パワーは物足りないけれど、飼い主のメリットは大きい!

使用中にウトウト!? 「ペットドライヤー」で“風呂ギライ犬”が半減するかも

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我が家の犬はアレルギー持ち。食べ物だけでなく花粉や芝生などにも反応するため、普段から全身スーツが必須だ。そして、もう1つ必須なのが「こまめなシャンプー」。症状がひどい時期は、週に2〜3回のシャンプーが必要になる。

そんな我が家で数年前から気になっているのが、アイリスオーヤマの「ペットドライヤー PDR-270」(PDR-270)だ。この製品は布団乾燥機のように床に置いて使用可能。自分の手を使うことなくドライヤーの風をペットにあてられるのだ。しかも、なんと価格は5,000円以下! トリミングに行くとシャンプーだけでも5,000円かかってしまう我が犬。節約のためにも、これは試してみなければ!


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布団乾燥機みたいに「置くだけ」のドライヤー

筆者は6年間ドッグカフェを経営していたこともあり数々の犬を見てきたが、多くの犬はドライヤーが嫌いだ。その最大の理由は、あの音。耳のよい犬が、人間でもうるさく感じるドライヤーを好きなわけがない。「ドライヤーは怖くない」と説明したところでわかってくれる相手ではないので、「爆音=危険」と判断し怯えてしまうのだ。不安解消のため飼い主にしがみつこうとする犬もいるが、ドライヤーとブラシを両手に持つ飼い主に、犬を抱っこする余裕はない。そこで犬は「抱っこしてくれないのは、ドライヤーのせい!」と、ますますドライヤー嫌いになるという悪循環……。

PDR-270は、そんな犬が苦手とするドライヤー音を優しくすることで、この音問題を解消。また、ドライヤーを持つ必要がないため、犬とコミュニケーションをとりながら使用できる。まさに「ドライヤー嫌い」のペットのための製品なのだ。

未使用時はホースとアダプターを本体に収納できるため、コンパクト。サイズは、約27(幅)×14(奥行)×34.5(高さ)mm。重量は約2.25kg

人間用のドライヤーと比較。ドライヤーよりだいぶ大きいが、形が四角いので比較的どこにでも収納しやすい

製品上部のフタを開くとホースが格納されている。ホースは蛇腹になっており、55cmまで伸ばせる

製品上部のフタを開くとホースが格納されている。ホースは蛇腹になっており、55cmまで伸ばせる

操作はダイヤルスイッチ1つとシンプル。右に回すと送風、左に回すと温風が吹き出す。強さはそれぞれ風圧を2段階で調整可能

風量はイマイチ……だけど“使う価値あり!”の理由とは?

実際に使用してみたところ、確かに動作音が驚くほど静か! ただし、その分風が弱い。今まで使用していた人間用のパワフルなドライヤーと比較すると、「弱」設定レベルの風といったところ。そして、最高温度に設定してもあまり熱い風が送風されないのだ。

ところが、使い始めこそ不安になったものの使ってみると、予想以上に良好! 風が弱いのでホースを近づけても犬が嫌がらない。普段はコンセントを抜いたドライヤーからもジリジリと逃げ出す我が家の犬なのだが、PDR-270は風が出ている状態でもその場でジッとしている。犬の保定をする必要がないので、ブラシを持っていない左手は自由に動かすことができる。

稼動しているドライヤーの前でブラッシングされる犬。ホースの位置を変えている間も特に逃げたそうなようすもない。犬を押さえる必要がないので犬も飼い主もストレスなし!

