに向いています。

アルカリ性の液体洗剤には花王「アタック」やP&G「アリエール」などがあります

アルカリ性の液体洗剤には花王「アタック」やP&G「アリエール」などがあります

 

中性は弱アルカリ性に比べると洗浄力は控えめですが、素材に与える負担が少ないです。「目立った汚れはないけれどニオイが気になる」という洗濯物は中性で十分きれいになると考えてよいでしょう。

最近ではライオンの「ハイジア」「ナノックス」など、除菌効果や消臭成分が含まれた中性の液体洗剤も人気です

 

もう1つ押さえておきたいポイントとしては、パステルカラーや生成りなどの淡い色の衣類は蛍光剤の入っていない洗剤を選ぶということ。蛍光剤は白いものをより白く見せる効果があるため、淡い色の衣類に使用すると色あせて見えてきてしまいます。

蛍光剤無配合のものは、パッケージに目立つように表記されていることが多いです

洗浄力の強い洗剤、やさしい洗剤を揃えます

基準となる液体洗剤を選んだら、その液体洗剤よりも洗浄力が強く、白いものを白く洗い上げる粉末洗剤<1>と、選んだ液体洗剤よりも衣類に優しいおしゃれ着用洗剤<3>を決めましょう。今回は、花王、ライオン、P&Gの大手3メーカーでそれぞれ例をあげてみました。なお、<1><2><3>は同じメーカーでそろえる必要はありません。

まずは花王です。<1>はアタックの粉末。繊維の奥から汚れを落とすバイオ酵素を配合し、白いものを白く洗い上げることができます。<3>はエマール。衣類をトリートメントしながら洗うため、くり返し洗う服の色やシルエットをキープしやすいです。

花王は「アタック」や「ワイドハイター」(漂白剤)といった王道の洗剤を取り揃えており、とりあえず選んでおくと間違いはない印象です

 

次にライオンです。「トップ」の粉末は泥汚れにもパワフルで、まとめ洗いも安心。「アクロン」は、繊維をコーティングし摩擦を防ぐ成分を配合しているので毛玉を抑制します。ニット洗いにいいですね。

ライオンは花王のように王道の洗剤を取り揃えつつ、「部屋干しトップ」「香りつづくトップ」「アロマリッチ」(柔軟剤)など独自のラインアップを強化しています

 

最後にP&G。「アリエール」の粉末は2種類の漂白剤を配合して汚れだけでなく雑菌臭や洗濯槽のカビ対策にも効果的。<3>には、柔軟剤入りでふんわり仕上がる「ボールド」のおしゃれ着用をチョイスしました。

P&Gは「ジェルボール」「50倍抗菌イオンパワージェル」「レノア」(柔軟剤)など、先の2社とはまったく別角度から変化球的に面白い商品を開発しているイメージがあります

使用時は規定量を守る&「つけ置き」や「直付け」を活用

3種類の洗剤がそろったら、後は汚れ具合や素材に合わせて使いこなすだけ。ポイントは、「規定量を守る」ことと「事前の処理も組み合わせる」ことです。

「ニオイや汚れをしっかり落としたい」と、つい規定量よりも多く洗剤を投入してしまう方も多いかもしれませんが、水の量に対して洗剤が溶ける量は決まっています。溶ける量よりも多く洗剤を入れてしまうとすすぎの回数が増えますし、洗剤が衣類に残りやすく、かゆみなどトラブルの元になることも。「規定量」=「最も洗浄力が高い量」と考え、必ず守るようにしましょう。

また、ガンコな汚れは洗濯機だけで落とそうとせず、「つけ置き」や「洗剤の直付け」といった下処理を組み合わせるのが効果的です。「つけ置き」はキレイなぬるま湯に粉末洗剤や漂白剤を溶かし、20分程度つけ込みをしてください。その後、通常の方法で洗濯すればOKです。洗剤の量は種類によって多少前後しますが、お湯1Lに対して小さじ1杯ほど。普段洗濯機で使用する洗濯液の3倍程度の濃さにするといいと思います。