友人の愛犬、怖がりなチワワでも試してみました。こちらは最大風量にしたドライヤーの前でゴロン! 手で抑えなくても大丈夫

また、やけどをする不安がないのもうれしい点。実は、一般的なドライヤーの風は、送風口近くでは100℃以上になる場合も。このため、使用する際はドライヤーの先をフルフルと振りながら風を拡散させるか、ドライヤーを肌から離して使用する必要がある。女性には当たり前のこのドライヤーの使用方法だが、普段ドライヤーを使用しない男性は知らないようで、ドッグカフェでは「ドライヤーを同じ場所に当て続けたら、飼い犬に噛まれた」という話を何度か聞いた。飼い主も災難だが、犬も火傷レベルの痛さで大変だっただろう。しかし、PDR-270ならドライヤーになれていない人はもちろん、小学校中学年くらいの子供でも使えそうだ。とはいえ説明書によると、最高温度の理論値は東日本で65℃、西日本で75℃となるという。もし、子供などに任せる際は使用前に温度をチェックしておいたほうがよいだろう。

PDR-270と人間用ドライヤーの風の温度を測定。東京で使用している我が家では、PDR-270では送風口から5cm離れた所の温度は約40℃(写真上)。いっぽう、人間用のドライヤーは80℃以上だった(写真下)

ここまでホースを近づけても熱くない! ピンポイントで乾かせるので便利

ホースを近づけても熱くない! ピンポイントで乾かせるのも便利

ホースの固定でブラッシングがスムース

PDR-270でもう1つ便利に感じたのが、最大で55cm伸びる送風ホースだ。今までも「ドライヤーを固定し、両手を使えるようにするペットグッズ」はあったが、これは送風口の位置は固定されてしまい、乾かす位置を移動させるたびにドライヤーごと位置を変えたり、犬の向きをかえたりと何かと大変だった。

しかし、PDR-270のホースは蛇腹になっているため、適当に角度をつけて固定することが可能。犬にドライヤーをかける際は、一緒にブラッシングをする人が多いだろうが、両手が自由に使用できるPDR-270ならば片手にブラシ、もう一方の手は犬の保定という使い方ができるというわけだ。

ドライヤー中にホースの位置をササッっと変更。左右の位置を変えられるのはもちろん、角度や高さが変えられるのは本当に助かる!

「いつもお腹と脇がなかなか乾かない」というチワワの飼い主は、犬をひっくり返しながらドライ。これも両手が空いていて、ホースが自在に動くからできる芸当!?

我が家の犬は30分過ぎたあたりから飽きて動きたそうになったので、抱っこしながらドライ。両手が自由なのでもつれた毛玉をほぐすのも簡単だ

ただし、ホースに針金などが入っているわけではないので、決めた位置にカチッと固定することはできない。特に蛇腹を伸ばしすぎるとホースがフニャっと倒れてしまうので注意。しかし、これも数度の使用で固定できるコツがわかるようになったので、慣れてしまえば問題ないだろう。

散歩後、足を洗った後にも活躍

風と音が優しいため、同じ場所に風を当て続けられるのも非常に助かる。特にお尻回りと足先がなかなか乾かない犬は多いと思うが、足先の肉球は犬が唯一汗を出すといわれる場所であり、濡れたままにすると雑菌が繁殖しやすい場所でもある。肉球付近を湿ったままにすると、犬が気にしてペロペロなめてただれたり、出血することも……。このため、我が家かかりつけの動物病院からは「散歩後に足を洗う場合は、その後にドライヤーできちんと乾かしてください」と言われている。

ただ、犬の前足は特に敏感なので、風を当てると普通の犬はサッと足をひいてしまう。しかし、PDR-270なら、前足などを手で保定しながら、指の間まで優しく乾かすことができる。「肉球を舐め壊しちゃう」という子には特にむいているのではないだろうか。

肉球の独特のにおいは雑菌の繁殖によるものという説も。抱っこが好きな犬なら、コミュニケーションをとりながらドライできるので、散歩後毎日使ってもストレスが少なそう

人間用ドライヤーの音とはこんなに違う!