洗浄力や漂白力は温度が高いほど強くなります。40〜50℃くらいのお湯を使用しましょう

洗浄力や漂白力は温度が高いほど強くなります。40〜50℃くらいのお湯を使用しましょう

「直付け」は、靴下やワイシャツの衿袖などの汚れに直接洗剤を付けて落とす方法です。「直付け」後、そのまま洗濯機に入れるだけ。ここでも弱アルカリ性の液体洗剤のほうが汚れ落ちはよくなります。ただし、蛍光剤が入っているものは白くなり過ぎることもあるので注意してください。

固形せっけんでのゴシゴシ洗いや漂白剤のように繊維を傷める心配もなく、色柄物にも使えるワザです

固形せっけんでのゴシゴシ洗いや漂白剤のように繊維を傷める心配もなく、色柄物にも使えるワザです

ちなみに、使用する洗濯機のタイプはそこまで気にする必要はありません。ただドラム式洗濯機は水量が少ないことが多いので、粉末洗剤は溶け残る場合があります。粉末洗剤を使用する場合は、あらかじめぬるま湯で溶かしてから洗剤投入口に入れると溶けやすいですよ。ちなみに、洗剤を衣類の上から直接振り掛ける方法は機種によっては洗剤のパワーを十分発揮できないことがあるので、あまりおすすめできません。

カップに規定量の粉末洗剤を入れ、40℃くらいのお湯で溶きます

カップに規定量の粉末洗剤を入れ、40℃くらいのお湯で溶きます

柔軟剤の選び方・使い方

最後に、柔軟剤の選び方や使い方にも触れておきたいと思います。柔軟剤は必ずしも使用する必要はありませんが、ふんわりと香りよく仕上がる以外にも、静電気を防止するので花粉やホコリを寄せ付けにくくするというメリットも。最近では「水分(汗)に反応して香りが出る」「香りが時間によって変わる」などさまざまなタイプが登場しているので、選ぶのも楽しいですね。柔軟剤を使用すると吸水性が落ちることがあるのですが、吸水しやすいタイプもあります。スポーツウェアや寝具など水分を吸わせたいものにはそういった柔軟剤を使うといいと思います。

時間の経過で香りが変わるP&G「レノアハピネス」、脱水時の水切れがいいため早く乾くP&G「レノアプラス」、水分や汗に反応して香る花王「フレアフレグランス」、名前のとおり吸水しやすく仕上がる「ファーファ 吸水性に優れた柔軟剤」

花王は、香りの指標を5段階でパッケージに記載しているので参考になります

花王は、香りの指標を5段階でパッケージに記載しているので参考になります

柔軟剤の香りを残すためには、洗剤は無香料や香りがきつくないものを選びましょう。脱水が長すぎると柔軟剤の香りが飛びやすくなるので、脱水は3分以下、薄手のものなら1分以下で。乾かす際は乾燥機を使用すると熱や摩擦で香りが飛んでしまうので、なるべく使わないようにしましょう。また、天日干しよりも室内干しのほうが香りを残しやすいですよ。

洗濯洗剤は「どれがよい」ではなく、「どう使うか」

職業柄、「どの洗剤が1番よいのですか?」と聞かれることがとても多いのですが、正直、「1番よい洗剤」というものは存在しないと思っています。服の状態や繊維の特徴によって使うべきものが変わるので、「どれがよい」ではなく「どう使うか」を考えてもらうといいのではないでしょうか。また、今回ご紹介したような「つけ置き」や「洗剤の直付け」といった少しの手間でぐっと洗い上がりに差が出ます。洗剤を正しく選びつつ少しの手間を惜しまないことが、服を傷めずキレイに仕上げるコツですよ。

中村祐一

中村祐一

国家資格のクリーニング師で、洗濯アドバイザー。“洗濯王子”の愛称で呼ばれ、テレビや雑誌などの各種メディアでも活躍中。自身のホームページでも、洗濯に関する相談などを受け付けている。

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2017.9.22 更新
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