ところで、文頭で「音がやさしい」と書いたが、じつはPDR-270は音が小さいだけでなくモーター特有の甲高い音がほとんどしない。説明書によると「犬が聞こえる周波域の音を出さない」のだとか。今回は我が家の犬と、怖がりのチワワの2匹で試したが、確かに“ビビり犬”のはずの2匹とも、まったく音に怯えることがなかった。

音の大きさを簡易的だが比較してみた。PDR-270は47dBで図書館程度の音(写真上)。対して人間用は72dB。イメージとしては、掃除機や騒がしい街頭(写真下)

こちらも簡易的だが、周波数をスマホアプリでチェック。緑がPDR-270で、オレンジが我が家の人間用ドライヤー。人間用は2,000Hzあたりにピークがあるのに対し、PDR-270は高周域が減衰している。メーカーサイトによると、人間は20〜15,000Hzまで、犬は16〜60,000Hzまでの音が聞こえるのだそう

普段は「怖いモノ」に近づかないチワワだが、30分のドライヤー終了後もドヤ顔でPDR-270の近くでお座り

普段は「怖いモノ」に近づかないチワワだが、30分のドライヤー終了後もドヤ顔でPDR-270の近くでお座り

我が家の犬にいたっては、優しい温風とブラッシングが気持ちがよかったのか最後はウトウトと寝てしまった

我が家の犬にいたっては、優しい温風とブラッシングが気持ちがよかったのか最後はウトウトと寝てしまった

大きな犬はサブドライヤーとして利用するのがいいかも

今回PDR-270を使用し、我が家の犬を乾かすのにかかった時間は1時間ほど。実は、普段は30分ちょっとで乾燥しているためドライヤーの時間はほぼ倍になってしまった。ちなみに、我が家の犬は6.5kgほどで小さな柴犬くらいの大きさ。PDR-270の説明書には「20kgまでの犬に」とあるが、正直、もっと毛の多い20kg近くの犬だと、かなり時間はかかりそうだ。

ところが、大型犬を買っている知人たちから「ウチでも使用してみたい」との声が続出。というのも、大きな犬はドライヤーを身体の一部にしか当てられないため、冬はドライヤーが当たらない部分が冷えてしまうのだそう。このため、頭をドライヤーしている間にお尻にPDR-270を当てるといった「サブドライヤー」として使用できたら、とのことなのだ。たしかに、二刀流の使い方なら通常より短い時間で乾かせるうえ、犬の身体を温めることもできる。老犬になると体温調節がうまくいかず風邪をひきやすくなるので、そういった老犬の寒さ対策にもよさそうである。

非常に毛量の多い中型犬サイズの黒柴ちゃんも、二刀流で普段より早く全身を乾かすことができた

非常に毛量の多い中型犬サイズの黒柴ちゃんも、二刀流で普段より早く全身を乾かすことができた

余談だが、じつは筆者はPDR-270で自分の髪も乾かしていた。音が静かなのでテレビを見ながら使用できるうえ、両手が空くので本を読みながら髪が乾かせて便利。熱で髪が傷むこともなさそうだし、「面倒だから今日はタオルドライで寝てしまおう」などという日も、何もせずに寝るよりは髪によさそう。

基本的には風を当てたまま放置するので、ドライ後に髪ツヤツヤ……というわけにはいかないが、自然乾燥よりは髪によさそう

まとめ

我が家の犬は濡れたまま放置すると、肌をかきむしって傷だらけになり、毛質はバサバサ、さらに雑巾臭くなるため、基本的にドライヤーをするのは犬のため。しかし、ドライヤー嫌いの我が犬は「虐待!ひどい!」といわんばかりの被害者顔で逃げようとする。逃げる犬を押さえてするドライヤーは重労働にもかかわらず、さらに愛犬に嫌われるという飼い主にとっては理不尽な作業だった。

しかし、PDR-270を使用してからは犬も飼い主も穏やかな心でドライヤー作業ができるようになった。通常のドライヤーよりは時間がかかるが、お互いストレスがないのでむしろコミュニケーションの時間として楽しめる。ドライヤーが嫌いな犬の飼い主に、ぜひ使ってみてほしい製品だと感じた。

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倉本 春

倉本 春

パソコン雑誌編集者からドッグカフェオーナーという、異色の経歴を経た家電ライター。家電を活用することで、いかに家事の手を抜くかに日々頭を悩ませている。

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2017.10.20 更新
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